完成度がさらにアップ!

 2014年12月22日から28日までの1週間、スクウェア・エニックスの手がけるPC用オンラインゲーム『LORD of VERMILION ARENA』(以下、『LoVA』)の第2回アルファテストが行われた。ゲームバランスの調整にあたり、第1回アルファテストの結果を反映したり、新たに60種の使い魔を追加したりなど、第1回に比べ、ゲームの完成度がさらに向上。開催期間中は多くの熱い対戦がくり広げられたのだ。
 ここでは第2回アルファテストに参加した模様をリポートしつつ、誰でも楽しめる間口の広いタイトルであることを紹介。来年に行われるであろうβテストに向けて『LoVA』のおもしろさが少しでも伝われば幸いだ。

『LORD of VERMILION ARENA』 100種類の使い魔で完成度がさらにアップした『LoVA』第2回アルファテストプレイリポート_01

ゲーム性のシンプルさゆえ、間口は広く、奥深く

 最初に『LoVA』のゲームシステムについて簡単に解説しておこう。
『LoVA』はいわゆるMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ=複数のプレイヤーが参加し、協力して敵チームの本拠地を攻めて勝利を目指す)ライクなゲーム性を持った“マルチ対戦アクション”だ。『LoVA』では7人のプレイヤーが1チームとなり、各プレイヤーが自分の配下となる“使い魔”を召喚。敵チーム本拠地にある“アルカナコア”の破壊を目指して施設の制圧・破壊や戦闘をくり広げる。

『LORD of VERMILION ARENA』 100種類の使い魔で完成度がさらにアップした『LoVA』第2回アルファテストプレイリポート_02
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▲アルカナコアの前にはそれを守る“ゲートキーパー”が、その手前には“ガードタワー”と呼ばれる施設が並ぶ。また、制圧すると味方NPCを生み出す“ミニオンアーク”も重要な拠点だ。これらを順に攻略し、敵陣最深部のアルカナコアに攻め込むのだ。

 ゲームの操作はキャラクターの移動、スキルの使用、フィールド上にあるオブジェクトへの干渉など、どれもボタンひとつ、クリック1回でできる非常に単純なものになっている。チュートリアルもあるため、基本的なゲームシステムはすぐに理解できるだろう。ゲームの目的も15分の制限時間内に敵プレイヤーを多く倒したり、アルカナコアをはじめとする敵チームの施設を破壊するなどして相手の“戦況ゲージ”をより多く減らして勝利を目指したりという非常にシンプルなものだ。ゲームスピードもそこまで早くないので、アクションは苦手というプレイヤーでも問題なく遊べるだろう。

 だがシンプルなゲーム性の一方、同時に4体まで召喚できる使い魔の選択や実際の戦闘における使い魔の運用、戦況の把握、ほかのプレイヤーとのコミュニケーションなど、プレイングの幅は広く、非常に奥深い。やみくもに敵プレイヤーを追うのではなく、フィールドに点在する中立のモンスターや“ミニオン”と呼ばれる敵チームのNPCを倒して使い魔をレベルアップさせたり、召喚に必要な“マナ”を得たりなどのファームも重要になる。基本的にじわじわと戦力を拡大していくことになるが、それだけにうまく敵プレイヤーをハメて一気に殲滅できたときや、スキをついて一気に敵チームの施設を破壊できたときなどの達成感や爽快感は極めて高い。この戦略性の高さと、勝利時に得られる快感が『LoVA』の持つ大きな魅力となっている。

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▲敵プレイヤーや使い魔を倒したときのエフェクトも爽快で、この手で仕留めたという手応えを強く感じられる。

 さらに、自分が召喚する使い魔6体を決めるデッキ構築のバリエーションの豊富さも『LoVA』が持つ魅力のひとつだ。今回のアルファテストでは100種類の使い魔が選択可能で、選びかたにプレイヤーの個性が発揮され、多彩なデッキが登場していた。『LoVA』では敵プレイヤーの撃破役をはじめ、それを回復でサポートする役、相手を弱体化させる役、施設を破壊する役など、チームの勝利への貢献方法はさまざま。プレイヤーは自分の果たしたい役目に適った使い魔を選んでデッキを構築し、ゲームに参加できるのだ。

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▲召喚などの各種エフェクトも非常に美麗。喚び出した使い魔が語るいろいろなセリフを聞いているだけでも楽しい。

 具体的には、使い魔6体で構成されるデッキを用意する必要がある。『LoVA』に登場する使い魔には“人獣”、“神族”、“魔種”、“海種”、“不死”という5つの種族があり、それぞれ異なった特徴を持っている。各種族の大きな特徴は以下のとおりだ。

【人獣】
通常攻撃力が高いアタッカー向けの使い魔が多い。
自己強化のスキルを持つものも多く、シンプルに押していく戦略が得意。
【神族】
HPや防御力が多く、耐久力にすぐれたタンク適性が高い。
防御的な効果を持つスキルにより、とにかく敵にやられにくい。
【魔種】
スキルによって高い瞬間火力を叩き出す攻撃に特化。
その代わり、通常攻撃力やHPなどはやや低めになっている。
【海種】
自身や味方チームの使い魔を回復したり、ステータスを強化するなどサポート役をこなせる。
攻撃力は低いが遠距離攻撃は得意。
【不死】
各種ステータスは低めだが、トリッキーなスキルで敵をテクニカルに翻弄できる。

 また、プレイヤーがオリジナリティーを発揮できるのはデッキ構築だけではない。複数ある種族からアバターとなるキャラクターを作り、武器や防具などの装備品で見た目のカスタマイズもできる。防具は見た目が異なるだけだが、武器には片手剣・大剣・杖の三種類があり、それぞれ攻撃範囲などが違うため、ここでもプレイヤーの個性が垣間見えることになる。

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▲人型の種族“ヴァ―ミリオン”と、獣の姿をした“ライズ”から種族を選択できる。現段階では非公開になっている種族もあり、今後の実装が待たれるところだ。

第2回アルファテストに触れて

 ここからは、実際に第2回アルファテストに参加したプレイリポートをお届けする。記者はまったく上手なプレイヤーではないが『LoVA』のおおまかな雰囲気が伝われば幸いだ。

 最初は人獣と魔種の混合デッキでプレイしてみることにした。どちらもアタッカー適性の高い種族であり、人獣の《アリス》と魔種の《ダークアリス》をいっしょに使うことで双方がパワーアップするというわかりやすいシナジーがあったからだ。これで6枚のデッキのうち2枚が決定。種族がふたつのデッキだと対戦開始時にもらえるマナは35。《ダークアリス》のコストが20なので、10コストの使い魔も1体入れることにする。ここでは新カードの《アマイモン》を選択。あとは中間コストの使い魔と第1回アルファテストで大活躍した《バハムート》を入れてとりあえずデッキを完成させた。

 ゲーム序盤は《ダークアリス》と《アマイモン》を召喚してミニオンアークの制圧に向かったり、ミニオンを倒して経験値とマナを稼いだり。《アマイモン》のスキルが高威力でサクサクとモンスターを倒せたが、少し打たれ弱く、すぐに倒されてしまう。そこで、味方といっしょに行動して《アマイモン》に敵のターゲットがいかないようにしながらファームを進めた。やがてマナが溜まったのでホームプレイスに帰還して《アリス》を召喚。

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▲《アリス》と《ダークアリス》が揃うと本領発揮。アナログのトレーディングカードゲームなどとも共通するが、対戦開始前から、どういうプランで戦力を展開していくかを考えるのが大切になりそうだ。

 ふたりの《アリス》が揃ったところで敵プレイヤーに攻撃してみることにした。ミニオンアークを奪いに来ていたプレイヤーを襲撃し、味方プレイヤーのいるほうに追いやりつつ《ダークアリス》と《アリス》のスキルでダメージを与えて撃破!

 今回はたまたまうまくいっただけかもしれないが、「この組み合わせは強いんじゃないかな?」と思っていた組み合わせが強いと非常に爽快だ。このように何度か対戦に挑み、《ダークアリス》と《アリス》のコンボは強力だということがわかった。また、半ばコスト調整のためにデッキに入れていた《アマイモン》もコストに比して高い攻撃力を持っており、結果的にデッキ全体の攻撃力が高く、敵プレイヤーの殲滅役をある程度こなすことができた。

 ただ、弱点もいくつかある。まず《アリス》たちのスキルの射程距離がやや短いことが挙げられる。敵に接近しないと攻撃できないので、それまでに敵から攻撃を受ける機会も多く、そうなるとHPの低さが災いして死滅してしまうことも多かった。この弱点のカバーには、相手を引き寄せる能力を持つ《ミリア》を投入したり、アルティメットスキルを変更したりすることで、ある程度対処できそうだった。このように組んだデッキを調整していくのも『LoVA』の醍醐味と言えるだろう。

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▲攻撃役としてはある程度働けた感じはあったが、打たれ弱さが課題だった。攻めているときはよくても敵に追われる展開では何もできずに死滅することも多く、戦況の把握などプレイヤーの腕も鍛えなくてはならないと感じた。

 続いてヒーラー的な立ち回りができる海種デッキを作ってみた。海種の主力はコスト40の《コノハナサクヤ》だろう。前方の広範囲を回復させるスキルを持っており、味方のサポートにはうってつけだ。今回はさらに、周囲の味方ユニットの防御力を上げる《マルドゥク》、同じく回復スキルを持つ《バアル》も入れて徹底的にサポート役に回ってみることにした。序盤はダメージを軽減するシールドのスキルを持つ《みずち》などで耐久力を補いつつ、モンスターやミニオンを倒してマナを溜め、《コノハナサクヤ》などを喚び出せるようにして、中盤以降はサポートに回るという作戦だ。

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▲攻撃的なスキルはほぼなく、後方支援に徹する形のパーティ。戦闘力がないので、とにかくほかのプレイヤーといっしょにいることを意識してプレイした。このように、種族ごとに立ち回りが異なるのも『LoVA』のおもしろいところだ。

 海種デッキは支援役ということもあり、ほかのチームメンバーがいてこそのデッキなので、ほかのデッキよりもさらにプレイヤーのコミュニケーションが重要になる。とくにこちらが支援役であるということを知らないプレイヤーといっしょに行動しているときがそうだ。こちらは「サポートするから敵に突っ込んでくれ」と思っていても、敵の少し前で動きを止めたこちらを見て、味方も足を止めてしまうということも多かった。こうしたプレイスタイルを望むなら、ラジオチャットだけでなく、手打ちのチャットも使うなどして味方と歩調を合わせる必要がありそうだった。

 また、味方プレイヤーのHPはつねに確認できるが、連れている使い魔のHPはかなり接近しないと確認できないため、ある程度は危険を冒して戦闘地域に近づかなくてはならないところも海種デッキの難しいところ。回復スキルのクールタイムはそこまで長くないが、連発できるほどではない。そのため範囲指定型のスキルなどをうまく味方を範囲内に収める必要があり、思った以上に細かい操作が求められ、非常にやり応えのあるデッキだった。

 さらにチーム内に海種が多すぎるとチーム全体の攻撃力が低下するので、サブのデッキも用意しておき、ほかのプレイヤーのデッキを見て、サブのデッキを持ち出すという臨機応変さも求められる。そのぶん、うまく立ち回れたときはチームのデス数が目に見えて減るため、勝利したときの快感もひとしお。非常にやり応えのある種族で、今後も使っていきたいと思った。

1戦15分の手軽さが病みつきに

 というわけで『LoVA』の第2回アルファテスト期間があっというまに過ぎた。

 オンラインでマルチプレイと言うと、「覚えなくてはならないセオリーが多く、初心者お断り」という雰囲気のゲームもある。しかし、この『LoVA』に関しては、入り口となる基幹のゲームシステムが非常にシンプルに作られているため、チュートリアルを経て2、3回対戦すればすぐに基本を飲み込めるほど。これまでこうしたジャンルのゲームを遊んでこなかったプレイヤーも楽しめるように作られていると強く感じた。かといって底が浅いということはまったくなく、むしろゲーム中のプレイングやデッキ構築など、やり込むための要素は非常に豊富に用意されている。また、1戦が15分と短い時間なので、思いついたことをすぐ試して遊べるのもいいところ。

 今後『LoVA』はβテストに移行すると考えられるが、今後ふたたびテスターの募集が始まったときは、ぜひとも応募してみてほしい。すでにマルチ対戦アクションで遊んでいるプレイヤーはもちろん、これまでちょっと難しそうだと二の足を踏んでいたプレイヤーも、まったく新しいゲーム経験ができるはずだ。