“あっという間”の製造方法は必見!

 バンダイでは、“3D ウォールフィギュア アイアンマン マーク7 ホール・オブ・アーマー”の受注を2014年9月28日まで受け付けている。『アイアンマン』はマーベルのアメリカンコミック・ヒーローの代表格で、『アベンジャーズ』を含めた実写映画化作品でその存在を知ったという方も多いだろう。本商品の魅力は、何と言っても“等身大”であること、そして“軽さ”と“安価”を実現していることだ。まずは、本商品のファーストインプレッションと、その特徴をお伝えする。

■“3D ウォールフィギュア アイアンマン マーク7 ホール・オブ・アーマー”の特徴

◆等身大のサイズ
 その全長は195センチ(背面の板の部分を含む)。等身大ならではのボリュームが感じられる。

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▲そのボリュームは、開発者の中澤洋介氏が小さく見えてしまうほど。

◆立体感
 胸部のリアクター、太もも部分の盛り上がりなど、本物の立体感を余すことなく再現している。

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◆金属の質感とディテールの細かさ
 アクリル素材でアイアンマンの金属のツヤを表現。手の指の関節もしっかり再現されている。

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▲全体で金属のツヤを表現。
▲指の関節はとくにディテールに凝っている。

◆省スペースかつ、持ち運びやすい軽さ
 立体感を損なうことなく、奥行きわずか26センチという省スペースを実現。リビングや玄関にも置けるサイズだ。しかも重量は約4.5キロ。女性でも運びやすい手軽さもある。

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▲これだけの立体感がありながら、この省スペースも実現!
▲軽々と持ち上げるバンダイ ボーイズトイ事業部 事業戦略チーム サブリーダー 大田原 智康氏。

◆蓄光素材により暗闇で発光する
 電池や電源を使わずに、暗闇で光るギミックが用意されている。

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▲アイアンマンの目、胸のリアクター、手のビーム照射器が光る様は、暗闇でも“そこで見守ってくれる”安心感があった。

◆安価
 なんと、その価格は送料も込みで39800円[税込]。これには、後述する製造過程も大きく関わっている。


■開発者 中澤洋介氏インタビュー

 今回は、開発者であるバンダイ ボーイズトイ部門 グローバルチーム リーダーの中澤洋介氏にインタビューを行ったので、以下にその模様をお伝えしよう。

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――フィギュアは2014年7月25日に受注を開始されましたが、反響はいかがでしょうか。
中澤洋介氏(以下、中澤) 非常に好調ですね。30代後半から40代前半の方によく注文をいただいています。

――なぜ“3Dウォールフィギュア”の第1弾として『アイアンマン』を選んだのですか?
中澤 “ホール・オブ・アーマー(作中で登場する、アイアンマンことトニー・スターク別宅の格納庫)”の世界観に合っていたこと、アクリルのパネルを使うことで金属の質感を出せることから、アイアンマンという選択肢がすぐに出てきました。自分がアイアンマンがものすごく好きだったことも理由です(笑)。数あるスーツの中で“マーク7”を選んだのは、『アイアンマン3』と『アベンジャーズ』でメインで登場した機体であったからです。

――フィギュアでとくにこだわった部分はどこでしょうか。
中澤 立体感と大きさですね。“前半分だけで、いかに立体的に見せるか”ということにこだわっています。このサイズで、この重厚感でこの価格を実現したこともアピールしたいです。とにかく軽く、玄関や書斎に置けるという手軽さもポイントですね。

――4.5キロという軽さはどのように実現されたのですか?
中澤 2ミリの厚さの板から、“真空成形”という技術で押し出して作っているんです。だから、もともとの板からの重さは変わっていないのです。自動販売機のパネルや車のバンパーを作っている植木プラスチックさんに製作していただきました。

 ここで以下の動画を観てもらいたい。わずかな時間でフィギュアが作られていることがわかるだろう。


 本商品は、熱してやわらかい状態になった素材に金型を押しあて、バキュームで空気を抜く、という方法で作られているとのこと。後から塗装するのではなく、前もって“シルク版”を作っておくという点では、Tシャツなどで用いられている“シルクスクリーン”にも似ているそうだ。

――これほど速く作れることに驚きました! このために、安価にでき、大量生産もできるのすね。
中澤 その通りです。あらかじめ“太った”アイアンマンを描いておき、立体化したときに正常な縮尺になるように計算しています。今回はアクリルの質感を残して金属らしさを出しましたが、表面を塗装すれば印刷したままのマットな質感も出せます。1枚の対衝撃アクリル板から、いろいろな展開ができることも特徴ですね。

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――そういえば、次回作は『スターウォーズ』シリーズの“R2D2”だとお聞きました。出来映えのほうはいかがですか。
中澤 金属の質感がよく出せましたね。“R2D2”のファンみなさんによろこんでいただける仕上がりになっていると思います。もちろん今回も等身大サイズで製作しています。アイアンマンの半分くらいのサイズなのでさらに置きやすいですよ(笑)。

 ちなみに、中澤氏は過去に12分の1サイズ(約150センチ)のガンダムフィギュアの開発を手がけたこともあるとのこと。その際に、大きなものに対する需要があることがわかり、利用者から“重さ”に対する不満があったことから、今回の等身大でありながらも軽量というフィギュアの製作を考えていたそうだ。

 中澤氏が企画の立ち上げから完成までに要した時間は約1年。ブリスターパッケージ(薬剤やおもちゃを包むパッケージ)や“お面”で今回の製造方法に近い技術は使われてはいるものの、これほど巨大なものが作った例はなかったことはなかったため、楠プラスチック以外ではなかなか製造が実現しなかったという。

 なお、本商品は9月29日まで東京都渋谷区恵比寿にある“USトイショップ モンスタージャパン”と、杉並区高円寺にある“アメコミ漫画喫茶ACBD”で展示中だ。
※詳しくは商品特設ページのコチラを参照

 “等身大の申し子”と呼ばれる中澤氏のこだわりが感じられることはもちろん、安価、手軽さ、置きやすさを兼ね備えた“3D ウォールフィギュア アイアンマン マーク7 ホール・オブ・アーマー”は、等身大サイズのフィギュアにいままで手が出なかった人にも購入しやすいだろう。何より、“金属らしさ”が感じられるアイアンマンはとにかく格好いい。自宅でアメコミ・ヒーローの世界に入り込める楽しさを実現する本商品を、ぜひ実物を見て、魅力に触れてほしい。

■3D WALL FIGURE(ウォールフィギュア)とは

 “大型真空成型”という、シート状の樹脂を加熱し金型とシートとの隙間を真空にして形状を出す成型方法を採用し、2ミリ厚の耐衝撃アクリル板を一体加工し、キャラクターの姿を再現した大型フィギュア。史上初めて、彩色済みの最大2メートルの1枚パネルを立体フィギュアに加工する特殊技術で再現。本商品の生産国は日本で、構造・製法に関して日本特許出願中。

■“3D ウォールフィギュア アイアンマン マーク7 ホール・オブ・アーマー”商品概要

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受注期間:受付中~2014年9月29日(月)23時まで
発送:2014年11月の発送を予定
対象年齢:15歳以上
商品サイズ:約H1950ミリ×W950ミリ×D260ミリ(原材料板厚 2ミリ) 重量約4.5キロ
※開発中の数値であり、実際の商品とは多少異なることがあります。ご了承ください。
梱包サイズ:約H2,050ミリ×W1,030ミリ×D330ミリ 重量約10キロ
製品仕様:耐衝撃アクリル製、シルク5版印刷、バキューム成型(真空成型)、NC加工
生産国:日本

(取材・文:編集部/オスカー岡部)