週刊ファミ通のニュースページ“エクスプレス”で連載中のゲームに関連した著名人へのインタビューコーナー“Face”。誌面スペースの都合などからカットした部分を網羅した完全版をファミ通.comでお届け。今回のゲストは、アーティストの難波章浩さんと上田剛士さんです。
今週のお題
『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス フルブースト』
アーケード バンダイナムコゲームス 2012年4月5日稼動開始
歴代ガンダムシリーズの機体を操り、2on2で戦う『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス』のバージョンアップ版。多数の新機体が追加され、シリーズ最多の数の機体が登場する。また、一定時間機体をパワーアップさせる“エクストリームバースト”が2種類から選べるようになるなど、さまざまな新要素が追加された。
誰も聴いたことのない音楽ができました
上田剛士(うえだ たけし、右)
難波章浩……ロックバンド“Hi-STANDARD”のフロントマン(ボーカル・ベース担当)。ソロアーティストとしても活動している。上田剛士……活動休止中のロックバンド“THE MAD CAPSULE MARKETS”のベーシスト。現在ソロプロジェクト“AA=(エー・エー・イコール)”として活動中。
2012年4月5日に稼動開始したバンダイナムコゲームスのアーケードゲーム『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス フルブースト』。本作は、幅広いユーザーからの支持を得ている『機動戦士ガンダム VS.』シリーズの最新作だ。今回のゲストは、本作のテーマソング『FIGHT IT OUT feat. K(Pay money To my Pain)』を制作した、難波章浩さんと上田剛士さんのふたり。初めてコラボレーションしてみての感想や、曲作りの思い出などを聞いた。
――『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス フルブースト』の主題歌を作ってほしいというオファーが来たときの心境はいかがでしたか?
難波 『機動戦士ガンダム』を観て育った世代なので、うれしかったですし、驚きました。「僕たちでいいんですか?」って。
上田 本当に驚きましたね。でも、それと同時に、「チャンスが来たな」とも思いました。ガンダムと自分たちが組み合わさったら、おもしろくなるだろうなと。
難波 前から剛士くんとは「コラボレーションしたいね」と話をしていたので、このような機会をいただけて本当にうれしかったです。
――曲作りはどのように進められたのですか?
難波 僕がメロディーのデモを作って、それから剛士くんにアレンジしてもらいました。
上田 難波くんはアイデアをどんどん出してくれるタイプなので、そのイメージを汲み取って、形にするのが楽しかったですね。
難波 頭の中にある音のイメージを、言葉で説明するのが難しくて。「こういう感じで、ビュビュッて音を入れて!」と、剛士くんの留守電に残したりしました(笑)。剛士くんはそれをちゃんとキャッチしてくれて、何十倍、何百倍の出来で返してくれましたね。
上田 難波くんの電子音の掴みかた、ロック観・パンク観は、自分に近いものがあったので、イメージは伝わりやすかったです。
――同時期から活動されているおふたりだからこそ、スムーズに意思疎通できたのですね。
難波 はい。剛士くんが仕上げた最初のAメロのドラムを聴いたときに、「この曲はいける!」と思いました。生のドラムを叩いたみたいな、すごい音ですよね。それで一度曲を提出したんですけど、馬場さん(『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス フルブースト』プロデューサー、馬場龍一郎氏)から「まだまだ」とダメ出しを受けてしまいまして。
上田 「ええ、まだまだいかなきゃだめなの!?」って思いましたね(笑)。けっきょく3回くらいダメ出しをくらいました。
難波 馬場さんが「デスボイスが欲しい」というので、Pay money To my PainのKくんにデスボイスを入れてもらいましたし。
上田 Kくんもこれまでやったことのないチャレンジだったようですが、喜んでいましたね。
――では、馬場さんの度重なるリテイクの結果、完成したこの曲の出来栄えはいかがですか?
難波 ロックファンはみんなびっくりしちゃうような、誰も聴いたことのない音楽ができましたね。
上田 ガンダムはワールドワイドな存在なので、ふだん僕たちの音を知らない人たちにも、この音を届けられると思うとうれしいです。
難波 日本のアニメやゲームは海外から注目されていますが、音楽はまだまだですよね。今回、ガンダムの力を借りて、この音を世界中にアピールできたらいいなと思っています。
――この曲が流れるオープニングムービーはご覧になりましたか?
難波 はい。音と映像がバッチリ合っていて……バンダイナムコゲームス恐るべし、と思いました。
上田 曲を作っているときも、ガンダムが戦っている光景をイメージしてはいたんですけど、実際に映像を観ると、やはり迫力が違いましたね。こんなにパワーが増すんだ、と驚きました。
――全国のアミューズメント施設でこの映像が流れるのが楽しみですね。ところで、先ほど「ガンダムで育った世代」とおっしゃっていましたが、ガンダムに関して、どんな思い出がありますか?
難波・上田 ガンプラです。
――(笑)。
上田 みんな夢中になって買いに走ってましたね。
難波 小学生たちのブームでした。
――ふだんゲームは遊ばれるのですか?
上田 いまはあまりプレイしていませんね。一度始めると、ゲームばっかりやってしまうので……。
難波 僕もそうだったんですが、今回の仕事を機にプレイステーション3を買いまして。小学3年生の息子といっしょに、まずは『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス』を遊ぼうと思っています。
――親子で楽しめるのもガンダムのいいところですよね。それでは、最後に読者にひと言お願いします。
難波 誰もが驚くような曲になっているので、ぜひ聴いてください。そして、「自分も誰かを驚かせるようなことをしよう」と思ってもらえたらうれしいです。
上田 この曲を聴いて、燃えて、友だちとのプレイを楽しんでください。好きなものに熱中することが、新しいものを作るパワーを生むので、とことん楽しんでいただければと思います。