『AVA』に新時代幕開けの予感

『AVA』最強クラン決定戦は名勝負の嵐! 接戦を制したDeToNatorが護衛・爆破両部門ともに優勝!_01

 2013年8月25日、オンラインFPS『Alliance of Valiant Arms(以下、AVA)』の日本最強クラン決定戦“AVARST2013”が開催された。日本国内の『AVA』プレイヤーのレベル引き上げを目的に、爆破・護衛の2部門で企画され、爆破部門の優勝クランは今秋開催される世界大会“IeSF 2013 国際大会”の日本代表としての出場権を得る。

 爆破には772クラン、護衛には85クランが参加し、その頂点に立ったのは両部門ともに古豪クラン“DeToNtor”。これまでは圧倒的な力を見せつけることが多かったDeToNatorだが、試合はすべて接戦で、『AVA』の新時代の幕開けを予感させる大会となった。

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▲『AVA』トッププレイヤーとボクシング世界チャンピオンの対談にご出席いただいた前川龍斗選手も応援に駆けつけた。ちなみに、本人も『AVA』プレイヤー。
▲大会はネット配信されており、実況はFPS実況解説者のmejika氏、解説は『AVA』日本運営プロデューサーの井上氏が担当。

■護衛部門 決勝戦 DeToNator VS Exquake

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 護衛は戦車を守りながら進軍する攻撃側と、それを防ごうとする防衛側に分かれて戦う、『AVA』ならではのゲームモード。試合展開に緩急がつく爆破とは異なり、常時めまぐるしい攻防がくり広げられる。

 護衛部門の決勝戦でDeToNatorと合間見えたExquakeは、5月の国際親善試合“AVAIFM”で優勝を果たした実力派。解説の日本運営プロデューサー井上氏も注目選手にExquakeリーダーのせんにん..*選手を挙げていて、試合は実力伯仲の好勝負となった。接戦を制したのはDeToNatorだが、試合後に「あと1分あったら負けていたかもしれません」とこぼしていたほどだった。

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▲DeToNatorに思いどおりの動きをさせない、素晴らしい立ち回りを見せたExquake。
▲両クランの技ありの立ち回りの応酬に、会場中がどよめいた。

■爆破部門 準決勝戦 DeToNator VS Galactic

 爆破はFPSの定番ゲームモードで、当然『AVA』でも非常に人気が高い。参加クランも非常に多く、より公平に実力を出せるように、トーナメントには野球の世界大会“WBC 2013”などでも使われていたダブルエリミネーション方式を採用。これは2敗すると敗退となる方式で、1敗しても敗者復活枠(Losers Bracket)のトーナメントで勝ち残れば決勝戦に駒を進められる。組み合わせが悪かったり、たまたま調子が悪くて負けてしまったとしても、優勝のチャンスが与えられるのだ。

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▲このトーナメント表の“F1”が準決勝戦、“G1”が決勝戦。Winners Bracketを勝ち進んだクランには、決勝戦で2セット分のアドバンテージが与えられる。
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▲爆破部門の試合では会場の中央に選手のマシンが置かれていた。選手の手の動きなどを直接見てもオーケー。

 8月25日に行われたのは準決勝戦と決勝戦の2試合で、それ以外は前日にネットカフェのアイカフェAKIBAPLACEで実施。Winners Bracketからは新進気鋭のクラン・Requish、Losers BracketからはDeToNatorとGalacticが勝ち残った。

 準決勝戦のカードはDeToNator VS Galactic。もともと兄弟クランのような関係のため、どちらも手の内を知り尽くしている。実績はDeToNatorのほうが上だが、第1セットを先取したのはGalactic。その後はDeToNatorが2セット連取で勝利を収めたものの、前半はやや動きに精彩を欠いているようだった。

 クランマネージャーに話を聞いたところ、DeToNatorは世界で戦うためにクラン戦のやり方を見つめ直しているのだそうだ。いまは連携のスタイルをいちから作り上げている段階。それでも試合を進めるうちにカンを取り戻し、Galacticを退けたのはさすがと言える。また、連携の穴を突いてDeToNatorを追い詰めたGalacticの成長ぶりにも驚かされる一戦だった。

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▲DeToNator(左)もGalactic(右)も企業からスポンサードを受けている強豪クランだ。

■爆破部門 決勝戦 Requish VS DeToNator

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 前述したように優勝したのはDeToNatorだが、今大会をもっともドラマティックに盛り上げてくれたのは間違いなくRequishの存在だ。トーナメント前半で一度はDeToNatorとGalacticを下しているダークホースである。優勝するために4セット取る必要があるDeToNatorに対し、Requishは2セットでいいという精神的な優位性もある。

 第1セットを取って幸先よくスタートしたDeToNatorだが、2セット目をRequishに抑えられ、崖っぷちの状況に。3セット目はRequishがやや苦手とするマップだったために辛くも勝利を収めることができ、セット数的に3対2に持ち込んだものの、続く第4セットの使用マップはRequishが一度も負けたことがないASLAN。まさに絶体絶命である。

 得意マップということもあって、Requishの動きは多彩だった。だが、DeToNatorはここで抜群の集中力を発揮。個々の能力でねじ伏せにかかるRequishに対し、復活した老練な連携で対抗し、見事に勝利! ここまで来たらDeToNatorの勢いは止まらない。高いテンションのまま最終セットをものにし、護衛・爆破の両部門制覇という偉業を成し遂げた。

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▲圧倒的な個人能力で決勝の舞台にまで来たRequish。
▲DeToNator優勝! 勝利のハグ!

 試合後のインタビューによると、やはりキーポイントは絶体絶命の状況で迎えたマップ、ASLANとのこと。DeToNatorのメンバーは、「あそこで別のマップが来ていたら集中が途切れていたかもしれません」と、冷静に分析していた。

 また、「個々の実力は恐らくRequishのほうが上。今回は経験豊かなDeToNatorに軍配が上がったが、このままRequishが同じメンバーで続けたら、1年後にはクランの勢力図が変わっているかもしれない」とは、井上プロデューサーの弁。新たなスターの誕生を予感させる大会だった。DeToNatorの世界大会での活躍にも期待したい。

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▲感極まって男泣き。筆者ももらい泣きしました。
Requishリーダーは「負けちゃったんですけど、最高に楽しかったので悔いはないです。また期待と思います!」とコメント。爽やか!