しょこたんの熱唱に会場のボルテージは最高潮!
東京ゲームショウ2013の最終日である9月22日、ガンホー・オンライン・エンターテイメントブースにて、イベント“パズドラZスペシャルステージ”が開催された。
『パズドラZ』は、12月12日に発売予定のニンテンドー3DS用パズルゲーム。スマートフォンで爆発的な人気を博している『パズル&ドラゴンズ』に、キャラクターやアニメーション、RPG要素など多彩な追加要素を加えた、単なる移植にとどまらない作品だ。今回、特別ゲストとして“しょこたん”の愛称で知られる中川翔子さんが登場。本作の主題歌を熱唱してくれたのだ。では、イベントの模様をお届けしよう。
かつてないほどの観客で埋め尽くされたステージに、最初に登場したのは山本大介プロデューサー。『パズドラZ』について「スマートフォン版にはない、キャラクターが登場する要素やグリグリ動くアニメなど、あらゆる面でパワーアップしています」と本作をアピール。続いて中川翔子さんが登場、そのまま主題歌である『さかさま世界』を熱唱し、そのハートたぎる熱唱に会場は興奮の渦に包まれたのだ。
熱唱後、中川さんは「十代の頃から通い続けてきた東京ゲームショウというサンクチュアリで、ずっと夢だったゲームの主題歌を歌えるなんて、夢みたいです!」と、この東京ゲームショウでのライブが特別なものであることを語ってくれた。
会場の興奮が一段落した頃、イベント内容はトークショーへ。主題歌を中川さんへ依頼した経緯について、山本氏は「もともと『パズドラZ』は子ども向けに売っていきたいな、という考えがありまして。誰がいいかな、と探すまでもありませんでした。開発も営業も、全員一致で“しょこたん”さんしかいないと決め、オファーしました」と、すんなり決定したことをコメント。中川さんはそんな裏話を初めて聞いたらしく、「そんな経緯があったなんて、衝撃で……ギャース!」としょこたん節で驚きを表現していた。
主題歌の『さかさま世界』は、作曲を“イトケン”こと伊藤賢治氏、作詞を岩里祐穂さんが担当している。このことについて、中川さんは「たまらんものがこみあげてきましたね!」とコメント。「伊藤賢治さんのゲームサウンドは子どもの頃から体験してきて、それで脳が育ったようなものです。岩里祐穂さんは、たくさんの名曲、大好きなアニメソングを生み出されてきた。そんなおふたりの最強タッグで生まれた『さかさま世界』は、ゲームや人生とリンクしていることが見つかります。ゲームをつけるたびに色々な気持ちが芽生え、人生が進むたびに、パズルを解くように心の扉が開いていく。そんなワクワクする曲になったと思います」と、『さかさま世界』の完成度を大絶賛していた。
ゲストにイトケンも登場、作曲秘話が明かされる!
というわけで、作曲家の伊藤賢治氏も特別ゲストとして登場。『さかさま世界』をどんなイメージで造りあげたかを語ってくれた。「彼女に合う音質とかキャラクターだけでなく、ステージでどうやって歌ってもらえるかな、どうしたら盛り上がるかな、ということを頭の中でイメージし、作曲しました」と、ライブイベントでのパフォーマンスまで考慮しつつ作曲したことを語る伊藤氏。また先ほどの中川さんのライブについては、「嬉しいですね。力一杯、愛を込めて歌ってもらえるのは作曲家冥利につきます」と感想を語ってくれた。
中川さんが、普段の曲よりも『さかさま世界』をパワフルに歌いあげている理由についても明かされた。中川さんはレコーディングのとき試行錯誤して、さまざまなパターンを収録したそうだ。一通り歌ってヘロヘロになったとき、山本氏ができたてホヤホヤのアニメを届けてくれて、それを見たとき中川さんは「骨の髄からこみ上げてくる何かを全身に浴びた」そうだ。そうしてまた最初から収録し直し、『さかさま世界』のパワフルな歌いかたが完成したという。「カラフルなキャラクターたちが動く動く、新モンスターたち、新たなる冒険。私がアニメを見たときの、このゾクゾク感が子どもたちに伝われば」と中川さんは語る。
また伊藤さんは『さかさま世界』以外にも本作の楽曲を手広く手がけているが、実際に曲を聴いて中川さんは「強敵が現れたときの絶望感、このピンチを切り抜けた先に待っている希望などが音楽の中に詰め込まれているのがドキドキして、もう我慢できません!」とコメント。また本作は楽曲が非常に多く、伊藤氏曰く「ボスごとに専用の曲がある勢い」だそうだ。また原作にはなかったシチュエーションの曲も多く、「スマートフォン版ではパズル的な曲が中心でしたが、『パズドラZ』はこれまで自分がやってきたRPGっぽい曲もあります」と、イトケン節を堪能できることも明かされた。
中川さんは現在スマートフォン版『パズル&ドラゴンズ』を遊んでいるそうで、レコーディングの時に山本氏にアドバイスをもらったそう。現在は「クシナダヒメやエキドナ、パールヴァティーといった女の子モンスターを中心に組んでいる」そうだ。『パズドラZ』に登場するモンスターは、これまでドラゴン系のモンスターが多く発表されてきたが、「ちゃんと女の子も出ますよ」と山本氏。
本イベントの最後に、中川さんは「『パズドラZ』の発売日は12月12日ですが、『さかさま世界』のCDはその前日、12月11日に発売されます。すてきなイトケンサウンドの楽曲ができたので、ぜひよろしくおねがいします!」と、CDの発売日が決定したことを教えてくれた。
こうして大盛況のうちに幕を閉じた本イベント。発売日が待ちきれないが、それまでは『さかさま世界』を聞きながらスマートフォン版『パズル&ドラゴンズ』をやりこんで、発売日を心待ちにしてはいかがだろうか。
(取材・文:ライター/喫茶板東)