現代のゲームサウンド見本市は、LIVEにトークショウに似顔音までも!? 東京ゲーム音楽ショー2015をリポート

2015年2月22日(日)、東京都晴海の晴海客船ターミナルホールにて、ゲーム音楽の祭典“東京ゲーム音楽ショー”が開催された。その模様をリポートしよう。

●「ありそうでなかった」ゲーム音楽とコンポーザーが主役の見本市

 2015年2月22日(日)、東京都晴海の晴海客船ターミナルホールにて、ゲーム音楽の祭典“東京ゲーム音楽ショー”が開催された。


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▲閉会式恒例となった、ファンも撮影可の記念撮影。これだけの豪華コンポーザーが1枚に収められるだけでも大変貴重である。

 本イベントが始まったのは、じつは昨年の2014年。“ゲーム音楽好きに贈る、ゲーム音楽コンポーザーが集う、ゲーム音楽の見本市”をテーマに、「いままで、ありそうでなかった」ゲーム音楽とコンポーザーが主役の見本市がスタートした。

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 音を扱う見本市ならではの、LIVEあり、トークショーありの祭典。2度目の開催となった本イベントの模様をリポートしていこう。


■物販ブースでは、ゆうに100枚を軽く超える音楽CDがズラリ

 当日の空模様は、あいにくの小ぶりの雨に。また、この日の晴海客船ターミナルは貸し切りとなっており、ガランとした静かな光景を放っていた。しかし、会場である4F“多目的ホール”に近づくにつれ、「ドコドコドコ……」と耳慣れた音楽が聞こえてくるのだ。

 高揚する気持ちを抱えながら目的地に到着すると、すでに会場はにじむ汗を感じるほどの熱気とファンでごった返していた。来場したファンのなかには、こんなにもゲームミュージックのファンがいたのかと、驚く人も少なくなかっただろう。


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▲これは物販ステージでの1コマ。スペースに入りきらず、外からトークを楽しむファンの姿も。マイクを通しているので外でも聞き取ることができ、音漏れの状況ながら合いの手も見事に成立していた。

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▲ステージで行われていたのは『まもって騎士』のトークショー。(左から)古代祐三氏、古川もとあき氏、小倉久佳氏、Hiro師匠が登壇し、名刺交換からトークはスタート。この日、物販ステージ1番のにぎわいを見せていた。

 物販スペースとなったロビーエリアでは、ゲームサウンドを制作を手がける企業や、コンポーザー個人をふくめ20のスペースで販売が行われた。これまでコンポーザー個人がM3(音系・メディアミックス同人即売会)やコミックマーケットに出展していた例はあるが、さすがはゲーム音楽とコンポーザーが主役の見本市。好きなコンポーザーの隣もまた、好きなコンポーザーが出展していることがつねであり、「もうどこに目線をやったらいいのかわからない!」と嬉しい悲鳴を上げるような状況となっていた。


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▲『ダンガンロンパ』シリーズなどを手がける高田雅史氏(左)と『聖剣伝説』シリーズなどを手がける菊田裕樹氏(右)のスペースは隣り合わせ。この日は、福田淳氏(中央)も物販に参加しておりファンとの交流を楽しんでいた。

▲ZUNTATAのスペースでは小塩広和氏(左)と石川勝久氏(右)がお出迎え。新旧用意したCDはまとめ買いが多く、なんと最高記録の「全部買い」2万円超えのお買い上げもあったんですと驚きの様子だった。

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▲「ノイズなやつら公開収録はちょっとすべっちゃった……、楽しかったですよ!僕らは!」とはにかんだ表情で教えてくれた、坂本英城氏。収録の模様は2月28日(土)にインターネット上で公開されるので要チェックだ。

▲購入者ひとりひとりと会話をしながら、サインを入れていく坂本氏。イベント自体が少なく、なかなかコンポーザーが表に出ない時代もあったが、こうしてファンとコンポーザーによる想いの交換が当たり前の光景となっているのも、現代ならではといえよう。

 この日は再生産なしの限定プレスを含んだ新旧音楽CDだけではなく、ステッカーやTシャツなど、各出展者が「どうすればファンが楽しみ、喜んでもらえるか?」と前々から考えて準備をしてきた商品が一気にお披露目となった。足を運ばなければ出会えない“見本市”ならではのラインアップは、どれも購入したくてたまらない!


■行った時間帯に必ず何かが起きている! これぞ“祭”の醍醐味

 約8時間の長丁場で行われた本イベントでは、時間帯によってさまざまなサプライズが!


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▲ここはKONAMIのスペース!?  いいえ、違うんです。元コナミ矩形波倶楽部のメンバー、古川もとあき氏(左)、プロフェット深見氏(中央)、TECHNOuchi氏(右)の3名が集結するのはナント20年ぶりとのこと。プロフェット深見氏はFacebookでイベントの存在を知り、飛び入り参戦したんだそう。

▲TECHNOuchi氏(左)のお隣にいるのは、『源平討魔伝』などの音楽を手がける中潟憲雄氏。誘われて飛び入り参加したという中潟氏の姿を見て、驚かされたファン多数。

 また、ほかの時間帯には高橋名人が飛び入り参加し、似顔絵ならぬ“似顔音(お客さんにヒアリングしながらその場で作曲する斬新なサービス)”を展開していた佐野電磁氏の隣でサイン会も行われた。


■菊田裕樹氏のLIVEを聞きながら、古代祐三氏のサイン会に並ぶ非日常感

 物販だけでも大盛り上がりの本イベントながら、見逃せないのが同時進行で行われるホールステージでの演目。大人数でのトークショーとLIVEを中心に展開されますが、ホール後方では臨時サイン会が行われているのだ。


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▲ギタリストの佐々木秀尚氏とユニットを組んでステージに上がった菊田裕樹氏。自身の楽曲が演奏されることは多いが、本人による演奏は超貴重。『かくりよの門』から“両面宿儺”と『コズミックブレイク2』から“WIRED”が演奏された。

▲菊田氏によるパフォーマンスの裏では、古代祐三氏のサイン会がスタート。200枚ほどの整理券が早い段階でなくなり、長蛇の列を成していた。並びながらも音楽を楽しめるとは、なんと贅沢な空間か。

 ギターを中心としたバンド編成が続くLIVEのトリは、ZUNTATAの小塩広和氏による“COSIO DJライブ”。イントロがかかると、バックのスクリーンが上がり、ライトアップされたレインボーブリッジが姿を現した。この演出に、会場のボルテージも上がっていく!


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▲約60分のプレイで会場を沸かせた小塩氏。音に身を委ね身体を揺らすファンの姿も多く見られ、プレイに歓声が飛ぶなどクラブさながらのLIVEとなった。

 多くのレジェンドコンポーザーが集うことが告知されていた本イベントで印象的だったのは、リアルタイム世代だけではなく、タイトル発売当時に生まれてもいなかったであろう若い世代も多くかけつけていたことだ。

 10年、20年、抱え続けていた想いをやっと告白できるファン感涙の場であり、一方受け取った想いはコンポーザーが明日育む音楽の糧となっている。そういった循環がこんなにも近い距離で行われるだけではなく、トークショーでの開発秘話や音へのこだわりは未来のコンポーザーが音楽を学ぶ1日でもあったように思う。


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▲閉会式では、出演コンポーザーと最後まで残った来場者と恒例の記念撮影。

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▲逆に、集結したファンの姿を写真におさめる姿も。写真を確認して、コンポーザー陣も満足顔。

 “見本市”という名称ながら、さまざまな表情を見せる“東京ゲーム音楽ショー”。2016年度の開催にも期待したい。