グッズ物販や資料展示にファンが殺到
2014年8月17日、東京の秋葉原ハンドレッドスクエア倶楽部にて、サイバーコネクトツーが“CC2 サマーキャンペーン 2014”を開催した。これは同社の夏恒例のイベントで、当日会場ではグッズの物販や設定資料の展示がなされたほか、サイバーコネクトツー代表取締役の松山洋氏とバンダイナムコゲームスのクリエイターによるスペシャルトークショーも行われた。さっそくその模様をレポートしよう。
会場には、100名前後のファンが来場。まずは物販整理券が配られ、あっという間に物販コーナーは長蛇の列に。売り場には『.hack』シリーズ、『ギルティドラゴン罪竜と八つの呪い』、『Solatorobo それからCODAへ』などの商品を中心に20種類以上が並び、たいへんな賑わいを見せていた。
また展示コーナーには、『テイルコンチェルト』設定資料、切り絵画家・佐藤敦弘氏の切り絵作品、『ドットハック セカイの向こうに +Versus』設定資料などを多数展示。こちらもグッズ物販に負けず劣らずの熱気で、多くのファンが資料の数々に見入っていた。
テーマを設定してトークイベントを開催
開場からおよそ30分後、いよいよ注目のスペシャルトークショーがスタート! まずは司会進行役として松山洋氏が登場したのち、ふたりのゲスト――バンダイナムコゲームスの内山大輔氏と原田勝弘氏が紹介された。松山氏の冒頭のあいさつによると、「おふた方とはもちろん接点はあるんですが、じつは3人で揃うのは初めて」とのこと。これはもしや、貴重な話がいろいろ飛び出すのでは……!? 期待が高まる。
トークショーは、決められたお題に沿ってトークセッションするというスタイルで進行。まず最初にモニターに映し出されたお題は、“内山さん×CC2”で、内山氏とサイバーコネクトツーとの関わりが語られることとなった。内山氏はもともと、バンダイとナムコが統合する前の、バンダイ時代からゲーム事業に関わっていた人物だ。松山氏の「最初はどんなお仕事を?」という振りに対しては、「最初に担当したのは『ドラゴンボールZ Ultimate Battle 22』。プレイステーションが出たころで、PS対SS(セガサターン)という熱い時代。その後も、キャラクターゲームに多く関わったね。『北斗の拳 世紀末救世主伝説』もそう」とコメント。それを受けて松山氏は、「ちょうどそのあたりから組み始めて。だから最初は、「『北斗の拳』の内山さん」でした」と当時の思い出を語った。ちなみに初対面の出会いのシーンは、松山氏によると「ゲームショウの楽屋で紹介されたんですが、内山さんは『封神演義』のコスプレをしてた(笑)」そうだ。
そんな内山氏も、いまはマネジメント職として部下を見守る立場で、タイトルを直接担当することはなく、全体を統括しているらしい。松山氏との仕事も、『.hack』シリーズ初代作を担当したが、その後に後輩に引き継ぎしたパターンが多いようだ。「もともとシリーズの立ち上げに魅力を感じていたんですよ。『NARUTO-ナルト- ナルティメット』シリーズも、『1』を立ち上げて売れたので、『2』は後輩に引き継ごうと思って。『ドラゴンボールZ』シリーズもそうですよ。PS2で出た『Z1』から『Z3』までは自分でやってうまくいったので、つぎのシリーズは後輩に渡しました。自分だけで長くやるつもりは、もともとなかったんです」と語った内山氏。意外な裏事情に驚く中……、さてつぎは、原田氏の出番!
ふたつ目のお題は、“原田さん×CC2”。ここでモニターに映った、原田氏とCC2との関わりを見て、会場は大爆笑。なぜか? ゲームタイトルは1作品だけで、あとは松山氏のスクール水着写真と、ふたりが遊んだサバイバルゲームの写真だけだったから! どういうこと?
松山氏と原田氏の接点は、PS3の『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム2』。その背景を、原田氏がまず語ってくれた。「『NARUTO-ナルト-』を描いている岸本先生が、『鉄拳』ファンだということで、たとえばキャラデザのコスチュームなどをお願いできないかと連絡したら、2時間後くらいにファックスでデザイン画が届いてビックリ!」。続いては松山氏。「岸本先生がせっかく、『鉄拳』のラースってキャラのコスチュームデザインをしてくれたのなら、親和性もあるし、『ナルティメットストーム』に出させてもらおうかとなり、そのときに、原田さんに監修をお願いしたんです」。
受けた原田氏は当時を思い出し、「松山さんは海外のイベントとかで、前から知ってはいたんですが、あまり話もしてなくて。CC2にどれくらいの技術があるかもわからなかったので、じゃあデモを作ってくださいと。で、デモの最初の5分くらいの映像を見て、「うん!」って言って……。でもじつはそれ以外何もしてません。クオリティーが高かったので、サイバーコネクトツーは俺がゴチャゴチャ言うと逆に悪くなっちゃうタイプだと思い、むしろ全部任せると言ってやってもらったほうが良いものになるだろうと判断したんです。その後も定期的にビデオやコンテがちょいちょい来て、OKって返信するくらいで……。だからのべ仕事時間は、3時間半くらいですか」。なんとタッグでの仕事時間は、たったの3時間半と判明!?
続いてはゲームとは無関係ながら、トークで出た話題の報告を。まずは松山氏のスクール水着の件。これはCC2ファンなら目にした人も多いかもしれないが、松山氏がスクール水着を着た写真をTwitterにアップした事件で、じつは仕掛け人は当日のゲストの原田氏だ。要は単純なイタズラで、原田氏が「名前や住所を松山さんにして送った」結果、送り主が自分という謎のスクール水着が、松山氏本人に届くことになり、その水着を松山氏がなぜか着て、Twitterにアップする事態に……!
松山氏いわく「水着を買った覚えはないし、もらう意味もわからない。でも触ってみたら、コイツ、伸びるぞ! って思って……」。この返答を受けた原田氏は、「でも、差出人不明の水着を着るバカいますか?」と返して、会場は笑いの渦に包まれた。なお当日は併せてフリップでサバイバルゲームの写真も公開。松山氏、原田氏ともに、サバゲー初体験とのことで、リポートが9月に週刊ファミ通本誌でいずれ紹介される予定。お楽しみに!
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後半はより深いテーマにも真面目に迫る?
トークショーは後半に突入し、お題は“最近のBNGI”についてということに。昨年からレーベルは“BNG”に統一されて、あまりバンダイ系、ナムコ系といった仕切りはなくなってきたとのこと。バンダイナムコの「スタジオ」・「ゲームス」部署のさまざまな関係など、いろいろと生々しいお話も出てきたが、さすがにそのあたりを詳しくお伝えするのははばかられるので……当日に話を聞けた参加者はラッキー!?
そしてフィナーレは、“20周年を迎えるCC2について”がテーマ。原田氏はその成長をこう語った。「『鉄拳』は8割5分くらいが海外で、海外出張が多くて海外メディアと話すじゃないですか。そのなかで7年くらい前から急に、CC2の話題を記者が言うようになってきたんです。たぶん『NARUTO-ナルト- ナルティメットストーム』シリーズで世界的評判が上がってきて、みんなが「日本のアニメを超えた」と評価して。「お前はバンダイナムコだから彼のことを知ってる?」みたいなことで、よく聞かれるようになって、すごくCC2は大きくなったなという印象がありましたね」。そして当の松山氏は、歴史を振り返る。
「25歳の時に会社を立ち上げて、自分を入れて全部で10人。『テイルコンチェルト』をやって『サイレントボマー』をやって、そのあと社長になってはや10数年。来年で20年になります!」。そこに原田氏もひと言コメント。「ちなみに『鉄拳』はアーケードベースで20年、家庭用ベースでは来年で20周年です」。サイバーコネクトツーと『鉄拳』が、ほぼ同じ歴史を歩んできたというのも、何かの縁なのかも?
ゲストや松山氏が見すえる業界の未来とは?
いろいろなテーマで盛り上がったトークショー。最後はゲストのひと言と、松山氏の今後の展開に関するコメントを紹介して終わりとしよう。今後のCC2の展開としては、オリジナル最新作を匂わすコメントも。新たな展開に、乞うご期待!
内山氏
20年おめでとうございます。もし“CC3”っていうのができたら僕、対抗のそっちに裏で資本金入れますから(笑)。30周年の時はどっちが勝つ、そんな目標でいいんじゃないですかね。頑張りましょう!
原田氏
いまゲーム業界ってすごく急変していて、日本人で日本の国だけでゲームを作れるってのは、すごく難しくなってるんですよ。コストがすごく上がってて。アニメでも、セル画でもぜんぶ海外だったりするじゃないですか。サイバーコネクトツーはそういう意味でも非常に珍しくて、こんなに日本で気を吐いて、海外に通用するコンテンツを作っている人たちってのはそうそうないですよ。これからも頑張ってください!
松山氏
おかげさまで19年目、来年20周年目を迎えることになります。みなさんのおかげです。この9月に最新作『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストームレボリューション』が発売になりますが、シリーズ最高の手応えを我々自身も感じています。本シリーズはもう13 年くらい作り続けているのですが、じつは去年の春に発売した『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム3』は、過去最高にヒットしているんですよ。その『3』以上に手応えを感じていますので、ぜひご注目いただければと思います。
年末から来年にかけて、家庭用は「オリジナル」最新作を! そう遠くないうちに、みなさんにご報告が、ちゃんとした場でできると思います。これからも新しいドキドキワクワクを、CC2そしてBNGとともに、いっしょにみなさんに楽しんでもらおうと思いますので、これからも応援よろしくお願いします。今日はありがとうございました!