マイクロソフトがEpic Gamesから『ギアーズ オブ ウォー』の権利を獲得、新作には元プロデューサーのロッド・ファーガソン氏も参加

マイクロソフトが、Epic Gamesから『ギアーズ オブ ウォー』シリーズの権利を獲得したことを発表した。

●クリフィーBはもういないけど……。

 マイクロソフトが、Epic Gamesから人気アクションシューター『ギアーズ オブ ウォー』の権利を獲得したことを発表した。シリーズの新作についてはバンクーバーのBlack Tusk Studiosが手掛けるとのことで、シリーズの重要人物のひとりロッド・ファーガソン氏も参加し、開発を指揮するという。新作の情報については今年の年末には多くの情報が明かされるとしており、E3での発表の有無も含めて注目だ。

 Black Tusk Studiosは、Microsoft Game Studios Vancouverが改称されたもので、何か新規IPの大作を手掛けることが発表されていた。これが当初から実は新ギアーズのことだったのか、それともオリジナルとして作っていたものをギアーズ作品にすることになったのかは不明だが、Xbox公式サイトでの発表に際し、ゲーム開発部門を統括するフィル・スペンサー氏は(主に突然この名前を知ることになったファンに向けて)同スタジオはギアーズの新たな作品を手掛ける能力が十分にあると語っている。

 通称“Gears Viking”ことロッド・ファーガソン氏は、Epic Gamesでシリーズのプロデュースを行ってきた人物だ。Epic Games退職後はIrrational Gamesでエグゼクティブバイスプレジデントとして『バイオショック インフィニット』の最後の仕上げに関わり、その後は2K Gamesの下でサンフランシスコにスタジオを開くとされていたが、一転して今回の発表となった。


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 今回の発表は、単にギアーズのシリーズ継続の発表というだけでなく、Epic Gamesが前世代で最大のIPを手放したという点でも興味深い。

 同社は『ギアーズ オブ ウォー』や『アンリアル』シリーズのデベロッパーであると同時に、ハイエンドゲームエンジンのUnreal Engineを提供するメーカーでもあった。
 しかし中国のオンラインパブリッシャーのTencentが株式の多くを獲得したのと前後して、シリーズの中心人物であった“クリフィーB”ことクリフ・ブレジンスキー氏やゲームデザイナーのリー・ペリー氏が退職して独立し、先述の通りロッド・ファーガソン氏も離脱。
 また、『バレットストーム』などを手掛けたPeople Can Flyを完全子会社化した際も、スタジオを率いてきたAdrian Chmielarz氏らは独立して新スタジオのThe Astronautsを設立している。People Can FlyはFPS『ペインキラー』シリーズなどを作ってきた歴史あるスタジオだが、『ギアーズ オブ ウォー: ジャッジメント』のリリース後、Epic Games Polandへと改称されている。

 今回Epic GamesがギアーズのIPを手放したのは、こうしたEpic Gamesが直接ゲームも作る会社からゲームエンジンに特化した会社へシフトしていく流れのひとつの区切りとも言える出来事と言えるだろう。
 シリーズ継続が決まったからといってクリフ・ブレジンスキー氏らの新たなギアーズを楽しめるわけではないのは残念ではあるが、ゲームスタジオとしてのEpic Gamesの遺伝子がいくつものインディースタジオを生み出し、ギアーズについてもまったくの他人ではなくロッド・ファーガソン氏がしっかりケツを持つというのは、なかなか悪くない結果に思える。(文・編集:ミル☆吉村)