「ありそうでなかった」ゲーム音楽とコンポーザーが主役の見本市
2015年2月22日(日)、東京都晴海の晴海客船ターミナルホールにて、ゲーム音楽の祭典“東京ゲーム音楽ショー”が開催された。
本イベントが始まったのは、じつは昨年の2014年。“ゲーム音楽好きに贈る、ゲーム音楽コンポーザーが集う、ゲーム音楽の見本市”をテーマに、「いままで、ありそうでなかった」ゲーム音楽とコンポーザーが主役の見本市がスタートした。
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※ゲームサウンドの“見本市” “東京ゲーム音楽ショー”開催 ゲーム音楽好きのための“お祭り”の模様をリポート
音を扱う見本市ならではの、LIVEあり、トークショーありの祭典。2度目の開催となった本イベントの模様をリポートしていこう。
物販ブースでは、ゆうに100枚を軽く超える音楽CDがズラリ
当日の空模様は、あいにくの小ぶりの雨に。また、この日の晴海客船ターミナルは貸し切りとなっており、ガランとした静かな光景を放っていた。しかし、会場である4F“多目的ホール”に近づくにつれ、「ドコドコドコ……」と耳慣れた音楽が聞こえてくるのだ。
高揚する気持ちを抱えながら目的地に到着すると、すでに会場はにじむ汗を感じるほどの熱気とファンでごった返していた。来場したファンのなかには、こんなにもゲームミュージックのファンがいたのかと、驚く人も少なくなかっただろう。
物販スペースとなったロビーエリアでは、ゲームサウンドを制作を手がける企業や、コンポーザー個人をふくめ20のスペースで販売が行われた。これまでコンポーザー個人がM3(音系・メディアミックス同人即売会)やコミックマーケットに出展していた例はあるが、さすがはゲーム音楽とコンポーザーが主役の見本市。好きなコンポーザーの隣もまた、好きなコンポーザーが出展していることがつねであり、「もうどこに目線をやったらいいのかわからない!」と嬉しい悲鳴を上げるような状況となっていた。
この日は再生産なしの限定プレスを含んだ新旧音楽CDだけではなく、ステッカーやTシャツなど、各出展者が「どうすればファンが楽しみ、喜んでもらえるか?」と前々から考えて準備をしてきた商品が一気にお披露目となった。足を運ばなければ出会えない“見本市”ならではのラインアップは、どれも購入したくてたまらない!
行った時間帯に必ず何かが起きている! これぞ“祭”の醍醐味
約8時間の長丁場で行われた本イベントでは、時間帯によってさまざまなサプライズが!
また、ほかの時間帯には高橋名人が飛び入り参加し、似顔絵ならぬ“似顔音(お客さんにヒアリングしながらその場で作曲する斬新なサービス)”を展開していた佐野電磁氏の隣でサイン会も行われた。
菊田裕樹氏のLIVEを聞きながら、古代祐三氏のサイン会に並ぶ非日常感
物販だけでも大盛り上がりの本イベントながら、見逃せないのが同時進行で行われるホールステージでの演目。大人数でのトークショーとLIVEを中心に展開されますが、ホール後方では臨時サイン会が行われているのだ。
ギターを中心としたバンド編成が続くLIVEのトリは、ZUNTATAの小塩広和氏による“COSIO DJライブ”。イントロがかかると、バックのスクリーンが上がり、ライトアップされたレインボーブリッジが姿を現した。この演出に、会場のボルテージも上がっていく!
多くのレジェンドコンポーザーが集うことが告知されていた本イベントで印象的だったのは、リアルタイム世代だけではなく、タイトル発売当時に生まれてもいなかったであろう若い世代も多くかけつけていたことだ。
10年、20年、抱え続けていた想いをやっと告白できるファン感涙の場であり、一方受け取った想いはコンポーザーが明日育む音楽の糧となっている。そういった循環がこんなにも近い距離で行われるだけではなく、トークショーでの開発秘話や音へのこだわりは未来のコンポーザーが音楽を学ぶ1日でもあったように思う。
“見本市”という名称ながら、さまざまな表情を見せる“東京ゲーム音楽ショー”。2016年度の開催にも期待したい。