『スター・ウォーズ 無法者たち』「銀河でのあらゆる出来事がシームレスなひとつの体験になる」主人公ケイの強化要素やシンジケートの評判システムなどを訊く【開発者インタビュー #1】

by坂本ビス太

更新
『スター・ウォーズ 無法者たち』「銀河でのあらゆる出来事がシームレスなひとつの体験になる」主人公ケイの強化要素やシンジケートの評判システムなどを訊く【開発者インタビュー #1】
 ユービーアイソフトが2024年8月30日に発売予定のオープンワールドアクションアドベンチャー『スター・ウォーズ 無法者たち』。本作は、Lucasfilm Gamesの協力のもと『ディビジョン』シリーズのMassive Entertainmentが開発を手掛ける、『スター・ウォーズ』シリーズ初のオープンワールドゲーム。

 映画
『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』と『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』の中間にあたる時期の銀河の裏社会が描かれ、プレイヤーは悪党ケイ・ヴェスとなって相棒のニックスとともに、銀河でその名を轟かせていくことになる。

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 ここでは、Massive Entertainmentの開発者への全5回にわたるインタビューの第1回を掲載。ケイの強化要素やゲームの核となるシンジケートとの評判システム、オープンワールドの探索要素などについて訊いた。

 また、下記の記事や映像を参照しつつ、合わせて読んでいただければ、さらに理解が深まると思う。


・開発者インタビュー 第2回
・開発者インタビュー 第3回
・開発者インタビュー 第4回

開発者インタビュー 第1回:ゲームプレイについて

Mathias Karlson氏

ゲームディレクター

Matthieu Delisle氏

リード システムデザイナー

――ケイの強化要素について教えてください。

Matthieu
 大きく分けて、ブラスターの強化とアビリティの習得があります。ブラスターには3つの異なる機能を持つモジュールがあり、異なるプレイスタイルで戦えます。プラズマはダメージを与え、イオンは人にはテイクダウンしやすくなり、ドロイドやシールドに効果的、そしてパワーは文字通り力強い攻撃です。

 これに加え、3つのモジュールはアップグレードが可能で、たとえばプラズマはリピーターを搭載すると単発ではなくフルオートになり、リピーターをさらにアップグレードすることもできます。ブラスターにはかなりの奥深い強化要素があります。

Mathias
 ブラスターについてつけ加えるとスタンモードに設定でき、敵を気絶させて静かに倒すこともできます。またケイが乗るスピーダーはスピードや船体、宇宙船のトレイルブレイザーではそれらに加えてミサイルやレーザーなどの強化が可能です。

Matthieu
 アビリティにはさまざまな種類があり、各地にいる専門家の信頼を得ることで、習得できます。

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――すべての専門家のアビリティを習得することは可能でしょうか?
Matthieu
 可能です。ひとりの専門家をアビリティをアンロックすると、つぎのチャレンジに進みます。そのようにして、ケイ自身の強化やガジェットの強化を行い、ワールドのさまざまな場所にアクセスできるようになります。たとえば、スピーダーのジャンプ力を伸ばしたりなど。個々のチャレンジがちょっとした冒険になっていて、その過程がワールドを理解することと結びついているのです。

――装備品(服)に付属する特殊効果にはどのようなものがありますか?

Mathias
 インパクトがあり、わかりやすく、すぐに楽しめるものにしています。パラメータがいくつ上昇といった複雑なスタッツやパーセンテージを用いたものではなく、効果はひとつの文章で説明できますので、異なるプレイスタイルに対応していることがすぐにわかります。

 隠密行動をしたいならそれに合った服があり、ガンプレイがメインならその特長を伸ばす服があります。能力を保持しつつ別の装備の外見を選択できる機能もあり、カスタマイズの自由度は高いです。

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――ニックスに成長要素はありますか?
Mathias
 はい。ニックスもケイの旅の中心的な役割を果たします。ふたりは一心同体なので、ケイの成長の一部として含まれています。

――ND-5などほかのキャラクターがケイといっしょに戦うことはありますか?

Mathias
 あります。具体的に誰がいつ登場するかはプレイして確かめてください。旅の途中では、多くのキャラクターに出会うことになるでしょう。

Matthieu
 特定のシンジケートでいい評判を受けているときには、プレイヤーが賞金首状態になって帝国に追われてしまっていても、シンジケートのテリトリーに入れば、戦いの手助けをしてくれます。

――一度落ちた評判を回復するのはたいへんでしょうか?

Matthieu
 どれほど状況が悪いかによりますね。システム的にはプレイヤーがきびしい状況から抜け出すための多数の手段を提供していますが、多少の努力や考えることは必要です。評判を改善するためにそのシンジケートと取引したり、価値のあるデータを渡したりといったことです。さまざまなクエストも利用できますので、うまくいけばきびしい状況から抜け出せます。

Mathias
 私たちにとって、評判システムがダイナミックに感じられるようにすることはとても重要でした。もちろん評判を回復するには時間がかかることもありますが、どうにもならない、あるいはひとつのシンジケートに偏らなければいけないと感じることがないようにしています。

 ただ、シンジケートがプレイヤーをどう評価しているかによって、ゲームの展開に違いを生じることになります。それはプレイヤーが決断することです。

Matthieu
 評判次第でつぎにやることを調整するような場面もあると思います。ハットが自分を低く評価しているとすれば、タトゥイーンには行かず、ほかの惑星を選んだり。

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――評判システムのメリットの部分を教えてください。
Matthieu
 具体的なものとしてはシンジケートが支配する地域に自由に出入りでき、シンジケートの商人から限定の装備を手に入れることができます。またシンジケートは独自の仕事を提供してくれるかもしれません。先ほども述べましたが、帝国から追われているときに助けてくれるなどメリットは多いです。

Mathias
 評判がよければシンジケートが持つ発着場を使えるので、自由に着陸できます。

――惑星に降りるときは街に着くと思っていましたが、ほかにも降りられるのですね?

Mathias
 着陸は街に限られているわけではありません。ゲームを進めていくとより多くの発着場が見つかります。その中の一部は評判システムにつながっています。

――特定のシンジケートの仕事をしくじると、評判が大きく下がるなどありますか?

Mathias
 大きく下がることはありませんが、依頼の結果によってはリスクが伴うこともあり、ここがおもしろいところです。仕事がうまくいかなかった場合、評判は少し落ちます。しかし成功すれば評判は失敗時の減少度以上に上がります。

 ここは裏社会ですから、最後に裏切ってほかのシンジケートと組むこともできるわけです。“スカウンドレル(悪党)ファンタジー”の中でプレイヤーがケイ、ニックスとともにその時点で重要だと思うことを優先するのです。

Matthieu
 プレイヤーには本当の悪党になった感覚を体験してほしいです。仕事を普通に終えて、相応の支払いと多少の評判を受け取るか、評判を落としてでも裏切って大金を手にする。こういったジレンマがあるのは楽しいです。ときにはプレイヤーの貪欲さに訴えるようにもなっています。

 メインストーリーやサイドクエストを通して多数の仕事があります。惑星や宇宙空間でもイベントが発生することもあり、たとえばクリムゾン・ドーンの輸送船が海賊に攻撃された場合、救出にいくことができます。そしてうまく助けることができれば多少の評判は得られます。特定のアクティビティでの関わり合いかたや、要した時間、難易度によって得られる評判が決まります。

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――賞金首(指名手配)は、帝国がケイに対して行うものでしょうか?
Mathias
 そうです。帝国は銀河を統治する政府というだけでなく、警察のような立場にあると考えてください。ケイが帝国の法を犯した場合は、帝国の警察部門にアラートが出て、ケイを捕獲あるいは殺害しようと追ってきます。

 また指名手配とは別に、シンジケートとのあいだで非常に悪い評判を獲得してしまうと彼らは追っ手を差し向けてきます。シンジケートの賞金首になってしまうようなものです。しかも指名手配よりも時間と場所を超越したものになります。指名手配システムは一時的なものですが、シンジケートの最悪の評判は改善するまで続きます。

――トレーラーに登場した黒いトルーパーは? あのトルーパーは指名手配対象のケイを追うのでしょうか?

Mathias
 デス・トルーパーですね。指名手配を最大まで突き進んでもらえばわかります。

――ボバ・フェットやボスクといった有名な賞金稼ぎは登場しますか?

Mathias
 いまは肯定も否定もしないでおきましょう。Lucasfilm Gamesとよく話したのは、象徴的でよく知られているものばかりが登場すると銀河はかえって小さく感じられるということでした。新しいものを導入することを奨励しています。ヴェイルのような新しい賞金稼ぎを持ち込むことは、私たちにとってとても興味深いことでした。

――メインストーリー以外の探索ではどんなことができますか?

Matthieu
 狭くて賑やかなカンティーナから市場のある大都市、そして広大な荒野まで探索できます。山に登り、洞窟を探検し、金目の物を見つけ、特定の組織や種族のテリトリーを見つけられます。しかも、これらをシームレスに体験できるのです。

Mathias
 ケイは一度も故郷の惑星を離れたことがありません。プレイヤーはケイと同じく、さまざまな土地に初めて訪れることになります。知らない場所なのでマップ上には何も示されていません。すべてはプレイヤーの探索から始まります。

 カンティーナで噂や情報を入手するとさらに周囲の情報が入ってきます。積極的に好奇心を持って、見たり聞いたりすれば、その先にお宝が待っているかもしれません。

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――トレジャーハンティングではどのようなものが入手できるのでしょうか?
Mathias
 本当にさまざまなものです。フィールド上でニックスが反応したときは、周辺を探してみてください。見つけた物に価値があればクレジットに換えられます。強化材料やギアなどの重要なものもあれば、ニックスだけがよろこぶものもあります。

――スピーダーはフィールド上でいつでも呼び出せるのでしょうか?

Mathias
 山の上までは来ないかもしれません。街に入る際にはゲートのところに停める必要があります。ただ、ほとんどの場所でスピーダーはすぐに呼び出せますし、スピーダーの地点にファストトラベルして戻ることが可能です。

――映像にあったサバック(ポーカーのようなカードゲーム)の完成度が高いですね。ニックスを使ってイカサマもできたり。

Mathias
 Matthieuは当初からこのゲームに情熱を傾けていて、Lucasfilm Games側もよろこんでくれました。同じく情熱的なパリのパートナー・スタジオが全力を傾けて制作しました。クオリティーが高く、実際にプレイするとびっくりされると思います。

――とくにこだわった点や見てほしい点を教えてください。

Mathias
 好奇心を持ち続け、まわりを見まわして探索してほしいです。ストーリーはとてもパワフルですが、ときにはそこから外れて自由を満喫してほしいです。そうすればゲームを最大限に楽しめると思います。

Matthieu
 プレイヤーの体験を没入感のあるものにすることに注力しました。悪党としてこの銀河で何をしたいかを考え、裏社会に通じて帝国のルールを破る。あるいはエイリアンの友達を作る。これらのシステムがそれぞれつながって、シームレスなひとつの体験に溶け込むようにすることは非常に重要でした。そしてそれは、うまくいった感触があります。

――本作でとくに好きなキャラクターは誰ですか? 理由も教えてください。

Mathias
 これはニックスと言わざるを得ません。2番目はあまり明確にできないのですが、アンクという名前のキャラクターです。

Matthieu
 ニックスはすばらし過ぎるので外しますね(笑)。私は非常にクールなND-5を選びます。そのほかではダンカです。ダンカは昨年のトレーラーでフィーチャーされたブローカーで、顔が広くケイに可能性を見出しています。世話を焼いていい仕事につないでくれたります。担当してくれた声優もキャラクターデザインもすばらしいです。

――『スター・ウォーズ』映画やドラマ、アニメでお気に入りの作品はどれでしょうか?

Matthieu
『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』です。この映画が大好きですね。

Mathias
 子ども時代に観てアクションがすばらしかったと感じた『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』です。

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      集計期間: 2025年05月01日02時〜2025年05月01日03時