
人気シリーズ『ダイイングライト』シリーズの最新作で、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC向けに2025年8月22日に発売予定。
日本語音声・日本語字幕対応のプレイステーション5版(パッケージ版)は、スパイク・チュンソフトが販売。本作は『ダイイングライト2 ステイ ヒューマン - Ultimate Edition』に含まれるコンテンツとなるため、Ultimate Editionの購入者は無料で入手可能とのこと。
本作では初代『ダイイングライト』の主人公カイル・クレインがカムバック。人々を救ったカイルはその後、捕虜として捕らえられ、13年間にわたっておぞましい人体実験を行われ続けてきた。そして、施設から脱走したカイルが復讐を誓う……というのが本作のプロローグだ。
舞台となるのはキャスター・ウッズと呼ばれる街で、かつては人気の観光地だったものの、鬱蒼とした森に囲まれた陰鬱な田舎街となっている場所だ。『ツイン・ピークス』や『ストレンジャー・シングス』などの影響を受けているとのことで、前作までの都市とは違った緊張感が味わえる。
デモではこれまでよりも洗練されたパルクールや、おなじみの近接戦闘(ドロップキックも)が見て取れた。本作の夜はさらにスリリングになり、ゾンビたちの息使いが迫りくる真っ暗闇を光を求めて進んでいく恐怖感は、進化したグラフィックや天候表現も相まって、さらに度合いが増している。
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また、近接戦闘だけでなく、ゲームの早い段階から銃を手に入れられるのもポイントのひとつ。アサルトライフルやショットガン、弓や火炎放射器といった武器がデモでも体験できた。
デモの最後で体験できたボスとの戦闘では、ゾンビが群がってくる中でボスの大技を回避しつつ攻撃を加えていくという緊張感あふれるバトルが展開。弾が底をつき、近接武器でボスに挑み、ついにはビーストモードで暴れ回るという流れは、爽快感と達成感にあふれていた。
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試遊後には、シリーズのディレクターを務めるティモン・スメクタワ氏へインタビューを行った。過去作との対比や、本作へのこだわりなど、さまざまな点について伺った。
ティモン・スメクタワ氏
『ダイイングライト』フランチャイズ ディレクター
カイル・クレインは10年前に発売された『ダイイングライト』1作目の主人公であり、たとえ10年が経った後も、彼の人柄や行動、存在感は世界中のプレイヤーにとっていまなお強く印象に残っています。
『ダイイングライト』シリーズは非常に成功しており、これまでに5000万人以上がプレイしています。その多くが1作目をプレイしていて、彼らはカイルの復活をとてもよろこんでくれました。
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――なぜカイルを再び主人公にしようと決めたのでしょうか?
そして、カイル役のロジャー・クレイグ・スミスが再びこの役を演じることを決めたとき、私たちはまるで10年前に戻ったかのような活力を取り戻しました。当時の情熱を再燃させるような、非常に特別な感覚がありました。
――初代、前作と比べて、本作のゲームプレイにはどのような新しい要素がありますか?
パルクールや近接戦闘、昼夜のサイクルといった基本のゲームメカニクスは、これまでのどの作品よりも洗練されており、10年間の経験が存分に活かされています。
さらに、本作ならではの新要素として、大きくふたつの点が挙げられます。ひとつは主人公が持つ“ビーストのような能力”です。感染や人体実験の影響で、主人公は怒りや本能を解放し、超人的な力を発揮できるようになりました。高く跳び、素早く走り、敵を一撃で倒すような強力な動きが可能になり、圧倒的な力で敵をなぎ倒していく感覚です。
もうひとつは、新たな舞台環境です。スイスのアルプスにインスパイアされた自然豊かな地域が舞台となっており、都市ではなく山岳地帯や森林、農地などが広がる美しい風景の中でゾンビとの戦いが展開されます。この新しい環境は、日本のプレイヤーにとってもとくに魅力的だと思います。というのも、スイスやアルプスは日本人にとって人気の観光地のひとつですし、本作ではゲームの中でその雰囲気を旅することができるからです。
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――“ビーストモード”について触れていただきましたが、これがプレイヤーにどのような体験をもたらすのか、教えてください。
『パックマン』は、ある意味サバイバルホラーだと思っていて。ふだんはゴーストに追われる弱い存在で、逃げる側ですよね。私たちのゲームでも、プレイヤーは“ヴォラタイル”(夜に出現する強力なゾンビ)に追われるという、似た状況になります。でも『パックマン』ではパワーペレットを取ると立場が逆転して、今度は自分が追いかける側になります。本作のビーストモードもそのような感覚を意識しました。
追われる側だったプレイヤーが、怒りを解放し、ビーストモードを発動させることで、一転してゾンビたちをなぎ倒す側に変わる。その瞬間のカタルシスは、非常に新鮮でおもしろいメカニクスになっています。
――主人公がそのような超人的なパワーを持つ一方で、敵に襲われる恐怖や暗闇の中での緊張感といった、本シリーズ特有のスリルは維持されているのでしょうか?
さらに、本作では“キメラ”と呼ばれる強敵が登場します。デモ版でもプレイされたかと思いますが、これはバロンによる人体実験の結果、生まれた敵でビーストモードを使ったとしても手強い存在です。
ビジュアル面にもこだわっており、むき出しの筋肉や肉塊のような見た目は、『進撃の巨人』の巨人に通じるところもあります。最後にはバロン自身との対決も待ち受けており、彼はまさに最大の脅威です。詳しくは言えませんが、日本のプレイヤーにとって非常に印象的な体験になると確信しています。なので、ぜひご自身でプレイして確かめてみてください。
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『ダイイングライト2』では思い切って銃を登場させませんでしたが、それが失敗でした。発売直後から、多くのプレイヤーに「銃はどこだ?」と聞かれたんです。
だから本作では、銃をゲームの中心的な要素のひとつとして初期段階から組み込みました。音や手触り、見た目、敵に対する影響など細かい部分にもかなりこだわって作り込み、バランスもしっかりと取るようにしています。銃が強すぎて頼るというよりも、“状況によって使い分けるツールのひとつ”として機能するようになっています。
――カイルには敵を感知する能力がありますが、これは脅威を避けやすくなる一方で、緊張感が薄れてゲームが簡単になりすぎる心配はありませんか?
つまり、前作よりも“頼れる情報”が少ないんです。敵がどこにいるか、どこに移動しているかは数秒しか確認できないので、決して“万能なチート機能”ではありません。
それに、もし簡単すぎると感じた場合は、ハードモードでプレイすることでサバイバルセンスの感知範囲や持続時間が制限され、より高い難易度で楽しむことも可能です。
――本作における“夜”というものについて、もう少し詳しく教えてください。
昼と夜のサイクルは、単にビジュアルが変わるだけではなく、ゲームプレイそのものが大きく変化します。夜になると最も危険なクリーチャー――ヴォラタイルたちが出現し、プレイヤーはそれらに見つからないよう慎重に行動しなければなりません。これはシリーズ伝統のサバイバルホラー的な要素ですね。
ただし、本作では舞台が自然豊かな地域になったことで、夜の恐怖がさらに強調されていると感じています。たとえば、農地や森林など、視界が悪くて先が見えない場所が多く、懐中電灯で照らしたその先に突然ヴォラタイルが現れる……そんな予測不能な瞬間が、プレイヤーを驚かせ、緊張させるのです。
さらに、こうした自然環境ではパルクールでの移動が制限されるため、プレイヤーはより無防備な感覚を味わうことになります。結果として、シリーズでもっともスリリングな“夜”を体験できる仕上がりになっています。
――では、前作から踏襲したシステムにはどのようなものがありますか?
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たとえば、天候の表現は非常にリアルでなければなりません。木製のテーブルを見れば、「これは本物の木のテーブルだ」と感じられるような表現が求められます。建物に入ったときには、その場に本当に“いる”と感じられるように、空間の密度や質感まで徹底的に作り込んでいます。
レベルアーティストたちはマップのすみずみまで手作業でデザインし、細部までこだわって現実さながらの空間を構築しています。ライティングや影の表現なども、現行世代のハードウェアによって初めて実現できたものです。こうした要素により、非常に高密度かつ高精細なオープンワールドが可能になりました。
――協力プレイでは、プレイヤーごとに自分のキャラクターを作成できますか? 全員がカイルを操作する形になるのでしょうか?
協力プレイでは物語の細部にとらわれすぎず、友達と気軽に楽しめることが大切だと考えています。とはいえ、物語の主人公であるカイルが、見知らぬキャラクターたちといっしょに走り回っているのも不自然だと感じました。
ですので、私たちとしてはちょっと遊び心を取り入れて、“見た目の異なるカイルが4人いる”という設定にしています。それぞれの見た目が違うだけでなく、プレイヤーごとの選択やプレイスタイルによって操作感も異なるようになっています。こうした仕様は初代『ダイイングライト』でも採用していて、多くのプレイヤーに好評でしたので、あえて変える必要はないだろうと判断しました。
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つまり『ダイイングライト2』では、プレイヤーが物語の中で選択を行う際、実際に選択を行えるのは基本的にホストプレイヤーのみで、物語の進行状況もホストのデータにしか保存されませんでした。その仕様には多くのプレイヤーが不満を感じていました。
本作では方向性を見直し、プレイヤー全員がストーリーとキャラクターの進行を保持できるようにしました。これは前作との大きな違いであり、非常に大きな改善点です。
――本作はもともと『ダイイングライト2』のDLC(ダウンロードコンテンツ)として開発が始まったと聞いていますが、そこからプロジェクトはどう広がっていったのでしょうか?
というのも、この数ヵ月で本作は大きく成長し、完全なフルスケールのAAA作品へと進化を遂げました。もはや“ダイイングライト3”と呼んでもよいほどのスケールと完成度を誇っています。
ナンバリングではなく“ザ・ビースト”というタイトルにしたのは、新規プレイヤーにも親しみやすくするためです。メインストーリーだけで約20時間のボリュームがあり、サイドクエストや探索要素、隠されたコンテンツなどを含めれば、その2倍以上のプレイ時間を楽しめます。
広大で丁寧に作り込まれたオープンワールド、高品質なコンテンツ、ボリュームともに、シリーズ最新作にふさわしい内容となっています。
――メインストーリーをクリアーした後に、さらに掘り下げて楽しめる要素がある、と。
ただ“サイド”とは呼んでいるものの、私たちはそれらもメインストーリーと同じくらい丁寧に作り込んでいます。カットシーンの数や演出面も含め、クオリティーに一切の妥協はありません。
そのほかにも、オープンワールド上でのアクティビティや安全エリアの解放、探索できるロケーション、収集アイテムなど、多彩な要素が用意されています。
とくに収集アイテムについては、これまでとは違うアプローチで「集めること自体が楽しい」と思えるような工夫をしています。セットごとに異なる仕掛けや意味があるので、ぜひ探索してみてください。
――今後の拡張コンテンツやDLCについて、何か構想はありますか?
ほかのことに気を取られたり、注意を逸らしたりするのではなく、いま目の前にあるこのリリースに真剣に向き合っています。これは私たちにとって非常に大切なリリースです。
このゲームが『ダイイングライト』シリーズでもっともすぐれた作品であることを証明したい。そして、世界中のプレイヤー、もちろん日本の皆さんにも、その想いとクオリティを感じ取ってもらえることを願っています。
――最後に、プレイヤーにいちばん注目してほしい要素についてあらためてお聞かせください?
たとえば、壁にゾンビを投げつけたとき、隣に飾ってある絵が落ちるような細かな物理演出、あるいは、キメラの筋肉の描写にどれだけこだわったか、そういった細部のひとつひとつです。
私たちはこの作品に、深い愛情と情熱を込めて開発を続けてきました。これは『ダイイングライト』シリーズのファンの皆さんに贈る“ラブレター”のような作品です。
この10周年という節目にふさわしいタイトルになっていると信じています。ぜひ、その想いを感じながらプレイしていただけたらうれしいです。
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