『ブレイブリー』シリーズの新作から新展開までを直撃!
スクウェア・エニックスから発売される、ニンテンドー3DS用ソフト『ブレイブリーセカンド』。人気RPG『ブレイブリーデフォルト』の数年後の世界を描く、完全新作の続編だ。今回、週刊ファミ通2014年8月14日号などで発表された新情報などについて、本作のプロデューサーを務める浅野智也氏に直撃インタビュー! 『ブレイブリーセカンド』の新情報だけでなく、先日配信が始まった『ブレイブリーデフォルト たっぷり無料で遊べる版』、そして話題のコミケ出展まで、さまざまなお話をうかがった。
■プロフィール
プロデューサー 浅野智也氏(文中は浅野)
『ブレイブリーデフォルト』を始めとする、『ブレイブリー』シリーズを手掛けるプロデューサー。着ているTシャツは、『ブレイブリーデフォルト』のTシャツ!?
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前作のアスタリスク所持者も登場!
──年末に本作を発表されて以来、ひさしぶりの続報が出ましたが、現在の開発状況は?
浅野 オープニングからエンディングまで、通してプレイできる状態になっているところのはずですね。後は、ここからどれだけ時間をかけて磨き上げるか。前作は、丁寧に作ることができた部分に支持をいただけたと思うので、焦らずに、いいゲームに仕上げられるようにしたいですね。
──改めて、本作のコンセプトは?
浅野 続編という意味が大きいです。前作を遊んだ多くの方は、おそらく王道ファンタジーRPGとして楽しみ、それゆえに驚きの部分が心に響いたのだと思っています。ですので、まずは驚きが期待されるかなと。
──あらかじめ驚きを期待されていると、ハードルが高いと思いますが……。
浅野 そのハードルを越えるべく、企画が盛りだくさんになっています(笑)。
──楽しみです! 今回は、法王になったアニエスが公開されましたね。
浅野 はい。『ブレイブリーデフォルト』の物語が終わった後、アニエスがクリスタル正教の法王になって、長らく戦っていたエタルニア公国と手を結ぼうと、和平調印式を行うんですが、そのタイミングでアニエスがさらわれてしまいます。イラストを見ていただけるとわかるのですが、今回は囚われの身になったアニエスを救うということが冒険の主目的になります。お姫様を助けるという、王道の目的ですね。
——捕らえられているというのは、牢獄にいるイメージでしょうか?
浅野 捕まっています。“アニエス囚われ部屋”というのが用意されています(笑)。
——囚われ部屋!?
浅野 そのうち発表できると思いますので、お楽しみに。
——正教首都ガテラティオという街も公開されましたが、どういった都市なのでしょうか?
浅野 クリスタル正教の首都で、本作の冒険のスタート地点で、前作のカルディスラに相当する場所になります。ちなみに、“ガテ”の部分の名称は、英語のGate(ゲート)から来ています。
——このイラストの上をプレイヤーは歩いて、止まっているとカメラアングルが引くと。
浅野 そうです。歩けます。カメラが引いていくあたりのシステムも、前作から踏襲しています。
——クリスタル正教の首都ということは、信徒が多くいるのでしょうか?
浅野 現在のエタルニア公国総司令部は、かつてのクリスタル正教総本山でした。その正教総本山へ巡礼する信徒たちが、このガテラティオに立ち寄ることで栄えていったという歴史があります。ですので、信徒は多いかと思います。
——では、エタルニア公国に近い位置にある?
浅野 詳しくは言えませんが、遠くはないと思います(笑)。
——クリスタルの祭壇でアニエスとマグノリアが対面していますが、これもガテラティオなのでしょうか?
浅野 いえ、違うんです。これは、前作で登場したクリスタル祭壇の、ダンジョンだった部分ですね。この奥にクリスタルがあります。『ブレイブリーデフォルト』のオープニングムービーで、アニエスが巫女の衣装に着替えていたところですね(笑)。
——ああ、なるほど(笑)。
浅野 前作と同じ場所でも、ダンジョンだった場所が街のような扱いになっていたりと、表現を変えている場面もありますね。
——そして、ラクリーカはクリスタルのようなものにつながれていますが、これはどんな状況なのでしょう?
浅野 これも詳しくは言えませんが、先ほどお話をしたように、前作に登場した街でも表現が変わっている、景色が変わっているというもののひとつです。
——ほかの街にもいろいろな変化があるんですね。
浅野 『セカンド』のシナリオに合わせています。新しいワールドマップの中で、前作になかった街も増えていますし、続投する街にも変化があるというわけです。前作の登場キャラクターがどうなっているのか、どうシナリオに絡むのか、そういったところでおもしろさを生み出しています。
──変化という点では、マグノリアのジョブの姿が公開されました。衣装が変わっていますが、前作のジョブも多く登場するわけですね。
浅野 はい。ほかのジョブも登場しますが、今回はデザインがリファインされて、皆さんにお見せしたかったものを紹介しています。全部リファインしているのですが、とくに時魔道士は出したいかなと思って(笑)。
——デザインが変わったということは、アスタリスク所持者も変わっているのでしょうか? そもそも『セカンド』のジョブ入手方法が、アスタリスク所持者を倒してジョブを入手するのかもわかりませんが……。
浅野 前作と同じくアスタリスク所持者を倒して、持っているジョブを手に入れるという流れで、前作に登場したジョブのアスタリスク所持者は変わっていません。彼、彼女らが、本作の世界でどうなっているのか、楽しみにしてください。
——前作と同じアスタリスク所持者が出るということは、プリンちゃんも、エインフェリアも、赤いおじさんも!?
浅野 登場します。どのように登場するかは、まだヒミツです。『セカンド』の世界でどうなっているのか、前作ファンの方はお楽しみに。
——それは楽しみですね。ちなみに、今回のシナリオも、5pb.の林直孝さんが関わっているのでしょうか?
浅野 いえ。今回は、自分と高橋(高橋真志氏。本作のアシスタントプロデューサー)、中原さん(中原顕介氏。シリコンスタジオ所属。本作のディレクター)、網代さん(網代恵一氏。本作の世界観設定を担当)が中心メンバーになりつつ、『ブレイブリーデフォルト』の小説版“Rの手帳”を書かれた月島総記さんに協力してもらいました。月島さんは『ブレイブリー』を熟知していますし、“Rの手帳”を我々の期待以上のクオリティーにしていただけたので。加えて、ドラマCD“リユニオンの祝祭”を書かれた橋本博行さんにも参加してもらいました。総力戦ですね。ですので、前作ファンの方も安心していただけると思います。
『たっぷり無料で遊べる版』からコミケの話まで!
——先日配信された『ブレイブリーデフォルト たっぷり無料で遊べる版』についてもおうかがいします。ネーミングを含めていろいろと驚きの内容ですが、この無料版を配信した意図と経緯をお聞かせください。
浅野 『ブレイブリーセカンド』の発売前に、ひとりでも多くの方に前作を遊んでほしいというのが目的です。『セカンド』は、前作を遊んでいなければ楽しめないようなものにするつもりはないのですが、やはり前作を知っているほうが楽しめますし、どうしても「前作を遊んでいないからなあ」と思われるのを払拭したくて。『たっぷり版』は、中身は『フォーザ・シークウェル』です。バトルを4倍速にしても50時間くらいは遊べますから、夏休み中に遊んでいただけたらいいなと思います。
——無料で遊べる4章までプレイしても、20時間以上は遊べますよね。
浅野 20時間でたどり着くかな(笑)。
——初めて遊ぶユーザーさんでしたら、それ以上かかりますよね(笑)。そもそも、有料で販売していたものを、一部とはいえ、無料で配信するというのは大きな決断だと思います。社内で反対はありませんでしたか?
浅野 いっぱいありましたね(笑)。
——ですよね(笑)。
浅野 ただ、前作の『ブレイブリーデフォルト』が、『フォーザ・シークウェル』を含め、高い評価をいただきつつ、ワールドワイドの出荷で100万本も達成し、つぎにつながるようにということで、配信を決めました。
——これをきっかけに遊ぶユーザーさんも多くいると思います。ちなみに、このネーミングは、浅野さんが決められたのですか?
浅野 どちらかと言うと、高橋です(笑)。最初は、もっと砕けたタイトルだったんですが、この『たっぷり版』はまだ遊ばれていない方向けですので、あまり砕けていると、内輪ネタのようなイメージでよくないかなと。
——続いて、2014年9月から週刊ファミ通とファミ通コミッククリアで連載させていただく、コミカライズのほうもお聞かせください。『ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー』のコミカライズということで、現在、連載に先駆けて特別4コマを掲載していますが、本編の内容はどのようなものになる予定でしょうか?(ファミ通コミッククリア『ブレイブリーデフォルト』は→こちら)
浅野 大筋で言いますと、『フライングフェアリー』のお話をまだ知らない方に体験していただくためのマンガです。ただ、ゲームのシナリオをそのまま表現するのは難しいと思うので、いろいろとコミカライズにふさわしいアレンジをしてもらっています。
——浅野さんから出された要望などはありますか?
浅野 最初にいただいたプロットがゲームの展開そのままだったのですが、たとえばフィールドの移動やお使い、ダンジョンを潜ってボスと戦うといった流れは、ゲームとしてはおもしろいものですが、そういった部分をテンポよく読めるようにお願いしています。 “Rの手帳”も、手帳という形でしかできない驚かせかたを意識したので、コミカライズもそのレベルまで行けると、『ブレイブリー』らしくていいなと思っています。
——そして、2014年8月15〜17日に開催されるコミックマーケット(以下、コミケ)へ、“イデ屋”の名前で出展することも発表されましたが、コミケへの出展は浅野さんのアイデアですか?
浅野 はい。『ブレイブリー』の展開の幅を広げるにあたって、『ブレイブリー』というIPにどれだけファンの方がいるのかを測定する必要があると考え、その第一歩としてコミケへの出展を決めました。
——浅野さんご自身は、視察を含めてコミケに行かれたりするのですか?
浅野 毎年行くという感じではないですが、以前視察で同様の即売会に行ったことはあります。『ブレイブリー』の本も買いましたよ(笑)。コミケ出展は、そこで本を出してくださっている方々へのお返しという意味もあります。
——「浅野さんだ!」ってバレませんでしたか?
浅野 バレました(笑)。でも、そのときぬいぐるみを作って売られている方もいらっしゃったんですね。好きで作ってくださっていると思うんですが、それは公式のグッズとして出せていないからだとも気づいて。それで、今回、イデアのぬいぐるみを販売することにしました。
——イデアのぬいぐるみは、販売するグッズの目玉ですよね。
浅野 そうですね。ぬいぐるみを200個持っていくんですが、弊社のこれまでの感覚だと、ぬいぐるみが200個売れることはあまりないんです。ただ、それが今回のコミケで順調に売れてくれれば、ほかのグッズの展開もできるだろうということを期待しています。
——でも、『ブレイブリー』ファンが集まったら、200個という数もすぐに完売しそうな気が……。
浅野 弊社の別タイトルで開催したイベントで販売されたグッズの数などを考えると、200個くらいがちょうどいいという話になったんです。すぐに完売すればうれしいですし、またつぎの展開につながると思います。
——コミケには、浅野さんも行かれるのですか?
浅野 もちろんです! レジ打ちもするんじゃないですかね(笑)。
——それは楽しみです!(笑) では、最後に『ブレイブリーセカンド』にお話を戻しますが、今後は続報も定期的に出るのでしょうか?
浅野 そうしたいですね。体験版も出したいですし、期待してください。『フライングフェアリー』か『フォーザ・シークウェル』のどちらかを体験していただいている方には、『ブレイブリーセカンド』に登場する数年後のルクセンダルクを楽しみにしてほしいです。世界観、そして物語ともに、皆さんの期待を越えられるようなものに着々と仕上がっていますので、期待しながらお待ちいただければと思います。そして、前作をプレイしていない方は、4章まで無料で遊べる『たっぷり無料で遊べる版』を配信していますので、そちらを遊んでみてください。絶対に楽しめるという自信があります。『セカンド』を買わなくてもいいから遊んでほしいくらいですね。とくに『たっぷり無料で遊べる版』は、体験しないともったいないレベルです!(笑)
今回の浅野氏へのインタビューだけでなく、『ブレイブリーセカンド』のコンポーザーを担当するryo(supercell)氏と、浅野氏へのインタビューも掲載中。こちらもお見逃しなく!(浅野氏&ryo氏へのインタビューは→こちら)
Text by 世界三大三代川
ブレイブリーセカンド
メーカー | スクウェア・エニックス |
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対応機種 | 3DSニンテンドー3DS |
発売日 | 未定 |
価格 | 価格未定 |
ジャンル | RPG / 冒険・ファンタジー |
備考 | プロデューサー:浅野智也、リードアーティスト:吉田明彦、音楽:ryo(supercell)、開発:シリコンスタジオ |