『タイニーメタル2』と『PROJECT BLITZ(仮)』は“ゲームはゲーマーのためにある”を胸にゲーム作りに取り組む【BitSummit2026】

『タイニーメタル2』と『PROJECT BLITZ(仮)』は“ゲームはゲーマーのためにある”を胸にゲーム作りに取り組む【BitSummit2026】
 2026年5月22日~24日にかけて、京都・みやこめっせで開催された日本最大級のインディーゲームの祭典“BitSummit PUNCH”(ビットサミット パンチ)。
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 BitSummitでもおなじみの顔となるAREA35が今年のBitSummitでプレイアブル出展したのは、ターン制ストラテジー『タイニーメタル2』と、見下ろし視点のマルチプレイシューター『PROJECT BLITZ(仮)』。加えて、Apple Arcadeで配信中のリズムゲーム『フェリスティーズ・ドア』も展示していた。
『タイニーメタル2』と『PROJECT BLITZ(仮)』は“ゲームはゲーマーのためにある”を胸にゲーム作りに取り組む。カウチコープが楽しいゲームを【BitSummit2026】

 プレイさせてもらった『PROJECT BLITZ(仮)』は、『
タイニーメタル』の世界観を受け継いだ対戦アクションゲーム。AREA35の代表である由良浩明氏が、『ボンバーマン』が大好きでインスパイアを受けたという一作で、最大4人でプレイして、制限時間内(試遊では5分だった)にポイントを競うことになる。
『タイニーメタル2』と『PROJECT BLITZ(仮)』は“ゲームはゲーマーのためにある”を胸にゲーム作りに取り組む。カウチコープが楽しいゲームを【BitSummit2026】

 試遊できたのは“キャプチャー・ザ・メタル”(仮)というモードで、メタルに乗って橋をわたって逃げ切ると高得点をゲットできる。ただ、ポイントを稼ぐ方法はいくつかあり、自分の好きなスタイルで楽しめるのがキモと言えそうだ。

 会場で、AREA35の代表・由良浩明氏にお話をうかがう機会を得たので、『PROJECT BLITZ(仮)』や、同社の看板タイトルである『タイニーメタル2』について聞いてみた。

『タイニーメタル2』と『PROJECT BLITZ(仮)』は2027年Q1(第一四半期)にリリースできそう

『タイニーメタル2』と『PROJECT BLITZ(仮)』は“ゲームはゲーマーのためにある”を胸にゲーム作りに取り組む。カウチコープが楽しいゲームを【BitSummit2026】

由良浩明氏ゆらひろあき

AREA35 代表

――『タイニーメタル2』と『PROJECT BLITZ(仮)』の開発の進捗を教えてください。

由良
 『タイニーメタル2』は、日本ではプレイテスト後の初お披露目になります。プレイテスト自体は限定的な規模で実施していて、すでに終了している状態なので、今回の展示で公開するものは、そこからさらにアップデートを加えたビルドになります。

 『PROJECT BLITZ(仮)』は、今回出展しているのは、バーティカルスライスとしては、最後のビルドになります。ここでいただいたコメントをすべて反映したうえで、アルファ段階へ移行します。会場でのフィードバックが最終的な方向性を決める、という位置づけです。

――バーティカルスライスというのは?

由良
 バーティカルスライスは、ゲーム全体の縦断面を見せるプロトタイプ段階のことですね。ケーキを縦に切り出した一切れのように、スポンジからクリームまで全要素がひと通り入った状態と言えます。

――会場のフィードバックも活かすのですね。

由良
 そうですね。私たちの中にはBlizzard Entertainmentに所属していた者も多いですし、技術交流会などもしているのですが、大きな影響を受けているのが同社の手法です。Blizzard Entertainmentには社訓がいくつかあるのですが、いちばん印象的だったのが、“ゲームはゲーマーのためにある”です。ですので、なるべくフィードバックを取り入れて手触りをよくすること、予算的にはきびしくても、クオリティーはできる限り上げることを優先的に考えています。

――『タイニーメタル2』に対しては会場でどのようなフィードバックが多かったのですか?

由良
 攻撃時のカットシーンが少し長いという意見や、コマンダーのパワーバランスへのリクエストがありました。ただ、正直なところ、かなりポジティブなコメントが多くて、直さなければいけない箇所がだいぶ少ない印象でした。

――『PROJECT BLITZ(仮)』は昨年(2025年)のBitSummitでも体験できましたが、あのころはプロトタイプで、いまはかなり作り込まれている印象があります。

由良
 あのとき出したのは本当にできたてで、中身の行動がかなり散らかっていました。それを整理するのと、いちばん時間がかかったのがタッチ・アンド・フィール(操作感)の調整ですね。ドッジロール(キャラクターが身をかがめて前転や側転をし、敵の攻撃を避ける回避アクション)後の無敵期間の長さや弾速のチューニングといった、数値レベルの細かい部分です。

 それと、英語で“ディミニッシング・リターン”と言うのですが、日本語でどう言えばいいか、どんどん効果が低くなっていくというか、クオリティーを上げれば上げるほど、その改善が目に見えにくくなってくるんです。ものすごく労力をかけているのに、パッと見た印象ではわからない、という状況が続いています。

 ただ、『PROJECT BLITZ(仮)』は会場の試遊ビルドで用意しているモード以外にも、複数のモードを用意しています。

――会場で遊べたのはなんというモードなのですか?

由良
 “キャプチャー・ザ・メタル”(仮)ですね。メタル(戦車)を拘束することが大きな目的のモードです。

――ほかにはどのようなモードがあるのですか?

由良
 2対2の協力プレイモードもあります。フィールドに1台のトロッコが配置されていて、自分たちの陣地のゴールに先に運んだチームが勝ちとなります。運ぶ途中に障害物があったり、運んでいる最中に攻撃されたりするので、チームでの協力がすごく重要になります。

――『PROJECT BLITZ(仮)』は『ボンバーマン』にインスパイアされた一作とのことですが、見下ろし視点を採用している以外にも取り入れている点はあったりしますか?

由良
 『ボンバーマン』は、トップダウンで戦闘するという点だけを参考にしています。『ボンバーマン』はすばらしいゲームデザインで、爆弾を置いて爆発タイミングを計るというパズル的な構造があると思っています。『PROJECT BLITZ(仮)』基本的にはシューターです。

 サードパーソンシューターって、家族でいっしょに遊ぶイメージが湧きにくいですよね。ゲーマーとノンゲーマーが混じって遊ぶには、TPSはまだハードルが高いと思っています。その点、トップダウンならお子さんも混じって遊べると考えました。

――『PROJECT BLITZ(仮)』は、あまりゲームをプレイしない方にも楽しんでほしいのですね?

由良
 母があまりゲームを好きではなかったのですが、『ボンバーマン』だけはいっしょに遊んでくれたんですね。それが思い出にありまして、「誰でもプレイできるものを作りたい」という気持ちが根っこにはあります。

――『タイニーメタル2』は、まだそれとは少し方向性が違いそうですね。

由良
 かなりゲーマー向けですね。どちらかと言うと、『ファミコンウォーズ』系のシミュレーションです。個人的に『ファミコンウォーズ』や『ファイナルファンタジータクティクス』が大好きで、それを2026年にアップデートしてアレンジしたものが『タイニーメタル2』だと思っています。

――『タイニーメタル2』でとくにアピールしたいポイントはどこですか?

由良
 『タイニーメタル2』の魅力は協力プレイです。ふたりが異なるコマンダーとタッグを組んでいっしょに遊ぶ形になります。コミュニケーションも重要で、お互いに恩恵をもたらすスキルを入れていきます。

 まだ、詳細はお話しできないのですが、たとえば、通常は自分の軍でしか行えないロックオンと支援射撃が、友人の軍と組み合わせて実行できます。「ユニットが足りなくて支援射撃できない」という場面で、相手が「だったら僕がやるよ」と補える仕組みです。

 コロナ禍が終わってから、とくにカウチコープ(同じ画面を共有しながら協力して楽しむゲームのプレイスタイル)への思いが強くなっていて、前作ではエンジニアに「システム上難しい」と言われて実現できなかったので、今回は必ず入れてほしいとお願いしました。カウチコープって案外難しいんですよね。
『タイニーメタル2』と『PROJECT BLITZ(仮)』は“ゲームはゲーマーのためにある”を胸にゲーム作りに取り組む。カウチコープが楽しいゲームを【BitSummit2026】
『タイニーメタル2』。
――『PROJECT BLITZ(仮)』も2対2で遊べるモードがあるとのことでしたね。

由良
 そうですね。あと、“キャプチャー・ザ・メタル”(仮)もじつは協力しないといけないシチュエーションもあるんです。ゲームプレイのバランスでは、メタル対兵士だったら、よほど兵士がうまくなければメタルのほうが断然有利です。でも兵士が3人いて、一斉に攻撃したら、やはりメタルのほうが弱くなってしまう。そこで協力したり対戦したりという駆け引きが行われるから、おもしろいかなと思っています。

――『タイニーメタル2』と『PROJECT BLITZ(仮)』が同時進行ですが、由良さんはミリタリー系がお好きなのですか?

由良
 日本のオタクはミリオタから始まったと思っています。僕は変な理解をしてしまっているかもしれませんが(笑)。僕は1987年にシドニーに移住したのですが、当時はもちろんインターネットなどもなくて、親しむものと言えば、日本から持ってきた本しかなかったんですね。僕がよく読んでいた本は、日本の歴史と日本海軍と陸軍の大きな写真集でした。父が持っていたんです。それをよく見ていて……。そういう影響もあったかなと思います。

――社名もミリタリーっぽいですね。

由良
 社名もそうですね。支社も含めてそういうテーマにしようかなと思っていて。

――AREA35の35にはどのような意味があるのですか?

由良
 東京の緯度です。それでAREA35。当社には、AREA35と、AREA34、AREA33があります。AREA33はシドニーで、AREA34はロサンゼルスにある会社ですね。シドニーはマイナス33度(南緯)ですけども。

――奇遇ですね。『タイニーメタル2』の発売はいつを予定しているのですか?

由良
 2027年のQ1(第一四半期)という発表はしているのですが、まだ発売日は決めていません。バーティカルスライスも、もうけっこう前に終わっていないといけなかったのを、ギリギリまでやっています。

――『タイニーメタル2』もまだ、バーティカルスライスの状態なのですか?

由良
 そうです。先回ってアセットとかプロダクションのほうができてしまっているところもありまして。量産プロダクションチームの手が空いていたので、先にキャラクターやユニットをどんどん作ってしまったんですね。見た目では「けっこうできている」と見えても、中身がまだちゃんとできていないという状態でした。ただ、アセットはほぼ揃っていて、シネマティックも終わっていますし、脚本もできていて、アフレコも一度やっています。だからちぐはぐになってしまった部分もありますが、いまからでも十分間に合う手応えはあります。

――『PROJECT BLITZ(仮)』のほうは?

由良
 こちらもたぶんQ1にはいけそうな感じです。

――重なりそうですね。正式な発売日発表をお待ちしています。
『タイニーメタル2』と『PROJECT BLITZ(仮)』は“ゲームはゲーマーのためにある”を胸にゲーム作りに取り組む。カウチコープが楽しいゲームを【BitSummit2026】
『タイニーメタル2』。
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