●『プリンス・オブ・ペルシャ 忘却の砂』を720Pでプレイ可能

 2012年9月20日から23日まで、幕張メッセで東京ゲームショウ 2012が開催中。ブロードメディアが“世界初のWi-Fiクラウドゲーム機”ことジークラスタを出展している。

 本製品は、小型の筐体をテレビなどに繋いでクラウドゲーム環境を提供する、クラウドゲーミングマシン。ゲームの処理はすべてサーバー側で行い、結果を映像としてジークラスタ本体にストリーミング配信。本体ではWi-Fiを介してこれを受信し、テレビに表示するという仕組みだ。映像はMPEG4をフォーマットに採用し、TGSのデモ環境では6Mbpsの回線で受信していた。2013年の春の発売を予定しており、価格は未定ながら「数千円レベル」(関係者)を想定しているという。

▲テレビの後ろに貼り付けられるこのサイズ! 操作はUSBコントローラー、タブレット、スマートフォンでも可能。

 記者は『プリンス・オブ・ペルシャ 忘却の砂』をUSBコントローラーでプレイした。クラウドゲームでは遅延が重要な課題だが、確かにコントロールの引っ掛かりを感じるものの。本作が入力に若干の余裕があるタイトルということもあって、意外にもそこまで気にならなかった。
 むしろ気になるとすれば映像面だ。720PでHDテレビに出力されており、パッと見ではそれなりにいい感じに絵が出ているように見えるのだが、爆発など、エフェクトが多用される絵の動きの激しい場面では、ブロックノイズが乗るのを確認した。これは仕様上、反応速度を優先した処理になっていることが理由で、ある程度は想定済みであるものの、今後の検討課題としていきたいとのこと。クラウドゲームのサーバー処理を高速化する“NVIDIA GeForce GRID”を持つNVIDIAとパートナーシップ契約も交わしており、今後解消できる可能性があるといえばある。

 関係者の話で一番興味深かったのは、現在のコアゲーマー向けの据え置きゲーム機のシェアを取りに行くという発想ではないということだ。本機は本体自体がテレビの背面に貼り付けられるぐらいで配線もそんなにいらない。もちろんクラウドゲームであるから、ゲーム屋に行ったりしなくても済む。この、手軽にゲームを楽しめるという体験をカジュアル層に提供するという発想は、「クラウドゲームによってゲーム機ビジネスが終わる」といった論よりも現実的であると感じた。
 ゲームコントロール面では、スマートフォンやタブレットをコントローラとして使用することも可能なのもユニーク。一応『プリンス・オブ・ペルシャ 忘却の砂』もスマートフォンでコントロールすることはできたが、むしろスマートフォンやタブレットは、カジュアルゲームなどで使われることだろう。

 ジークラスタがどれだけ成功するかは、現状ではわからない。昨今の議論ではインターネットプロバイダーによる転送量制限なども検討されることがあり、それが実現してしまえば大きなリスクとなる。現時点で重要なのは、サービスが確かに機能しており、コアゲームを720Pで動作させることも実証できているということだ。今後の展開に期待したい。