2026年5月22日~24日にかけて、京都・みやこめっせで開催されている日本最大級のインディーゲームの祭典“BitSummit PUNCH”(ビットサミット パンチ)。
先日ゲーム事業に取り組むことを発表した東映は、今回BitSummitに初参加。同社がパブリッシングすることを明らかにした『KILLA』、『HINO』、『DEBUG NEPHEMEE』の3タイトルをプレイアブルで出展した。ここでは、東映ゲームズのタイトルの中から『KILLA』を紹介する。
本作を開発するのは韓国のケンキツ団(Black Tangerine)。どんな方たちが開発しているのかしら……と思いきや、会場にいらっしゃったのはキラキラ輝いていた4人の女性たち。記者としてはどきまぎしながらの取材となった。
『KILLA』は、孤独な少女ヴァルハラが、唯一無二の家族だった師匠の殺害犯を探しに未知の島へと旅立つ3Dアドベンチャー推理ストーリーゲーム。師匠は死に際に、「ラを殺せ」という言葉を残す。
ヴァルハラが導かれた不思議な島で、あらゆる願いを叶える“ティーパーティー”に参加。集ったのは、その名に“ラ”を持つ9人の容疑者たち。ヴァルハラは、復讐を果たすために、不思議な島で犯人を見つけ出すことになる……という、ミステリ好きからすればなんともわくわくするような筋立だ。
取材に応じてくださったのは、シナリオとアートを担当しているチェ・ダヨン氏、プログラム担当のチャン・ジェウォン氏、企画およびマーケティングを担当しているチェ・ダウン氏、サウンドを担当しているユン・セウン氏だ。ちなみに、チェ・ダヨン氏とチェ・ダウン氏は姉妹となる。

本作のためにチームを結成した
――どのようにして出会ってチームを作ることになったのですか?
チェ・ダヨン
私はもともと大学でゲーム制作サークルに所属していたのですが、他大学の連合サークルでチャン・ジェウォンさんと知り合って、自分と同じ大学のイベントでユン・セウンさんと出会い、3人で開発をするうちに、ビジネスと企画を妹が担当することになって、最終的にこの4人でゲームを作っています。
――このタイトルを作るためにチームを結成したのですか?
チェ・ダヨン
もともと私が企画を立てていたのですが、それに対してチャン・ジェウォンさんが興味を抱いてくれました。サウンドのユン・セウンさんは、私がスカウトしました。イベントですごくよいサウンドを作られていたので、お声掛けしたんです。
ケンキツ団は、私の企画を実現するために結成したチームですね。
――本作はどのようなゲームなのですか?
チェ・ダヨン
『KILLA』は、“ラを殺せ”という師匠の遺言に従い、師匠を殺した犯人を探して復讐する主人公ヴァルハラの旅を描いた推理ストーリーアドベンチャーゲームです。

――なぜ、推理ストーリーゲームを作ろうと思ったのですか?
チェ・ダヨン
最初は農場ゲームを作ろうとしていたのですが、私たちはみんなキャラクターが好きなオタクなので、その強みを活かしてキャラクターをよく魅せられるゲームシステムは何があるのかと考えたとき、推理がよいと思って推理ゲームを作ることになりました。
キャラクターどうしは相互につながりがあって、昔からの幼ななじみだったり、それぞれバックグラウンドのストーリーがあるんですね。
――そういったキャラクターの関係性も本作の大きな特徴と言えそうですね。
チェ・ダヨン
私たちはそういった関連のアニメやゲームにたくさん接しているので、キャラクターの関係性をゲームに落とし込むのは得意ではありますね。
――とくにインスパイアを受けたキャラクターとか、作品はありますか?
チェ・ダヨン
多すぎて!
チェ・ダウン
とにかくいろいろなキャラクターにインスパイアを受けています。参考にしたキャラクターが多すぎて、誰かひとりを挙げるのは難しいのですが、たくさんの魅力的なキャラクターからインスピレーションを受けました。
そんな9人の中から犯人を探していくゲームです。

――容疑者9人がいずれも個性的で……という感じなのですね。
チェ・ダヨン
はい。ゲームをプレイしながら、そのキャラクターの魅力や過去のストーリーをよく知ることができるような設計にするために、推理方式にこだわりました。“共鳴”システムを入れたのもそのためです。
――“共鳴”システムですか?
チェ・ダヨン
はい。容疑者の記憶へ潜入して、夢の断片を組み合わせて真実を編み上げていくシステムですね。
一般的な推理ゲームで使われる、科学捜査中心の方式とは少し異なるアプローチです。『KILLA』では、キャラクターの物語を中心に推理を進めていく形を考えました。
ユン・セウン
キャラクターの精神的な空間に入って、その過去を見ることで推理していく形です。過去のある場面の中に入っていって、手掛かりを探すんです。
――特定の犯人は決まっているのですか?
チェ・ダウン
犯人は決まっています。でもエンディングは複数用意されています。ユーザーの選択によって、エンディングは変わっていきます。
――ちなみに、キャラクターにボイスは付くのですか?
チェ・ダウン
まだ確定していないです。
ユン・セウン
ボイスが入るのを好まれる方もいれば、ボイスが入ることに抵抗がある方もいらっしゃいます。「想像していた声と違う」という反応もあるので、慎重に考えています。
――本作の開発期間はどれくらいなのですか?
チェ・ダヨン
だいたい3~4年くらいかかっています。
――大学を卒業して本作の開発に取り組んでいる感じですか?
ユン・セウン
チェ・ダウンは大学生なのですが、ほかの3人は卒業しています。私はほかの仕事もしながら本作に関わっていますが、チェ・ダヨンさんとチャン・ジェウォンさんはゲーム開発に注力しています。
――ゲーム開発に専業で取り組んでいるのですね。ゲームクリエイターとしてがんばっていきたいということでしょうか。
チェ・ダヨン
いま考えていることは、とにかく自分たちが好きなものを完成させて、この仕事を続けていきたいという気持ちが強いです。

――今回、東映ゲームズからパブリッシングのお話があったときはどう思いました?
チェ・ダヨン
「あの東映?」ってびっくりしました(笑)。本当に本物なのかとたくさん調べました。
2025年に開催された東京ゲームショウでお会いして、そのあと韓国でも打ち合わせをさせていただきましたね。
ちなみに私たちは積極的に日本のゲームイベントに参加していまして、2年前にはBitSummitにも出展しています。日本のユーザーの皆さんに『KILLA』のことをもっと知ってもらいたかったんですね。あと、日本のユーザーの皆さんの反応も知りたかったんです。
ユン・セウン
アニメやマンガなど、私たちが日本のコンテンツから受けた影響はとても多くて、ゲームを通じて日本のユーザーの皆さんとコミュニケーションを取ってみたいという気持ちが強かったんです。
チェ・ダヨン
私たちが日本のコンテンツの影響を多く受けているので、私たちの作ったコンテンツも、日本の方々に気に入っていただけるのではないかと期待しています。
日本のユーザーの皆さんのご要望をうかがって、より快適にプレイしていただけるようにブラッシュアップしています。印象的なフィードバックというか、ユーザーの皆さんがデモ版をプレイして、犯人を推測されていたことがあったのですが、物語に熱中してくださっていることが感じられて、とてもうれしかったです。
――キャラクターに対するフィードバックも多そうですね。
チェ・ダヨン
多かったです。お気に入りのキャラクターのグッズを販売してほしいという声もいただきました。
――本作の発売を心待ちにしている日本のゲームファンも多そうですね。発売はいつごろになりますか?
チェ・ダヨン
今年(2026年)が目標です。
チェ・ダウン
開発は順調に進んでいます。
チェ・ダヨン
一生懸命開発していますし、さまざまな演出にも力を入れています。いまはまだデモバージョンでは見せできないのですが、多くの魅力的なキャラクターたちをたくさん準備していますので、温かく見守っていただいて、たくさんの関心を持っていただけるとすごくうれしいです。
