『タイトーマイルストーン5』が2027年1月28日に発売される。1978年〜1990年のタイトー作品10タイトルを収録したNintendo Switch用ソフトで、『スペースインベーダー』から幻の3画面版『サーガイア』(※)までを収めた1本だ。
※横スクロールシューティングゲーム『ダライアスII』の海外版。
発表を受け、プロデューサーの外山雄一氏(タイトー)に、『アーケードアーカイブス』プロデューサーの濱田倫氏(ハムスター)、そしてコラボを実施するとのことで、東京でクラシックゲーセン“ゲーセンミカド”を構える店長の池田稔氏、レトロゲームアイドル兼ミカド店員の村下小粒氏を交えて話を聞いた。
収録タイトルの選定、3画面版『サーガイア』発見の経緯、ミカドでの稼動計画、HORI製コントローラとの連動、10年ぶりの『スペースインベーダー』大会まで、話題は多岐にわたった。

『タイトーマイルストーン5』収録タイトル


『スペースインベーダー』(左)/『マリンデート』(右)


『陸海空 最前線』(左)/『エクスターミネーション』(右)


『アルカノイド リベンジオブDOH』(左)/『プランプポップ』(右)


『ファイナルブロー』(左)/『クライムシティ』(右)


『サーガイア(3画面版)』(左)/『ハットトリックヒーロー』(右)

外山雄一氏(トヤマ ユウイチ)
タイトー/『タイトーマイルストーン5』プロデューサー(文中は外山)。
濱田 倫氏(ハマダ サトシ)
ハムスター/『アーケードアーカイブス』プロデューサー(文中は濱田)。
池田 稔氏(イケダ ミノル)
INH代表取締役社長、ゲーセンミカド経営者兼店長(文中は池田)。
村下小粒さん(ムラシタ コツブ)
レトロゲームアイドル。ゲーセンミカドのスタッフとしても勤務(文中は村下)。
「これ、偏りすぎじゃない!?」収録10タイトルの選定
――さっそくですが、なぜ今回、このメンバーが集まったのでしょうか? まずはタイトーとゲーセンミカドのコラボの経緯から教えてください。
外山
じつは過去、タイトーとミカドさんはコラボできないものと思い込んでいて、店舗に気を遣っていたといいますか。そうしたら、『イーグレットツー ミニ』のプロデューサー(えがっP)が、“超リアルアーケードコレクション”という形でコラボをしていて。そこで「やっていいんだ!」とわかったので、『タイトーマイルストーン4』のプロモーションからコラボさせていただき、『レインボー★パラソルコレクション』でのコラボも好調で、今回もお願いすることになりました。
――収録タイトルは、どのようにして決まったのでしょうか?
外山
『タイトーマイルストーン2』では仙波さん(※)三部作(『ガンフロンティア』、『メタルブラック』、『ダイノレックス』)、『3』では『ラスタン』三部作(『ラスタンサーガ』、『ラスタンサーガII』、『ウォーリアーブレード』)と、それぞれテーマがありました。なので『5』も最初は、すべてシューティングにしようと思っていたんです。『サーガイア』と『エクスターミネーション』に加え、すでにアケアカ(アーケードアーカイブス)で出ているシューティングから選ぼうとしました。
※仙波隆綱氏。1989年~1992年にタイトーに在籍し、さまざまな名作の開発に携わった。
ところが、本シリーズはワールドワイドで海外パブリッシャーと組んでいるので、そちらにも相談したところ、「ジャンルが偏りすぎじゃないか?」と言われました。欧州やアジア圏でも販売するので、遊べるゲームのジャンルはバランスよく揃えたほうがいい……という意見でした。そこでシューティングを減らし、ほかのタイトルを加えることになったんです。
たとえば『ファイナルブロー』は、家庭用移植版で実在するプロボクサーが登場することでとても有名でした。『ハットトリックヒーロー』も欧州ですごく売れていましたし、そうしたタイトルがヨーロッパ側から推されて、それらと入れ換える形でいまのラインアップに落ち着きました。

『ファイナルブロー』
――村下さんは、この中で遊んだことがあるタイトルはありますか?
村下
『アルカノイド リベンジオブDOH』そのものではなく、前作の『アルカノイド』でしたら、ミカドに大山のぶ代さんのサイン入り筐体(※)があるのでやったことがあります。『プランプポップ』はアケアカで遊びました。かわいくて、ぴょんぴょん跳ねた記憶があります。『スペースインベーダー』は、お正月の生配信で遊びました。あとは初見です。
※声優の故・大山のぶ代さんは、『アルカノイド』の超絶技巧プレイヤーとしても知られている。

――ミカドで、これまでに稼動させたことのあるタイトルはありますか?
池田
稼動させたことがないのは『マリンデート』と『サーガイア』くらいで、あとは一通りあります。印象に残っているのは『プランプポップ』と『エクスターミネーション』、『アルカノイド リベンジオブDOH』ですね。どれもめちゃくちゃ難しいんですよ。今回はどれも渋いラインアップで、やり込み甲斐があるなと思いました。
――『エクスターミネーション』は、アケアカにも未登場なので、知らない方も多そうです。どんなゲームでしょうか?
外山
地上を歩いて移動するタイプの縦スクロールシューティングです。タイトー作品としては、あまりないタイプのゲームですね。

『エクスターミネーション』
幻の3画面版『サーガイア』を発見!
――注目度が高いのは、やはり3画面版の『サーガイア』だと思うのですが、こちらが収録されることになった経緯を教えてください。
外山
『タイトーマイルストーン5』でも、これまでと同様に「初移植のタイトルを入れたい」という思いがありましたが、初移植で、なおかつ引きのあるタイトルとなると、残り少なくなってきていて。
それと、これまでのシリーズでは『~3』までは、画面構成が超横長(ウルトラワイド)のタイトルを入れていたので、今回も超横長のものを1本入れたくて。当初は『ダライアス コズミックコレクション』にも入っている2画面版の『サーガイア』で行こう……という話になっていたんです。
ところが、ROMデータをかき集めてハムスターさんにお預けしたところ、「3画面版の『サーガイア』もありますよ」となって。そこから3画面版を収録する方向で、話が進んでいきました。

――そのあたり、詳しくお聞きしたいです。
外山
約20年前、タイトーにいたゲームクリエイター・プロデューサーのアオキヒロシさんが残されたROMデータを整理していたら、その中に3画面版『サーガイア』に関するメモがあったんです。
その後私が『ダライアス コズミックコレクション』を担当することになったのですが、その時点ではエムツーさんとの契約やスケジュール上の制約もあって、『ダライアスII』も『サーガイア』も2画面版だけに絞って移植しようという話になり、お互い3画面版まで追いかけられなかったんです。
※有限会社エムツー。『ダライアス コズミックコレクション』の開発に参加している。
――メモもROMデータもあるのに、当時は解析までは行えなかったと。
外山
その後、『ダライアスII』のプログラマーだった中村辰男氏にも3画面版『サーガイア』の話をしたところ、「覚えていない」とのことでした。「やっぱりアオキさんのメモは、何かの書き間違いで、3画面版は存在しないのかな」と諦めていたんですけど、今回あらためてそのROMデータをハムスターさんに調べてもらったところ、3画面版『サーガイア』が動作することを確認できたので、『タイトーマイルストーン5』での収録につながった……というわけです。
――2画面版と3画面版では基板がまったく異なると思うのですが、ROMは共通だったのですか?
外山
違うのはプログラムだけで、グラフィックのROMは『ダライアスII』と『サーガイア』で共通なんです。なのでプログラムを差し替えれば動きます。正確に言うと、2画面版ではサウンドも差し替える必要があるんですけど、3画面版の差し替え用のプログラムを解析したところ、プログラムROM差し替えだけでちゃんと動いてくれました。
濱田
以前、ハムスターで『ダライアスII』を担当させていただいたときに、ちょうど3画面版を扱っていたので。そのときのノウハウを流用したところ、すんなり動かすことができました。3画面で動くさまにはシンプルに感動しましたね。


――日本では3画面版『サーガイア』を見たことがない方も多いのでは?
外山
日本ではたぶん稼動していなかったと思います。そもそも『サーガイア』自体が海外で展開していたタイトルなので、国内で3画面版を動かした例はほぼないはずです。
池田
本当に見たことがないタイトルだったので、最初に存在を知ったときは、ただただ「遊んでみたい!」と思いました。
外山
欧州向けの調整なのか、ステージ道中の難度がやや高めで。ボスはかなり弱めに設定されているのが特徴です。
池田
僕は東京出身ですが、当時は『ダライアスII』も3画面版の稼動率が高かったですね。2画面版はほとんど見たことがなくて。思い入れがあるのは、だんぜん3画面版なので、『サーガイア』も3画面版で遊べるのがうれしいです。
――村下さんは『ダライアス』シリーズを遊ばれたことは?
村下
ガチでやったことがありません。でも魚がいっぱい出てきて、水族館みたいでおもしろそうですね(笑)。
――2画面版と3画面版では、ほかに何が違うのですか?
外山
アイテムのルールが違います。敵機を倒すと手に入るアイテムですが、2画面版では取らずにいても、画面上で跳ね返って戻ってくるのに対し、3画面版では跳ね返らず、そのまま上に消えていきます。だからアイテムが出現したら、急いで取りに行かなければいけません。
池田
敵編隊の最後の1体を画面上部で倒すと、アイテムがすぐ消えてしまうので、敵機のせん滅はできるだけ、画面の下部で行ったほうがいいですね。こんな感じで、攻略法も少し違ってきます。
外山
そういう意味では、敵のレイアウト自体もぜんぜん違いますね。

――『ダライアスII』の海外版に当たるのが『サーガイア』ですが、お話を聞く限り、プレイ感覚はだいぶ異なるようですね。
外山
あと、『サーガイア』はステージの分岐が少ないのも、『ダライアスII』との大きな違いですね。プレイ時間を短くしたかったのか、難度調整はかなりシビアになっています。そのぶん、先ほども少し触れましたが一部のボスは一瞬で倒せるくらい、かなり弱く設定されています。
――『ダライアス コズミックコレクション』にも入っていなかった貴重なバージョンの家庭用初移植というのは、ファンにはたまらないポイントですね。
外山
これでようやく、『ダライアス』のアーケード版がすべて家庭用に移植されることになります。ちなみに、エムツー代表取締役の堀井直樹さんからも「故あって『ダライアス コズミックコレクション』には未収録の本作ですが、弊社も作って組み込んでおくのでー!!(あとはタイトーさん次第ダヨ)」とのコメントが届いています(笑)。

エムツー代表取締役・堀井直樹氏
ゲーセンミカドで10タイトルを動かす挑戦
――ミカドさんとのコラボの詳細を教えてください。
池田
『タイトーマイルストーン5』に収録される10タイトルを稼動させて、実機で遊べるようにします。10タイトル中、6タイトルは基板があり、過去にも稼動させたことがあります。『サーガイア』に関しては、改めて3画面筐体に基板を入れる必要がありますね。ほかにも『マリンデート』など、レバーとボタンではない特殊なコントロールパネルのゲームがあるので、それらに合わせてコンパネの交換も必要です。
濱田
特殊なコントローラが必要なタイトルが3本ありますね。
外山
『マリンデート』などの基板はこちらからお貸しできるのですが、ハーネス(※1)はタイトーにもなかったので、新たに作っていただく必要があります。それが心配でしたが、『サーガイア』のROM焼きに協力してくださったキャット・ホイ商事合同会社の駒林貴行さんが、ナツゲーミュージアム(※2)の方とも仲がよくて。「『マリンデート』のテーブル筐体を持っているので貸し出せます」と言ってくださっていて、たいへんありがたいですね。ちなみに『マリンデート』の基板は、タイトーでももう何十年も動かしていないので、動くかどうか、現時点ではちょっと不安です。
※1:アーケードゲーム基板を筐体につなぐための配線。
※2:1980年代のアーケードゲームを中心に動態保存している施設。
『マリンデート』
池田
『スペースインベーダー』もコンディションのよくない基板が多いですね。なんといっても、1978年のゲームですから。
――3画面版『サーガイア』が稼動したら、個人的にも遊びに行きたいです。何円で遊べるのですか?
池田
1回200円です。本当は500円くらいいただきたいところですけど。
濱田
価値としてはそれくらいありますよね。
池田
欲を言うと、1回で1000円取りたいくらいです(笑)。
『ハットトリックヒーロー』の大会を開きたい
――これまでのミカドコラボでは、ミカドちゃん(ゲーセンミカドのVTuber)が『スピカ☆アドベンチャー』(『レインボー★パラソルコレクション』収録作)をクリアーするなどの盛り上がりがありました。今回はいかがでしょう?
池田
村下をはじめ、プレイ配信などもやれたらと思っています。個人的に好きなのが『ハットトリックヒーロー』で、昔、ミカドでよく大会をやっていたんです。

――なんでもありサッカーゲームですね。配信でも盛り上がりそうです!
池田
パスとシュートだけでなく、パンチボタンがあって、相手を殴れるんです。映画『少林サッカー』みたいな要素があっておもしろいんですよ。相手のユニフォームの袖を引っ張ってジャマすることもできるので、まさに村下向けですね(笑)。
村下
ボールそっちのけでジャマばっかりし続けそうです。
濱田
欧州ではめちゃくちゃ人気があるんですよね。
外山
当時すごく売れて、コピー基板もたくさん出回ったそうです。本物は拡大縮小する機能を実装しているけど、コピー基板にはそれがないので、そうした演出面で見わけることができるみたいです。
池田
コピー基板が出回るのはよくないですが、そこまでしてでも遊びたいと思わせるほど売れたということですね。とりあえずパンチを出せば何とかなるといいますか、サッカーがよくわからなくても遊べるのがいいですね。

――ちょっと話が飛びますが、村下さんは最近の配信で、『奇々怪界』をノーコンティニューでクリアーされていましたよね?
外山
村下さんには、1コインクリアーを目標に練習する“ノーコンアイドル”という企画で挑戦してもらったんです。1ヵ月以上かかるだろうな……と思っていたら、3週目であっさりクリアーされたので驚きました。
村下
配信時間にすると3時間ぐらいで、私史上、いちばん早かったと思います。
――そんな村下さんからご覧になられて、『タイトーマイルストーン5』収録作の中で気になるタイトルはありますか?
村下
『陸海空 最前線』が気になります。これはどんなゲームなんですか?
池田
船に乗ったり、ヘリに乗ったり、乗り物に乗り込んで戦うシューティングで、これもなかなかおもしろいですよ。

『陸海空 最前線』
HORIの新作アケコンとの連動を意識
――『マリンデート』が収録されているのは、やはりお林さん(※)の推しだから……でしょうか?
※タイトーの林幸人氏。“イーグレットツー ミニ”への『マリンデート』移植時はプロモーションを担当していた。外山
最近のアケアカのラインアップを見ていただければわかるかもしれませんが、HORIさんのコントローラ“HORI Arcade Classic Pro for Nintendo Switch 2”を意識しています。なので、パドルやトラックボールを使うタイトルを意図的に入れました。
本当は『タイトーマイルストーン4』の時点でもコラボしたかったのですが、残念ながらタイミングが合わなかったので、『アルカノイド』、『キャメルトライ』、『サイバリオン』は「USBマウスに対応しています!」とPRしました。今回は『プランプポップ』、『アルカノイド リベンジオブDOH』、『マリンデート』が入っているので、HORIさんともいい感じでコラボができますと幸いです。

『アルカノイド リベンジオブDOH』
――“東京ゲームショウ2026(TGS2026)”のHORIさんのブースで触ってきましたが、かなりよかったです。ごついんですけど、そんなに重くなくて。ループレバーはめちゃくちゃ硬かったものの、柔らかく調整するそうなので、発売が楽しみです。
池田
トラックボールも調整が難しそうですね。おなじようにトラックボールを使うゲームでも、メーカーごとに感度はぜんぜん違うので、どのタイトルでもちょうどいい感じに使える“真ん中”を取るのは、かなりたいへんだと思います。
――いまは『タイトーマイルストーン5』の発売が先か、コントローラの発売が先か、微妙な状況ですね。
濱田
HORIさんは“TGS2026”で反響が大きかったこともあり、クオリティーを上げることにかなり注力されているみたいです。現状ですとおそらく、『タイトーマイルストーン5』の発売が先になるかと。
――“HORI Arcade Classic Pro for Nintendo Switch 2”が発売したら、既存のアケアカのタイトルもこれに対応できるように調整されるのでしょうか?
濱田
そうですね。全タイトルにアップデートパッチが必要なので、時間はかかると思います。実機に近い動きを目指して順番に当てていきますが、その中でもとくに『タイトーマイルストーン5』の3タイトル(『プランプポップ』、『アルカノイド リベンジオブDOH』、『マリンデート』)は最優先でパッチを適用する予定です。ソフトとコントローラが揃ったときに、最適な環境で遊んでいただけるようにしたいですね。

『プランプポップ』
――アケアカと『タイトーマイルストーン』、両方でパッチを当てていくのはたいへんですね。
濱田
アケアカはいま、6つのハードで展開しているので、考えただけで軽くゾッとしますが、HORIさんがいいコントローラを作ってくれたので、パッチもがんばらなければと思っています。アケアカで初期のころに出たタイトルにもパッチを当てて。『フロントライン』もループレバーで遊べるようにしたいですね。スタッフからも「全部ですか!?」と悲鳴が上がっていますが、これまでレバーでしか遊べなかったゲームが、オリジナルに近い環境で遊べるようになれば、プレイ感覚もぜんぜん違ってくるので、その実現がいまから楽しみです。
外山
もしサンプルが間に合えば、ミカドさんとのコラボに合わせて、HORIさんからコントローラをお借りして体験会も開きたいと思っています。
――“TGS2026”でも、めちゃくちゃ人が集まっていましたからね。
濱田
“HORI Arcade Classic Pro for Nintendo Switch 2”に興味のある人が、2時間待ち、3時間待ちで、列を作っていて。あまりにも人気すぎて、正午には受付が終了していました。クラシックアーケードゲームファンの熱量を、HORIさんも改めて感じられたみたいです。
池田
じつはこちらのコントローラの開発に当たり、HORIのスタッフの方がミカドにも来られて。池袋店にあるトラックボール筐体などを実際に触られて、実機の操作感覚をフィードバックされたそうなので、いいものに仕上げてくれるんじゃないかなと期待しています。
――受注生産は今月頭(2026年10月)に締め切られましたが、価格は約40000円(39980円)でした。
池田
仕事柄、コントロールパネルやトラックボールの部品の値段がわかるんですけど、僕らが仕入れている値段とほとんど変わらない価格ですね。これはめちゃくちゃお買い得ですよ。
濱田
HORIさんも価格にはかなり悩まれたと思いますよ。『クレイジー・クライマー』や『空手道』が遊べるように、ツインレバーを実装してほしいという声もあったそうですが、最初の金額は抑えておかないと、そもそも商品を買っていただけない、普及しない……ということで、現在、発表されている形にまとまったみたいで。後からブロックごとに販売する構想もあるそうなので、発売後の展開にも注目したいですね。とにかく受注はすごく好評だったと聞いています。
――アケアカの既存タイトルも遊びたくなりますね。
池田
『サイバリオン』などは、遊びかたが変わっちゃうので、やりたいですね。
『スペースインベーダー』公式大会を再び
――『タイトーマイルストーン5』の発売を記念して、『スペースインベーダー』の公式大会も開催されるそうですね。こちらについても詳しく教えていただけますか?
外山
まだ私がタイトーに入社する前なんですけど、2016年に埼玉県主催で同作の大会が開かれました。腕に覚えがあったので出場したものの、UFOを撃ち漏らして、あえなく予選落ちという結果でした。その大会の決勝戦を見ていたら、当時は無名だったfukkokuyaさんという方が優勝されたのですが、そのプレイが本当にすごくて、びっくりしてしまって。
そのことがずっと記憶に残っていて、その後、『スペースインベーダー インヴィンシブルコレクション』やアケアカ版をリリースする際には検証プレイヤーとしてお世話になっていまして、いまも関係は続いているんです。
こちらのfukkokuyaさんや、当時の大会決勝進出者の方何名かと相談させてもらって、「10年ぶりに大会を開きたいね」ということになり、このたび、ミカドさんで実施させていただくことになった次第です。

池田
対戦用に、コンディションのいい『スペースインベーダー』の筐体を2台用意するのは、なかなかたいへんでした。
外山
しかもそれを配信の映像にも載せることになるので、難しい場合はアケアカ版でやるしかないかな……と思っていたのですが、池田さんが尽力してくださって。
池田
せっかくやるからには実機で対戦できるよう、がんばらせていただきました。
外山
まずはオンライン予選をX(旧Twitter)で行い、上位8人を選びます。そうして決勝はミカドさんの実機で行う予定です。(予選はアケアカ版を使用)
池田
ガチ勢が集まりそうですが、予選はオンラインなので、誰でも気軽に参加できるのがいいですね。
外山
大会は2026年11月22日に高田馬場店で開催されます。もし、HORIさんのコントローラのサンプルが間に合うようなら、そこでも体験会を開きたいなと思っています。
――お正月の生配信でも、こちらの皆さんが集まられて『スペースインベーダー・パート2』を遊ばれていましたが、外山さんのプレイは見事でしたね。
濱田
外山さんは、ゲームの腕に関しては私と同レベルだと思っていたので、プレイを拝見して、「お前とは違うぞ」というところを見せつけられて。そこから改めて、尊敬するようになりました(笑)。
外山
ほんの一部ですが、得意なゲームがいくつかあります。ミカドさんの配信では『ミスターヘリの大冒険』もクリアーしました。
池田
“TGS2026”のときの特番では、視聴者から「レインボーボーナス(※)を見せて!」といったリクエストが来て。それをしっかり成功させるので、本当にすごいですよ。
※レインボーは『スペースインベーダー』のテクニックのひとつで、10点のインベーダーを最後に残すと成功。『パート2』では成功後にステージクリアーすると“レインボーボーナス”の演出が見られた。外山
あのときは運よく成功しただけで。なんとかうまくいったので、ホッとしました。
アーケード文化の楽しさを伝えていきたい
――『タイトーマイルストーン5』のアピールもお願いします。
外山
プレスリリースにも少し書きましたが、ショップ特典として音楽CDと、ソフトが5本入るケースを付けます。『タイトーマイルストーン』もようやく5本揃いました。『アケアカNEOGEO セレクション』の真似と言われるかもしれませんが、ひとまずの一区切りとして、5本入る箱を用意しましたので、早めにショップで予約していただければ、こちらが付いてきます。

ショップ特典の音楽CD
濱田
これは並べて飾りたくなりますね。ちなみにSNKさんは、タイトーさんも特典としてケースを付けるとお話ししたところ、笑顔で「どうぞどうぞ」とおっしゃっていました。
外山
ケースは『スペースインベーダー』のアップライト筐体をイメージしたデザインで、画面にあたる部分が、通常版、名古屋撃ち、レインボーの3種類があります。さらに、余白を上手く使って、”タイトーステーション”、『スペースインベーダー』、『マリンデート』の立て看板パーツも作りました。
池田
芸が細かいですね。
外山
これからPR期間なので、その間にミカドさんとコラボして盛り上げたいです。

――本作に収録される新規の3タイトルは、いずれアケアカでも単体で出るのでしょうか?
濱田
タイトーさんと協議しながら進めようかと。より多くの皆さんに楽しんでいただける環境にはしたいと思っています。
外山
『タイトーマイルストーン』はNintendo Switch版だけの展開ですが、アケアカならプレイステーションやXBOX、PCでも遊べますからね。
――そちらの展開も楽しみにしています。それでは最後に、読者の皆さんに向けてひと言ずつお願いします。
池田
『タイトーマイルストーン』シリーズで一斉稼動やイベント、配信をやるたびに、古いゲームの魅力を再認識しています。今回は『5』のラインアップを見て、「そういえば『ハットトリックヒーロー』の大会、しばらくやっていないな」と思いました。こんな感じで毎回、企画の引き出しを開けていただけて、本当にありがたいですね。1本でも多く、本作を買っていただけるよう、実機を使って販促に協力させていただきたく思います。
村下
私はリアルタイム世代ではないので、むしろ毎回、最新ゲームの感覚で遊ばせていただいています。「こんなゲームがあったんだ」と、復刻で知るタイトルばかりなので、レトロだから遊ぶのではなく、新しく出ているから遊ぶという感覚です。いまの若い子にも、そういった視点・感覚で、本作を遊んでもらえたらうれしいです。まだ『タイトーマイルストーン』で大会はやっていないので、“村下杯”みたいな感じで『ハットトリックヒーロー』の大会を開けたら、楽しそうだなと思いました。

濱田
昨今のゲームはダウンロード専用か、物理メディアでも発売するか……という点がよく話題になりますが、アケアカはダウンロード版しかないので、物理メディアでも残してほしいという声を多くいただいております。今回も外山さんといっしょに『タイトーマイルストーン』という形で、物理メディアとして作品を世に出すことができて、本当にうれしく思っております。アケアカでも出していないタイトーさんのタイトルはまだまだありますので、こうした展開はこれからも続けていきたいですね。コレクションとしての展開にも、どうぞご期待ください。
外山
ハムスターさんにはずっとお世話になっていますし、ミカドさんには基板をお借りしたり、実機の検証を手伝っていただいたりと、これまでも何度もお世話になってきました。IPホルダーのメーカーと、移植してくれるハムスターさん、実機でゲーセン文化を守ってくれているミカドさん、そして買ってくださるユーザーの皆さんあっての商品展開といいますか、よい関係が築けていると思っておりますので、これからも引き続き、タイトーIPとアーケード文化を応援していただけますと幸いです。

本稿で『タイトーマイルストーン5』に興味を持たれた方は、さっそく公式サイトなどで本商品をチェック! ゲーセンミカドとのコラボ企画もどんどん展開していく……とのことなので、そうしたイベントにも足を運び、実機でも名作たちを遊んでみてはいかがだろう。