原口さんが冴島と真島のモノマネを披露!
東京ゲームショウ2013の最終日である9月22日、セガブースにて“『龍が如く 維新!』龍が如く大好き芸人 原口あきまさ氏登場!!”が開催された。本イベントには、『龍が如く』シリーズの総合監督である名越稔洋氏、プロデューサー/脚本・演出の横山昌義氏、そして特別ゲストとしてお笑い芸人の原口あきまささんが登場。3者で『龍が如く 維新!』についてアレコレ語るトークショーが開催されたのだ。
イベントの模様をお伝えするまえに、『龍が如く 維新!』についてざっくりおさらい。本作は、ご存じ『龍が如く』シリーズ最新作。対応プラットフォームはプレイステーション3/4で、2014年2月22日にプレイステーション4と同時発売予定。今作の舞台は幕末の日本で、プレイヤーは坂本龍馬となって恩師の敵を探す……という内容だ。ナンバリングタイトルではなく、2008年に登場した『龍が如く 見参!』のような外伝的作品になっている。
最初に登場したのは、名越監督と横山氏。名越監督は受賞したばかりの日本ゲーム大賞2013“フューチャー部門”のトロフィーを手にして登場し、「このトロフィーを頂いたことに恥じない結果を出したいと思う」と挨拶した。横山氏は「そろそろ東京ゲームショウも終わりですが、いまになってドキドキしています。本当の勝負はこれからです、みなさんのワクワクに応えていかなければならない」と、ゲームショウを通じてさらに士気が高まったことを語ってくれた。
続いて、ゲストの原口あきまささんが登場。「『龍が如く』シリーズは大好きで、僕だけでなく嫁もハマっています。このあいだ『龍が如く4 伝説を継ぐもの』をやり直そうと思ったんですが、後輩芸人に貸したのを思い出しまして。返してもらおうと連絡を取ったら、お金に困ったらしく売られていました」と、借りパクされたことを笑いに変えて暴露していた。
名越監督と原口さんの出会いについては、「お酒を飲んでいたら、隣りにすごく怖い人がいて。時間帯間違えたかなあ、でも見たことあるような……と思って、店員さんに“よく来られる方なんですか?”と訪ねたら、“何言ってるんですか、『龍が如く』の名越さんですよ!”と教えられたんです」と、飲み屋でバッタリ出会ったエピソードを語ってくれた。そこで挨拶を交わし、何かの機会があればぜひご協力を……という流れになって、今回のイベント出演に相成ったそうだ。
『龍が如く』シリーズについては、原口さんは「冴島大河が大好き。坊主頭になっても良かったですよね! でも、使いやすいのは秋山駿かな」と、シリーズをけっこうやりこんでいるコメント。秋山が使いやすいということに、会場のファンも力強く賛同していた。また「女性は秋山ファンが多いですよね、優しさもあって強さもある。僕が秋山でプレイしていると、嫁が隣でじっと見て、“格好いいな、格好いいな”とボソボソ言っている」と、家族で『龍が如く』を楽しんでいるエピソードを語ってくれた。
さて、せっかくモノマネで有名な原口さんがゲストということで、ぜひとも『龍が如く』のキャラクターのモノマネを見せてほしい、という流れに。「こんなに『龍が如く』のファンが集まっている場所で、僕のモノマネのクオリティで満足して頂けるかどうか……」と謙遜しながら、18人殺しのホルモン番長こと冴島のモノマネを披露。「そのホルモンと同じや。俺もお前も、肉は焼きすぎたら固ぁなって食えたもんじゃない……」と、本物ソックリの声色でマニアックな台詞を語り、会場は感嘆と共に笑いの渦が起きていた。さらに真島吾朗のモノマネを行うと、会場からは歓声が。「きーりゅうチャ~ン、約束果たしに来たでぇ~!」とあの独特のしゃべり方を再現、会場は大いに盛り上がったのだ。
このモノマネを見て名越監督は「『龍が如く』を愛して頂いているのが十分伝わります。何かの形で、出演してほしいぐらい」と衝撃発言。原口さんは「え、僕出られるんですか? 川越シェフみたいに!? すげぇ嬉しいです! 今からでも間に合うんですか? (出演は)夢ですからね!」と、取り乱しつつ感激していた。名越監督は「何かしらの役はあるので。何とかします!」と、急遽原口さんが『龍が如く 維新!』に出演することが(ほぼ)決定したのだ。
司会の臼井しずかさんに「よかったですね、高田純次さん!」と振られると、すぐさま「ンッフッフッフッ、びっくらこいちゃいましたね」と、持ちネタである高田純次さんのモノマネで返す原口さん。またもや会場は笑いの渦に包まれたのだ。
“日本人向け”というコンセプトは今回もブレず!
続いて、笑いはゲーム内容へ。本作に込めた思いについて、名越監督は「前作の『龍が如く5 夢、叶えし者』で、区切り的な作品を作れました。今度はプレイステーション4向けにも作成ということで、新しいトライをしていく。以前作成した『龍が如く 見参!』の評判がよく、ああいったテイストの作品をまたやりたいなあと思って、今回このような作品に決めました」と、本作の開発経緯を語ってくれた。
原口さんは「幕末を題材にするのはすごい!」と感想を語る。名越監督は「じつは、前回の『龍が如く 見参!』開発のときも、この維新の時代は候補に挙がっていたんですよ。結果的には宮本武蔵にしたんですが、維新の設定もおもしろいなあ、と。心残りではありませんが、思い続けていて」と、長年暖めてきたアイデアであることを明かした。
本作のコンセプトについては、「今に生きる日本人に対し、過去であろうが現代であろうが、日本人ってのはもっと格好いいんだよ、潔くて美しい魂があるんだよ、伝えたいと願っています。その(シリーズ通しての)コンセプトは今回も同じです」と、迷いなく『龍が如く』シリーズを作成していることを語る名越監督。
また横山氏は脚本について、「坂本龍馬というヒーローや、幕末という時代の本作は、日本人の僕らにしか作れないモノだと思いますし、日本人が楽しんでくれればそれでいいと思っています。結果的に欧米で楽しんでくれる人もいますが、あくまで日本人向けの作品として作っています。ファンのための最高の1本とはなんぞや、ということを考えて物語を導き出しました」と、熱い思いを明らかにした。
また、主人公についても触れられた。名越監督は「今回は桐生という名字は使わず、坂本龍馬と斉藤一という、ふたつ名を持った人物の物語です」と明かす。舞台について横山氏は「坂本龍馬ということで、物語の序盤だけ土佐が出てきます。坂本龍馬は他人の罪を着せられ、土佐藩を脱藩して京都へ向かうという、初代『龍が如く』と少し似た物語になります」と、序盤のエピソードを少しだけ教えてくれた。
恩師を殺した濡れ衣を着せられて坂本龍馬は脱藩するのだが、その真の犯人を捜すべく、攘夷派や勤王派といった、いろいろな剣士が集まる京都へ向かう。そして坂本龍馬は“斉藤一”と偽り、新撰組へ潜伏するそうだ。「坂本龍馬としての身分は隠して犯人を捜しつつ、でも新撰組隊長である斉藤一としても戦わなければならない」と、スパイ映画のような物語が展開されることを横山氏は語る。
過去シリーズの人気キャラクターが、歴史上の偉人として総出演することにも触れられた。名越監督は「僕自身はあまり歴史は得意ではないのですが、偉人を『龍が如く』のキャラクターに当てはめるとこうなります」と、キャラクターを紹介。またキャストについても触れられ、「船越英一郎さんをはじめニューキャラクターも登場しますが、今回はオールキャストをやりたかった。というわけで、過去作で死んだキャラクターも復活させたいな、と思って再オファーをお願いしたら、みなさん快く引き受けてくださって。嬉しかったです」と、開発秘話を語ってくれた。
本作の見所について、名越監督は「ゲームエンジンが進化し、街もちゃんと作り込んでいます。また『龍が如く 見参!』ではあまり実現できなかったタイアップも、今回は積極的に行い、幕末仕様にして色々なところに散りばめています」とアピールした。
バトルシーンを見た原口さんは「すごいトドメの差しかたですね、刀で斬りつけて倒れる寸前のヤツに銃でパーンと!」と、その迫力に興味を示す。横山氏は「今回幕末ですから。銃もあるし、刀もある。今回は好きなように戦ったり、敵によって使い分ける、そんな楽しみかたをして頂ければ。おもしろい部分はとことん突き詰めていく」とバトルシステムについて言及した。また「今回は坂本龍馬をスゲー強くできます」と、育成の幅も広がっていることを明かした。
名越監督はPS Vitaとの連携にも触れる。「ミニゲームも満載。ファーミング要素や何度も遊べるダンジョンなど、多彩な遊びを用意している」とコメント。原口氏は「楽しみでしょうがない!」と、大きく期待を寄せていた。
最後に、原口さんは「『龍が如く』ファンにはたまらないソフトやと思うんでねぇ。ハマりすぎて、歯茎がかわかないように気をつけて。ほなまた、ファーファー!」と、明石家さんま師匠のモノマネで締めてくれた。
横山氏は「『龍が如く』のすばらしさはストーリーもあるけれど、こういう“ばかばかしさ”というかバラエティー感というか、楽しいことを忠実にやっていくこと。そのひとつの証明が、今日のステージだったと思います。続報にご注目頂きたい」と感想を語ってくれた。
名越監督は「プレイステーション3版も4版も出ます。内容は同じですが、我々も新しいハードにチャレンジしていますので、プレイステーション4版を買ってもいいかなという人は、そちらを買って頂けると嬉しいです。来年2月22日、プレイステーション4と同時発売です。よろしくお願いします!」と本イベントを締めくくった。
こうして絶えず笑いに包まれた楽しいステージは幕を閉じた。原口さんが本当に出演するのか、その場合はどんな役所なのか気になるところ。続報に期待したい。
(取材・文:ライター/喫茶板東)