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『eFootball』を通じて世界中のサッカーファンがつながる未来を目指したい。田谷統括プロデューサーが語る、30周年を迎えたシリーズの展望【PSパートナーアワード2025】

byNiSHi

『eFootball』を通じて世界中のサッカーファンがつながる未来を目指したい。田谷統括プロデューサーが語る、30周年を迎えたシリーズの展望【PSパートナーアワード2025】
 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は2025年12月3日(水)、“PlayStation Partner Awards 2025 Japan Asia”の表彰式を開催。

 会場では、日本・アジア地域で開発されたタイトルにおいて、特出した全世界売上を達成した作品に贈られる“GRAND AWARD(グランドアワード)”を受賞した『
eFootball』田谷淳一統括プロデューサーへかの囲み取材が行われたので、その模様をお届けする。
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ユーザーからの声に真摯に耳を傾け、地道にアップデートし、よりよい形になっていけていることが『eFootball』シリーズらしさ

――まずは、“GRAND AWARD”受賞についてひと言お願いします。

田谷 
この度は、“GRAND AWARD”という栄えある賞をいただき、本当にうれしく思っております。賞をいただけたのは、『eFootball』を30年間遊び続けてくださったユーザーの皆様のおかげだと思います。これからも『eFootball』をもっともっとおもしろくし、皆様のご期待にお応えできるようにがんばっていきたいと思います。
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――1995年に誕生した『Jリーグ実況ウイニングイレブン』から今年で30年を迎えました。30年を振り返っての総評をお聞かせください。

田谷 
まずは、30年にわたり遊び続けてくださったファンの皆様に心から感謝したいと思います。振り返ってみれば、本シリーズは初代プレイステーションのころから発売していますので、プレイステーションに育てていただいたシリーズです。アクションサッカーゲームとして直感的な操作感と現実のサッカーをどう落とし込んでいくかというのを磨き続けてきた30年間とも言えます。いまは、世代、地域を超えて遊ばれるタイトルに育ったこと、とてもうれしく思っております。

――サービス継続型ゲームとして展開されているタイトルかと思いますが、今年は“GRAND AWARD”を受賞されたということで、とくに力を入れた取り組みなどはございましたか?

田谷 
はい、世界中のお客様に継続的に遊び続けていただくということに力を入れました。グローバルでの大型アップデートをプレイステーションユーザーの皆様に最適化するとともに、各国のお祭りにちなんだイベントを開催したり、ローカルのレジェンド選手を登場させたり、eスポーツ大会の開催などを通じて、以前遊んでいたユーザーの方も戻ってきたくなるような施策を展開した1年だったと思います。

――直近のシーズンアップデートは2025年8月に配信されたバージョン5.0.0ですが、こちらの反響はいかがでしたか?

田谷 
バージョン5.0.0は、シリーズ30周年の幕開けにふさわしいアップデートとして、非常にポジティブな評価をいただけている印象です。新要素の“リンクアップ”の実装のほか、スライディングタックルの守備の操作が改善しまして、1対1の駆け引きがよりおもしろくなったというお声もいただきました。

 また、スタジアムをユーザーの好みにカスタムできる機能“カスタムスタジアム”ですとか、対戦時に表示される“ユーザープロフィール”を飾りつけられるようなユーザーのカスタマイズ要素にも力を入れた結果、遊ぶ目的や目標が明確になったというお声も頂戴しております。

 2025年12月4日にはバージョン 5.2.0が配信予定で、公式のYouTubeチャンネルにてアップデート情報を伝える番組も配信しますので、そちらで最新の情報をご覧いただきつつ、アップデートをぜひ楽しんでいただけたら幸いです。

――カードゲーム『遊戯王』とのコラボとして、ネイマール選手を起用したプロモーションが展開されましたが、反響はいかがでしたか?

田谷 
反響自体は、非常に手応えのある結果でした。カードゲーム『遊戯王』は弊社のカードゲームですが、そことネイマール選手という組み合わせは異色なので賛否あるかなと思っていたのですが、そのインパクトの強さのおかげで、プレイステーション上でのタイムラインにこの話題が非常に多く出ていたり、これを機に、久しぶりに起動したというお声もたくさんいただきました。

 ゲーム内ではコラボカードを配信しましたが、それをきっかけに復帰された方や、カードゲーム『遊戯王』のユーザーの方が本作を手に取っていただけるきっかけにもなったということも確認をしております。SNS上でもポジティブな反応が多く出ておりまして、シリーズ30周年のタイミングでゲームを超えたお祭り感を創出できた、とても象徴的なキャンペーンだったと感じております。
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――長年にわたって世界のサッカーのリアルな動向をゲームに反映しているかと思います。どのように情報を得て、どんな基準でゲームに落とし込んでいるのでしょうか?

田谷 
各国のリーグの試合データやスターツをベースにしつつ、弊社のパートナークラブや、メッシ選手やネイマール選手などアンバサダー契約を結んでいる選手とのコミュニケーション、サッカーの専門家からご助言をいただいたりと、情報源としては多岐に渡っております。そのうえで、ゲーム上でおもしろくなるのか、プレイして違和感が出ないかなどを考慮しながら、戦術を落とし込み、モーションを反映しながら制作しております。

――本作はどの地域でヒットしているのか、またこれからよりヒットさせるために重視していきたい地域はあるのか、お聞かせください。

田谷 
これまではヨーロッパや南米、アジア、とくに日本を含む東アジアの地域のプレイステーションユーザーさんに強く支持いただいているタイトルでした。今後は、インドや中東といった成長が著しいエリアですとか、いまは北アフリカのサッカーがすごく盛んで、モロッコなどで強いチームが出てきておりますので、北アフリカでよりローカルなキャンペーンですとか、あと各国のリーグと連携も行って、重点的にアプローチしていきたいなという風に考えております。

――本作は基本プレイ無料というサービスモデルが採用されています。従来のパッケージ販売モデルと比べて、開発や運営面でどのような挑戦やメリットがありましたか。また、このモデルがコミュニティ拡大にどのように貢献しているとお考えでしょうか。

田谷 
運営型のタイトルはご存じの通り、つねにサービスを改善し続ける体制作りが必要になります。そのため、開発や運営のリズムはパッケージのみのころと比べて大きく変化しました。ただ、それによってユーザーの皆さんのご要望や、最新のサッカー事情をゲームに反映するというスピード感も格段に早くなりました。

 あと、基本プレイ無料というサービスを行ったことで、気軽に手に取っていただけるようになり、新規ユーザーの方々も大きく増えました。友だちどうし誘い合うというハードルも非常に下がりました。それにより、コミュニティが拡大したことが今回“GRAND AWARD”という賞をいただけることにつながったのかなと思っております。
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――オンライン対戦の体験をより楽しめる工夫について教えてください。

田谷 
オンライン対戦は非常に多くの方に楽しんでいただいておりまして、サーバーの増設やオンライン対戦中の通信アルゴリズムの改善など、目に見えないところでつねに改善を行っております。

 また、レーティングやマッチングの精度の向上ですとか、フェアな環境作りも注力をしています。ランキング、報酬設計も継続的に改善を行い、勝っても負けてもまたもう一戦挑戦したくなるような構造を意識して改善を行っています。

 さらに、FCバルセロナやマンチェスター・ユナイテッドFCといったパートナークラブのeスポーツ大会や、FIFAと共同で国を代表した世界大会“FIFAe World Cup”も開催して配信を行っております。それらを通じて、トップレベルの選手のプレーを見ていただいて、「自分もあんなプレーをしてみよう」というようなモチベーションを上げることで、オンライン対戦より楽しんでいただければなと思っています。

――2021年にシリーズタイトル名を変更するなど、時代の変化に対して大胆な対応を行っていますが、なぜこのシリーズがこのようなドラスティックな対応が実現できているのでしょうか。その考えかたや秘訣、合わせて今後のビジョンなどについてお聞かせください。

田谷 
ウイニングイレブン』としてスタートしたタイトルですが、30年続いてきたシリーズのタイトルを変えることは、とても大きな決断でした。ただ、これからサッカーゲームをどうしていきたいかと最優先で考えた結果、『eFootball』とリブランディングしようという結論に至りました。

 パッケージ中心からサービス型へ、オフラインのゲームからオンラインやクロスプラットフォームでの展開が主流になっています。そういった中で、サッカーゲームの遊ばれかたが大きく変わりましたので、現実のサッカーとデジタルをつなぐプラットフォームというものが『eFootball』のありたい姿だと考え、そこに進化するためにタイトル名を含めてゼロベースで考え直すという判断をしました。その変化を支えているのは、過去の成功に甘えないことや、お客様といっしょにゲームを育てていこうという考えかたです。

 ただ、チャレンジはいつも成功するわけではなくて、リブランディングした際に、正直、失敗したと思っておりまして。ユーザーさんからも非常にきびしいお声をいただいた時期がありました。タイトルをこのまま継続できるかとご心配されたと思いますが、そういった危機においても、お客様からの声に真摯に耳を傾けて、地道にアップデートしていくことで、よりよい形になっていけていることが『eFootball』というシリーズらしさかなと思っています。

 今後のビジョンとしましては、サッカーはどんどん新しい選手も出てきますし、進化していきますので、リアルなサッカーシーンと連動していきながら、世界中のお客様が楽しんでくださっているので、地域ごとの文化やコミュニケーションとのコラボレーションをさらに強化して、『eFootball』を通じて世界中のサッカーファンが繋がる未来を目指していきけたらと思います。
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