『ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー』は本格ミステリー!? 並行世界を利用しての問題解決はとてもスリリング。大人になったマックスは“らしさ”も健在【序盤レビュー・動画あり】

by杉原貴宏

『ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー』は本格ミステリー!? 並行世界を利用しての問題解決はとてもスリリング。大人になったマックスは“らしさ”も健在【序盤レビュー・動画あり】
 スクウェア・エニックスが2024年10月30日に発売するNintendo Switch(※)、プレイステーション5、Xbox Series X|S、Steam向けアドベンチャーゲーム『Life is Strange Double Exposure(ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー)』。
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※Nintendo Switch版の発売日は未定。
 本作は、『ライフ イズ ストレンジ』シリーズの記念すべき第1作の主人公マックスが再登場する待望の作品。女子高生だったマックスがどんな大人に成長しているのか、並行世界を行き来できるという新たな能力をどう利用するのか、そしてその能力を使ってどう事件を解決していくのかなど興味は尽きない。

 なお、“ダブルエクスポージャー”とは1コマのフィルムに2回露出して、別々に写したふたつの被写体をひとつの画面に重ねる技法のこと。並行世界と写真好きなマックスということを考えると、本作にピッタリなタイトルと言える。
 
 本稿では、プレイステーション5用の『ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー』日本語版の序盤を約30分ほどプレイする機会を得たので、そのレビューを動画とともにお届けしよう。

友人の殺人事件に巻き込まれてしまうマックス

 まず、本作の物語の概要をざっくりと紹介。

 主人公のマックスはバーモント州北部にある名門カレドン大学で写真の講師を務めている。
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 そんなマックスの親友サフィが、あるとき何者かによって殺されてしまう。彼女の死を目撃したマックスは突然、並行世界――“サフィが生きている世界”に移動する不思議な力に目覚める。マックスはその力を利用して、殺人事件の真相に迫っていく――といった内容だ。
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今回は並行世界を行き来できる能力

 試遊では、マックスの新たな能力である並行世界への移動能力を利用して出来ることの一例が体験できた。

 たとえば、鍵がかかった部屋に入りたい場合、もう一方の世界で(鍵がかかっていない)その部屋に入り、そこからもとの世界に戻って部屋に入る。サフィが死んだ世界では聞きづらいことがあった場合、もう一方の世界では怪しまれずに聞けるのでそこから手掛かりを得る、といった感じ。
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マックスは能力によって、もう一方の世界の様子や世界を移動できるポータルのようなものが見える
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 ユニークなのは、一方の世界からアイテムを持ってくることで、もう一方の世界の問題を解決できる、といったところ。アイテムを行き来させることで、何かややこしい事態が発生しないのか心配にはなるが……とりあえず気にしない。
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 また、研究室に刑事が入ってきて、その刑事に見つからずに証拠品になりうるカメラ(何かとカメラと縁のあるマックス)を入手して人知れず研究室を出る、といったハラハラドキドキのシチュエーションがあったのだが、いったんサフィが生きている世界(刑事のいない並行世界)に行って刑事に見つからない場所へ移動してからもとの世界(サフィが死んだ世界)に戻る、といったプレイで窮地を脱することができた。並行世界は時間も並行して進んでいるため、スリリングな展開も楽しめるのだ。
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刑事に見つかるとヤバい状況になるマックス。
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いったん並行世界にエスケープして、その世界から刑事の動きを観察し、やり過ごすタイミングを見計らう。
 このように並行世界を行き来して、誰が何をしたのか探ったり、会話の中からヒントを得たり、ちょっとしたパズル要素を解いたりするのが本作の醍醐味のひとつだ。

大人になったマックスだけど、あのころの面影も

 マックスは『ライフ イズ ストレンジ』のころのサブカル女子っぽい地味な女子高生だった彼女とは違い、いかにも社会に出て数年経った大人の女性、といった感じで垢抜けた印象。
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 画面内の書体が『ライフ イズ ストレンジ』の手書き風ではなく、オーソドックスなクセのない書体になっているのも、大人になったマックスを表現しているのかもしれない。
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 グラフィックはPS3、Xbox360世代で発売された『ライフ イズ ストレンジ』のアニメっぽい独特の雰囲気は残しつつも、仕草や顔の細かい表情などキャラクターの表現力は各段にアップしている。

 そんな進化もあり、ゲーム内でもリアルでも
『ライフ イズ ストレンジ』から10年近くが経ったことが感じられる本作だが、たなか久美さん演じるマックスは、ゲーム中に調べることができるアイテムや出会った人物に対して独特な視点で語ったり、ウィットに富んだ感想を抱かずにはいられない性格は変わらず。そんなマックスを操作していると“新鮮だけど懐かしい”、そんな感覚を味わえるのも新作ならでは。

 もちろん、エモい音楽で
『ライフ イズ ストレンジ』らしい空気感も感じられる。
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おなじみのホットドッグマンも。

序盤プレイした感想は“本格ミステリー”だが……?

 プレイして感じたのは、初代『ライフ イズ ストレンジ』がシリアスな青春グラフィティ的な作品だったのに対し、『ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー』はゲーム序盤に友人が殺され、その事件の真相に挑むという本格ミステリーなのかも!? ということ。

 だがそれは序盤だけで、これまでのシリーズ同様、ありきたりな展開にはならないはず。

 マックスが並行世界を行き来することで、サフィが死んだ世界とサフィが生きているふたつの世界に何か変化が出てきそうだし……(サフィが生きている世界のマックスはどうなっているのだろう?)。 

 また、
『ライフ イズ ストレンジ』シリーズは終盤に大きな選択が待ち受けているのが定番なだけに、今回はどんな選択になるのか……というのも気になるところ。なお、プレイ中の要所に出てくる選択肢は、極端に意見が偏りそうな選択はなく、どれを選んでも正解のような、迷いそうなものばかり。なのでその選択が後にどう影響するのかが想像しにくい。
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 そしてマックスは、アルカディア・ベイでの心の傷が癒えているようにも見えたが、本作は『ライフ イズ ストレンジ』のどちらのエンディングの続きなのか、というのも気になるところ。前作未プレイの方はリマスター版も発売されているので、そちらをプレイするといいだろう。

 もちろん、シリーズをプレイしていないとわからない、といった内容にはなっていないので、
『ライフ イズ ストレンジ』初心者も安心してほしい。

 発売は2024年10月30日。ダウンロード専売の
『アルティメットエディション』を予約購入すると、発売日の2週間前よりチャプター1&2が先行プレイ可能なので、いち早くプレイしたい人は、そちらの購入を検討してみてはいかがだろうか。
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