2026年9月24日に発売となった、新作アクション『CONTROL Resonant』(コントロール レゾナント)。 Remedy Entertainmentが手掛け、世界で高い評価を獲得した『CONTROL』の続編であり、新たに近接攻撃を主軸としたアクションを取り入れた話題作だ。
本記事では、東京ゲームショウ2026に合わせて来日した、『CONTROL Resonant』のアートディレクターであるElmeri Raitanen(エルメリ・ライタネン)氏、コミュニケーションズディレクターのThomas Puha(トーマス・プハ)氏のふたりにインタビューを実施。本作に込めた思いや、前作から変えたこと、そして引き継いだ部分などについて聞いた。

Elmeri Raitanen(エルメリ・ライタネン)
Remedy Entertainment『CONTROL Resonant』アートディレクター
Thomas Puha(トーマス・プハ)
Remedy Entertainment『CONTROL Resonant』コミュニケーションズディレクター
前作の雰囲気を受け継ぎつつ、新たなアクションを描く試み
――“銃撃”から“武器による近接攻撃”と、前作からアクションスタイルが大きく変わりました。なぜそういう方針になったのでしょうか?
エルメリ
前作から何か“ソード”的なものを取り入れたいという思いはあったのですが、それはアイデアで終わってしまったんです。
その流れで、将来的に「近接攻撃を中心としたゲームを作りたい」と思っていましたが、『CONTROL』の続編としてそのチャンスが訪れたという形でした。
前作の主人公であるジェシーがサービスウェポン(銃)を扱えるのですが、今作の主人公であるディランは使用できないので、その代わりに使えるアイテムは何にしようかと考えたところで、今回の近接攻撃になりました。
――新たなアクションスタイルを作るにあたり、注力した点はどのようなところでしょうか?
エルメリ
ゲームプレイとしては、前作よりもスピーディーに進むようなスタイルに仕上げました。
戦闘のプレイアビリティがまったく異なるので、ビジュアルヒエラルキー(情報の優先順位を視覚的に整理する手法)などには注力しましたし、プレイ体験としてリッチになるよう専念しました。

――前作から“変化させる”という意思がとても感じられますが、逆に前作らしさを残した部分や踏襲したポイントはありますか?
エルメリ
前作で作り上げたワールドビルディング(世界観構築)がとても美しいものだったので、そこはキープしたいと思いながら世界観を作り上げました。
ゲームのジャンル自体は変わりましたが、前作の空気感を引き継げるようにデザインしています。
――そういった意識は、ビジュアルや演出面にも表れているのでしょうか?
エルメリ
本作の舞台は超自然的な現象が起きているマンハッタンで、一見ダークなように見えます。しかし、その下にはまだ美しい箇所が残されているんです。そういった魅力を表現しました。
また、ビジュアルのバリエーションをたくさん入れるように意識しています。マンハッタンはさまざまなゾーンに分かれていて、そのひとつひとつにそれぞれの色があるんです。ぜひたくさん探索して、そのよさを味わってほしいです。
トーマス
私たちRemedy Entertainmentは、シリアスなムードのゲームを作るという印象があると思うのですが、いつもどこかにちょっとしたユーモアを感じられる部分を必ず入れています。つねにプレイヤーにサプライズしてもらえるような、小さな感動を盛り込んでいるんです。

――アートディレクターならではの、注目してほしいポイントはありますか?
エルメリ
本当にたくさんあってひとつに絞るのが難しいのですが、強いて挙げるのであれば、襲いくる脅威をどのようなアプローチで表現するのかという点です。
恐ろしい敵が立ち並ぶビルを浸食して変えていくという表現があるのですが、そこはとてもやりがいがありました。またどんなに変容した街を見ても「ここはマンハッタンだ」とわかるようにすることは意識しました。
――マンハッタンに対する、こだわりみたいなものがあるのでしょうか?
トーマス
前作の舞台となった施設もマンハッタンにあったので、その外の世界を表現するということで選ばれた形です。マンハッタンは美しい場所や恐ろしい要素が同居するとても魅力的な場所なので、世界観を表現するにもとてもよいと考えました。

――主人公がディランになるにあたり、彼を魅力的に見せるために気をつけたポイントを教えてください。
エルメリ
前作においてディランは、取り残されたというか、眠りについていたキャラクターでした。本作では彼が目覚め、ヒーローになっていくというストーリーになっています。
それはコスチュームにも表れていて、初めて目覚めた時はパジャマのような姿なのですが、ストーリーが展開するにつれて彼自身も成長し、最終的には見た目も強そうになっていきます。
メインとなるコスチュームは“FBC”という機関からもらったものなのですが、彼自身はそこに属しておらず、その感情を表すためにアルファベットを隠しているんです。
――ディランが使用する武器が本当に多彩ですが、そのアイデアはどこから来たのでしょうか?
トーマス
まずゲームデザイン的なポイントで言うと、たくさんの武器があるといろいろなプレイスタイルができる点です。クリティカルヒットを出しやすいものなのか、それともロングレンジで強いものなのか、そういったプレイヤーの好きな戦いかたができるよう調整しています。
エルメリ
もうひとつはビジュアル、見た目の部分でもどのような形の武器にするかを選んでいます。ちなみに、本作では武器を使用し続けると壊れてしまうんです。つぎつぎと入れ替わっていくため、ウェポン(武器)というよりはツール(道具)のような立ち位置としてデザインしています。

――ちなみに、おふたりがお気に入りの武器は何ですか?
エルメリ
いろいろありますが、その中でもハンマーはとても気に入っています。大きくて爽快感があって、ちょっとコミカルな部分があるのも好きです。タイミングを測るのがちょっと難しいですが。
トーマス
私も最初はハンマーが好きで使っていたのですが、次第にもっと早く動けてサクサク攻撃できる武器が気に入りました。ロングレンジで多くの敵をなぎ払えるようなものが好みですね。
またドリルのような武器も登場するのですが、それで敵に突進して「ガガガガッ!」と削っていくのも気持ちがいいです。
――本作の難易度設定についても教えていただけますでしょうか?
エルメリ
難易度自体を直接変更する設定はないのですが、“アシストモード”というものがオプションから選べます。アシストモードでは、自分が受けるダメージや与えるダメージなど、そういうステータスを調整できるようになっています。
トーマス
さまざまな面でプレイヤーのスタイルをサポートしてくれるものになっているので、クリアーできないときも急がず、自分なりの方法でチャレンジしてみてください。

――最後に、日本のプレイヤーに向けてメッセージをお願いします。
エルメリ
私はいままで、日本のポップカルチャーにすごく影響を受けてきました。黒澤明さんや今敏さん、弐瓶勉さん、伊藤潤二さんといった方たちが手掛けた作品から、たくさんのインスピレーションを得ています。今度は自分自身が作り上げたものから、日本のアーティストに何かしらの感動やインスピレーションを与えることができればとてもうれしいです。
トーマス
私も『エヴァンゲリオン』はすべてのシリーズを観て、多大なインスピレーションを受けました。またスーパーファミコンの世代で、昔からゲームがライフスタイルの一部になっていました。そんな自分たちが作り出した本作を、日本の皆さんが気に入っていただければうれしいです。
