ウメハラら世界のトッププレイヤーが幕張に集まる!

 “東京ゲームショウ2013”4日目の2013年9月22日、周辺機器メーカー“マッドキャッツ”のブースでは、一般プレイヤーとゲストのプロプレイヤーたちによる『スーパーストリートファイターIV アーケードエディション Ver.2012』(以下、『スパIV AE』の大会が開催された。その模様をリポートする。

■世界のトッププレイヤーが幕張に集まる!
 この大会は、世界各国から招待されたマッドキャッツ所属や他チームのプロゲーマーと、一般から募ったプレイヤーが同じ舞台で戦うという夢のトーナメント戦。同時に、アメリカで2013年12月に開催予定の公式大会“CAPCOM CUP”の予選も兼ねており、優勝者には同大会の日本代表シード権が与えられるとあって、お祭り的な大会に留まらないハイレベルな戦いが開催前から期待された。

 試合は64人によるトーナメント戦。参加プロゲーマーは「ウメハラ」、「マゴ」、「ときど」、「Ryan Hart」(ライアン・ハート/イギリス)、「Xian」(シエン/シンガポール)、「Kayane」(カヤネ/フランス)といったマッドキャッツ(MCZ)所属の選手、「EG.Justin」(ジャスティン・ウォン/アメリカ)、「Infiltration」(インフィルトレーション/韓国)、「Mike Ross」(マイク・ロス/アメリカ)など世界的な大会でおなじみの強豪がズラリ。

 全8ブロックごとに分かれて大会が始まったが、最初のAブロック二回戦で「ウメハラ」選手が、“闘劇2011”で準優勝の経験もある「キャベツ」選手に敗れるという一幕があり、この先の波乱を予感させた。

世界の強豪プレイヤーがマッドキャッツブースに集結! 『スパIV AE 日本大会』をリポート【TGS2013】_03
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マッドキャッツ所属選手はもちろん、「ジャスティン・ウォン」選手や「マイク・ロス」選手といった海外の大物選手、国内のプロゲーマーも参戦した豪華な大会となった。解説ブースにはカプコンの小野義徳プロデューサーも来訪!

■ベスト8以降は“名勝負”が続々と繰り広げられた
 ベスト8に残ったのは「EG.チョコ」【ブランカ】、「ハイタニ」【まこと】、「MCZ Xian」(シエン)【元】、「ジュソ」【さくら】、「まちゃぼー」【フェイロン】、「RZR FUUDO」(ふ~ど)【フェイロン】、「ボンちゃん」【サガット】、「MCZ マゴ」(マゴ)【フェイロン】。
 ※上記の「」内はエントリーネーム。本文中では()内の呼称で表記しています。また【】は使用キャラです。

以降、注目の勝負をふたつご紹介しよう。

 ひとつ目は、準々決勝「シエン」選手対「ジュソ」選手の戦い。「シエン」選手は今年の“EVO”(世界最大級の対戦格闘ゲーム大会)で優勝した新鋭のプレイヤー。元というテクニカルなキャラクターを使いこなす。対する「ジュソ」選手は、知る人ぞ知る名古屋の猛者。全国規模の大会での活躍は少ないものの、この日は昨年の“EVO”優勝者「Infiltration」(インフィルトレーション)を破った勢いで、今年の優勝者にも挑むことに。
 固いガードと慎重過ぎるほどの間合いで相手の動きをうかがいながらスキを突く「シエン」選手に対して、絶妙なタイミングで間合いを詰めて咲桜拳や春風脚を決めていくという強気な「ジュソ」選手。お互いにわずかなチャンスを決して見逃さな精度の高いプレイで、攻守が目まぐるしく変わる激しい戦いに。結果は「ジュソ」選手が勝利。後に「ハイタニ」選手に敗れてしまうが、世界的なプレイヤーふたりにまさかの勝利を果たした“大物食い”の活躍は、この日のハイライトのひとつだったと言っても過言ではない。

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世界の強豪プレイヤーがマッドキャッツブースに集結! 『スパIV AE 日本大会』をリポート【TGS2013】_08
甘いマスクと個性的なプレイスタイルが特徴の「シエン」選手。「ジュソ」選手はさくら使いの名手。さくらならではの華麗なコンボが続々と決まる。

 ふたつ目は準決勝「マゴ」選手対「ふ~ど」選手。日本トップクラスのフェイロン使いとして知られる二人。これまで何度も“真のフェイロン使い”を決める戦いを繰り広げ、9月20日のイベント“MAD CATZ UNVEILED JAPAN”でもふたりのエキシビジョンマッチが行われたばかり。このときは「ふ~ど」選手が勝利している。
 試合序盤は、お互いが突進してパンチを繰り出す烈火拳を差し込むきっかけを探りあうフェイロン戦ならではの息を飲む展開に。やがて「マゴ」選手のセービングを駆使した反撃や瞬時の判断が噛み合い、勝利数を増やしていく。神経を消耗する読み合い勝負で「マゴ」選手が見事リベンジを果たした。

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2日前に戦ったばかりの両者だが、準決勝という場で“因縁の対決”、再び! 

■決勝戦は両者マッチポイントになる激戦!
 決勝戦は「ハイタニ」選手対「マゴ」選手の戦いとなった。序盤は「マゴ」選手が、「ハイタニ」選手の動きを封じるかのように、果敢に烈空脚や前方転身からのコンボを当てていき、試合の主導権を握る。しかし、選手国内随一のまこと使いである「ハイタニ」選手、豊富な対戦経験と知識に基づいた怒とうの攻めを見せて連勝して形成が逆転する。その後はスピードキャラ同士の集中力勝負といった様相となり、5戦先勝勝負の4勝4敗にまでもつれ込む。そして、その激戦に勝利したのは「ハイタニ」選手!

 これまでの国内大会では例のないほどの豪華なメンバーが集まっただけでなく、名勝負が次々と飛び出した本大会。午前11時から午後4時までという長丁場のイベントだったが、ハイレベルな戦いにマッドキャッツのステージに集まった人たちは心ゆくまで“格ゲー”のアツさを堪能した。

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今年の“EVO”では参戦2年目でありながら、5位の成績を残している「ハイタニ」選手。この勝利で、再び世界の舞台に挑戦するチャンスを手に入れた!

■【優勝「ハイタニ」選手 インタビュー】

――優勝おめでとうございます!
ハイタニ選手(以下、ハイタニ) まさか自分が勝てるとは思いませんでした! 日本代表として“CAPCOM CUP”に参加するからには世界の頂点を目指してがんばりたいですね。

――世界規模のトッププレイヤーが選手が参加するこの大会。始まるまでは不安だったのでは?
ハイタニ そうでもなかったですよ。まことというキャラクターは、相手プレイヤーや、キャラクターとの相性によってはきびしいこともありますが、読み勝ちさえすれば勝つ可能性は十分持っていますからね。

――今日の試合を振り返ってみていかがですか?
ハイタニ まず、3回戦で戦った「ライアン・ハート」選手とは、事前にトーナメント表を見た段階から戦うことを想定していました。彼には前日にこのステージで行ったエキシビジョンマッチで負けたのですが、夜にこの戦いに照準を絞ってサガット対策を練習をしていましたよ。

――そのほかはいかがですか?
ハイタニ 今日の「ジュソ」選手はとてもキレの鋭い動きでしたね。それでも、自分の拠点である関西ではさくらを使うプレイヤーが多くて、その対策も確立していましたから、何とか勝てました。

――「マゴ」選手との決勝戦はアグレッシブな戦いで会場を盛り上げました。
ハイタニ もう、ここまで来たら攻めるしかありませんでしたから。相手の動きが読めたときは最大ダメージを狙うことを意識していました。その結果、いろいろな持ちネタが披露できてよかったですね。

――2013年12月の“CAPCOM CUP”の活躍、期待しています!
ハイタニ がんばります!

世界の強豪プレイヤーがマッドキャッツブースに集結! 『スパIV AE 日本大会』をリポート【TGS2013】_01
大会中は、ステージの袖から真剣な表情で戦いの映像を見つめていた「ウメハラ」選手。

■【「ウメハラ」選手 インタビュー】
本大会以外でも、東京ゲームショウの会期中はマッドキャッツのフロントマンとしてさまざまな活躍をした「ウメハラ」選手に、大会と東京ゲームショウについて語ってもらった。

――今年のマッドキャッツのブースはとても賑やかな出展でしたね。
ウメハラ氏(以下、ウメハラ) ゲームの出展ではないにもかかわらず、本当に多くの方に来ていただきまして驚きました。ステージでは多くの方に対戦格闘ゲームの魅力がアピールができたと思います。

――本日(22日)の大会についてはいかがでしたか。
ウメハラ 大きく盛り上がってよかったですね。このような場で実施したことによって、対戦格闘ゲームファンの方だけではなく、あらゆるゲームファンに“格ゲー”のおもしろさが披露できたことは本当にいいことだと思いますよ。

――大会では二回戦敗退という結果でした。不本意だったのでは?
ウメハラ そんなことはありませんよ。相手の「キャベツ」選手も強いプレイヤーですし、試合である以上、負けることはありますから。

――ところで、ほかのゲームメーカーのブースは行きましたか?
ウメハラ ええ、空いた時間にひと通り巡りましたよ。でも、新作のハードやゲームの情報には少し疎いので、これは……というものは見付けられませんでしたね(笑)。

――2013年の東京ゲームショウは大活躍でしたね。お疲れ様でした!
ウメハラ 少し疲れはしましたが、ファンの方との交流や大会などを通じて非常に充実した4日間になりました。

世界の強豪プレイヤーがマッドキャッツブースに集結! 『スパIV AE 日本大会』をリポート【TGS2013】_02
マッドキャッツのブース前では最後にプロゲーマーが全員集合して記念撮影。