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『Control Resonant』レビュー。超常現象によりバグった街でパワフルに暴れまくる、超能力アクションRPG!

『Control Resonant』レビュー。超常現象によりバグった街でパワフルに暴れまくる、超能力アクションRPG!
 『Alan Wake』シリーズなどを手掛けたフィンランドRemedyの新作、『Control Resonant』(コントロール レゾナント)。本作は、超常現象によって街そのものがバグった異形と化したニューヨークで暴れまわる3DアクションRPGだ。
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 2026年9月24日にプレイステーション5/Xbox Series X|S/PCで発売予定の本作のPCレビュー版をプレイしたのでその内容をご紹介しよう。

新たな視点で超常的空間へ足を踏み出す

 本作は2019年発売のアクションアドベンチャー『Control』の続編……なんだけども、主人公も舞台もアクションの方向性もちょっとだけ変わるタイプの続編だ。

 前作は超常現象に対処する“連邦操作局”FBCの本拠地である高層ビル“オールデスト・ハウス”が舞台。邪悪な超常的存在“ヒス”が侵食し始める混乱状態のなかで突然FBCの新局長にされてしまったジェシーが、無限に広がるオールデスト・ハウスの中を右往左往して問題に対処していくなかで、徐々に奇怪な状況や経緯が明かされていく……という内容だった。
 謎だらけの『Control』にとって、理解不能なモノや現象で満ちた未知の世界に足を踏み入れていく感覚は重要だ。でも前作プレイヤーもジェシーも、FBCやヒスがなんなのかの基本的な部分はもう知ってしまった。そこで今作ではジェシーの弟ディランを主人公にして視点をスライドさせたんだろう。

 「いや、そのままの形で続きやってくれていいんだけど」って人もいると思うけど、記者はこういうヒネりは好きだ。開発のRemedyは『
Alan Wake 2』でもアランに加えて新主人公を導入していたけど、新しい視点からおかしな世界を見返すことでフレッシュになるし、世界が立体的になって奥行きが出ると思う。
『Control Resonant』レビュー
ディランはFBC側の担当エージェントとなったゾーイとのコンビで活動していく。ディランの後先考えない行動にゾーイが呆れたり、逆にちょいちょい雑な扱いをしてきたりもするヘンな関係性もまた楽しい。
 今作では『Control』の7年後が舞台。ヒスをオールデスト・ハウスに閉じ込めるための封鎖(ロックダウン)がついに破綻し、ヒスの外部流出だけでなく、周囲一帯ではビル群がめちゃくちゃな形で結合したり物体が幾何学的に増殖する“パターン化”現象まで発生。そしてFBC局長ジェシーもどこかへ姿を消す……。

 
今作の主人公ディランが7年の昏睡状態から目覚め、子供の頃から実験体として囚われてきたオールデスト・ハウスの外へようやく足を踏み出すのは、そんな最悪なタイミングだ。本人にとって久しぶりすぎてほとんど未知の外界であり、プレイヤーもまた彼を通じて、異形に変貌したニューヨークを目にすることになる。
『Control Resonant』レビュー
子供の頃から大人の事情に振り回され、ようやくお外に出られたと思ったらこの状態。あぁ、本当に可哀想なディラン。

『Control』の近接アクション版としてスゲーちゃんと仕上がってる!

 前作と対照的なのは舞台設定だけではない。主人公交代に合わせてメインの攻撃スタイルも、ジェシーがFBC局長として所持していた可変銃“サービスウェポン”を使ったTPS(三人称視点シューティング)から、可変型の近接武器“アベーラント”を使ったアクションゲームへと変化しているのだ。

 「初期作品の『
マックスペイン』からスローモーションなどの変則ギミックがついたTPSを得意としてきたRemedyが、果たして近接メインのアクションを作ったらどうなるのか?」

 コレは本作の発表時からの個人的な疑問で、
実際に合同Q&Aに出席した際にも聞いたぐらいだ。そして今回、恐る恐る遊んでみると……コレがめちゃくちゃ面白いし遊びやすい!
『Control Resonant』レビュー『Control Resonant』レビュー
アベーラントはメイン・サブ・フィニッシャーの3つのモードがあり、それぞれフォームを設定可能。巨大斧、ムチ、ドリルなどに変形して攻撃する。
 『Control』の超能力バトルの延長上の近接アクション版にちゃんとなっているし、なにより空中の移動アクションの制動が思っていた以上にしっかりしていて、重力方向が混在するような複雑な3D空間を意図した通りの操作で駆け回れる。これは本当に嬉しい驚きだった。

 プレイヤーが狙ってそうな方向にいる敵への追従がいい塩梅に効いているので、「あそこ届くのかよ?」というような高所を浮遊している敵への攻撃もやってみると意外と届く。なので慣れてくると“足場から跳んで空中コンボを2セット決めて足場に戻ってくる”といったちょっと勇気のいるムーブも自然に繰り出せる。
『Control Resonant』レビュー
二段ジャンプ、ホバリング、ダブルエアーダッシュまでフルに使うと、結構な距離まで意外と届く。チョイ高さが足りなくて壁面に激突してもよじ登ってくれる仕組みまで入ってて、ストレスフリー。

ジャスト回避から連続コンボを叩き込め

 戦闘システムは、『ベヨネッタ』シリーズや『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』などの要素を取り入れたもの。敵の攻撃をジャスト回避でかわし、武器のメインフォームとサブフォームの連続コンボを叩き込み、その過程で得たパワーを使って戦闘アビリティを発動していく……というのが基本だ。

 敵には体力と“ひるみ”のふたつのゲージがあって、後者がマックスになると一撃必殺のフィニッシュムーブを繰り出せる。なので単に体力ダメージを狙うよりもキャラ強化でひるみ重視のビルド構成に切り替えたら難所を切り抜けられた……なんてこともあった。
『Control Resonant』レビュー
ダッシュは回避を兼ねていて、空中で狙撃されてもエアーダッシュでのジャスト回避から逆襲しやすい。
『Control Resonant』レビュー
攻撃の追従性が高いので、打ち上げ攻撃からの空中コンボもやりやすい。ちなみに赤い体力ゲージの下の黄色いのがひるみゲージ。フィニッシャーの打ち上げアッパーがひるみ性能も高くて超強いので記者はずっと使っていた。
 ちなみに通常の難度設定はないが、ゲーム内のオプションから“アシストモード”を有効にするとダメージ効率やジャスト回避の猶予時間などを調整できる(※2026年9月21日午前6時半追記: アシストモードについて追記した)。でもディランの戦闘能力は基本的にかなり高いので、ベースとなる能力が揃ってきたら、あとは敵それぞれの対処法さえわかってしまえば何体もの敵をなぎ倒していくパワーファンタジーを満喫できるような作りだ。

 記者はそこまでアクションゲームが得意な方ではないと思うが、当然何度も死んでリスタートはしたものの、何十分もディープにハマったような場所は2箇所ぐらい。基本的には一対多の状況をスタイリッシュに切り抜けていく戦闘を爽快にプレイできた。
『Control Resonant』レビュー
基本は一対多なので、とにかく動いて的確にさばいていく対応力が重要。流れるように対処できると気持ちいい。
 ところで本作、“ゲームを通して何体か存在する大ボス“共鳴体”を倒すと各エリアの雑魚敵が復活して難度が上がる”というシステムになっている。最初それを知ってちょっとゲッソリしたのも事実だが、「まぁしょうがねぇか」と腹を決めて一度戦いだしさえすれば、思ったより苦にせずボッコボコに駆逐できたのでまぁいっか、といったところ。

 これはもちろん適切にアップグレードを進めていればのことだけど、アップグレードに必要な各種ポイントや素材の入手も、レアドロップを狙って周回するほどのことはなくそれほど厳しくない。慣れてしまえば「コレが足りないならあの辺のアクティビティやっておこう」とか「あそこのショップでコレ2個買うか」というぐらいで対処できると思う。
『Control Resonant』レビュー
共鳴体を倒すと新たな戦闘アビリティをゲットし、それによってディラン自身の戦闘レベルも底上げされるので、一度倒した雑魚グループとの再戦は意外と苦じゃない。まぁウザい配置の所とかはあるけどね。
『Control Resonant』レビュー
ボーナス効果を得る“タレント”(いわゆるPerk)の取得に必要なポイントは、各エリアを探索してアクティビティをやっていけば結構たまるので、終盤はこの通りツリーがかなり埋まるぐらい。ちなみに最初はツリー後半に“洗脳”についてのタレントがいっぱいあるのに洗脳を使うアビリティそのものが見当たらず大分混乱したが、実は終盤までアンロックされないもの。

空間美術は“ヤバいオフィス空間”から“バグった街”に

 『Control』の印象的な要素のひとつに、ブルータリズム建築などに影響された無機質な空間美術があったと思う。“レトロさが逆に不穏なオフィス空間に、はた迷惑な特性を持つ超常的遺物が保管されている……”という、SCP財団的なイメージにやられた人は少なくないハズだ。

 今作でもそういう場所がないわけではないんだけども、“超常的な力によってバグった状態になってしまったニューヨークを冒険する”という舞台設定上、空間演出のフォーカスはオフィスビルではなく異形となった街そのものへと移っている。

 数十メートル頭上に逆さまに街が生えていたり、突然道が垂直90度に曲がって壁面のようになっていたりする異様な光景は十分にインパクトがあるけども、このテイストの変化は人によって好みが分かれる部分かもしれない。
『Control Resonant』レビュー
どっちが本来の垂直方向だったかわからなくなる、めまいがしてくるようなバグった光景がカッコいい。
『Control Resonant』レビュー
幾何学的に建物が増殖・結合している地下世界。

ミニオープンワールドを超能力移動アクションで探索するのが楽しい

 ちなみに各エリアはさまざまな移動アクションで縦断していけるミニオープンワールドのようになっていて、ぶっちゃけプレイ感はオープンワールドアクションアドベンチャー的。

 厳密には“オープンなアプローチが可能なマップ構造”(公式の表現)というぐらいでフルのオープンワールドではないんだけども、「この辺なんか行けそうだよな?」という所には大抵ちゃんと報酬やサイドミッションやミニクエストが用意されていて、探索の楽しみがしっかりある。特に異なる重力方向の場に飛びついてグイッと世界を反転させながら探索していけるようになると、さまざまな発見があって本当に楽しい。
『Control Resonant』レビュー
新エリアに到着した時に“ドゥーン”って出る表示がカッコいい。『Alan Wake 2』のチャプタータイトルと同じ感じ。
『Control Resonant』レビュー
「お前ここにいたんかーい!」ってこともしばしば。どちたの、おもちゃなくしたの。おいさんが取ってきてあげるからね。

ストーリーもアツい! クリアータイムは40時間超、ローカライズは注意点アリ

 ストーリーの内容についても触れておきたい。ずっと大人の事情に振り回されてきたディランが、それでも優しく「俺の力を役立てたい」という一心で戦い続けるのは健気だ。一方でアクティビティのひとつとして“彼が周囲のものを集めてきて経験できなかった日常を再現し、絵を描く”という探索アクティビティがあって、これがなかなか泣ける。

 姉ジェシーやディランを“研究”していたダーリング博士との過去もディラン視点から語り直されるし、最終盤にはちょっとびっくりするような展開もいくつかあるんだけど、そういった諸々を体験していくと、彼の気持ちの動きも伝わってきて激アツだ。
『Control Resonant』レビュー
ボドゲ会の光景を作り出そうとするディラン。そうだねみんなで食べるピザは大事だね(号泣)
 クリアーまでは、公称で「メインだけなら27〜30時間以上、やり込むと40~50時間」となっている中、1周目のクリアータイムは47時間。特にコンプリートを狙ってないのに、気付けばサイドクエストも一部を除いてガッツリやってた……という次第だ。

 またニューゲーム+モードもあり、クリア後の探索が可能なデータを残したまま、別セーブとして戦闘アビリティや素材などを残した2周目をスタートできる(ゲームの進行に関わる移動アクションやクエストアイテムなどは取り直し)。2周目を始めてみると、早速1周目にはなかったはずの資料が……。
『Control Resonant』レビュー
2周目を別セーブに分けてくれるの超優しい。クリア後世界はそれはそれでキープしたいもんね

ローカライズはおおむね問題なかったが……。

 ローカライズ関連についても触れておこう。ディランの日本語ボイス(CV: 山内健嗣)が作中の設定(三十代半ば)やイメージからふた回りは上で、顔のモデルでもあるショーン・ダリーの原語版演技と比較しても渋い貫禄がありすぎたのは否めない。さすがにうまい声優さんなのでずっとプレイしていくと割と慣れていくのだが、そもそもの配役には疑問を感じた。

 ちなみに日本語ボイスはテキストとは別に独自に台本を起こしているようで、(恐らく英語版からそのまま訳している)字幕用の日本語テキストとは微妙に言い回しが異なっている。日本語ボイス&字幕なしか、英語ボイス&日本語字幕のどちらかの設定でプレイするのがいいだろう。記者は前者を選んだ。日本語ボイス合わせの字幕も用意してくれるといいのだが!
『Control Resonant』レビュー
英語ボイス+日本語字幕という選択もアリ。どっちがいいかは好みじゃないかな。
 なお、一部の誤字や入力ミスを除けば訳自体はおおむね問題なかったので、できれば発売前、それが難しければできるだけ早期にパッチで整えておいて欲しいところ。特に素材に関して“Aberrant Splinter”と“Aberrant Fragment”がいずれも“アベーラントの破片”と訳されているのはややこしいので……(恐らく前者の割り当てミス)。

まとめ

 というわけで本作、冒頭に書いたように『Control』から変わっている部分はいろいろあるけども、レビューキー入手からの数日間でぶっ通しで遊んでしまうほど楽しめた。(正直に告白しておくと、初代『Control』は緊急呼び出し系のサイドコンテンツとかが煩わしくて途中で止めちゃったりしたこともあった)

 もちろんストーリー上はガッツリ繋がりのある続編なので、できれば前作をプレイし、それが難しければメニューから再生できる映像コンテンツ”『Control』での出来事”をチェックして、大体のところを把握してからディランと一緒にニューヨークに飛び出すといいだろう。