やっぱりViktor Antonovの生み出す世界はヤバい!
先週、アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスで行われたE3 2014。ベセスダ・ソフトワークスは例年通り予約制のクローズドブースで『サイコブレイク』と『Battlecry』の2タイトルを披露した(『The Elder Scrolls Online』のみオープンスペースでデモを披露)。
『Battlecry』は、E3直前に発表されたばかりのPC用アクションゲームで、開発はグループ傘下のBattleCry Studiosが担当。グループ初のF2P(基本プレイ無料)タイトルでもあり、βテストは2015年を予定している。
というわけで結構先のタイトルなのだが、E3ではシアター形式でのプレゼンの後、プレイアブルデモを遊ぶことができた。
ゲームとしては32人対戦(16対16)で、今回遊べたルールは単純なチームデスマッチ形式。クラス(職業)は、エンフォーサー(盾に変形する大剣が特徴)、デュエリスト(二刀流剣士で姿を隠すクローク能力つき)、テックアーチャー(投げナイフと弓を使う遠距離職で、敵の位置を透視する能力も持つ)の3クラスを使うことが出来た。
使用クラスは復活時にいつでも変更可能で、βではさらに格闘家のブロウラーとパルスガンを持つサポート職のガジェッティアを追加予定だ。
そしてプレイ感は、思ったよりなんか色々と速い。作成した動画を見てもらえばわかりやすいと思うが、移動スピードも結構あるし、ざくざく斬られてお互い死にまくる。デモは全部で10台前後の構成で、ハイスピードバトルでテンションが上がったのだが、これが32人になったら結構カオスなことになるんじゃないだろうか?
まぁ、ゲームバランス的なところは作りこみの段階で変わっていくとして、記者がかなり気に入ったのは、アートスタイルの部分。ベセスダ・ソフトワークスのタイトルとしては『ディスオナード』に引き続き、Viktor Antonovがアートディレクションを行っており、「ガンパウダー(火薬)がない架空の20世紀世界」という、現実からちょっとずれた不思議な世界を生み出している。
結構ゴア表現がキツく、倒した際に人体切断が起きたり、そもそも血が噴き出しまくったりするのだが、それをポップとエグさギリギリの所に収め、絶妙に歪んだ世界の一部としてしまうのは、さすが鬼才Viktor Antonovといったところ。
「ハイスピードな対戦アクション」、「Antonovの手掛ける新たな世界」というコンセプトはすでに確立されていると思うので、アクションの手応えが若干弱いところなどが改善されつつ、βテストなどである程度の戦術が見えてきたりすると、面白くなってくるのではと感じた(どうしても全員初見だと単に正面から斬り合いがちなので、深みがわかりにくい)。
(文・取材・ビデオ編集:ミル☆吉村)