新システム“シネメーレー”によるライカンとのバトルを初公開

新システムによる戦闘も披露された『The Order: 1886(オーダー1886)』ジャパンメディアセッションリポート_16

 2015年1月27日(火)に、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアにて、“『The Order: 1886(オーダー1886)』ジャパンメディアセッション”が開催された。同イベントでは、本作の開発会社レディアットドーンの創設者であり、CEO、そしてクリエイティブディレクターを務めたルー・ヴェーラスリヤ氏(文中はルー)によるプレゼンテーションやQ&Aセッションのほか、日本初公開となるデモの試遊が行われた。そのイベントの模様をお届けする。

 ルー氏のプレゼンテーションでは、本作の開発経緯として、人類史上に影響を与えた出来事に興味を持ち、そこから「歴史に“if”を足したらどうなるか?」と思ったことが、きっかけになっているとコメント。たとえフィクションであっても、リアルさを求めていくというこだわりを持って制作されたことが語られた。また、リアルなロンドンを再現するために、実際にロンドンに取材に行き、何千枚もの写真を撮影したというエピソードも明らかに。

新システムによる戦闘も披露された『The Order: 1886(オーダー1886)』ジャパンメディアセッションリポート_01

 プレゼンテーションの後には、本作の魅力がたっぷり詰まった実機プレイデモが、ふたつ披露された。

 ひとつ目は 本作のために開発された新システム“シネメーレー”で、主人公であるガラハッドとライカンが近接戦闘を行うシーン。戦闘は、画面に表示されるアイコンを頼りに、敵の攻撃を避けたり、攻撃を行う。一見するとQTE(クイックタイムイベント)のように見えるが、じつはプレイヤーは、アイコンが表示されている以外のタイミングに、自由に移動をしたり、攻撃を行えるとのこと。今回の実機プレイ中には、床に落ちていたパイプを拾って、攻撃を仕掛けるなどの特殊な演出も見られた。このように、QTEとは異なり、多少の制約はあるものの自由な戦いができるようだった。

 ふたつ目のデモは、ガラハッドの小隊が建物内に侵入する場面。ひとつ目のデモと違って、銃撃戦がメインとなるステージになっていた。こちらのデモで注目したいのは、敵のAIの賢さ。たとえば、同じ場所でずっと留まって、攻撃を続けていると、横から回り込んで攻撃を仕掛けてくる。また、ショットガンを持っている敵は、隙を見つけると、こちらに接近を試みようとするなど、所持している武器などによっても、敵の思考が違うように感じられた。

 実機プレイが終了すると、Q&Aセッションへ。これまでに公開されている情報や、今回の実機プレイデモ中の疑問点などが中心となった。質問と回答の内容は以下の通り。

――前半のデモでは、近接格闘で、後半のデモでは、銃撃戦で戦闘を行っていましたが、敵によって戦闘方法が異なるようになっているのですか? それともライカンと戦う場面でも銃を使っての戦闘もあるのでしょうか。
ルー 本編中には、ライカンと銃を使って戦う場面など、いろいろな戦闘方法があります。今回のデモでは、ライカンと近接攻撃で戦う新システムをお見せしたかったので、あのシーンを選択しました。

――E3(※1)などで公開されていたデモでは、サーマイトライフルやアークガンなどの特殊な武器を使用していましたが、今回のデモでは、使用していませんでした。特殊な武器は、使える場面が限定されるのでしょうか。
ルー プレイヤーが、装備する武器次第でもありますし、環境やステージによって、備え付けられている武器が、異なりますので、その状況に合わせた武器を取捨選択しながら、進めていくというスタイルになっています。

※1:エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポの略称。アメリカ最大のゲーム見本市。

――ライカンとの戦闘シーンで、最後はやられてしまいましたが、あそこは、あえて負けてしまうイベントなのでしょうか。
ルー 操作を失敗するとゲームオーバーになります。戦闘には多数の分岐があるので、今回はわざとやられてしまうシーンをお見せしました。だた、先ほどのデモでは、操作に失敗して一撃で倒れていましたが、必ず一撃で倒れてしまうというわけではなくて、ダメージを受けるだけという場合もあります。

――重要な場面では、QTEでの戦闘になることが多いのでしょうか?
ルー 厳密に言うとQTEではありません。“シネメーレー”というシステムになっています。移動も自由に行えますし、攻撃のタイミングも、自分で操作できます。また“ブラックサイト”(※2)を、使用して連続攻撃を行うなど、さまざまな操作が可能になっています。

※2:使用すると時間の流れがゆっくりになり、ピストルで一方的に攻撃を行えるシステム。

――作り込まれた街並みを、自由に見たり歩いたりできるミッションや機能はありますか。
ルー これまで公開してきたデモでは、早いペースで戦闘が展開していく場面が多かったですが、ペースを落として、じっくりと環境を楽しむような場面も数々登場します。本作で目指していたのは、その両方が楽しめる作品で、ゆっくり探索をしていたら、急に戦闘になったりと、ペースの変化を楽しむことができます。

――ゲーム全体のボリュームは、どれくらいになりますか。
ルー プレイヤーが選ぶ難易度やスタイルによって、状況は左右されるんですが、通常のTPSのシングルプレイゲームに該当するようなボリュームを想像していただければと思います。

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▲会場には、イベントやPVなどで使用された関連アイテムが展示されていた。

 Q&Aセッション終了後には、初公開となるデモがプレイできたので、そちらのインプレッションを掲載する。

 デモの内容は、反乱軍の攻勢からロンドンの中心地区であるウェストミンスターを守るというもの。銃撃戦がメインとなり、カバーアクションを駆使しながら、敵を倒していくことになる。ステージ中には、火薬箱なども設置されており、うまく利用すると敵を一網打尽にできる。また、武器もマシンピストル、ライフル、ショットガン、アークガンなどさまざまなモノが登場。その中でも、電流を放つアークガンは強力だが、撃つためには電気のチャージが必要で、すぐに撃てないなどの欠点が存在する。武器は、主武器と副武器をひとつずつしか所持できないため、これらの武器の特徴や状況に応じて武器を切り換えて進むことが重要となりそう。とくにそう感じたのは、ステージ後半に登場する甲冑をまとったショットガン兵が登場する場面。この敵は、甲冑をまとっているため、防御力が高く、ダメージを与えても怯まずに、接近してくる非常に厄介な敵。記者は、この敵に2回も倒されてしまった。その後、なんとかクリアーすることはできたが、かなり苦戦を強いられた。改めてプレイをしてみると、ショットガン兵と戦うときに使用していた武器が重要であることに気づいた。当初はライフルを装備していたのだが、アークガンを使用してみると、比較的簡単に倒せたのだ。このように、敵によっても有効な武器が異なるようだった。

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