『鬼武者 Way of the Sword』開発者インタビュー。最新作は人間味あふれる武蔵と、狂気に満ちた佐々木巌流の対比と対峙を描くストーリーに【SGF2025】

byヒゲメガネ長谷部

更新
『鬼武者 Way of the Sword』開発者インタビュー。最新作は人間味あふれる武蔵と、狂気に満ちた佐々木巌流の対比と対峙を描くストーリーに【SGF2025】
 2024年6月7日(現地時間)からアメリカ・ロサンゼルスで開催されたSummer Game Fest2025 Play day(SGF2024プレイデイ)に、『鬼武者 Way of the Sword』が出展。本作のプレゼンテーションが行われたほか、開発者インタビューの席も設けられた。

 本稿では本作のプロデューサーを務める門脇章人氏と、同じくディレクターを務める二瓶 賢氏へのインタビューをお届けする。

 本作における武蔵と佐々木巌流の関係性とは? 剣戟をよりかっこよく見せるために施した工夫とは? 気になることを直撃した。
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門脇 章人氏かどわき あきひと

『鬼武者 Way of the Sword』プロデューサー

二瓶 賢氏にへい さとる

『鬼武者 Way of the Sword』ディレクター

佐々木巌流と武蔵は天下無双を競う武蔵のライバル?

――いきなりですが、往年のファンが気になっていることがズバリ聞いてしまおうかなと。トレイラー第2弾に出てきていた大唾拉(ダイダラ)が、初代『鬼武者』に登場していたオズリックに似ているのですが、これは同じ存在なのでしょうか? それとも別の存在なのでしょうか?
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大唾拉(ダイダラ)
二瓶
 SNSでもその点に気付いてくださった方が多くいてうれしいのですが、残念ながら別の存在ですね。本作は新たに世界観設定を持っているので。似ているのは、セルフオマージュだからです(笑)。

――もうひとつの気になる点、佐々木巌流についても聞かせてください。武蔵と同じ侍のようですが、かなり特殊な雰囲気を持っていますよね? 佐々木巌流とはどのようなキャラクター性を持った存在になるのでしょうか? 本作の主人公となる武蔵との関係性についてもお教えください。
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二瓶
 佐々木巌流を紹介する前に、まずは武蔵のキャラクター性からお話します。武蔵は“天下無双”を掲げている若い侍なのですが、一般的に侍と聞いて想像するような真面目で無骨なキャラクターではなく、人間味が溢れた存在として描いています。

――トレイラー第1弾でも「やべぇ!」と口走ったり、既存の侍のイメージにとらわれない感じでしたね。

二瓶
 まさしく、そういった人間らしさに溢れた人物です。対する佐々木巌流は、言ってしまえばちょっとサイコパスな、狂気を孕んだ侍として描いています。

――お互いが対となるような存在といったイメージでしょうか。ふたりとも篭手を装着しているという点も気になります。
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門脇
 ふたりが対になっているというのは、まさしくその通りです。お互いが篭手をつけることになるきっかけはまだ明かせないのですが、篭手を付けたふたりの対比、そして対峙を描いていきますので、楽しみにしていてください。

――対比・対峙という言葉を受けると、ふたりは篭手をつける前から接点があったという印象も受けます。

二瓶
 もともとふたりは、それぞれが天下無双を掲げ、どっちが強いかと競い合っていた仲でした。それがお互いに篭手を付けたことで人間性や進む道も大きく変わっていくといったストーリーになります。

――設定という点では京都が舞台になっているという点も楽しみです。かなり緻密な取材をされたと伺っていますし、映像からも「ここはあのお寺かな?」と推察できるものもありました。ほかにはどのような場所が舞台になるのでしょうか?

門脇
 名所と呼ばれるところも出てきますし、それほど有名ではないスポットも舞台として登場するのですが……。具体的に「ここが舞台として登場する」と言ってしまうとネタバレにつながるところも出てきてしまうので、何ならば伝えていいのか難しいですね。

――舞台になっている箇所が言いにくいということはということは、現実世界のその箇所に残っている伝承や祀られている存在がゲーム中でも関係してくる、ということでしょうか?

二瓶
 まぁ、そのような感じです(笑)。まだお伝えできることはないのですが、ゲーム中ではしっかりと名所を取材して作り込みをしているので、そこも楽しみにしておいてください。またゲーム中では「ここのスポットには実際にこんな伝承が残っている」といった情報を確認できるものも用意しています。プレイする際には、そうした情報と照らし合わせながら遊んでみるのも楽しいと思います。

死にゲーにはしたくない。でも何度も挑戦したくなる絶妙なバランスを求めた開発

――ゲームシステムについても気になることがあります。第1弾トレイラーでは、武蔵は小さな剣を両手に持って斬撃をくり出していましたが、第2弾トレイラーでは棍棒のようなものを使っていましたよね? 武蔵が二刀流で使う武器は装備依存になるのでしょうか? それとも技によって変わる感じでしょうか?
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二瓶
 技によって使う武器が変わってくるという仕様です。武蔵は基本的に刀を使って戦うのですが、青魂を拾って使う技はいろいろな種類があり、そこで今回のような棍棒や双剣が登場します。

――なるほど。ちなみに武蔵の装備を変えることはできるのでしょうか? たとえば使用している刀を新しく強いものに交換するとか。

二瓶
 そういった要素はないですね。ただ衣装を変えることはできます。衣装によっては刀の見た目も変わりますので、どんな衣装が登場するのか楽しみにしていてください。

――さきほどのプレゼンテーションで紹介された“黒魂”についてもお聞かせくだささい。過去を見せてくれる特殊な魂ということでしたが。

二瓶
 簡潔にお伝えすると、おっしゃるとおり“過去を見せてくれる魂”です。物語の見せかたとして、そこで過去にどんな存在がどんなことを起こしたのかがわかっているのといないのとでは、ストーリーへの没入感が変わりますよね。“黒魂”は、過去のビジョンを通じてストーリーや世界観をより強くしてくれるシステムになります。

――“崩し一閃”も気になります。特定の箇所を攻撃することによって、部位破壊のようなことは起きるのでしょうか?

二瓶
 すべての敵ではありませんが、そういった効果を持つこともあります。また特定の部位を攻撃することでアクションを封じることもできるので、どのタイミングでどこを斬るのかという選択は重要です。

――戦略的な要素が含まれているわけですね。

二瓶
 これはカプコンらしさと言える箇所でもあるのですが、じつはどこを攻撃するのかによってモーションが違うので、実際にプレイしていただく際にはそこにも注目をしてほしいですね。いろいろなかっこいいアクション、かっこいい倒しかたが見つかると思うので、楽しみにしていてください。

――かっこいいアクションといえば、ガードもかっこいいですよね。今回は360度どこからの攻撃でもガードできると聞きました。

二瓶
 ありがとうございます! じつはそこもかっこよさを追求した箇所になります。たとえば映画とかで、ヒーローが後ろから攻撃をされた際、後ろを振り返ることなく、さっと武器を出すだけでガードするシーンとかあるじゃないですか? あれをイメージしています。
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――わかります、あれはかっこいい!

二瓶
 ただそれを何も考えずに採用してしまうと、あまりにも強すぎるので、ちゃんと調整もしています。

――ガードしておけばいいだけのゲームになってしまいますもんね。具体的に調整はどういった内容になっているのでしょうか?

二瓶
 ガードをするにはゲージを必要とし、ガードが成立するたびにそのゲージが減少していくようなシステムにしています。

門脇
 360度、どこからの攻撃でもガードできるようにした理由はかっこよさのほかにもあります。ガードのあるアクションゲームで「えー、いまガードしたじゃん!」、「そこガード判定あるでしょ?」みたいな経験はありませんか?

――大いに思い当たる節がありますね(笑)。

門脇
 リアルさを追求する上では、“この角度内からの攻撃でないとガードできない”という設定は重要です。しかしゲームによってはそれがストレス要因にもなってしまいます。本作ではこのストレス要因を取り除くため、ガードできる角度を限定しないことにしました。

――ユーザーフレンドリーを思っての設計でもあるんですね。

門脇
 本作は“アクションゲーム好きの人が何度も挑戦したくなるような楽しさを持ちつつも、死にゲーのような理不尽さはない”という絶妙な難易度を目指しているので、このガードのシステムはそれを実現するためにも一役買ってくれています。

アクションと表現には並々ならぬこだわり。受け流しの際には刀同士の接点にも注目

――『鬼武者』といえば、敵をひと振りで斬り伏せる“バッサリ感”が大きな特徴だと思います。しかしそうした一撃が強いシステムは気持ちよさが得られる反面、プレイフィールが大味になってしまったり、動きが大きく“もっさり感”が出てしてしまう要因にもなると思います。本作ではそこをどのように調整しているのでしょうか?

門脇
 アクションに関するバランス調整は、バッサリ感の演出などを含めいままさに総力を上げて行っているところで、トレイラームービーで御覧いただけるものも完成したものではありません。

 “バッサリ感”を大味にせず爽快なものにする工夫として、太刀筋と切り口の整合性という点には注意を払っています。刀を力強く振って敵を斬り伏せても、太刀筋と違う斬られかたになると、それだけで違和感が生まれ、違和感が爽快感をジャマしてしまいます。そうした噛み合わせの悪さのようなものが生まれないよう、太刀筋と切り口、そして音やエフェクトも合わせて調整を行っているところです。
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――やはりアクション、キャラクターの動きにはかなりのこだわりを持っていらっしゃるんですね。そのほかにもこだわったポイントはありますか?

二瓶
 受け流しのアクションにも、かなりのこだわりを込めました。受け流しを簡単に説明すると相手の攻撃を刀で受ける際に、刃の部分ですべらせるようなアクションです。本作ではこの受け流しを表現するにあたって、本当に刀どうしが擦れ合って動くように作っています。

――刀は直線でないですし、かなり難しそうな設計ですね。

二瓶
 本当に難しかったです。刀の反りや傾きにあわせて挙動が変化するので、実現するまでは破綻することも多くありました。でもだからこそ、これが実現できたときは達成感がありましたね。このこだわりがあって初めて可能になったカメラワークや演出もあるので、ここにも注目しほしいですね。

――注目すべきところがたくさんあって、いまから楽しみです!

二瓶
 今作は『鬼武者』シリーズの復活であり、往年ファンの方からしてみればようやくの新作となるタイトルです。みなさまのご期待に応えられるよう、大事に作っておりますのでお楽しみください。

門脇
 久しぶりの情報発信となりましたが、これからは頑張ってたくさんの情報を出していきます。みなさんに驚いてもらえるような情報を出していきますのでご期待ください。
[2025年6月13日18時29分修正] 一部表現を修正いたしました。

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