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フィル・スペンサー氏に“Xboxのつぎのコンソール”や小島監督の『OD』、『Halo』シリーズの今後など、気になるあれこれを聞いた【インタビュー】

by古屋陽一

フィル・スペンサー氏に“Xboxのつぎのコンソール”や小島監督の『OD』、『Halo』シリーズの今後など、気になるあれこれを聞いた【インタビュー】
 東京ゲームショウ2025に合わせてマイクロソフト ゲーミングCEO フィル・スペンサー氏が来日した。

 大の日本通として知られるフィル・スペンサー氏は、2025年9月23日に行われたコジマプロダクション10周年記念イベント“Beyond The Strand”に、Xbox Game Studiosからリリース予定の『
OD』の最新映像を携えて出席、東京ゲームショウでもコーエーテクモゲームスの『NINJA GAIDEN 4』エリアの開幕を飾るテープカットセレモニーに参加するなど、積極的にタイトルをアピールした。

 ここでは、東京ゲームショウの会期初日に行われた“Xbox 東京ゲームショウ 2025 ブロードキャスト”で明らかになった新情報のトピックなども交えつつ、フィル・スペンサー氏に今後の展望などを聞いた。
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フィル・スペンサー氏

マイクロソフト ゲーミングCEO

日本でのXboxのプレイ時間数はこの1年で20%ほど伸びている

――まず、コジマプロダクション10周年記念イベントで小島秀夫監督の最新作『OD』の映像が流れましたが、同作に対する手応えを聞かせてください。

フィル
 小島監督と新しいゲームの話をしたときに、とても大胆なアイデアを共有してくださいました。そして、「すごく怖いゲームを作りたい」とおっしゃるんです。ゲームプレイにおいても、テクノロジーの面でも、コジマプロダクションさんとXbox Game Studiosのメンバーで密接に連携を取りながら開発を進めています。10周年記念イベントでトレーラーを観たときは、そのクオリティーの高さに、とてもハッピーな気持ちになりました。

――『OD』はいつくらいに発売する予定なのですか?

フィル
 実際のところ、具体的な日にちは決まっていないです。2023年に全米映画俳優組合のストライキがあったこともあり、撮影のスケジュールがなかなか確保できないという事情などもありまして、ゲームの開発にも遅れがでています。鋭意開発中なのですが、具体的な日にちについては、まだ未決定です。
――“Xbox 東京ゲームショウ 2025 ブロードキャスト”では、25タイトルがお披露目されましたね。

フィル
 “Xbox TGS2025 ブロードキャスト”に関しては、日本はもちろんのこと、アジアや世界中に向けて新作をお披露目する大切な場として、私たちのチームは準備してきました。反響も大きかったですし、ファンの皆さんにも喜んでいただけたのではないかと思っています。
――とくに注目してほしいタイトルを教えてください。

フィル
 私たちのパートナーであるサードパーティーのメーカーさんからますます大きなサポートをいただいていることを感じています。カプコンさんの『モンスターハンターストーリーズ』シリーズ3作がXboxにやってくるというのはうれしいですし、スクウェア・エニックスさんの『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』がXboxでプレイできるようになったのも心踊るトピックです。『GUNGRAVE G.O.R.E: BLOOD HEAT』の発表もありました。
――『Microsoft Flight Simulator』、『Age of Mythology: Retold』、『Call of Duty: Black Ops 7』、『Forza Horizon 6』と日本をモチーフにしたDLCやマップなどが明らかになりましたが、そこまで日本に注力してくれる理由を教えてください。

フィル
 TGSは非常に重要なイベントなので、このショウに合わせて、“日本のマーケットが非常に特別である”ということを、改めて日本のファンにお伝えしたかったということはあります。もちろん、これらのコンテンツはワールドワイドで展開されますので、世界のゲームファンにも日本をモチーフにしたDLCやマップなどを楽しんでもらえるだろうという自信もあります。

 ちなみに、日本においてXboxのプレイ時間数がこの1年で20%ほど伸びているんですよ。これは、コンソールとPC、クラウドを合わせた数字ですね。ですので、この数字をみれば、日本のプレイヤーのためにコンテンツを提供すれば、さらに伸びるであろうという期待もあります。
――それだけ日本のユーザーがXboxに接する時間が増えているのですね。どのへんが伸びているのですか?

フィル
 コンソールとPC、クラウドの3つがバランスよく成長しています。強いて言えば、日本のプレイヤーの皆さんにとっては、PCの重要度がますます増している印象があります。それから、コンソールとPC、クラウドが全部伸びているということは、どのデバイスであるに関わらず、Xboxでプレイしてもらいたいという戦略に合致したものだと思っています。

――そういうお話を聞くと、Xbox Series X|Sのつぎのコンソールはあるのか、ということも気になってしまいますが……。

フィル
 新しいハードウェアということで言えば、2025年10月16日にROG Xbox Allyが発売されますね。これはASUSさんの商品ですね。私たちマイクロソフトがファーストパーティーとして発表するハードウェアは“つぎのコンソール”、ということになるかと思います。

――正式発表はいつになるのですか?

フィル
 未定です。ただ、ハンドヘルドデバイスとしてROG Xbox Allyシリーズが登場し、クラウドやPCでの体験の進化を見るときにぜひ注目してほしいのは、この製品がXboxのソフトウェアプラットフォームが今後どのように進化し、あらゆるデバイスをひとつの地点でつなげていくのかを示唆している、という点でしょう。

――わかりました。ソフトの話に話題を戻しますが、2025年10月21日に『NINJA GARDEN 4』がリリースされますが、手応えのほどを教えてください。

フィル
 『NINJA GAIDEN 4』は、本当に“真の『NINJA GAIDEN』のゲーム”です。これまでシリーズに親しんできてくださった方にとっては、そう思っていただけると確信を持っています。一方で、これまでシリーズ作をプレイされたことがない方が、『NINJA GAIDEN 4』から入っていただいたとしても、非常にすばらしいゲームだと思っています。そこから『1』、『2』、『3』と楽しまれることもありではないでしょうか。
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――改めてのご質問ですが、なぜ『NINJA GAIDEN 4』をXbox Game Studiosからリリースしようと思ったのですか?

フィル
 私はTGSなどに合わせて、長年日本に来ているのですが、来るたびにコーエーテクモゲームスさんのオフィスを訪問しているんですね。

――フィルさんは日本のメーカーをよく訪問されていますね。

フィル
 コーエーテクモゲームスさんは大切なパートナーの1社なので、Xboxとしてどのようなサポートができるかというお話をさせていただいたりしています。Xboxファンにとって、『NINJA GAIDEN』シリーズは、本当に重要なIPです。とはいえ、シリーズは長らく途絶えています。それで私は、この象徴的なシリーズを蘇らせることはできないでしょうかというお話はずっとしていました。

 ただ、こういうアイデアは実現するまでに時間がかかるといいますか、適切な機会を見つけないとなかなか実現しなかったりします。そんなときに、プラチナゲームズさんとコーエーテクモゲームスさんがタッグを組むということになって、ぜひともXbox Game Studiosでも制作やクリエイティブの面でサポートしたいと思いました。

――小島秀夫監督の『OD』もXbox Game Studiosがサポートしていますよね。Xbox Game Studiosはそれぞれの開発スタジオにどのようなサポートをしているのですか?

フィル
 各パートナーさんとの関係というのは、スタジオによってそれぞれ異なります。コジマプロダクションさんにおいては、Unreal Engine 5のサポートが大きいですね。私たちにはUnreal Engine 5に対する知見や経験値が抱負なのですが、『OD』ではUnreal Engine 5を使うということで、その部分で協力しています。『NINJA GAIDEN 4』に関しては、コーエーテクモゲームスさんもプラチナゲームズさんもアクションゲームについては知見が抱負ですので、予算的な支援も含めた、おもにマーケティングのサポートをしています。

――その流れで、Xbox Game Studiosが『NINJA GAIDEN 4』のパブリッシングを担うことになったのですね。

フィル
 いま、アジアに限っても500社以上のスタジオが何千というXboxのゲームを開発しています。中には大きなパブリッシャーさんもありますし、日本でしたら、カプコンさん、KONAMIさん、スクウェア・エニックスさん、セガさん、バンダイナムコエンターテインメントさんなど、私たちはそれぞれ非常にユニークな関係性を持っています。

 一方で、独立系のゲームスタジオもあります。それぞれのスタジオには多様性があって、それぞれ必要としているサポートもそれぞれ違うんですね。ニーズが異なる。私たちは、優秀なゲームスタジオがちゃんと成功できるように、それぞれに必要なサポートを提供していきたいと思っています。

――なるほど。『NINJA GAIDEN 4』や『OD』などのように、今後日本開発のXbox Game Studiosパブリッシングタイトルは増えてきますか?

フィル
 いまお話しできることは何もないのですが、今回の来日でもいろいろなパートナーさんとお話をしています。いずれいろいろと発表できると思います。
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PS5やSwitch2で我々のゲームをプレイしてほしいのだったら敷居を下げる努力をしていく

――いま、手もとにROG Xbox Allyをお持ちですが、「こんなところに注目してほしい」といった点などありましたら。

フィル
 これは私の私物です(笑)。飛行機の中でずっとプレイしていました。『Hollow Knight: Silksong』を遊んでいました。いいですね!

 ROG Xbox Allyは、どこでもプレイできるというのがいいですね。家でもコンソールでも遊んでいて、それから外出先でROG Xbox Allyでログインしても、最後にログアウトしたところから再開できる。これが最高です! そしてさらに家に帰ってコンソールとテレビでプレイしても、外出先で達成したことがちゃんと反映されている。空いた時間についゲームを遊びたくなってしまいますよね。
――ゲームお好きですね(笑)。ちなみに、フィル・スペンサーが選ぶ今年の”Game of the Year”は何ですか?

フィル
 私たちのゲームは対象から外すとして……。いま遊んでいる『Hollow Knight: Silksong』は大好きです。あと、ぱっと思い浮かぶものだと、『Clair Obscur: Expedition 33』。とてもいいですね。『NINJA GAIDEN: Ragebound』もよかった。あと、プレイステーション5とPC向けのゲームではありますが、友だちの小島監督の『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』。The Game of the Yearは、『Clair Obscur: Expedition 33』かなあ。

 ファーストパーティータイトルだと、ベセスダ・ソフトワークスの『
The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』がたぶん皆さんを驚かせたんじゃないかしら。『DOOM: The Dark Ages』も好きです。

――そういえば、マイクロソフトではファーストパーティータイトルをプレイステーション5などで展開していて、2024年12月にXbox Series X|Sでリリースした『インディ・ジョーンズ/大いなる円環』を2025年4月にプレイステーション5向けにリリースしたりしていますが、手応えはいかがですか?

フィル
 『インディ・ジョーンズ/大いなる円環』は最高のゲームですね! 私にとって、2024年の“Game of the Year”です。MachineGamesはアメージングな仕事をしてくれました。プレイステーション5版『インディ・ジョーンズ/大いなる円環』に対してはいいフィードバックをいただいておりますし、ビジネス的に見ても非常にうまくいっています。

 『
Forza Horizon 5』、『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』、『DOOM: The Dark Ages』などのXbox Game Studiosのタイトルは、プレイステーションでも非常に成功しています。
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『インディ・ジョーンズ/大いなる円環』。
――今年Nintendo Switch 2がリリースされましたが、Nintendo Switch 2にも注力していくのでしょうか?

フィル
 はい。2025年7月にActivisionの『トニー・ホーク プロ・スケーター 3+4 - スタンダードエディション』をNintendo Switch 2向けにリリースしています。私たちは、Xbox Play AnywhereやXbox Game Passなど、私たちのゲームをプレイしていただくために敷居を下げる努力をしているのですが、一方でプレイステーション5でゲームを遊びたいという方もいれば、Nintendo Switch 2でプレイしたいという方もいらっしゃるのだったら、ぜひともそれらのプラットフォームで私たちのゲームをプレイしてほしいと思っています。その点に関しては、ソニー・インタラクティブエンタテインメントさんからも任天堂さんからも、非常にすばらしいサポートをいただいています。
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――わかりました。ところで、ソフトということで言えば、ベテランのファンは『Halo』シリーズや『Forza Motorsport』シリーズといった人気IPの今後が気になっているかと思うのですが、いかがでしょうか? これからのIPはひと区切りついてしまったのですか?

フィル
 ノー! Halo Studios(旧343 Industries)は、新しい取り組みをすべく、今後の計画を立てています。Unreal Engine 5に注力していますし、新しいテクノロジーにも力を入れています。私たちとしては、必要な時間をかけてもらって、『Halo』フランチャイズとしてふさわしい投資をして、つぎの『Halo』シリーズの新作として、いいものを作ってもらうような体制を整えています。

 『
Forza Motorsport』についてですが、私たちは時には、より早くリリースされるゲームに焦点を移さなければならないことがあります。そして、Turn10 Studios の規模を縮小した際に、多くの方が反応したことも理解しています。私たちとしては、丁寧にサポートしたいゲームが数多くあり、時には開発チームが緊張状態に置かれ続けないよう、もう少し時間を与えることもあります。現在では、多くのスタジオを抱える体制によって、こうした柔軟な対応が可能になっています。

 Xbox Game Studiosは20以上のスタジオを擁していますが、たくさんの開発ゲームを持っており、それぞれ必要なサポートも異なってきます。短期的な視点に立つものと中長期で考えるものと両方あります。私たちは、自社で展開するゲームにちゃんと成功してほしいと思っています。Xbox Game Studiosは数多くのタイトルを開発中なので、今後にご期待ください。

――最後に、日本のゲームファンに向けてメッセージをお願いします。

フィル
 私は日本に来るたびに、ビデオゲームというものを作り出して、そして大切にしている日本という文化に対する尊敬の思いを深くしています。今後も、日本のゲームのコミュニティの皆さんからの私たちに対するご支援を期待していますし、フィードバックもどんどんお寄せいただきたいと思っています。ゲームをプレイする選択肢が増えているなかで、Xboxをたくさん遊んでくださっていることに感謝します。ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
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