「リ、リホ……」
と、おどおどしながら女の子の名前を呼ぶ成人男性の姿があった。



うわ、笑顔がまぶしいギャルだ! やめてくれ、チョロいオタクだから好きになっちまう!
気を取り直して……『ファレイドリア』はかわいいキャラクターとの交流や日常の空気感を重視した、NEXON Games IO DIVISION内のRXスタジオが贈るPC・モバイル・コンソール向けの完全新作ゲームだ。
拠点となる寮で流れるゆったりとした時間が織りなす日常感と、浸蝕された非日常でのスリリングな戦いがギャップを感じさせる異世界もの。かわいい少女がひたすら画面にいる。



本稿では、Unreal Engine 5を採用したハイクオリティな3Dグラフィック、音声認識を利用したリアルな交流、そしてダイナミックなターン制バトルの魅力に触れてきた様子をリポートする。
管理人として見守る少女たちの日常と、“浸蝕”された非日常

舞台となるのは、地球と非常によく似た世界に存在する“アニマ市”。
プレイヤーは市の復興センターに赴任してきた公務員として、寮と事務所を兼ねた“黄昏館”の管理をする役目を担っており、みんなからは“センター長”と呼ばれることになる。

復興センターというのは都市で起きた問題を解決する機関であり、市民からの苦情が日々舞い込んでくるようだ。
寮には“メイツ”と呼ばれる特殊能力を持った少女たちが共同生活をしており、いっしょに日常を過ごし、ともに問題を解決していく。なお、センター長は都市で唯一の“人間”らしい。
黄昏館はなかなかに立派な建物で、広い敷地内で、メイツたちが思い思いに過ごしている。部屋から部屋を歩いて移動し、運動や読書、掃除、うたた寝など、日常を謳歌する女の子たちを眺められる。




記事の冒頭でも伝えた通り、本作は音声認識によってメイツに“話しかける”ことが可能。名前を呼びかけると反応してくれて、交流を楽しめる(もちろんボタン操作で完結させることも可能)。
交流画面ではメイツの話が(テキストベースで)聞けるほか、手を振るなどのアクションで好感度が上昇。試遊では好感度上昇による恩恵や、ほかのコマンド(贈り物、おでかけ、招待など)の詳細はわからなかったが、こうした日常パートでの行動で仲よくなっていけるようだ。

試遊はわずかな時間だったが、実際はこの日常をくり返していくことで、メイツたちと徐々に打ち解けていくことができるのだろう。
プレイヤーは管理人側の存在ではあるが、見知らぬ女の子たちが暮らす空間に放り出され、その生活を眺めているときに感じるほんの少しの疎外感。そして、実際に話しかけて交流し、仲良くなっていく感覚……これは、たしかに本作が標榜する“異世界ホームステイ”体験そのものだと感じた。

音声認識は、“ホームステイ感”を楽しむ一助となっている。人前で声を出す、という行動には気恥ずかしさを覚えるもの(個人差あり!)だが、その行動に反応してくれるインタラクティブな体験が、仲よくなるための一歩を踏み出した感があって、いい。
そして、ストーリー中の選択肢にも、音声認識が対応している。
ゆるやかな日常と対比するように、市内で“浸蝕”が発生すれば探索を伴う戦闘パートへ。道中の会話では、メイツたちからセンター長であるプレイヤーへ問いかける場面も。

選択肢自体は展開に大きな影響を与えるものではなかったが、実際に会話しているような体験が、ともに戦う仲間としての没入感・一体感につながっており、新鮮だった。もちろんボタン操作で選択肢を選ぶことも可能なので、ご安心を。
仕様としては、選択肢のなかで黄色くハイライトされている部分を読み上げれば認識してくれる仕組み。やはり気恥ずかしさが残る筆者は黄色い部分だけ読んで進めたが、同行した編集者はノリノリで全文を読み上げていた。私はシャイなオタクだ。

なお、センター長はゲーム画面に映ることはなく、ダンジョンではメイツたちを直接操作して探索を行う。編成しているメイツはいつでも操作切り替え可能。

ダンジョン内は、“浸蝕”による異常現象が巻き起こっている。……のだが、試遊の範囲では、筆者はメイツたちの作り込まれたグラフィックに釘付け。どの角度から見てもかわいい。
フォトモード自体は確認できなかったが、UIをいつでも非表示にできるようになっている。カメラのズームイン・アウトも可能で、さらに操作中のキャラクターはカメラに目線を向けてくれる。これなら常時フォトモードのようなものだ! とうれしくなって、非常事態だというのに探索そっちのけで高精細なモデルを楽しんでしまった。



ちなみに、キャラクター鑑賞に勤しんでいたら、「センター長、急がないと……!」とメイツたちにしっかりと釘をさされてしまった。ごめん。

バトル演出がダイナミック。だけど真価はまだわからず


画面の左上に敵味方ユニットの行動順が表示され、順にコマンドを選択していく。選べるコマンドはふたつのスキルと必殺技というシンプルな構成だ。


スキルや必殺技の演出はリッチ。メイツたちは“武器武器とした武器”ではなく、一風変わったアイテムや能力を駆使して戦うのが独特な点。
今回バトルに参加したシャミは厄除けグッズを使用。オハナは必殺技で顔が本に変化している。ミニエは水平器と定規が一体となったような形状の道具を得物としていた。



バトルシステムの特徴としては、コマンドの選択には制限時間があること、敵味方の配置は徐々に変化していくこと。“ライブターンバトル”と呼称されるシステムで、ターン制のコマンド選択方式と、リアルタイム性の融合を目指しているようだ。
制限時間といってもシビアではなく、60秒ほどの猶予があるためじっくりと考えられるようになっている。ただし、考えている間にも敵は少しずつフォーメーションを変えていくことがあり、広範囲を指定できるスキルで巻き込める配置になったりならなかったりと、状況がリアルタイムで変化。



戦略性として注目なのが、ブーストゲージの存在だ。バトル中に攻撃を行うとゲージが溜まり、MAXになるとメイツの行動順を前倒ししてスキルを発動できるというもの。必殺技のゲージとは別個に存在しており、前倒しして選べるコマンドはスキルと必殺技どちらにも対応しているため、自由度の高い割り込みシステムとなっている。

だが、今回遊んだ試遊版ではスキルの演出中に割り込みを予約しておく、といったことができなかった。そのためブーストゲージが溜まっても敵の行動が始まってしまい、味方ユニットのターンになってから割り込みを行う、という状況になりやすい。
正式版がどういった仕様になるかはまだわからないが、“敵に攻撃される前にタンクのユニットで引き付ける”や、“攻撃を受ける前に必殺技で倒す”といった戦法を実践できたら非常に楽しそう、とブーストゲージの運用について妄想が膨らむ。
バトルのダイナミックさに終始ワクワクさせてもらえるぶん、戦略性やアクション性がどのような形で完成するのか期待がもてるところだ。





2026年9月17日~9月21日の期間、幕張メッセで開催している東京ゲームショウ2026(TGS2026)にて、『ファレイドリア』の試遊スペースが出展中(Hall7-C04)。一般公開日は19日、20日、21日となっているので、興味のある人は足を運んでみてほしい。そして、気になる子の名前を呼んでみてほしい。大きな声で。

























