日本のe-sports文化の活性化に注力するロジクール

 まず、イベントのスペシャルゲストのひとりめとして、同社のクラスターカテゴリーのマネージャー古澤明仁氏が登壇し、e-sportsの説明とともに、ロジクールのe-sportsへの取り組みを語った。

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▲ロジクールのクラスターマーケティングマネージャー・古澤明仁氏(写真右)。前日のステージとは打って変わって軽快なGマーク入りの衣装だ。
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▲ステージの冒頭では、e-sportsを説明するムービーが上映された。

 e-sportsは、ビデオゲームを通じて、反射神経など人間の持つ能力を引き出し、最大限に活かしてプレイする競技。古澤氏は、「日本はまだまだe-sports先進国とは言えない。世界に遅れを取っている。我々としては今年を“e-sports元年”と題し、e-sportsの盛り上がりや広がりのために活動していきたい」と熱い思いを語った。
 なぜロジクールがいまe-sportsの活動に取り組もうと思ったのか? という問いに対しては、「日本ではまだサービスが行われていない『LEAGUE OF LEDENDS』(以下、『LoL』)をはじめとする海外の有名タイトルが、日本でも数多くプレイされているということは確認していた。それと同時に、ゲーミングデバイスが収益を上げている。そうしたトレンドから、我々としてはいまのe-sportsのマーケットを盛り上げる意味で、投資していかないといけないと感じた」とコメント。

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▲ロジクールは、1年ほど前からe-sportsに関する活動を展開。これまでに“LJ LEAGUE”や“JCG”など、『LoL』の大会のメンスポンサーを務めている。
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▲観戦者の興味を惹きつけるようなカリスマプレイヤーの育成にも注力。日本のチームが海外で活躍できるような環境作りも行っている。

日本e-sports界の一大ムーブメント“LJ LEAGUE”を知る!

 続いて、スペシャルゲスト第2弾として株式会社 SANKO代表取締役の鈴木文雄氏と、LJ LEAGUEの専属実況者eyes氏が登場し、LJ LEAGUEに関しての質疑応答が行われた。以下は、その質問と回答をまとめたものだ。

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▲鈴木文雄氏(写真左)とeyes氏(写真右)。

◆なぜLJ LEGUEを始めたのか?
鈴木文雄氏(以下、鈴木) 私たちは3年前からe-sports事業を立ち上げていまして、おもにe-sports施設の運営など、大小問わずにe-sportsイベントを事業としてきました。そのなかでも、プレイヤーの数、実況の配信数、視聴者数、観客の数という面で、とくに『LoL』の盛り上がりをここ数年で感じております。日本でe-sportsを普及させるためには『LoL』というタイトルの重要性が高いと感じ、昨年6月のE3に出向いてRiot Games様と会わせていただきました。そこで日本のe-sports普及のために『LoL』が必要だから、ぜひ日本でやらせてくださいと強く訴えたところ、盛り上げてくれるのであればどんどんやってくれと、との答えをいただきましたので、LJ LEAGUEが計画されたわけです。そして昨年のちょうどいまごろに、現在参戦しているチームの選手とマネージャーに集まっていただき、相談をして計画にご賛同いただき、今年2014年の2月からLJ LEAGUEをスタートさせました。

◆立ち上げで苦労した点は?
鈴木 お金の集めかたや実況のスタイルなど、さまざまな悩みがありました。そのなかでDetonatioNさんのチームマネージャーに相談したところ、「日本で『LoL』の実況といえば
eyesではないか」とご紹介されたわけです。わざわざ私と面接するために試合も組んでいただき、そこで実況も実際に拝見したところ、その熱さに感動。地元の岡山から東京まで来ていただき、専属実況者をお願いしたしだいです。スポンサーに関してもいろいろと営業をしていたのですが、1年前からお世話になっているロジクールさん、ライフカード Vプリカさんにご快諾いただき、ここまでやってこれました。1年前にはまさかこのような舞台に立てるとは思っていませんでしたが、いまは感謝の気持ちでいっぱいです。

◆LJ LEAGUEとは、いったいどんなものなのか?
eyes氏(以下、eyes) LJ LEAGUEは2014年からスタートした『LoL』のトップリーグです。LJ LEAGUEには3つのvisionがあり、ひとつはこのリーグの中から世界チャンピオンを獲るチームを出したいということ。ふたつ目はプロフェッショナルリーグになること。最後に日本でのe-sports文化の定着をさせたいというvisionがあります。リーグに参加するのはトップの4チームですが、過去にe-sports SQUAREで大会を行って優勝した3チームを招待させていただいております。そのチームが、DetonatioN FM、RascalJester、Ozone Rampageです。最後の4チーム目には、今年LJ LEAGUEが開催される前に大会のトーナメントを開き、優勝チームの沖縄のトラを選出して、日本でトップ4強のチームだと断言してやらせていただいております。

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◆リーグはどのように進行するのか?
eyes 各シーズンは24試合を戦うグループステージで、シーズンごとに順位を決め、順位に応じたシーズンポイントを付与します。WINTER、SPRING、SUMMERというシーズンを約2ヵ月間ずつ、全体で約6ヵ月間、グランドファイナルに向けて戦っていただきました。この3つのシーズンでシーズンポイントが高い2チームが“LJL GRANDCHAMPIONSHIP”に進出して、日本のトップを賭けて戦うというわけです。賞金総額はなんと100万円と、規模の大きいリーグになっております。

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◆その4チームが日本の4強と言い切れるのか?
eyes ひとつのシーズンが終わった後、つぎのシーズンが始まるまで新しいチームを募集しています。LJ LEAGUEの言う4強に参加したいチームですね。そのチームが集まり、優勝したチームだけが参加権を得るというトーナメント大会を、シーズンごとに開いています。そのなかで、各シーズンで最下位のチームと、そのトーナメント大会で優勝したチームが戦い、勝者がつぎのシーズンのLJLEAGUEに参加できるというサバイバルマッチを行って参加チームを決めているので、本当に選ばれたチームしか参戦できないというわけです。

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 なお2014年に行われたLJ LEAGUEでは、WINTERシーズンで優勝したRscalJester、SPRINGとSUMMERシーズンで優勝したDetnatioN FMが、LJL GRANDCHAMPIONSHIPに進出。この GRANDCHAMPIONSHIPは、9月20日のロジクールのイベントブースにて開催される。気になる人は現地まで足を運び、実際に会場の熱気を味わってみよう。

Riot Games日本法人代表の乙部一郎氏がメディアの前に初登場!

 イベントの最後に、スペシャルゲスト3人目となる、Riot Games LLCの社長兼CEOの乙部一郎氏が登壇。今年4月にRiot Gamesの日本進出が発表されたものの、いままで表舞台に姿を現さなかった乙部氏がついに登場するということで、会場はざわめき立った。

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▲いままで表舞台に現れなかったことに対し、乙部一郎氏(写真右)は「隠れていました」とジョークを飛ばし、会場を沸かせた。

 会場の注目が高まるなか、続いて乙部氏への質疑応答が行われた。以下は質問と回答をまとめたものだ。

◆Riot Gamesはどんな会社?
乙部一郎氏(以下、乙部) Riot Gamesは2006年に『LoL』を開発するために設立された会社で、プレイヤーの方を大切にしようという心を持って作られています。じつはプレイヤーという言葉にこだわっていて、カスタマーやユーザーと言わずにプレイヤーと言いましょうというのが、この会社のルールなんです。これは、お金を払ってくれる人だけを大切にするのではなく、遊んでいただいている方々全員を大切にしたいという思いと、道具ではなくエンターテインメントなので、ユーザーではなくプレイヤーという言葉を使おうという思いが込められています。

◆Riot Gamesならではのこだわりは?
乙部 Riot Gamesは、じつはゲーマーしか雇わない会社なのです。社員は全員ゲーマーです。ゲーマーであるプレイヤーが何を求めているかということを自分でわかる人間が作り、サービスするということを心がけている会社です。

◆『LoL』はどんなゲーム?
乙部 先ほどからお話をされていたe-sportsを目指して開発されたゲームです。5人対5人で、毎試合ゼロから始まり、頭と腕を使って勝負するという、スポーツのようなゲームですね。今回は紹介ムービーを作らせていただきました。日本のRiot Gamesの初めての作業だと思うのですが、それをいまから見ていただければと思います。

 その回答の直後、イベントブースの巨大スクリーンに日本版のムービーが上映された。内容は『LoL』の特徴、ルールを日本語で簡単に説明したものであったが、日本のRiot Games初となるムービーだけあり、会場の注目を集めた。

●「リーグ・オブ・レジェンド」とは

◆乙部さんは1日に『LoL』を何戦行っている?
乙部 1日10戦ぐらいやっていますね。人によって試合を行っている数は違うと思いますが、Riot Gamesでやらない人はいないと思いますね。

◆『LoL』のプレイ時間は業務に含まれる?
乙部 新人の社員研修の初日は、ゲームプレイで始まります。下手だと恥をかきます(笑)。ちなみに、社員の中には上手いプレイヤーも多いですよ。創業社長の秘書の方など、ものすごく上手いですね。会社のトップの方も非常に上手いんです。

◆世界で『LoL』の実績は?
乙部 1年ほど前のデータですが、月間でプレイしていただいている方の数が6700万人。1日当たりでは2700万人で、ほぼ皆さんが2日に1回はプレイしているということになりますね。

古澤 ゲームって、やりきってしまうと飽きてなかなか手が伸びませんよね。じつは僕もその2700万人の中のひとりなのですが、『LoL』は同じフィールドで戦っても、同じ経験というものがありません。いい意味で中毒性があって毎日楽しんでいます。

乙部 本当にスポーツなので、ゴルフをやっているのと同じ感覚で、上手くなればなるほど新しいチャレンジが見えてくるんですよね。

◆最後に日本の『LoL』ファンへ向けてひと言お願いします
乙部 タイミングはまだ言えませんが、日本でのサービスを始めるべく一生懸命がんばっています。日本語で、日本のサーバーでプレイできるような環境を一日でも早く皆様にお届けしたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

『LoL』の日本サーバーの話題が出た直後、会場からは本日いちばんの拍手が巻き起こった。最後に「ちなみに、人員を絶賛募集中です(笑)。我こそはというゲーマーの方は、ぜひ応募してみてください!」とコメントし、大盛況のままイベントは幕を閉じた。
 日本での『LoL』のサービスが言及され、e-sportsともども注目が高まるばかり。今後の展開に期待したいところだ。