ちょっと練習すればすぐに微細な操作が可能
アメリカのネバダ州ラスベガスで開催中のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で、ゲームにも使えるユニークなガジェットを発見した。
一見ルンバっぽい円形のデバイス“3DRudder”は、床に置いて使い、両足を乗せて重心をかけることで3D空間を自在に動くことができる、いわば3D空間のセグウェイのようなコントローラー。現在クラウドファンディングサイトのIndiegogoでキャンペーン中で、110ドルの出資から手に入れることができる。
CES会場でのデモは、簡素な3Dオブジェクトが置かれた空間内を移動するというもので、直進/後退(前/後に重心をかける)、左右の平行移動(左/右に重心をかける)、左右の視点操作(左/右にツイスト)、上下の視点操作(片足をつま先、逆の足をカカトに重心をかける)という4種類の動作を体験可能。「左斜めに曲がりながら直進」といった複合的な動きもでき、空中に視点を向けて直進すれば、地面を離れて飛ぶこともできる。
驚いたのは、ちょっと練習すればすぐに微細な操作が可能なこと。底面に滑らかにカーブがついていることで、足で傾きを把握しながら丁度いい具合に動くことができ、フラットな状態に戻せばピタッと止まる。3Dアクションのような急な動きはさすがに難しいが、想定されているCADや3Dデザインでの視点操作や、ゲームでも『Dear Esther』のようなゆっくりとした動きで歩き回るものなら十分だろう。
個人的には、VRヘッドマウントディスプレイと組み合わせると面白いと思う。VR世界を(コントローラー以外の方法で)“歩く”デバイスとしてはVirtuix社のOmniなどがあるが、過去にお伝えしたリポートを見てもらえばわかる通り、装置が結構大掛かり。こちらは小型なので、格段に採用しやすい。例えば足が少し弱ったご老人に、VRヘッドマウントディスプレイと3DRudderでVR散歩して気分を発散してもらうなんてこともできるんじゃないだろうか?
また健康体の人にとっても、手がコントローラーから自由になるのは新たな体験を生み出す上で大きなメリット。手を使うジェスチャーコントロールなどをプレイヤーの移動入力から解放して、より手ならではの動作(オブジェクトの操作など)に専念させることができる。いろいろ夢が広がるデバイスだった。