【CIV7】『シヴィライゼーション VII』発売に備えてシリーズの魅力と歴史を紐解く。「あと1ターンだけ……」の沼にハマる! 文明の歴史と人類の発展。このテーマがゲームファンを魅了して止まないターン制のストラテジーゲーム

by二城利月

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【CIV7】『シヴィライゼーション VII』発売に備えてシリーズの魅力と歴史を紐解く。「あと1ターンだけ……」の沼にハマる! 文明の歴史と人類の発展。このテーマがゲームファンを魅了して止まないターン制のストラテジーゲーム
 「あと1ターンだけ……」そうして徹夜してしまうほど夢中になる魅力があり、ストラテジーゲームファンを虜にし続けているFiraxis Gamesの『シドマイヤーズ シヴィライゼーション』シリーズ。その最新作となる『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』(以下、『CivVII』)が、2025年2月11日(火)に発売されます。対応プラットフォームは、Nintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox One、PC(SteamおよびEpic Games Store)、MacおよびLinux(Steam)。

 発売に先駆け、ファミ通.comでは
『CivVII』のさまざまな特集を予定。その第1弾として、今回は「そもそも『Civ』って何?」というシリーズ未プレイ、もしくは初心者の方に向けて、シリーズの魅力と歴史を解説していきたいと思います。「名前は聞いたことある」という方や、「有名だし気になっている」という方にこそ、この機会に各シリーズをプレイしていただきたいです。
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『シドマイヤーズ シヴィライゼーション』のシドマイヤーズって?

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シド・マイヤー氏。
 『Civ』シリーズの魅力を解説する前に、まず先に説明しておきたいのが、シリーズの正式名称です。基本的には『シヴィライゼーション』と呼ばれるのですが、正しくは『シドマイヤーズ シヴィライゼーション』となっており、本シリーズを手掛けるゲームクリエイター“シド・マイヤー”(Sid Meier)氏の名前を冠しています。

 当時シド氏が設立したマイクロプローズ(MicroProse)社でゲーム開発をしている際、プロモーション戦略の一環で、スタークリエイターとしてシド・マイヤー氏を推していくことが決定します。

 こうして作品名に名前を冠することになるのですが、これが大成功。以降もシド・マイヤー氏が開発するソフトには彼の名前が入ることになりました。その中で生まれた1本のソフトが1991年に発売された初代
『シドマイヤーズ シヴィライゼーション』となります。

 なぜこのような話を先にしているのかと言いますと、
『シヴィライゼーション』というタイトルは、英語で“文明”を意味する一般的な用語であり、ボードゲームを始めいろいろなゲーム名に登場するからです。ですので、その区別の意味も込めて、本作はシド・マイヤー氏の作った『シヴィライゼーション』→『シドマイヤーズ シヴィライゼーション』と覚えてもらえるとわかりやすいと思います。

 そんなシド・マイヤー氏は戦略ゲームの先駆者であり、数多くのストラテジーゲームを手掛け、プレイヤーを魅了し続けてきました。その中でも
『シドマイヤーズ シヴィライゼーション』シリーズは戦略シミュレーションとしても、歴史を取り扱ったゲームとしても高い評価を受け続け、いまでは全世界累計販売本数7000万本以上を記録。ゲーム史上で欠かすことのできないタイトルとなり、そのゲームデザイン、シド・マイヤー氏のアイディアはほかの戦略ゲームにも多大な影響を及ぼしています。

ストラテジーゲームファンを魅了し続ける『Civ』

 前置きが長くなりましたが、『Civ』の話に戻りまして、本シリーズはざっくり言うとタイトルにもなっている“文明”を発展させていく戦略シミュレーションゲーム(通称:ストラテジーゲーム)となっています。

 シリーズによってシステムの違いや勝利(クリアー)条件の違いはあれど、基本は自分の選択した文明、たとえば日本やアメリカを紀元前から開拓、発展させ、時には武力で、時には交渉で世界に版図を広げていくことになります。文明は日本・アメリカ・イギリスといったものからエジプト、スキタイ、ローマといった感じで本当に幅広く、前作
『CivVI』では最終的に50もの文明が選択できました。
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 そして文明だけでなく、その文明に基づく指導者もたくさん登場します。昨今のシリーズではひとつの文明に複数の指導者がおり、その中から好きな指導者を選ぶことも可能に。『CivVI』の日本であれば北条時宗と徳川家康、アメリカであればルーズベルトやリンカーンなどが選べました。『Civ』シリーズで大人気のガンジー、『CivV』のナポレオンといった歴史的な有名人が指導者となっているパターンが多いです。
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 文明が未発達な時代は徒歩で土地を切り開き、木材や食料を人力で収集。戦いも槍や弓で行われますが、次第に大航海時代や産業革命などを経て、近代化。最終的には近未来までの時代を指導者となって導いていきます。
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 各文明ごとに史実に基づいた能力やユニットなどの特色があり、史実通りプレイすることはもちろん、自分好みに発展させていくのも自由です。

 また勝利条件が多岐にわたっており、単純に武力でほかの国を制圧するというわかりやすいものから、世界会議を主導して外交的勝利を得る、宗教を世界中に広める、科学を発展させて誰よりも早く月に到達する、文化的勝利を収めたい場合は世界遺産をたくさん建てて観光客を増やすなどユニークなものも。前作
『CivVI』ではじつに5個の勝利条件が用意されていました。
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 そして沼……もといハマる要因のひとつとして、本作はターン制となっています。「キリのいいところまでやったら今日は止めよう」そう思いながらプレイしていたら、「あれもしたいこれもしたい、そうだこれもしなきゃ」といった感じでもりもりプレイ時間が延びていき、気がついたら朝日が……。といった体験を多くの『Civ』プレイヤーは体験してきました。

 対NPCですらそのありさまなので、マルチプレイで人と遊んだ際には誰かが限界を迎えるまで5~6時間ぶっ通しなんてこともザラに起こります。ゲーム自体がおもしろいのは大前提なのですが、この「あと1ターン」が本当にゲームの中毒性を高めている魔力といって過言ではありません。

『Civ』シリーズの歴史を紹介!

 さて、ここからはそんな『Civ』沼に人々を落としつづけたシリーズの歴史を紹介していきます。

『シヴィライゼーション』すべての始まりであり、すでに基礎は完成していた

  • おもな対応プラットフォーム:MS-DOSで動作するIBM互換機、PC-98
 まずはシリーズの始まりである初代『Civ』。1991年にPC向けに発売され、すでにいまの『Civ』と同じシステムが導入されており、文明を発達させるためのテクノロジーツリーや、宇宙船を開発して宇宙航海に旅立ついわゆる科学勝利といったものもありました。現在でもストラテジーゲーム史上で最高峰の知名度を誇る作品として支持されています。

 ちなみに、ナンバリングから外れるため今回はあまり触れませんが、初代
『Civ』で宇宙に飛び立った後を描いた作品『シドマイヤーズ アルファ・ケンタウリ』といった外伝的作品なども後に発売されました。
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『シヴィライゼーション II』軍事ユニットの増加やマップ・シナリオエディタが追加

  • おもな対応プラットフォーム:Windows、プレイステーション(1998年発売)
 続いて1996年に発売された『CivII』。真上からの視点だった初代から現在も続くクオータービュー(斜め上方からの俯瞰視点)に進化し、マップエディターも搭載。ファンが自分で好きなマップを作ったり配布したりする楽しみも増えます。ゲームシステムも進化し、とくに軍事ユニットが大幅に増加。スパイユニットも増え、より戦略的に遊ぶことができるようになりました。さらにシナリオが合計で39個も追加されるふたつの拡張パックが発売。マップだけでなくシナリオを作成する機能も追加されたことで、ファンコミュニティのあいだで長く遊ばれるタイトルとなりました。
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『シヴィライゼーション III』オンラインマルチプレイがスタート

  • おもな対応プラットフォーム: Windows(後にSteamに登場、現在も発売中)
 2001年に発売された『CivIII』では、戦略資源の追加や外交による勝利を始めとした勝利条件の追加などが行われました。こちらの拡張パックではついにオンラインマルチプレイが追加され、本格的に世界中の人々を沼にズブズブと引き込んでいくことになります。オンライン対応の影響は大きく、現在でもまだ(シングルプレイメインとはいえ)遊んでいるプレイヤーがいるほど根強い人気を誇るタイトルとなっています。
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『シヴィライゼーション IV』宗教そして偉人システムが登場。指導者の選択肢も増えさらに自由度を増した

  • おもな対応プラットフォーム:Steam、Windows、Mac
 2005年発売の『CivIV』では、宗教そして偉人といったシステムが登場。さらにシリーズ初の、ひとつの文明に対して複数の指導者から選択できるシステムが採用されました。たとえばアメリカの文明を選択した後、リンカーン、ルーズベルト、ワシントンの中から指導者を選ぶ……といった感じです。指導者ごとに能力や志向が違うため、同じ文明でも別のプレイスタイルが楽しめ、より自分のやりたいプレイを選択的に遊ぶことができるようになります。

 自由度と完成度の高さから現在でも『Civ』シリーズ最高傑作と評する人が多く、『Civ』と言えば『IV』という人が珍しくありません。
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『シヴィライゼーション V』長距離砲撃ユニットの追加により、スケールの広い戦闘体験が楽しめる

  • おもな対応プラットフォーム: Steam、Windows、Mac、Linux
 2010年に発売された『CivV』は、プレイヤーたちが選択した文明以外に出てくる都市国家、指導者間の研究協定といった戦略的、外交的に重要な要素が追加されます。軍略面でも長距離砲撃ユニットが追加され、よりスケールの広い戦闘が楽しめるようになりました。現在も続くヘクスタイル(六角形のマス)も『V』から導入されており、14年前でありながらデザインはほぼ完成したと言えるでしょう。

 『CivIV』で複雑になりすぎたシステムをわかりやすく簡略化した作品でもあり、新規で戦略シミュレーションに入った人たちに、とくに好評の一作でもあります。
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『シヴィライゼーション VI』7年間もアップデートが続くほど大成功を収めた

  • おもな対応プラットフォーム: Steam、Windows、Mac、Linux、iOS、Android、Nintendo Switch、プレイステーション4、Xbox One
 前作『CivVI』は2016年に発売。世界中に宗教を広める宗教勝利や、観光客をたくさん集める文化勝利といった勝利条件の追加・変更が行われ、より多彩な手段で勝利することができるようになりました。シリーズとしてもとくに大成功を収めたタイトルであり、マルチプラットフォームでの発売、シリーズ最速で世界累計販売本数が550万本を突破、拡張パックやシーズンパスといった追加要素の更新が2023年までじつに7年間も続くなど、いまなおプレイし続けられている大人気作です。
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 前述の通り、2024年8月には
『Civ』シリーズ全体で全世界累計販売本数7000万本を突破しており、まさにストラテジーゲームの最高峰となっています。

『Civ』シリーズをいまから遊ぶなら?

 そんな『Civ』シリーズを『VII』が出る前に予習しておくならば、やはり新しいナンバリングタイトルである『VI』がシステム的にも近しく、チュートリアルが充実しているので初心者の方でもとっつきやすくなっています。さらにSteamやNintendo Switchで遊べる上に、お得なセールを頻繁に行っているのもうれしいところ。近いところでは、Epic Games StoreのWinter Saleにて、2月10日~2月24日まで『CivVI』が95%オフで発売されます。DLCパックなどもディスカウント価格で購入できるようです。

 ちなみにSteamでは
『III』以降のナンバリングが販売されているので、本記事を読んで気になった方は過去作を遊ぶことも可能です。ただし、『III』と『IV』は日本語対応していないためご注意ください。

 冒頭のくり返しになりますが、シリーズ最新作
『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』は2025年2月11日(火)に発売となります。これまでのシリーズの根幹であった文明と指導者が別々に選択できるようになったり、新しい軍事システムが追加されたりとさらに自由なプレイが楽しめそうな作品となっています。
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 あと1ヵ月ほどではありますが、発売を心待ちにしながら、過去作でウォーミングアップしてみてはいかがでしょうか。筆者も眠気と戦いながら、全盛期のプレイ感を取り戻すべく遊び倒している最中です。

 ファミ通.comでは、今後も
『Civ』ファンの皆さんがワクワクするような記事を予定しているのでお楽しみに。

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