そんな本作の独特な時間経過システムや、主人公コーエンについて、戦闘や探索の見どころなど、これまでに判明している情報をまとめてお届けする。
壮絶な物語とその舞台
ここは“サンゴラ谷”と呼ばれ、陸の孤島ともいうべき場所で、緑豊かな原生林や危険な沼地、地下深くへと続く暗い洞窟や、遥か昔に失われた文明の崩れかけた遺跡などが点在し、さまざまな秘密と脅威がひそんでいる。
血塗られた紛争が大地を覆い、さらに生き残った者たちを黒死病が蝕むこの時代、長きにわたって影に潜んでいた吸血鬼たちが、力を取り戻すため牙を剥く。
サンゴラ谷に暮らす主人公・コーエンと妹は、とあるきっかけで吸血鬼たちの抗争に巻き込まれ、彼らの“牙”を体に受けてしまう。こうして、はからずもコーエンは、昼は人間、夜は吸血鬼として活動する“ドーンウォーカー”となったのだった。

自身が人間であることにこだわって戦うか、自身に宿った呪われた力を受け入れるのか。家族を取り戻すために残された30日間という限られた時間をどう生きる?
昼夜のサイクルとコーエンの能力
たとえば、特定のクエストを行うにはこれだけの時間が必要といった具合に、時間をリソースとして、それぞれの行動を行う際に示されたコストを支払うようなイメージだ。そのため、時間に縛られず街や世界をじっくりと散策することも可能。
そして、期限の30日を過ぎてもゲームオーバーにはならない……が、家族に何らかの影響が及ぶとのことなので注意したい。
昼と夜とでは、街に暮らす住民や兵士の行動も変化し、もちろん闇の眷属たちもそれは同じ。夜と昼の狭間を生きるコーエンには、ドーンウォーカーとしての特殊な能力がある。
昼間は人間として活動し、魔術の使用が可能なほか死体と話す能力を発揮できる。これによって、クエストのヒントを死者から得ることも可能だ。


定期的に吸血する(一定量を回復してもいいし、対象を死に至らしめてもいい)か、ほかの手段で――たとえば、吸血鬼たちが貯蔵している血液を盗んだり、動物から吸血したりするなどして、渇きを補う方法もある。
このように、昼と夜とではコーエンの能力はまったく異なる。そのため、それぞれの時間帯でクエストに対するアプローチも変化し、昼にヒントを集めて夜に特別なルートから建物に侵入するなど、プレイヤーの好みに合わせて選択が可能。

戦闘方法も昼夜で変化
戦闘時には攻撃や防御の方向を指定するアイコンが表示。相手の攻撃の方向が赤く示されるので、その方向に防御を行う形。攻撃も同様で、方向を指定して相手の隙をつくようにすると効率よくダメージが与えられる。

コーエンのおもな武器は剣で、それに加えて昼間は魔術の使用が可能。相手に持続ダメージを与えたり、混乱・スタンさせたり、または自身を強化したりと、さまざまなバフ・デバフ効果で戦闘をサポートする魔術が用意されている。これらの魔術を習得するには、世界に散らばる巻物を探す必要がある。
夜間での戦闘時は全体的に攻撃速度が上昇し、剣のほかに爪を使ったより素早い攻撃が可能。さらに、夜間のみ使用可能なアクティブスキルが存在。広範囲を攻撃できるスキルなど、相手が多勢でも圧倒できるほど強力なものばかり。

プレイヤー次第でストーリーが変化
本作はストーリードリブン型のシングルプレイヤーRPGで、その物語はプレイヤーの選択次第で刻々と変化する。どのような道のりを経て家族を救出するか、どんな勢力に与するか。極端な話、昼間だけ・夜間だけでクエストを進めたりも可能とのことで、ゲーム体験は“自由”そのもの。
メインストーリー以外にも、オープンワールドにはさまざまなアクティビティーやサイドクエストが存在。中には、吸血鬼の首領・ブレンシスを始めとする勢力との関係に影響するものもあり、それによって世界に対する吸血鬼の影響度や、さまざまな出来事の結果が変化していく。
「あのとき別の決断を下していれば……」と、周回プレイが捗ることだろう。

ゲームディレクター兼スタジオCEOにインタビュー
Konrad Tomaszkiewicz氏
ゲームディレクター
アニメも大好きで、『NARUTO -ナルト-』、『ベルセルク』、『BLEACH』、『鬼滅の刃』、『ドラゴンボール』、『獣兵衛忍風帖』、『HELLSING』など、挙げればきりがありません。
――本作の発表後、ユーザーの反応はどうでしたか?
――このゲームの開発にいたった背景についてお聞かせください。
――Rebel Wolvesの成り立ちから、本作は必然的に『ウィッチャー』と比較されることが多いと思います。それについてどう感じていますか?
本作でも独自の"何か"を見つけたいと考えており、"ナラティブ・サンドボックス"というコンセプトを実現できていると信じています。
――そのコンセプトを詳しく教えてください。
本作のおもな目的は、吸血鬼の王とその手下から家族を救うことです。ただし、その方法は完全にプレイヤー次第です。私たちは、プレイヤーの行動や選択にストーリーが反応する仕組みを構築することに多くの時間を費やしてきました。これをオープンワールド環境かつAAAクオリティーで実現することは、大きな目標のひとつでした。
行動に対する物語の反応性という点は、主人公にも関係しています。昼間は人間、夜は吸血鬼となる"ドーンウォーカー"に変身した青年・コーエンは、時間帯によって異なる独自の能力を持っています。
そのため、世界を探索する方法もそれに合わせて変化しますが、コーエンが人間であるか吸血鬼なのかによって、後に明らかになる秘密や直面する課題が変わってきます。つまり、物語にも大きな影響を与えるということです。

当時、『フォールアウト』や『ウルティマVII ザ・ブラックゲート』、『アイ・オブ・ザ・ビホルダー』、『バルダーズ・ゲート』など、数多くの素晴らしいRPGがありましたが、どれもRPGでありながらそれぞれがまったく異なる感覚を持っていました。ゲームプレイシステムはもちろんですが、雰囲気やトーンなど、そういった部分です。
そのゲームが持つ独自の"感覚"によって、プレイヤーはさまざまなことを試みたり、探求したり、語り合ったりしたいという強い欲求を引き起こされたのです。
新しいゲームの中にそういった"感覚"を見出し、試行し、探求し、創造することこそが、私たちの使命だと感じます。本作では、感動的で示唆に富むストーリーと、感情移入できる魅力的なキャラクターが登場するRPG体験、ストーリーを自由に展開できるナラティブ・サンドボックス、そして夜は吸血鬼、昼は人間としてロールプレイできる二面性とリプレイ性を備えた、完成度の高い作品を目指しました。
――『ウィッチャー』や『サイバーパンク2077』と比較すると、本作はより世界(吸血鬼の存在そのもの)の中心へ、あるいは主人公自身の心の奥底へと向かっていく印象を受けます。
外にはもっと大きな世界があり、私たちが解き明かし始める壮大な陰謀が存在しますが、ゲーム冒頭でコーエン自身の世界は崩壊し、彼は必死にそれを元に戻そうとするのです。
――本作の核である昼夜のサイクルは、どこから着想を得たのですか?
昼は人間、夜は吸血鬼となるドーンウォーカーというアイデアが、まず生まれました。彼は時間帯によって強みと弱みが異なり、つねにそれを意識する必要があります。ストーリーだけでなくゲームプレイにおいても、従来とは異なるアプローチが必要となり、プレイヤーを没入させ、強い二面性を持つキャラクターを真に体感させるためには昼と夜で体験が大きく異なるようにする必要がありました。
クエストへのアプローチ方法や敵への対処法、そして人間と吸血鬼のコーエンの能力の違いなど、さまざまな変化を実感していただき、いろいろなことを試したり、くり返し探求してみたりしてほしいですね。

実際に多くの提案をいただき、本作の開発が本格的にスタートしました。2022年初頭には数人の仲間だけで活動していましたが、現在では160人以上が在籍しています。
――CD PROJEKT REDでは大規模なゲーム開発が行われていました。現在の規模で制作することについて、違いや利点はどこだと感じていますか?
チーム全体がひとつの目標に集中できるため、運営規模を抑えつつ、大規模なゲームを妥当な期間内に完成させることが可能です。このようなアプローチでは、コミュニケーションの円滑さ、レビューの容易さ、新機能や変更の実装スピードなど、多くの点で違いが見られます。
当然ながら、チームの規模が大きくなるほど、コミュニケーションは難しくなり、発生する問題も増えます。私の場合、大きな組織の一員として、プロセスやそれに類する事柄に多くの時間と注意を注がなければならなかったことで、創造的なプロセス本来の楽しさを徐々に失ってしまいました。
私がもっとも大切にしているのは"創造すること"です。リアルタイムで議論し、実行し、検証し、テストするグループの一員となること、つまり、仕事をしながら楽しむことなのです。
しかし、私たちは決して誰かを批判しているわけではありません。これは単に私たちが選んだ道、少人数のチームで一度にひとつのゲームに集中するという選択です。ほかのアプローチが間違っているというわけではなく、私たちが好む方法だということです。
――CD PROJEKT REDとは、ゲームエンジンやアセットの共有など、何らかの提携関係はありますか? それとも、完全に独立した企業ですか?
――ゲームを開発するうえで、心がけていることはなんでしょうか?
私たちのスタジオは比較的小規模であるため、すべての声が尊重され、すべての声が聞き届けられ、部署や役職に関係なく、誰もが自分が貢献していると感じ、認識できる環境を築くことを目指しています。これによって誰もが大切にしている価値観を育むことができると信じています。
























