王者NabDが貫禄を見せつけて優勝!
2014年5月5日、ネクソンはオンラインFPS『サドンアタック』公式全国大会“SAOMT 2014 Spring(Sudden Attack Official Master Tournament 2014 Spring)”のオフライン決勝トーナメントを開催した。会場は兵庫県・神戸朝日ホール。
“SAOMT 2014 Spring”には1025ものクランが参加。2月から実施されてきたオンライン予選を勝ち上がり、“NabD”、“Lythronax”、“Detre.R”、“モスラ”の4クランがオフライン決勝に駒を進めた。
“NabD”は過去に公式大会4連覇という偉業を成し遂げている実力派。その王者に新進の3クランが立ち向かうというスポーツマンガのような構図だった。
実力伯仲の準決勝
本大会の試合にはFPSの花形ルール“爆破”を採用。『サドンアタック』の場合は攻撃側のREDチームと防衛側のBLUEチームに分かれて戦う。
使用マップは抽選で決まり、攻守の順番は各クランのリーダーによるナイフ戦で決定される。片方の陣営が有利なマップも存在するため、試合本番の開始前から駆け引きは始まっていると言える。
■準決勝第1試合
準決勝第1試合のカードはNabD VS Detre.R。前述したようにNabDは優勝経験豊富な強豪だが、Geropi選手が加入したばかりのため、やや練習不足のきらいがある。対するDetre.Rには、今大会より優勝経験のある2名が移籍している。
第1マップの第3補給倉庫(BLUEチーム側が有利なマップ)で、REDチームのDetre.Rが第1ラウンドを先取。流れはDetre.Rに傾くかと思われたが、ここから新加入のGeropi選手が大爆発。強気な攻めでつぎつぎと敵を撃ち抜いて勝利に貢献し、その後は1ラウンドも落とすことなく第1セットをものにしてしまった。
第2マップのクロスポートでは、Detre.RがNabDの得意な攻め方を封殺。一進一退の攻防が続いたが、Barley選手やTENGO選手の活躍が光ったNabDが勝利。決勝戦への切符を手にした。
■準決勝第2試合
準決勝第2試合で対戦するLythronaxとモスラのメンバーは、全員がオフライン決勝に初出場。どちらも新進気鋭クランのイメージが強いが、Lythronaxはオンライン予選において1マップも落とすことなく勝ち進んでおり、その実力は折り紙つき。一方のモスラは試合前コメントで将棋棋士の橋本崇載八段を意識したネタを仕込んだり、観客へのアピールをしたり、緊張とは無縁の様子だった。
第1マップの第3補給倉庫ではLythronaxが堅実に試合を運び、不利なREDチーム側でもしっかりとラウンドを取得していく。だが、モスラも負けてはいない。Bagshot選手がムードメーカーとなり、グレネードで複数の敵を一瞬で倒したと思ったら、その後のラウンドで大きな失敗して頭を抱えるなど、素晴らしい動きとオーバーアクションで会場を味方につける。
第1マップの第3補給倉庫でも第2マップのクロスポートでも接戦が続いたが、最終的にはLythronaxが2マップ連取で決勝へ勝ち進んだ。
決勝戦 NabD VS Lythronax
決勝戦でぶつかるNabDとLythronaxは予選で一度対戦しており、Lythronaxが勝利を収めている。しかもそのときの対戦マップは決勝戦第1マップのドラゴンロード。Lythronax優勢で進むかと思われたが、NabDは同じ轍を踏まなかった。なんと1ラウンド落としただけという圧勝で、Lythronaxに初黒星をつけたのである。
しかし、Lythronaxもただでは終わらなかった。第2マップのオールドタウンでは4ラウンド連続先取。その後はNabDも持ち返し、今大会初の延長戦に突入した。ここではLythronaxが意地を見せて勝利を奪い、勝敗の行方は最終マップへ持ち越された。
最終マップのプロバンスではどちらも引けをとらない互角の戦いが続いた。プロバンスは壁を貫通させて奥の敵を倒す“壁抜き”や、壁越しのグレネード投擲が重要なマップ。NabDスナイパー陣の地道な壁抜きを功を奏し、第3ラウンドからNabDが勢いに乗り始めたところ、Lythronaxがしっかりと釘を刺し、流れを引き戻す。
白熱の試合を制したのは地力で勝るNabDだった。崩れそうになっても踏みとどまり、Lythronaxの怒涛の追い上げをギリギリのラインで受け止める。この安定感こそが王者たる由縁だろう。初出場でここまでNabDを苦しめたLythronaxにも賛辞を贈りたい。
閉会式で“Sudden Attack Official Master Tournament 2014 Summer”の開催も明らかにされた。『サドンアタック』の大会はこれからも頻繁に開催されていく。NabDは今後も活動を継続していくとのことなので、彼らに土をつけるクランの登場にも期待したい。