『戦魂 -SENTAMA-』の秀吉とねねはバカップル!?
先日配信が開始された、ディー・エヌ・エー戦国シミュレーションRPG『戦魂 -SENTAMA-』。本作では、名だたる声優陣が戦国武将を演じており、ゲームプレイに彩りを与えている。
戦国時代のおしどり夫婦として知られている羽柴秀吉とねねの声は、浪川大輔さんと五十嵐裕美さんが担当。有名な武将とその妻を演じるにあたって、どんなことを意識したのか、おふたりにお話をうかがった。
■浪川大輔(左)
東京都出身。4月2日生まれ。子役として9歳から活動し、アニメだけでなく映画の吹き替えなど数多くの作品に出演。代表作は『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』(アルフレッド・イズルハ)、『君に届け』(風早翔太)、『スター・ウォーズ』シリーズ(アナキン・スカイウォーカー)、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ(フロド・バキンズ)など。
■五十嵐裕美(右)
北海道出身。12月13日生まれ。2008年にア二メ作品デビュー。色白で美しい肌、北海道生まれであることから“ゆきんこ”の愛称で多くの声優ファンたちに慕われており、とくに少年・少女役といった可愛らしいキャラクターの役どころに関しては秀逸と名高い。代表作は『アイドルマスター シンデレラガールズ』(双葉杏)、『パパのいうことを聞きなさい!』(小鳥遊ひな)、『会長はメイド様!』(兵藤葵)、『バカとテストと召喚獣』(小山友香)など。
――戦国時代について、どんなイメージをお持ちですか?
浪川大輔さん(以下、浪川) 僕はもともと、大学受験も日本史でやっていたくらい、戦国時代はもちろん歴史全般が好きだったんです。戦国時代は今とは考え方が全然違う時代で、ある意味刹那的というか、男の方が結構好きな時代なのかな、ってイメージですね。
五十嵐裕美さん(以下、五十嵐) 私は、世界史の勉強は割と好き、正直、日本史はあまり……(笑)。あと、地元が戦国時代にあまり縁がない北海道なもので、この時代についてもあまり詳しくないんです。それでぼんやりとした知識しかないんですが、戦国時代のゲームの女性人気とか、戦国居酒屋みたいなものが世間に増えている印象を見ると、浪川さんとは逆に「女の子たちが好きなんだな」という印象がありますね。
浪川 戦国時代の魅力はどの武将も一日一日を生きていくのが大変で、一瞬でも気を抜いたらやられてしまうみたいな殺伐とした時代な部分でしょう。絶対自分は生き残れないと思います(笑)。
五十嵐 そういう厳しい時代を生き抜いた男の生き様みたいな部分に多くの女性は惹かれるんでしょうね。女性を惹きつける「なにか熱いものがあるんだろう」と思っていましたが、今日その謎が解けました。
――戦国武将やその妻には、どんなイメージをお持ちですか?
浪川 いったいどうやったら武将になれるのかな、と。血筋はもちろんあると思うんです。生まれながらにして家の力があり、親の七光りで武将になって国の主になっていった方もいると思うんですが、羽柴秀吉みたいに最初は有名な家でもなんでもないところから天下人になるケースもある。なんというか……アメリカンドリームに近いのかな。
五十嵐 戦国時代は、男尊女卑じゃないですけれど、「女性は一歩下がって」みたいな感じなのかなって思っていたら、テレビなどで「戦国武将の誰々の妻はこんなことをしていた」というような特集があると、実は女性が強かったという印象も強いですよね。秀吉もそうですけど、当時は複数の女性と関係があるのが普通なこと。そんな時代でも、戦国武将の妻として生きるというのは懐が深いというか、何時の世も女性ってのは強いんだなと思います。だから、戦国武将の奥さんってカッコイイ! という印象ですね。
――羽柴秀吉とねねについてどんなイメージをお持ちでしたか?
浪川 秀吉と同じ時代に生きていたわけではありませんし、ちょっと勉強で覚えた程度の知識とか、逸話やゲームでの扱われ方などでの印象でしかないですが、“猿”と呼ばれる調子のいいヤツっていうイメージですね。そうじゃなかったら成り上がれないのかなとも思う反面、それだけで天下人になれたとはまったく思わない。作品によっては非常に悪いイメージで描かれたりとか、ボスザル的な扱いだったりとかしますし、今回みたいにチャラチャラして調子が良かったりとか、いろんな顔を持っている。どんどん出世して名前も変わっていきますしね。
五十嵐 京都に“ねねの道”という、珍しく奥さんのほうがフィーチャーされてる場所があって、そのことが強く印象に残っています。また、どのゲームでも秀吉とセットで出てくるというか、女性なのによく出てくるなってイメージがあります。それにしても自由恋愛で結婚して、しかもかなり年下の奥さんをもらっておいて浮気しまくるってヒドイ男ですよね? 秀吉って(笑)。
浪川 いやー、ねねは言い伝えがあるように相当な人格者なんでしょう。ねねに任せておけば全部大丈夫だって言わせる雰囲気を持っていたそうなので、ぜひ一度お会いしたいですね。「まあまあ」って言っているのか、「それはダメだ」ってちゃんと言っているのか、どういうふうに振舞っていたのかっていう文献はほとんどないと思うんですが、とにかく素晴らしい人物という評価じゃないですか?
――家臣たちの前で秀吉とねねが尾張弁で大喧嘩したという逸話がありますね。
浪川 それじゃあ、気性は荒かったんだ……じゃあ現代でいうと、ギャップ萌えですね(笑)。それでも、どこか優しい部分があるのかな? 言っていることがまっとう過ぎるというか、戦国武将って言っていることがまっとうじゃない方が多いので、そこで生き抜けたってことはいまの時代でもねねさんは生きていけるんじゃないですかね。戦国時代の女性って、おしとやかでいなきゃいけない、肌もそんなに見せてはいけないとか言われるなかで、自分の思っていることをちゃんと口にして、秀吉とやりあえるっていうのは、女性たちから見てもカッコ良かっただろうし、信頼できる憧れの存在だったのだろうと思います。
――もし浪川さんが秀吉、五十嵐さんがねねだったらどんなことをしたいですか?
浪川 秀吉としては……正直生きたくないなぁ(笑)。だったら信長とか家康の方がいいです。秀吉はそのふたりの真ん中な感じがするんです。信長はもう誰も寄せ付けない魔王のような扱われ方をしていますし、家康はずっと待って待って待ってオイシイところをいただいた。ところが、秀吉は一番頑張って天下を取ったのに病死でしたからね。20代の頃は良い人生を歩んでいて、天下とったらバブルがはじけた感じがします(笑)。海外にも目を向けたのは、かなりやっちゃった感じがしますし、調子に乗り過ぎた部分があったのでしょうか。僕は秀吉として生きるならば、勝って兜の緒を締めるではないですけれども、調子に乗らないようにしたいな。う~ん、でもできないだろうな~。天下とっちゃったらな~。やっぱり調子に乗って病死したいと思います。
五十嵐 私はどっちかって言うと、女遊びされても「うんうん」てできちゃうタイプなので、秀吉とはうまくやっていけるかなと思ってますね(笑)。