
映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』と『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』の中間にあたる時期の銀河の裏社会が描かれ、プレイヤーは悪党ケイ・ヴェスとなって相棒のニックスとともに、銀河でその名を轟かせていくことになる。
ここでは、Massive Entertainmentの開発者への全5回にわたるインタビューの第3回を掲載。オープンワールドで描かれる世界、本作のために制作した衛星トーシャーラの制作過程などについて訊いた。
また、下記の記事や映像を参照しつつ、合わせて読んでいただければ、さらに理解が深まると思う。
・開発者インタビュー 第1回
開発者インタビュー 第3回:ワールド設計について
Cloe Hammoud氏
アソシエイト ワールドディレクター
Benedikt Podlesnigg氏
アート&ワールドディレクター
クリエイターとして、アーティストとして何がジョージ・ルーカスに影響を与えたのかということです。そしてすぐにジョージ・ルーカスが主要な映画や創作、たとえばサムライ映画、西部劇映画、海賊もの、神話、寓話、伝説に影響を受けていたことに気づきました。これらを総合的に見ることで背景を理解し、私たちの世界観に落とし込むことができました。
その中には第二次世界大戦時代のもの、スペースファイト、ドッグファイト、飛行機の部品など廃品をベースにしてコックピットを作る技術などがあり、これらを調査しました。その結果、当時の状況にしっかりともとづいたビジュアルを制作する手助けとなりました。
――オープンワールドで描かれるモス・アイズリーやタトゥイーンの砂漠に感動しました。Lucasfilm GamesからCG素材などマテリアルの提供はありましたか?
毎週話し合う中で質問に答えてもらうだけでなく、社内データベースにある、映画セットの写真やコミック、書籍、映画の脚本だけでなく、映画から除外されたカットなどを閲覧することが許可されました。好きな時間に観たりして、たとえばキャラクターの衣服、乗り物など刺激になるものを探し、深掘りすることができました。
タトゥイーンについてはとくに多くのアドバイスを受けましたが、Lucasfilm Gamesは多くの映画にフィーチャーされているこの惑星に対して、私たちが新たに持ち込めるものは何かと意欲的に理解しようとしていました。そこから再びウエスタン・テーマに戻って、本作でプレイヤーがタトゥイーンに降り立った時には無統制な未開拓地への没入感を感じられるようにしました。
カンティーナではクラシックな撃ち合いがあり、名だたるガンマンの保安官に出会います。これらはすべて西部開拓時代の図式に結びついています。
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ほかのロケーション、たとえばキジーミについては、映画で宇宙船がキジーミに乗り入れる際に使用した3Dモデルを手にすることができました。このモデルをベースとして環境と都市構築をスタートしました。カントニカについても3Dの映画セット、コンセプトアート、廃棄されたコンセプトアートなどを参考にして刺激をもらいました。そのまま再現するのではなく、私たちならではのものを活かすことができました。
――世界を構築するうえで、とくに注意した点はどこですか?
衛星トーシャーラのベースとなっているのは現実のサバンナ地域ですが、独創的な要素を加えています。風によって特殊な地形が形成されているなど、何かこの世のものではない不思議な感覚があります。これが『スター・ウォーズ』を特別なものにしているのだと思います。
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バラエティーを持たせるのは大事ですが、すべてのものについてパーソナリティ-、ムード、トーンなどを設定することで一貫性があり、人々がそこに住んで働いて、人々とインタラクトできる自然な環境が生まれます。
そしてこれにもとづいて私たちがルールを理解し、チームとアーティストがその場所のフレームワークを知ってからアイデアを提出することを始めました。私たちにとっては、ジョージ・ルーカスがそうしたようにいくつかのルールを確立することはつねに大事です。
そこから小さなストーリー、小さな場所を作っていき、最終的に世界全体が生き生きと呼吸をするようになるのです。
たとえばトーシャーラでは、軌道にある重力流の中でうまく操縦できなかった宇宙船のデブリが空間に浮かんでいます。住民はこれを使って家を建てるので、すべて金属で作られています。
――メインストーリーから外れて、各惑星の探索も楽しめるとのことでしたが。
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そして風の要素を加えたのですが、これがすべてを上のレベルに引き上げてくれました。風は地表にあるものすべてに影響します。アンバーリーンは惑星のコアとして形を保っていて岩の割れ目から突出しているので、ビジュアルとしてすぐれています。
また象徴的なサバンナの植物を取り入れ、強風のインパクトを表現した曲がった植物もあります。住民がどのような暮らしをしているか、建物の傷みや埃など、すべてに一貫性があります。トーシャラに住む人々は独自の衣服を纏い、独自の精神性を持ち、暮らしかたも違います。私たちはLucasfilm Gamesと協力しつつ、自由に惑星を作ることができました。
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またサンド・リザードのように新しいものを作ることもありました。最終的な名前がどうなるかわかりませんが、これもとてもおもしろい経験でした。
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――同じくタトゥイーンといえば、サルラックも気になります。フィールドで出会ったり戦ったりすることはできますか?
――制作していてとくに楽しく感じたのはどのような点ですか?
『スター・ウォーズ』ゲームを作る機会があるかどうかも知らず、Snowdrop(自社ゲームエンジン)で『スター・ウォーズ』ゲームを作るとしたらどうなるか、とよくジョークを言っていました。その結果が見られてワクワクしています。
プレイヤーがいろいろなものを発見してくれるのを楽しみにしています。自分の仕事でいちばん楽しいのは、現実世界から影響を受けたものを翻訳して変化させ、この世界にない要素を組み合わせてユニークでありながら本物らしいものを作ることです。天候、植物相、動物相、惑星、そしてエコシステムがこのゲームを特別なものにしています。プレイヤーはそれを自分なりの方法で発見していくことができます。
ディレクターではなく、ひとりのプレイヤーとしては、自宅のソファで本作をプレイしたいです。ずっと夢見てきたゲームですから。
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本作でレンズ・プロジェクトと呼んでいるものがあります。当時、映画を撮影した際に使われたオリジナル・レンズをSnowdropで再現しています。このレンズには被写界深度、背景のボケ味、レンズフレアなどさまざまな効果があり、画面の両サイドに微妙なカーブ(歪み)ができます。
こうした欠陥は、当時の映画業界では排除したいものでした。しかし、これらの欠陥は独特なテクスチャーを作り出します。私たちが古い映画を見るとこういったテクスチャーをエモーショナルだと感じます。私たちはこれをゲームに取り入れたいと思いました。
このレンズ・プロジェクトによってオリジナル・トリロジーのような映像を表現可能となりました。ぜひとも、ゲームを21:9アスペクト比でプレイしてほしいです。好みがあるのでワイドスクリーンはオプションとして加え、もちろんオフにすることも可能です。ですがチームの全員が、一度ワイドスクリーンにしたら戻すことはありませんでした。
私のデスクにあるスクリーンは小さくてワイドにすると一部が切れてしまうのですが、それでも映画のような没入感を味わうことができます。
――世界観制作に携わったおふたりがおすすめする絶景スポットがありましたら教えてください。
ニックスを追っていくクエストでは、景色込みでクールな瞬間が訪れる機会があります。また、『スター・ウォーズ』では大きな難破船も象徴的ですが、メインクエストのひとつにハイ・リパブリック期の大きなクルーザーを調べるものがあります。このようにプレイヤーの前には自分が小さく感じるような壮大な景色が広がることがあるでしょう。
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トーシャーラのある海嶺に行くと空に大きな惑星が登り、また夕日に似た日の入りを見ることもできます。遠くに大きな太陽が沈むサバンナ・サンセットのようです。タトゥイーンではある場所に行くとふたつの太陽が完璧に並びます。探索して時間の経過を楽しんでください。
また、トーシャーラで流れ星を見ると、そこにはクールなランドマークがあり、全体の風景が見られます。パイソンズ・ロックと呼んでいるところがあり、とてもユニークな形をしていて、その周辺にはミステリーや発見がたくさんあります。
――『スター・ウォーズ』映画やドラマ、アニメでお気に入りの作品はどれでしょうか?