対戦格闘ゲームのスペシャリストが集結

 2012年4月28日~29日の期間、千葉県の幕張メッセで開催されている大型イベント“ニコニコ超会議”にて行われた対戦格闘ゲームイベント“超闘劇”の模様をリポートする。

 超闘劇では、エンターブレインが主催する国内最大規模の対戦格闘ゲーム大会“闘劇”の特別予選を開催。種目は、初日の2012年4月28日は、『スーパーストリートファイターIV アーケードエディション Ver.2012』(以下、『スパIV AE』)、『バーチャファイター5 Final Showdown』(以下、『バーチャ5』)、『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』(以下、『ストIII 3rd』)の3タイトル。2日目の4月29日は、『アクアパッツァ』、『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』、『鉄拳タッグトーナメント2 アンリミテッド』の3タイトルとなっている。この特別予選での勝利者は、ブロック決勝などを経ずに、一発で闘劇2012決勝大会への出場を得ることができる。

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バーチャ神“ちび太”選手が圧倒的な実力差を見せつけた『バーチャ5』

 多数の強豪選手が出場した『バーチャ5』は、ゲーミングハードウェアメーカーRazerとプロ契約を結んだ“ふ~ど”選手と“板橋ザンギエフ”選手が早々に敗退するほどのハイレベルな戦いとなった。そんな中で他を圧倒する存在感を見せていたのは、2012年3月に行われた全国大会“格闘新世紀VI”で優勝を飾ったバーチャ神こと“ちび太”選手(リオン)。準決勝では、勝負強さを発揮してディフェンステクニックの冴える☆野ひかる選手(ジャッキー)をラウンド3-2で撃破。そして、決勝戦では過去に闘劇での優勝経験もある強豪“ジン”選手(影)を、リングの壁を絡めたラッシュで圧倒。ラウンド3-0で完封し、優勝を収めた。優勝したちび太選手は「すごくうれしい、本戦も優勝します」と力強くコメント。チーム戦となる本戦でのチームメイトは? との質問には「ジンとSHUと組みます」と宣言していた。

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『バーチャ5』で優勝したちび太選手。

ハイタニ選手が持ち前の破壊力を発揮した『ストIII 3rd』

 1999年の稼働から10年以上が経過したいまでも根強い人気を誇る『ストIII 3rd』。一般の大会では、ユン、ケン、春麗といった性能の高いキャラクターが大会上位に食い込むことが多いが、本大会ではイブキがユンを撃破するなど、長年のやり込みによって性能差を覆しているプレイヤーも多く見受けられた。そんな本大会で決勝戦へ駒を進めたのは、決して高くないネクロの性能を、脅威のやり込みでカバーしている職人プレイヤー“杉山”選手と、読みの鋭さを活かした大胆な攻めが持ち味のハイタニ選手(マコト)。

 決勝戦第1ラウンドは、“スーパーアーツ”を絡めたコンボで相手を“スタン”(気絶)させるという得意の戦法を決めた杉山選手が先制。続く第2ラウンドは、開幕直後にしゃがみ中パンチから必殺技の“疾風”→スーパーアーツの“正中線五段突き”へつなぐ強力なコンボを決め、流れをつかんだハイタニ選手が取り返す形に。そして最終ラウンドは、前に出るハイタニ選手をうまくさばいてスタン寸前まで追い詰めた杉山選手の勝利かと思われたが、ギリギリのところで耐えたハイタニ選手が逆転勝利し、優勝を収めた。闘劇本戦出場を決めたハイタニ選手は、「本戦のチームメイトは、ももちさんとウメハラさんです」と、プロゲーマーふたりとドリームチームを組むことを明かした。

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『ストIII 3rd』で優勝したハイタニ選手。

ウメハラの『ストIII 3rd』参戦はあるのか!?

 闘劇『ストIII 3rd』の参戦について会場でウメハラ選手に質問したところ「出るって言ってますね(笑)」とコメント。その後、決勝ステージ前にハイタニ選手からチームに誘われ「勝ったら組んでもいいよ」というやり取りがあったことを教えてくれた。最後にウメハラ選手は「本当に勝っちゃいましたね(笑)」と笑っていたが、事の真偽やいかに!?

『スパIV AE』ではうりょ選手がプロを上回る活躍をみせる!

 『スパIV AE』は、敗者復活戦が行われる“ダブルイリミネ―ション”方式を採用。1度負けた選手は敗者トーナメントへ送り込まれ、そこで再び負けると敗退となる特別ルールだ。そんな特別ルールで行われた本タイトルには、世界的に有名なプロゲーマーの“ウメハラ”選手(リュウ)など、3タイトル中もっとも多くのプロが参戦した。しかし、ウメハラ選手、“ときど”選手(ゴウキ)、“マゴ”選手(フェイロン)といった“チームマッドキャッツ”のメンバーはベスト4に残れずに敗退。“チームRazer”のふ~ど選手(フェイロン)と板橋ザンギエフ(ザンギエフ)は、プロの意地を見せてベスト4に残るものの、ふ~ど選手は同門の板橋ザンギエフ選手に敗れ、板橋ザンギエフ選手は関西の強豪“うりょ”選手(さくら)に負けてしまい、決勝進出は果たせなかった。

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チームマッドキャッツ。左からマゴ選手、ときど選手、ウメハラ選手。
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チームRazerのふ~ど選手と板橋ザンギエフ選手が、決勝ステージで直接対決を行う場面も。

 決勝戦は予想に反してプロゲーマーが残ることはできず、巧みなコンボテクニックと大胆な行動が持ち味の“うりょ”選手(さくら)と、堅実な立ち回りで対戦相手を封殺してきた“どぐら”選手の対決となった。前述したとおり本大会はダブルイリミネ―ション方式を採用しているため、無敗で勝ち上がったどぐら選手は1勝すれば優勝となるが、敗者トーナメントとから這い上がってきたうりょ選手は2勝しなければならない。ここまで隙のない立ち回りで安定した戦いを見せてきたどぐら選手から2勝をあげるのは至難の業。うりょ選手はかなりの劣勢といえる。
 
 そんな中開幕した決勝戦第1試合は、突進攻撃“ダブル二―プレス”、リーチの長い強キック、素早い前方ダッシュ、隙をついて足元をすくうしゃがみ強キックなどを使い分けた巧みな立ち回りで、終始どぐら選手のペースで進む。どぐら選手が1ラウンド目を先取し、2ラウンド目もどぐら選手が試合を優勢に進め、うりょ先取は体力残り数ドットまで追い込まれてしまう。万事休すかと思われたところで、渾身のジャンプ強キックからのコンボを決めてうりょ先取が逆転勝ちを収める。ここから少しずつうりょ選手が調子を取り戻し始める。接戦になった3ラウンド目の終盤、相手の攻めを切り替えそうとしてくり出したどぐら選手の必殺技“EXサイコクラッシャーアタック”を、うりょ選手が「狙っていた」とばかりに潰してコンボを決め、1試合目の勝利をもぎ取る。

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お互いが優勝へのリーチをかけた第2試合。完全に調子を取り戻したうりょ選手が、1試合目の勢いそのままに1ラウンド目を先取。2ラウンド目もペースをつかんでどぐら選手を追い込み、得意のコンボから超必殺技“ウルトラコンボ”でフィニッシュ! ……のはずが、ウルトラコンボがフルヒットせずにどぐら選手がわずかな体力を残し生き残り、まさかの逆転勝利。流れを変えて3ラウンド目を取りたいどぐら選手だったが、しゃがみ強キックからの攻めを読まれてコンボを食らい万事休す。うりょ選手が敗者トーナメントから這い上がり、見事に優勝を収めた。

試合後のコメントでは「口の中がカラカラでしんどいですが、すごくうれいしい」と熱戦を制した喜びを口にしていた。また、本戦は「ももちとハイタニと出ます」と、名古屋と関西の最強プレイヤーが手を組んだドリームチームの結成を宣言していた。

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『スパIV AE』で優勝したうりょ選手。

出会いのきっかけは『ストIV』!?

 全日程を終え、ニコニコ生放送も終了したところでサプライズが! 本日2012年4月28日、ニコニコ超会議会場に設置された“ニコニコ神社”にて結婚式を挙げた新郎新婦が登場。なんと、このカップルは『ストリートファイターIV』をきっかけに出会い、ニコニコ超会議会場でゴールインしたという。結婚の思い出にということで、『スパIV AE』で優勝したうりょ選手と新郎のエキシビジョンマッチが行われた。新郎は、アーケード版『スパIV AE』のキャラクター別通算バトルポイント1位の実力者で、うりょ選手をあと一歩というところまで追いつめていたが、惜しくも負けてしまった。エキシビジョンマッチには敗れてしまいましたが、おふたりともお幸せに!

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『ストリートファイターIV』がきっかけで出会い、ゴールインしたカップル。新郎がエキシビジョンマッチで優勝者のうりょ選手に挑戦。

記事担当:豊泉三兄弟(次男)