720Pとは信じられない高精細な裸眼3D

▲飽きてヘッドフォンで遊んでいるんじゃありません。

 仕事に飽きてヘッドフォンでサイボーグごっこしてるんじゃないんですってば!

 AvegantがCESでデモを行っていた“Glyph”は、網膜に直接映像を投影する3Dヘッドマウントディスプレイ(ヘッドフォンのヘッドバンドの部分にディスプレイが仕込まれている)。目の前に小さなスクリーンを用意して映像を見せる一般的なヘッドマウントディスプレイとは異なり、光を直接目に送り込むので、ドットの隙間の網目などが見えない、高精細な画像を自然に見せられるのが特徴。

 その目的は、ヘッドマウントディスプレイの使用者への負荷低減。至近距離で小さなディスプレイを見続けるのが目の負荷になっていると考えたAvegantは、我々が実際に物を見ているのに近くなるよう、網膜投影を使ったヘッドマウントディスプレイの開発に至ったのだという。
 ヘッドマウントディスプレイに繋ぐケーブルが多いのも邪魔になるため、バッテリーは内蔵しており(映像視聴時で3時間程度の動作が可能)、HDMIケーブルで映像と音声を受信するだけ(モバイル端末向けにMHLも対応)。そう、当然イヤーパッドの部分はヘッドフォンになっており、これ1台で簡単にどこでもパーソナルな視聴空間が作れるのだ。

 実際に被って体験してみたのだが、映像は非常に美しく、内部的な処理が720Pとは信じられないレベル。ヘッドマウントディスプレイの使用感で「目の前にシアターのスクリーンがあるような」と形容することがあるが、それがかつてないスムーズかつ自然なレベルで実現されている。しかも裸眼3Dだし、調節ダイヤルでちゃんとフォーカスすれば、視力が悪くてもクッキリ。

 ディスプレイ部の上下は隙間になっていて外が見えるが、これは意図的なもので、ヘッドマウントディスプレイを被ったら周囲の何も見えなくなるのが問題になるケースを避けるためだとか。実際、手元が見えるので飲み物を取るぐらいは簡単にでき、視線を元に戻すと再び大画面がすぐそこに……という映画館まんまの体験ができる。

▲というわけでメガネを外して記者もトライ。だからヘッドフォンでふざけてるんじゃないです。仕事です。
▲モバイルゲームもできるザンス。ヘッドトラッキング(頭の動きを検出する)センサーもついていて、Bluetooth経由でデータを飛ばし、Oculus RiftっぽいVRゲーミングも将来的には可能。
▲こだわりのポイントのひとつはサウンド。「いいヘッドフォンを使っている人もいるけど、僕らとしてはケーブルを減らしたい。彼らとしてはいい音で楽しみたい。だから300~500ドルのヘッドフォンを研究して独自開発したんだ」とのこと。

 特殊な映像ソースなどもいらず、ブルーレイプレイヤー、ゲーム機、スマートフォンとなんでも使えるし、持ち運びも本当にヘッドフォンレベルの簡単さで、何より映像がスムーズで明るく自然なのが結構イケている感じ(あと音もいい)。

 Avegantでは1月22日にKickStarterで出資募集を開始し、499ドル以上の出資で一台手に入れられるとのこと。「こういうのが好きな人にぜひ体験してもらって、その経験を広めて欲しい」と日本進出にも意欲を見せていたので、気になる人は出資してみてはいかがだろうか。(取材・文:ミル☆吉村)

▲プロトタイプ版(ヘッドフォンがついてない)。これで網膜投影のコンセプト確認を行って、軽量化などを進めてきたのだという。