2026年3月19日(木)にシティコネクションから発売されるNintendo Switch 2、プレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam)用ベルトスクロールアクション『RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers』(ラッシング・ビートX リターン・オブ・ブロウル・ブラザーズ)。
本作は『ラッシング・ビート』シリーズの最新作として制作されたタイトルで、過去作は『ラッシング・ビート』(1992年)、『ラッシング・ビート乱 複製都市』(1992年)、『ラッシング・ビート修羅』(1993年)と、いずれもスーパーファミコン用ソフトとしてジャレコから3作品が展開された人気シリーズだ。
シリーズとしては32年ぶりの完全新作となる本作。開発秘話や注目のシステムを中心に、シティコネクションの開発陣にさまざまな話を訊いてみた。
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吉川延宏氏(よしかわのぶひろ)
シティコネクション 代表取締役。本作ではプロデューサーを務める。(文中は吉川)
渡辺敬氏(わたなべけい)
シティコネクション所属。本作ではディレクターを担当。(文中は渡辺)
尾崎将大氏(おざきまさひろ)
シティコネクション所属。本作ではエンジニア兼プランナーを担当。(文中は尾崎)
WASi303氏
シティコネクション所属。本作ではサウンドデザインを担当。(文中はWASi)
『Streets of Rage 4』のミリオンセラーがシリーズ復活の契機に
――『ラッシング・ビート』シリーズを復活させることになった経緯を教えてください。
吉川
復活させようと思った理由はふたつあります。まずは、『ベア・ナックルIV』や『Teenage Mutant Ninja Turtles: Shredder's Revenge』などのヒットを受けて、ベルトスクロールアクションの復権を世界的に感じたというのがひとつです。
ことに、ベルスクのタイトルは日本のIPが世界でも人気で、近年復活した『ベア・ナックル』や『ダブルドラゴン』、さらには『ファイナルファイト』や『ゴールデンアックス』もそうですね。ベルスクと言えば、日本のIPが存在感を放っているという印象があります。
あと、企画を作った段階で欧米のEmbracer GroupのClear River Gamesに企画書を見せたときに、「蘇らせるんだったら手伝うよ」と言ってもらえたのも理由のひとつです。海外での販売は彼らが、日本での販売は弊社で、という感じで共同プロジェクトとして実現できたのも大きいです。
――ベルトスクロールアクションの復権というお話がありましたが、吉川さんが復権の流れをいちばんに感じたタイミングというのは、どういったところでしたか。
吉川
『Streets of Rage 4』がミリオンセラーを記録したときに、いまのユーザーに受け入れられる流れが来ていると感じました。そのときは「ベルトスクロールアクション以外を作っている暇はない」くらいに考えていて、急いで作らなければと思いました。
――そこから開発がスタートしたのですね。
渡辺
それで吉川から「ベルトスクロールアクションをやってくれ」という話を最初に受けたときは、僕個人としてもすごく好きなジャンルだったので、「この時代に新作ベルスクを作っていいの!?」と思いつつも、ふたつ返事で引き受けたのを覚えています。
『ラッシング・ビート』は当時としても意欲的なシステムが多くて、ゲームとしての間口の広さも感じていたので、いま復活させても楽しめる作品になると思いました。
――『RUSHING BEAT X』では、『ラッシング・ビート乱 複製都市』後のストーリーが描かれるとのことですが、この部分を選んだのはどういった意図があったのでしょうか?
吉川
2作目の『ラッシング・ビート乱 複製都市』がいちばん売れていて、タイトル的にも知名度が高かったので、同作を絡めたストーリーにするというのは最初から決めていました。
ただ、タイトル名に関しては悩みました。というのも、『ラッシング・ビート』というのは日本だけのタイトルだったんですね。それで、「タイトル名はどうしよう?」とEmbracer Groupのマーティン(マーティン・リンデル氏。Embracer Groupのシニアアドバイザー)と話したときに、彼から「“ラッシング・ビート”というワードは欧米でもまあまあ認知されているし、語感がカッコいいからいいのでは?」と返ってきたんですね。一方で、『ラッシング・ビート乱 複製都市』の英語タイトルである『Brawl Brothers』というタイトルも欧米ではなじみ深く、「両方入れたら?」とのことで、『RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers』というタイトルにすることにしました(※)。
※海外版のタイトルは、1作目『ラッシング・ビート』は『Rival Turf!』、2作目『ラッシング・ビート乱 複製都市』は『Brawl Brothers』、3作目『ラッシング・ビート修羅』は『The Peace Keepers』。渡辺
タイトル名の違いのほかに、海外版と日本版はキャラクターの名前やストーリーも微妙に違いがあるんです。ですので、『ラッシング・ビート修羅』に続く物語を描くとなると、いろいろ設定絡みもこだわらないといけなくて、そこで今回シナリオを森住惣一郎さん(※)にお願いしました。彼は作品をクロスオーバーさせるシナリオに長けている方なので、適任だと思ったんです。森住さんには、見事に『ラッシング・ビート乱 複製都市』と『ラッシング・ビート修羅』のあいだを紡ぐシナリオに仕上げてもらいました。
※森住惣一郎氏……『スーパーロボット大戦』シリーズや『PROJECT X ZONE』など、クロスオーバー作品のシナリオやディレクターを手掛けている。本作ではシナリオを担当。![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/64264/add6debbdabe10ba52057fc2a485b0545.jpg?x=767)
――たしかにシリーズ作品で熱心なファンの方も多いと思うので、ストーリーの整合性を取るのはたいへんそうですね。
渡辺
初期のプロットはけっこう苦労しました。ただ、森住さんも『ラッシング・ビート』シリーズが大好きな方なんです。本作の開発が始まる前からお付き合いがありまして、以前お会いしたときに、「『ラッシング・ビート』の新作を作りたい」とおっしゃっていたことがあったんですね。
――ではまさに適任だったということですね。ちなみに、整合性を取る上でとくに苦労されたのはどのような部分でしたか?
吉川
いちばん悩んだのはダグラスのキャラクター設定です。日本版と海外版とでは名前と肌の色に違いがあったので、本作では設定をミックスしました。名前は日本版、肌の色は海外版をベースにしています。名前を変えた理由は、単純に日本版のほうがカッコよかったので(笑)。名前をミックスしてダグラス・ネルソンにする案もありましたけども。
――肌の色が違うとなると、決めるのもかなり慎重になりましたか。
吉川
いえ。特段ポリコレ(※)に配慮したとかではなく、本作はあくまで「欧米でヒットしたタイトルをリメイクしよう」という企画として動いていたので、海外版の設定をベースにするのは当然というか、自然な形だと思っています。
※ポリコレ……ポリティカル・コレクトネスの略。人種や性別、性的指向などによる差別や偏見をなくし、特定の個人や集団に不快感や不利益を与えないよう配慮する言動や考えかたのこと。![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/64264/a043f5007c178d8d55e8dd61a346aacf9.png?x=767)
ダグラス・ビルド。元プロレスラー。リックとともに“ジョウカル事件”、“サイバークローン事件”を解決した英雄。
――キャラクターの話で言うと、シリーズ初登場のキャラクターのカルアも登場しますが、新キャラクターというのは最初から想定していたのですか?
吉川
開発の初期段階で、「女性の新キャラクターを増やしてほしい」という要望を出していましたね。具体的なキャラクターはチームで作り上げてもらいました。
渡辺
『ラッシング・ビート』にはゴツめの投げキャラが多かったので、ジークンドー(截拳道)などの素早い打撃を使う系にしたいと社内のスタッフと話していました。そこでデザイナーが提案してくれたアイデアに自分の好みとか方向性の指示を伝えながらカルアを作っていきました。
そのイメージを森住さんにお伝えしたところ、森住さんは自分が思った通りのちょっとお転婆なキャラクター性に仕上げてくれました。
――カルアは『ラッシング・ビート乱 複製都市』で描かれた“サイバークローン事件”に巻き込まれていたキャラクターという設定もおもしろいですね。
渡辺
今回は『ラッシング・ビート乱 複製都市』後のお話なので、カルア以外のキャラクターたちはいままでのストーリーを知っているわけですよね。となると、いままでの話を知らないポッと出の新キャラクターだと埋もれてしまう。そのため、何らかの形で巻き込まれた形にしたほうがいいということになりました。
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カルア。“サイバークローン事件”の際に誘拐された被害者のひとり。
アクション面は爽快感を突き詰めつつ、遊びやすさを意識した新要素も追加
――本作はゲームイベントにも精力的に出展していましたが、ファンからの意見や出展時の出来事などで、印象的だったことはありますか?
渡辺
初期のころは「爽快感が足りない」というご意見をいただくこともありました。そこからテコ入れをして、目指していた“とにかく連続攻撃を叩き込んでいく爽快感”を味わえるようにかなり試行錯誤しました。 イベントに出展する度に「ちゃんと気持ちよく遊んでいただけているかな」という部分を意識して見ていました。
尾崎
僕が印象的だったのは、本作の協力プレイを親子で遊ばれていた方です。お父さんのほうは昔『ラッシング・ビート』を遊ばれていた方でしたが、小さいお子さんも夢中になってボタン連打しながらいっしょに戦っていたんです。その光景を見たときに、「やっぱり操作は簡単にしたい」と思いました。今回はボタン押しっぱなしでもコンボが決まるので、発売したら親子でも楽しんでほしいと個人的に思います。
――アクションとしての手触りや爽快感の部分はとくにこだわった部分だったのですね。
渡辺
細かいところはやはり時間をかける必要がありました。先ほどお話していた爽快感もですが、コンボの調整も時間をかけた部分でした。格闘ゲームであれば問題ないと思うのですが、ベルトスクロールアクションゲームで雑魚敵一体一体に長時間コンボで攻撃するのは冗長になってしまいます。ですので、どれくらいの長さのコンボなら気持ちいいかというのを、敵側のパラメータや道中の回復アイテムのバランスなども含めて、かなり時間をかけて調整しました。
尾崎
作っては壊しをくり返しました。
吉川
ベルトスクロールアクションは弊社ではいままで作ったことがないジャンルだったので、通常の2倍ぐらい時間をかけて作りました。
渡辺
ノウハウがなかったので、イチから手探りという感じでした。
吉川
後は、初めの半年から1年ぐらいはゲームの仕様を固める作業で時間を使いました。“グラフィックは2Dにするのか3Dにするか”から始まり、“アニメ調にするかリアル調がよいのか”など、けっこう時間をかけて考えました。
開発初期のころはもちろんNintendo Switch 2なんて話題にすら出ていなかったので、当初はプレイステーション5、Xbox Series X|S、Steamの3機種での発売を予定していました。そのため当時は「Switchの次世代機が出たらいいね」くらいに思っていました。結果として本作は弊社としては初のSwitch 2タイトルになりました。
――非常によいタイミングにリリースできたということは言えそうですね。
吉川
はい。いいタイミングでした。ただ、「今年Switch 2が出る」という噂が毎年出ていて、それが2、3年続いたときは少し焦りました(笑)。結果として、ちょうどいいタイミングになりました。
――新要素についてもお話を聞かせてください。今回は回復アイテムのストックであったり、食べ物を組み合わせてコンボ料理を作るというシステムが実装されていますね。
渡辺
それらのアイデアは案としては最初期からあって、過去作では回復アイテムは一度手に持って任意のタイミングで食べられるという仕様でした。本作ではより使いやすいストック制にして、ストックされたアイテムをいつでも使える形にしました。
コンボ料理は、たとえばバーガーとポテトとドリンクをストックしている場合、そのまま食べることもできます。しかし、ステージの途中などにあるキッチンカーに寄ることで、食べ物3つを合わせて回復量の多いコンボ料理を作ることができます。そして、ストックできる回復アイテムは最大5個なので、料理にすることで手持ちを圧縮できるというメリットもあります。ですので、ピンチのときに手持ちの回復を使うか、それとも何とか切り抜けてより強力な料理にするかという戦略も楽しんでもらいたいです。
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――過去作ですと、すぐに使いたくない回復アイテムは一度ステージの奥に投げておいて後で使うみたいなテクニックもありましたが、それがストック制になったということでかなり遊びやすくなっていそうですね。
渡辺
遊びやすさという意味では、回復アイテムを使用するとき、使用するモーションがあって、そのあいだに敵に殴られるみたいなこともよくありますが、本作ではアイテムを使ったら即時回復するようにしています。回復したいときにすぐアイテムが使えないのはストレスになり得る要素だと思ったので、敵に攻撃を受けているときや、吹き飛ばされてダウン中でも回復アイテムを使うことができます。とにかくゲームオーバーにならない限りは回復が使えるようなシステムになっています。
――ストック制に変更したことで苦労した部分はありましたか。
渡辺
コンボ料理のほうはなかなか苦労した部分でもあって、回復効果の高いものをつねに持ち歩けるようにするとレベルデザインの調整が難しかったです。回復アイテムを拾える場所が固定されているので、その中で効率よくコンボを作るにはどうすればいいのだろうと、けっこう悩んで何度も作り直しました。
――レベルデザインの話も出てきましたが、本作では回復でのサポートの手厚さや、簡単にコンボができたりといった部分で遊びやすさを重視しているのでしょうか。
渡辺
尾崎に、敵の配置やアイテムの配置だとかを調整してもらっていて、それを見ながら「もう少し早く回復アイテムを置いてあげよう」などと判断しつつ、バランス調整をくり返しました。難易度は4段階ありますが、ノーマルの場合、序盤は初めてでもサクサク進められるように調整しています。でも後半は「もう慣れてきていますね? そろそろこちらも本気で行きますよ!」という感じで、歯応えと達成感のあるバランスになっています。
尾崎
難易度設定に関しては、できるだけ敵がいない時間を減らすというのは意識しました。敵がいない状態でプレイヤーだけ移動するというのは、言ってみれば“無の時間”になってしまうので、そういうのはできるだけ減らそうということで、渡辺とああでもないこうでもないとディスカッションしながら試行錯誤しました。
――アクション面では爽快なコンボも大きな魅力となりそうですが、ゲームのプレイ映像では派手な空中コンボなどもありましたね。
渡辺
空中コンボは絶対入れたいと思っていて、どのキャラクターでも基本的には空中コンボを狙うことができます。もちろん、空中コンボよりも地上で投げ技をしたほうが強いキャラクターも、当然います。
コンボも、“このコンボだけでいい”みたいなワンパターンにはならないように、状況によって技を変えることでいろいろな立ち回りができるような形を意識しました。たとえば、空中コンボでは高くジャンプして空中で連続攻撃するか、空中の敵を下に飛ばして地上の敵を巻き込むことで一回仕切り直しができたりとか、ガードを使ってくる敵は武器だとガードを崩せるようになっていたりします。ですので、そのときどきの状況に合わせた戦いかたのアレンジを楽しんでいただきたいです。
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――武器で言うと、今回一部の武器もストックして持ち歩けるようなシステムになってますよね。
渡辺
そうですね。武器はストックしておいてコンボ中に取り出して組み込める武器と、ストックはできませんが威力が高くて敵をまとめて薙ぎ払える大型武器の2種類があります。大型武器は強力なぶん動きが遅いので、それも状況によって使い分けができるかなと思います。
――コンボ要素に武器が加わることで、戦闘の幅がかなり広そうですね。あと、シリーズ独自の魅力として一定時間キャラクターが強化される“怒りシステム”がありますが、こちらに関しては今回変更した部分はありますか?
渡辺
怒り状態だと攻撃力が上がったり、敵の吹き飛ばしが派手になったり、さらには、『ラッシング・ビート乱 複製都市』にあった各キャラクター固有の必殺技だったりと、いままでのシリーズのルールは基本的になるべく踏襲しています。
本作は発動条件の部分を変更していて、過去作だと敵からの攻撃を受けて発動するという形でしたが、もっと能動的に使えるように、攻撃を敵に当てることでも発動ゲージが溜まるようになっています。テンションが上がって闘気が爆発するみたいなイメージですね。バンバン使ってもらえるように、使いやすさのほうを伸ばしました。
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――『ラッシング・ビート修羅』ではルート分岐やマルチエンディングもありましたが、本作ではいかがでしょうか。
渡辺
ステージ内のルート分岐はあります。ただ、ストーリーは『ラッシング・ビート修羅』に続く物語なので、ひとつの物語として見せたほうがいいだろうというところで、あえてマルチにはしていません。その代わり、ステージ内で使用するキャラクターによって台詞が変化するため、同じシーンでも「このキャラクターはこういう受け取りかたをするのか」といった違いを楽しんでいただけるようになっています。
――なるほど。あと、過去作にあった要素で個人的に好きだったのがVSモードなのですが、こちらは本作にはあったりしますか?
渡辺
VSモードは実装していませんが、もし反響をいただけたならバージョンアップでの実装は検討したいですね。ちなみに、本編をクリアーしたときの特典として、やり込み要素やお楽しみ要素は用意しています。
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BGMは“脱・ベルスクっぽさ”を目指し、作品の世界観に寄り添う形で制作。効果音のこだわりも
――WASi303さんがサウンドを担当していますが、本作の楽曲制作で意識した部分を教えてください。
WASi
ベルスク作品のBGMはメタルやテクノの曲が多かったので、少し新しいイメージで作っていきたいと考えていました。そんなときに吉川から「では2000年代に流行ったオルタナティブロックみたいなのはどうだろう?」という提案があったんですね。
吉川
「1990年代のグランジはどうだろう」みたいな話から始まって。
WASi
そのあたりの流れのギターの弦をかき鳴らすような曲がいいのではないかなと言われて、そういう感じをイメージして曲を作っていきました。ですので、暗い雰囲気のステージはグランジっぽくて、精神的にどんよりする感じの曲とかもあったりします。
吉川
グランジの楽曲を作ってくれというわけではなくて、あくまで音作りの部分とか、ジャンルの持つ世界観の部分を参考にしてほしいと伝えました。まぁ、言っているほうは楽なんですけどね(笑)。グランジではなくてもいいのですが、とにかくハムバッキングで刻むような感じではなくて、大きなストロークでギターをかき鳴らすような感じがほしかったんです。
WASi
やはりメタル調の曲がベルスクには多くて。僕も好きなジャンルなのでかっこいいのもわかるし、作れないわけではなかったのですが、ステレオタイプな感じはどうしてもやりたくなかったんですね。
――そこまで意識して“ベルトスクロールアクションと言えば”という曲調を避けたのはなぜですか?
WASi
単純に今回の『ラッシング・ビート』の世界観には合わないと思ったからですね。
吉川
内容としてもアメコミ感があって、すごくシリアスな感じでもないですからね。作品の舞台もサンフランシスコならぬネオ・シスコですからね。
――過去作ともまた違ったような曲調になっているのですね。
WASi
もちろん、スーパーファミコン版の『ラッシング・ビート』と今回の『RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers』とでは、ゲームのテンポ感もぜんぜん違うので、スーパーファミコンのときの感じに合わせて作っても絶対にマッチしないし、聴いていて燃えないと思うんです。やはり本作にしっかり合うものを作らないとダメなので、過去作を意識してという作りかたは今回はしませんでした。
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――過去のシリーズでは『ラッシング・ビート』の1面の曲がシリーズを通じて印象的な場面で使われていましたが、今回そのアレンジ曲というのも入っていたりするのでしょうか?
WASi
そこはやはりお約束なので作りました。社内でも最初から要望があったので。ゲーム内では、ご存じの方なら「おっ!」となるようなギミックとしても使っています。
――それは楽しみですね。効果音で意識したことは?
WASi
ベルスクを遊んでいると、敵を殴っている音や敵がやられる声ばかりが鳴っているみたいな感じで単調になりがちですよね。そこにリズム感を出したくて、敵がある程度大きいダメージを食らったときだけ違う音にしたりとか、敵をオーバーキルしたときにはまた違う音にしたり、さらには体の大きなキャラクターが叩きつけられたときの音を付けたりと、効果音のバリエーションにはこだわっています。
コンボを決めているときもいろいろな音が鳴るので、ほかの作品より飽きないというか、気持ちよく遊べるようなものになっていると思います。
――それこそベルトスクロールアクションでは、敵が画面外に行ったりしますし画面外に敵を投げて、やられた声の有無で倒したかを判断したりということもあるので、効果音がとても重要な要素でもありますよね。
WASi
本作でも枠外に物を投げて敵に当たると“ボカーン”っていう音がしたり、敵が叫んだりします(笑)。あと、効果音として意図的に間抜けな音とかもちょっと入れていたりするんです。長い鉄の棒で敵を殴ると“カーン”っていい音が鳴ったりとか。
本当だったらもっとかっこいい音がするとは思いますが、あえてそういう音にしています。敵が電車に轢かれるときも“カーン”ってコミカルな音で吹っ飛んだりします。
吉川
少しコントっぽいというか。
WASi
そうですね(笑)。アメリカのB級コメディ系のドラマでは、絵的にはすごく綺麗にかっこよく作って、音だけをお間抜けにして笑いを誘うというケースがあるのですが、それを遊びとしてやりたいなと思ったんです。
――BGMはもちろんのこと、効果音も注目ですね。
WASi
けっこういろいろなギミックを仕込んだので、ありとあらゆるものを破壊し尽くしてみてほしいですね。
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完全新作としての特典にも大いにこだわった
――数量限定版についても聞かせてください。スチールブックとひみつ超百科、サントラCDが特典として用意されていますが、シティコネクションの特典としてスチールブックは初ですよね。チョイスした理由を教えてください。
吉川
スチールブックは個人的に海外タイトルを買うとたまに付いてきたりして、「いいな」と思っていたんです。ただ、ゲームのスチールブックはデンマークの会社がほぼ独占で卸していて、そこから買わないと制作に時間もかかるし、金額も高いという状況だったんです。その話をEmbracer Groupの方からうかがったときに「興味ある?」と言われたので即決しました。
――Embracer Groupの方がつないでくれて実現したんですね。
吉川
はい。でも、スチールブックがやりたいというよりは、Nintendo Switch 2で本作のパッケージ版を出す際はゲームカードで作りたかったんです。そこは初めから決めていて、そのうえでスチールブックを付けたいと考えていました。
――それはなぜですか?
吉川
お客さんがゲームカード入りのパッケージ版を買うということは、物として保存することへの価値を重視して買うわけですよね。であれば、保存するためのケースにもこだわるべきという考えです。もしダウンロード版だけならスチールブックは選んでいないと思います。
――そのほかにもキャラクターの技表や、クリエイターズコメントなどが収録されたCD付きブックレット[NOLINK]『ラッシング・ビートX ひみつ超百科』[/NOLINK]も付属されますが、子どものころに親しんだ“ひみつ超百科”という感じの表紙デザインでいいですね。
渡辺
ありがとうございます。特典に関する会議のときにパブリッシングチームのスタッフがこのアイデアを持ってきて、「これおもしろいですね」という感じになってすぐに決まりました。
吉川
自分はちょうどそのタイミングは出張に行っていたのですが、ひみつ超百科を作るという話を初めて聞いたときにはもうできていました(笑)。
一同 (笑)。
――かなりノリノリで作ったんですね(笑)。
WASi
特装版にはよく設定資料集とかが付いたりしますが、「ふつうの設定資料集を作ってもおもしろくないよね」という話が出たときに、スタッフが「ありますよ、いいのが」という感じでこのネタを出してきて(笑)。そこからはもう一気に走り切ってしまいました(笑)。
吉川
限定版となるとシリーズファンの方が注目してくださると思うので、付属のサウンドトラックにも本作のBGMだけではなくて、ジャレコ作品の楽曲を入れたり、尖ったコンセプトの冊子が付いたりといった遊びを、ファンサービスとして入れています。
渡辺
こういう堅苦しくない感じも『ラッシング・ビート』シリーズの魅力だと思います。
吉川
シティコネクションから発売されているゲーム作品は移植かリメイクが多いのですが、今回は完全新作なので、特典も過去の何かにフォーカスしたものばかりではなくて、新作としてしっかりと届けるための内容にしたいなという思いもありました。内容は少し尖っていますが。
――付属のCDには本作のBGMや関連ジャレコ作品からのセレクト楽曲を詰め込んだかなりボリュームのある内容となっていますね。ただ、『RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers』からは6曲ということで、全曲が収録されるというわけではないのですか?
WASi
そうですね。一般的に特典として付属されるCDというものに関して言えば、聴きなじみのある曲がたくさん入っていると喜ばれる傾向があると思うのですが、今回の『RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers』は全部新曲なので、聴きなじみの曲はないですよね。作っている側の人間が言うのもどうかと思いますが、それはどうなんだと思いまして。
ならば、違う形としてジャレコのベルスクサントラみたいな形のほうが喜んでいただけるかなと思ったんです。あと僕はCDはパンパンに詰め込みたい派なので、今回は時間が足りるかドキドキするくらいのボリュームになっています。全31トラック収録です。
吉川
もちろん何かしらの形で『RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers』のフルサウンドトラックは出したいと考えています。
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![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/64264/a702da85604c46bcc8a827d048536c4f7.png?x=767)
『RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers』数量限定パッケージ版。CD付き冊子『ラッシング・ビートX ひみつ超百科』や“スチールブック”などが同梱。Switch 2版は8980円[税込]で、PS5版は7980円[税込]。
――最後に、本作の発売を楽しみにしている方や、初めて『ラッシング・ビート』シリーズを遊ぶプレイヤーの方へメッセージをお願いします。
尾崎
僕は子どものころから、兄弟や複数人でゲームで遊ぶのが好きだったのですが、そんな僕にとって『RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers』はわくわくするようなタイトルになっています。ぜひともみんなで本作を楽しんでほしいです。操作も簡単なので、友だちや家族とか、幅広い世代の方でわちゃわちゃ遊んでもらえたらうれしいなと思います。
WASi
個人的に本作はサクっと遊べるゲームだと思っています。昨今は複雑なゲームも多い中で、爽快感のみを追求した本作を遊ぶことが、ひとつの気分転換になると思います。ぜひ手に取っていただいて、笑って楽しんでいただけるとうれしいです。
渡辺
本作では、“ベルトスクロールアクションというクラシックスタイルのジャンルを今風に作るならどういう形がよいのか”ということを突き詰めて作りました。この手のジャンルが好きな方はもちろん、初めてな方でも楽しく触れられるものができあがってきたかなと思います。発売までもう少しありますが、ぜひよろしくお願いします。
吉川
本作は、自分と渡辺が持っている格闘ゲームの精神も詰まった一作になっています。格闘ゲームもプレイするベルスクユーザーとして、プレイヤー目線で「こういうことができないかな」ということをかなり試行錯誤しました。『RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers』は短時間でも遊べる作品なので、格闘ゲームプレイヤーも、お好きな格闘ゲームの合間の時間に遊んでいただけるとうれしいです。発売後のご感想とかもぜひお聞きしたいですね。
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