第2部のエンディングを見た方の中には、「『FGO』は終わってしまうのか?」、「第3部はないのか?」、「終わるとしたらいつ?」、「フォーリナー章はあるのか?」などなど、気になることが多々あり、不安感を覚えている方もいるのではないでしょうか。
ファミ通では、これまでTYPE-MOONの奈須きのこ氏や武内崇氏、ラセングルの『FGO』第2部 開発ディレクター・カノウヨシキ氏に、周年を迎えるたびに取材を行ってきました。インタビューの中には、第2部完結後の展開や第3部と思われる構想、第2部終了後に迎える11周年などについての回答も、いくつかありました。
本記事では、それらの発言を抜粋してご紹介します。旅の続きを夢見るひとりのマスターとして、皆さんが現在抱えている疑問や不安をほんの少しでも解消できれば幸いです。ただし、『FGO』がいつまで続くのか、それとも遠くない未来に終わるのか、というのは関係者にしかわかりません。続くとも終わるとも明言されていない現段階では、いわば“シュレディンガーのFGO”状態ですので、その点についてはご留意いただければと思います。
第2部完結後の構想は4周年インタビューの時点で言及されていた
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――(中略)今後も第2部のストーリーが続いていきますが、すでに折り返しに入りました。そろそろ完結後のことも考えておられると思うのですが。
奈須 第2部はたとえるならフルコースのようなものなので、完結までTYPE-MOONも総力を挙げて作ります。そのフルコースを完食したユーザーさんが「もうお腹いっぱいです。このレストランを後にするよ」と言って帰られるか、フルコースの後も「まだ食べられます」と言われるかによって変わりますね。まだ残って遊びたいという人がいるなら、運営側として楽しんでもらうために努力しなければいけないと思っているので、“完結後”の展開も用意だけはしてあります。
――完結後の展開!? それはどういった内容を想定されているのでしょうか。
奈須 第2部のストーリーから続いた内容にするAパターンと、第2部で完全にカルデアの話は終わらせて異なるストーリーを始めるBパターンのふたつのパターンを用意しています。どちらも、「これならおもしろそうだ」というアイデアも浮かんではいるんですが……。
――現在の段階では、奈須さん自身にはどちらの構想もあるのですか?
奈須 もう考え始めておかないと間に合わない時期なので、草案は用意してあります。でも、それを決めるのはユーザーさんですから。こればかりは自分でも読めない。あと、さすがにそのころには本職のゲームのほうも進めなければいけないので、悩みどころではあります。
――以前のインタビューでは、第2部の終了後について2パターンあるとおっしゃっていましたが、現段階でもそういった構想にお変わりはないでしょうか?
奈須 そうですね。本当はAのほうに行きたいのですが、それはもうユーザーさんの反応次第なので、あとは神のみぞ知るといった感じでお祈りしています。
なお、週刊ファミ通『FGO』8周年特集号にて掲載した読者アンケートで、「第2部終了後の『FGO』に望むことは?」という質問に対する皆さんの回答は以下の通りです。その時点では、第3部を望む声が51.2%と圧倒的でした。
【読者アンケート結果:ユーザーが望む第2部完結後の展開】
- 第3部の開始:51.2%
- 第2部で完結:16.2%
- 新主人公で『FGO2』開始:14.0%
- FateRPG完全新作:9.3%
- 特になし:9.3%
あえて最終章と記載するからには、物語としては第2部で終わり、ということも考えられます。
終わりありきでスタートした『FGO』。サービスを続ける中で変化した奈須氏の考え
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例えば、5周年時と9周年時のインタビューでは以下のような発言がありました。
奈須 『Fate/stay night』のラストは、士郎の冬木での物語は終わりだけど、この後も士郎の人生は続いていきますよという形です。それに対して『FGO』のエンディングというのは、おそらく「これで『FGO』はおしまいです」という強い言葉を押しつけることになります。そのときに「イヤだ、終わってほしくない」という人もいれば、「つぎの新しいコンテンツを待とうかな」という人もいる。『FGO』の最初期は、それでいいのではないか、という考えかたをしていました。
――ということは、いまは違うのですか?
奈須 そうは言っても、5年間続けてきてユーザーさんから「僕の中学、高校は『FGO』とともにあったんだ。だからこれからもきっとあり続けるに違いない!」とキラキラした目で言われたりすると……。努力できるうちはしなければ、と思います。
――お話を伺っていると、本当に終わりが近いように感じてしまいます。実際のところ、どうなのでしょうか。
奈須 人はいつか死んでしまうし、終わらないものはないですからね。ただ、突然パツンと終わるわけでもなくて、『FGO』で大きなストーリーが終わりを迎えて、その後どうなるかは誰にもわからない、という感じです。
――どういう風にするか、というのはもちろん奈須さんの中でイメージされている。
奈須 少しはありますけど……。まだ確かなことは口にはできません。第2部が終わったら解放してくれ、俺を楽にしてくれ、というのはずっと口にしているんですが(笑)。なかなかそうもいかないんですよね。
――そう聞くと、まだまだ続くように思えてきますね(笑)。
奈須 10年続くコンテンツというのは、簡単に終わらせてはいけないんだなと思っています。それが青春時代の象徴だった人にとってはとくに。その人の人生はまだまだ続くわけですから。ガンダム好きがずっとガンダム好きでいられるのは、がんばってガンダムを作り続けている方たちがいるからです。
それは衰えていく運命にある人間にはしんどいことだけど、とても意義のあることでもある。永遠を造っているようなものですから。そんな偉大な先人たちのがんばりを励みに、10周年に向けてがんばっていきたいと思います。
奈須 (中略)この10年間、皆さんに支えてもらいましたので、もう自分たちだけのものではない。「はい終わり。じゃあね」とはいきません。アフターケアも必要でしょうし、このゲームがどう終わるのかもユーザーの手に委ねたいと思っています。
――ユーザーの手に委ねる、とは?
奈須 「ここで終わるなんて許さないぞ」とか「もっと続けてほしい」という声があったら無視できません。スタッフのほうもまだ続けたいのであれば、TYPE-MOONの一存で「やめる!」とは言えないですね。
――終わらせるか、終わらせないかの指標となるユーザーの声はどこで判断するのでしょう。
奈須 SNSが気になってしまいますね。だからどうしても対応はすぐにはできないと思いますが、できるだけ迅速に、いろいろな事態を想定して進めています。
第2部のエンディングを迎えた際には、続けてほしい、続けてほしくないに限らずに、自身の気持ちをSNSに投稿しておくと、望む未来に辿り着く可能性を高められるかもしれません。
フォーリナー章、バレンタイン2026、11周年は“ある”
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ひとつは第2部を終えても描かれなかった“フォーリナー章”について。10周年記念インタビューでは、フォーリナー章が物語に組み込まれることが明かされています。
――奏章IVを終え、いよいよ南極に行けるようになりました。ただ、フォーリナーについてはまだ解決していないように思えますが。
奈須 フォーリナーに関しては、ドバイのときと同じようにきちんと物語に組み込まれますよ。ユーザーさんには、「このタイミングで来るのか!」と驚いてもらえると思います。
奈須 「来年もあるじゃねーか」というツッコミもいただくかもしれませんが、要するに11月までピックアップしているキャラクターがいるんです。そして、召喚したからにはバレンタインイベントは絶対に実装する。どんな形であれバレンタインまでは確実に続くので、ご安心ください。
――その先はまだわからないと。
奈須 バレンタインはやるけど、どんな形になるかはまだ闇の中です。やるとしても、その規模をどうするか。各キャラクターのボイス付きエピソードは必ず作るのですが……。
――本当に第2部が終わるのですね。ちなみに、11周年は迎えられますか?
武内 もちろん迎えます。ただ、お話としては終章を目標にがんばってきましたからね。どのタイミングで終章に突入するかはユーザーの皆さんに委ねる部分ではありますが、やはり、最先端で起こっている戦いと冒険をいっしょに体験していただきたいです。
カノウ (中略)じつはもう少し後で登場する予定だったのですが、ユーザーさんの気持ちを考えると、やはり終章を迎える前にオルガマリーを迎えてほしい。なんならグランドサーヴァントにして、第2部の最後まで行ってほしい。そういう思いで変わった覚えがあります。
――ということは、前倒しになった分、11周年のサーヴァントがいるということですか?
カノウ そうなります。もう作り始めてはいますので。
――やはり終章の先までやるのですね!
カノウ やります。もちろん第2部はひと区切りですが、きちんと11周年まで見据えて動いていますよ!
――周年サーヴァントであるオルガマリーの選定理由を教えていただけますか。
奈須 ここ以外ありえないでしょう。このサーヴァントを出すために、いままでがんばってきたと言っても過言ではないので。
武内 周年サーヴァントはいつもすごく悩むんです。チーム内で喧々諤々と議論するのですが、今回は10周年だからこそ選択肢はあまり多くありませんでした。じつはもうひとり候補がいたのですが、いろいろ検討した結果、やはり彼女がいいだろうと。オルガマリーの実装タイミングについては、奈須から「終章に大きく絡んでくるから、その前か後かでずっと悩んでいる」という話があって。一時期は後のほうがいいかもしれないと考えていたのですが、最終的には終章より前でいこうという結論になりました。
奈須 どちらにもメリットとデメリットがあって。後だと「うれしいけど終章がもう終わっている」となるし、前だとしばらく謎のまま進んでしまう。とはいえ、前にすることで、終章の内容に弾みがつくだろう、という狙いがあったんです。
現在明らかになっている情報は以上となります。恒例となる大晦日の年末特番は『FGO』特化のスペシャル番組になるそうです。
関係者のインタビューがあるとのことなので、そこで、今後について何らかの情報が公開されることを期待したいですね。























