ファミ通ドットコム内にある、ゲーム業界専門の求人サイト“ファミキャリ!”。その“ファミキャリ!”が、ゲーム業界の最前線で活躍している、各ゲームメーカーの経営陣やクリエイターの方々からお話をうかがうこのコーナーの第15回は、コロプラ。

●“ファミキャリ!会社探訪”第15回はコロプラ!

 ファミ通ドットコム内にある、ゲーム業界専門の求人サイト“ファミキャリ!”。その“ファミキャリ!”が、ゲーム業界の最前線で活躍している、各ゲームメーカーの経営陣やクリエイターの方々からお話をうかがうこのコーナーの第15回は、コロプラ。
 コロプラは、代表取締役社長の馬場功淳氏が2003年に始めた位置情報ゲーム(位置ゲー)『コロニーな生活』が人気を得て、そのサービス拡大のために2008年に法人化された。その“位置ゲー”と同様に、昨年配信された『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』など、スマートフォン向けのゲームでも躍進を続ける同社。今回は、その『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』でプロデューサーを務める浅井大樹氏に話を聞いた。


●スマートフォンへの波をいち早く感じ取る

コロプラ
Kuma the Bear 開発本部
浅井大樹氏

--最初に、浅井さんの経歴から教えてください。
浅井大樹氏(以下、浅井) 中学生のころにプレイステーションが発売された世代なんですが、昔からゲームが好きで、ゲーム業界を志望していました。それで、いまから7年ほど前に家庭用ゲーム機系のゲーム会社に。もともとはゲームのシナリオライターになりたいと思っていたのですが、専門の職種がなかなかなかったので、シナリオの書けるプランナーとして、ゲームの開発に関わってきました。
 その後、数年前にモバイルゲームの波を感じ、初代Androidを見たときに、「これは今後伸びるのではないか」と直感しました。ただ、当時勤めていた会社では、なかなかスマートフォンへと舵を切るという感じはなかったので、一念発起して会社を飛び出すことにしたのです。それでコロプラを受けたのですが、「今後、スマートフォンの時代がやってくる」という考えかたが自分と合致したので、入社することを決めました。
--コロプラさんのことは、ご存じだったのですか?
浅井 正直言うと、知りませんでした(笑)。
--それまでは、ディレクションやシナリオを担当していたわけですか?
浅井 はい。
--コロプラでの面接時はどんな感じだったか、覚えていますか?
浅井 約3年前とはいえ、いまとはずいぶん違う雰囲気でした。一次面接の時点で(代表取締役社長の)馬場が出てきて、今後のスマートフォンに対する展望などを語ってくれました。
--いまとは会社の規模もかなり違いますからね。
浅井 ちょうど、現在私が所属している“Kuma the Bear 開発本部”という開発部署の立ち上げの時期だったのですが、その部署で、2ヵ月に1本のペースでカジュアルゲームをたくさん配信していきたい、といった話をしてくれました。
 コンシューマでは、どんなに早くても(ソフトの発売まで)1年はかかりますよね。「そんなに早いサイクルで、ゲームを作れるのか」と、自分のスキルも磨けそうでしたし、チャレンジのしがいも感じました。
--たいへんそうだというよりは、期待感のほうが強かったと?
浅井 そうですね。馬場の話からも、仕事がつらそうだといったイメージはとくになく、楽しいものをいっしょに作っていこうという思いに魅かれました。
--入社後はどのようなお仕事を?
浅井 入社してすぐは、カジュアルゲームを開発していました。その後、半年くらいして、ネイティブのオンラインゲームを1本作るプロジェクトが立ち上がりました。それが『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』(以下『ウィズ』)で、そのプロジェクトに参加することになりました。それ以後は、ずっと『ウィズ』に携わっている感じですね。
--というと、コロプラでの浅井さんの歴史は、イコール『ウィズ』になりますね。
浅井 そうですね。僕の中ではそれに近いと思います。

●ひとりでも多く、すぐにでも仲間が欲しい

--御社では、企画から配信までどういった流れで開発されているのでしょうか?
浅井 ケース・バイ・ケースになりますが、『ウィズ』の場合は、スマートフォンでのネイティブアプリの流れが来ていたので、「何か作りたいよね」という意見とともに、馬場からも「ネイティブでクイズゲームを作ろう」という話が出てきたのです。当時、僕は“Kuma the Bear 開発本部”のチームでカジュアルゲームを作っていたのですが、そのチームに“クイズ+RPG”の企画をまかせてもらえることになりました。
 もちろん、いい企画が出てきて、会社的にもオーケーとなってから、スタッフを集めていくケースもあります。弊社はスタジオ制を取っていますので、基本的にはスタジオごとに開発していくことが多いですね。
--ハイペースで開発スタッフを採用されているようですが、開発ラインの整理もたいへんそうですね。
浅井 いえ。現状はひとりでも多く、すぐにでも仲間が欲しい状況なのです。作りたいゲームがいっぱいあるのに、人員が足りなくて(笑)。場合によっては、掛け持ちになることもありますが、基本的にはひとり一プロジェクトで開発しています。
--入社してよかったことはどんなことですか?
浅井 ゲーム作りに情熱を持っている仲間がとても多いことです。僕は、どちらかというと“ニッチ層”向けのゲームが好きなので(笑)、自分の意見が正しいかどうかわからないことも多いんです。でも、さまざまな意見が返ってくるので、その意見を磨くことで、さらにそこからおもしろいゲームが生まれてくるのではないかと思っています。
--これまでに『ウィズ』に関わった人数はどのくらいなのですか?
浅井 異動したり、アサインしたりのトータルで言うと、15人から20人くらいです。運用も含めてもそれくらいですね。
--その『ウィズ』についてですが、完成して、ヒットの手ごたえはありましたか?
浅井 「おもしろいものを作ることができた」という感覚はありました。ただ、ヒットするかどうかは、出してみないと分からない部分もあります。いまほどの盛り上がりを予想していたかというと、それは“ゼロ”でした。ただ、そこを目指していましたし、今後もがんばっていきたいですね。
--『ウィズ』の今後の展開について、なにか予定はありますか?
浅井 大変ありがたいことに、『ウィズ』は多くのユーザー様に支持していただいています。テレビCMの影響もあり、ユーザー様が一気に増えましたので、この1年はとにかく運用に注力してきました。『ウィズ』の運営開始から1年以上が経過し、ユーザー様もゲームにだいぶ慣れてきたころだと思いますので、このタイミングで開発にもっと力を入れ、新しい遊びを入れていきたいと思っています。 新しいクイズの導入や、いままでにはない別ベクトルの楽しみかたなどを要素として追加していきたいと考えています。

●5年後もスマホが流行っているとは限らない!?

--平均年齢が約31歳と若い会社ですが、雰囲気はどんな感じですか?
浅井 あるスタッフが言っていたのですが、「毎日が学園祭の前夜である」と。和気あいあいとしつつも、締め切りは必ずあるので、そこに向かってがんばっている様子が似ていて、とても的を射ている表現だなと思いました。それぞれがそれぞれのゴールに向かってがんばっている。誰かに言われたからではなく、自分の作品だからがんばっている、ということだと思います。
 平均年齢は若いけど、スタッフには職人気質を持った人が多いですね。自分の仕事にプライドを持っていて、才能の塊のような人もいれば、きっちりと運用をしてくれる人もいます。職人気質と言うのは、「黙々と自分の仕事だけをやる」という意味ではなく、周囲とコミュニケーションを取ったうえで、自分の仕事を高いクオリティできっちりと仕上げる、ということです。ゲームを1本作るのが目的ですから、自分の担当する仕事が終われば終了ではなく、周囲とコミュニケーションを取る必要があります。
--コロプラの魅力はどんなところですか?
浅井 人を見るときに重要視しているのは、すなおかどうか。結果や数字にすなお、人に対してもすなおになれるかどうか、ですね。何か指摘されたときに意固地になってしまう人はあまりいません。ですから、コミュニケーションも取りやすいです。また、みんなが“我がごと感”を持っていて、自分が与えられた仕事をやって終わりではなく、必要なときは我がごとのようにメンバーに手を貸してくれる人が多いので、ディレクターとしてはとてもやりやすい環境ですね。
--社長の馬場さんからアイデアをもらうことも?
浅井 そうですね。タイトルに関しては、必ず馬場が週一や月一でレビューをし、チェックします。そこでいいアイデアもたくさんもらいますし、ゲームについてよく考えているなと思います。
--現在の会社の体制について教えてください。
浅井 大きく分けると、ウェブ系のゲームを作っていた“サービス統括本部”と、もともとはネイティブのゲームを作っており、カジュアルゲームブランド“Kuma the Bear”からなり立ったという“Kuma the Bear 開発本部”のふたつの部署があります。“サービス統括本部”はウェブ系、“Kuma the Bear 開発本部”はネイティブ系という感じでしたが、最近は単純に開発部署として分かれているだけですね。
--では、浅井さんが“位置ゲー”のプロジェクトに関わることもある、と?
浅井 そうですね。部署やチームのあいだのコミュニケーションは多いので、位置ゲーのメンバーとも相互意見交換を活発にやっています。
--スマートフォンゲームのあるべき姿とは?
浅井 「こうあるべきだ」とか、「こうじゃなきゃいけない」という意見はあまり持っていません。コロプラに入ったのも、単純にゲームが作りたくて、そのゲームを遊ぶためのデバイスとして、スマートフォンが今後伸びるのではないかと思ったからです。ちょうどスマホの機能がグッと上がって、いろいろなことができるようになったのと、誰でも持っているというデバイスという点も大きかったですね。
 いまの世の中には、たくさんおもしろいゲームが出ていますが、今後はコアアクションや操作性のベクトルを変えてゲームを作ってみたいです。たとえば、コンシューマっぽいゲームだけど、スマホならではの機能に特化したゲームもできると思うのです。7月14日にリリースした『白猫プロジェクト』は、まさにそういった思想で作っています。
--5年後、10年後、御社がどうなっているかのイメージはありますか?
浅井 その時々に応じて、ユーザー様がもっとも求めているものを作り続けている会社でありたいですね。少し補足させていただくと、5年後、10年後は、もしかしたらスマートフォンの時代ではないかもしれない。もし、「つぎに来るのは○○だ」と判断できれば、そっちに舵を切る可能性もあります。そのときにもっともゲームを遊びたい人がいる場所へ向けて、ゲームを制作していきたいと思っています。
--最後に、転職を考えているクリエイターに向けて、アドバイスをお願いします。
浅井 何より“情熱”を持ってきてほしいです。ゲームを作りたいという思いと、作りたいゲームのアイデアがあって、そこに根拠があるとなおいいです。また、状況に応じて柔軟に考えていける人がいいのではないでしょうか。情熱やこだわりを持ったうえで、どうやって1本のゲームをよくしていくかが大事なのだと思います。
 僕たちには作りたいものがたくさんあります。同じように作りたいものがあっても、作る“場”がない方もいらっしゃると思います。その情熱をぶつけられる場所を求めている方は、ぜひコロプラに来ていただければと思います。


●コロプラってどんな会社?

 代表取締役社長の馬場功淳氏が2003年に始めた位置情報ゲーム(位置ゲー)『コロニーな生活』が人気となり、そのサービス拡大のために2008年に法人化。起業当初は「毎日の移動を楽しく!」を企業テーマとして、“位置ゲー”を中心にさまざまなサービスを展開してきた。また、スマートフォンにいち早く着目し、現在では“Entertainment in Real Life”をミッションとして掲げており、スマートフォンゲーム世界No.1、リアル連携世界No.1、位置情報世界No.1という“3つの世界一”を目指す。
※最近では、『プロ野球PRIDE』が800万DL(2014年5月30日達成)、『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』が2700万DL(2014年6月21日達成)を突破している。
<会社概要>
株式会社コロプラ
●代表取締役:馬場 功淳 ●設立年月日:2008年10月1日 
●従業員数:340名(2014年3月31日現在)
●事業内容:位置情報ゲームプラットフォーム及びスマートフォン特化型アプリの開発・運営/リアル連携サービスの提供

▲エントランスでは、キャラクターのオブジェやイラストなどが、にぎやかに来訪者を迎える。
▲社内も活発で、短時間で効率的な“立ち会議ミーティング”も頻繁に行われている。
▲テレビCMも放映され、累計2700万ダウンロード(6月21日時点)を超える大ヒットを記録した『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』。