ホロデッキ風表現も自宅で行けます!

 ハワイで開催中のユーザーインターフェース系の学会UISTで、マイクロソフト・リサーチの技術デモ“RoomAlive”が発表された。
 RoomAliveは、深度付きカメラとプロジェクター複数台を使って、家具込みでその部屋の形状を考慮に入れた高度なAR(拡張現実)表現を行えるというもの。壁や床に投影されたオブジェクトを触ったり撃ったりするだけでなく、そこからの攻撃を避けたりするコンテンツも可能で、部屋そのものがARゲームのための空間となる。

 使用するのはPCと、研究チームが“Procam”と呼ぶ、深度付きカメラ(というかKinect)とプロジェクターを組み合わせたセットで、参考例では5.5メートル×3.65メートルのリビングルームの壁3面と床を6台のProcamでカバー。セット後のキャリブレーションと部屋の認識は自動で行われ、一般の人が簡単に設置できるとしている。

複数のKinect+プロジェクターでどんな部屋でもAR空間にしちゃう、マイクロソフト・リサーチの技術デモ“RoomAlive”_01
複数のKinect+プロジェクターでどんな部屋でもAR空間にしちゃう、マイクロソフト・リサーチの技術デモ“RoomAlive”_02
▲深度カメラ(実験では初代Kinectを使用)とプロジェクターを組み合わせたものを1セットとして、室内をカバーするように複数セットを置く。この例では3面の壁と床を覆うために計6セットを設置。
複数のKinect+プロジェクターでどんな部屋でもAR空間にしちゃう、マイクロソフト・リサーチの技術デモ“RoomAlive”_03
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▲キャリブレーションは一台ずつ自動で行われる。
▲セットアップが完了すると深度情報などを元にその部屋のモデルが作成される。
▲データはゲームエンジンのUnityにインポートされ、利用できる。

 映像で4種類のデモの様子が公開されており、部屋を「スタートレック」のホロデッキの起動前っぽいサイバー内装にしたり、屋外にして雨を降らせたり、ゴキブリを這わせたり、キャラクターを登場させて戦ったり、吹き矢のトラップを避けたりと、いずれも内容自体はシンプルなのだが、発展した先でどんなことができるか想像すると楽しい。まぁ、電気代は結構かかりそうですけど。

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▲“Setting The Stage”は、室内のプロジェクションマッピングを行うデモ。工場風にしてみたり、虫を這わせたり、雨を降らせたりといったことも可能。
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▲“Whack-A-Mole”は、床や壁から湧いてくる敵を倒すデモ。足で踏んだり、叩いたり、赤外線つきのガンコンで撃ったり、倒し方は自由。
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▲“Robot Attack”は、兵士を操作してロボと戦うデモ。コントローラーで動かすことができる。
複数のKinect+プロジェクターでどんな部屋でもAR空間にしちゃう、マイクロソフト・リサーチの技術デモ“RoomAlive”_11
複数のKinect+プロジェクターでどんな部屋でもAR空間にしちゃう、マイクロソフト・リサーチの技術デモ“RoomAlive”_10
▲“Trap”は、唐突に登場する罠を避けるデモ。避け遅れて吹き矢に当たると、ダメージエフェクトがプレイヤー自身にオーバーレイされる。