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『進撃の巨人3』開発者インタビュー。アニメの最初から最後までをエレンたちの“先輩”として追体験、if展開やストーリー分岐はなし。キャラとの交流イベントはすべて新規制作

『進撃の巨人3』開発者インタビュー。アニメの最初から最後までをエレンたちの“先輩”として追体験、if展開やストーリー分岐はなし。キャラとの交流イベントはすべて新規制作
 2026年12月10日にコーエーテクモゲームスから発売予定のアクションゲーム『進撃の巨人3』(以下、『進撃3』)。対応機種はNintendo Switch 2、プレイステーション5(PS5)、XBOX Series X|S、PC(Steam)。
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 本作は、『進撃の巨人』の物語を最初から最後まで描く、シリーズの集大成となるタイトルだ。オリジナルの主人公を採用し、これまでのシリーズ作品で扱った物語を再構築して描くほか、手に汗握る九つの巨人との戦いや新しい物語も体験できる。
『進撃の巨人3』開発者インタビュー。アニメの最初から最後までをエレンたちの“先輩”として追体験、if展開やストーリー分岐はなし。キャラとの交流イベントはすべて新規制作

 本稿では、本作の開発プロデューサーを務めるコーエーテクモゲームスの鈴木英生氏にインタビューを実施。本作を開発することになった経緯をはじめ、アクションやストーリー、キャラクターのこだわり、新要素である壁外調査の企画・開発エピソード、アップデートで実装されるOPアニメに懸ける想いなどをうかがった。

鈴木 英生(すずき ひでお)

コーエーテクモゲームス所属。『進撃の巨人』シリーズの1作目でプランナーを務め、『進撃の巨人2 -Final Battle-』(以下、『進撃2FB』)以降はプロデューサーを務め、シリーズの開発をけん引している。

完結までを描く決定版として始動したプロジェクト

――『進撃3』の企画が本格的に動き出した時期や経緯を教えてください。

鈴木
 前作『進撃2FB』のリリース後もアニメシリーズが続いていたので、「次回作をどうしようか」という構想自体は、なんとなくみんなで練っていました。当初は『進撃2FB』以降のアニメ部分だけをゲーム化する案もあったのですが、それだけだとひとつの商品として物足りない可能性がありましたし、終盤はストーリードリブンな内容でもあるため、コンテンツとして満足していただけるか、喜んでいただけるか懸念がありました。

――たしかに、アニメの終わりの部分だけを切り取ると、ゲームとしてのボリュームや体験の組み立てが難しそうです。

鈴木
 そこでしばらく検討する期間が続き、アニメが完結へ向かう段階が見えてきたときに、「改めてアニメのストーリーを最初から最後まで描く、新しくリビルドしたゲームとして提供したほうがファンの方たちに喜ばれるのではないか」と考えました。こうしてコンセプトが固まり、アニメ終了後のタイミングから本格的に開発がスタートしました。
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――軸が決まったことで、一気に開発が加速したわけですね。前作『進撃2FB』をプレイしたユーザーからの要望などを受けて、前作から調整した点や新たに導入した要素などはありますか?

鈴木
 大きく変えたのはバトル部分ですね。シリーズを通して、簡単な操作で立体機動装置の爽快なアクションを楽しめるという点は、ふだんゲームを遊ばない方からもご好評をいただいていました。一方で、操作に慣れた方やゲームが得意なプレイヤーからは、「少し物足りない」というご意見もいただいていたんです。アクションゲームである以上、そこは今回チャレンジして変えていかなければいけないポイントだと捉えていました。

 また、新たに導入したのは壁外調査です。『進撃2FB』の“壁外奪還モード”も、ひとつのモードとして完成してはいたのですが、ユーザーの皆様からのフィードバックも拝見しつつ、『進撃の巨人』における壁外調査にフォーカスして、よりリッチなゲーム体験を提供できないかと考えました。そうして今回、オープンフィールドという形で壁外調査を用意させていただくことになりました。

――『進撃の巨人』ファンでふだんゲームを遊ばない方と、手応えを求めるアクションゲームファンのどちらも満足させるのは、突き詰めるほど難しそうですが、どのようなアプローチを取られたのでしょうか?

鈴木
 おっしゃる通り、突き詰めると矛盾する部分もありますが、ブレてはいけない軸として、「アクションが得意でない方もターゲットである」という根幹は崩していません。ベースとなる仕組みは、少ないボタンとシンプルな操作で立体機動装置を使った移動や、巨人とのバトルを楽しめるように設計しています。
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――根幹の遊びやすさはしっかり維持したうえで、上級者向けのアプローチを追加していったわけですね。

鈴木
 はい。ベースのうえに“プラスアルファの伸びしろ”を用意する形を取っています。今回は巨人側にも手を加えていて、巨人の攻撃に対してしっかり回避アクションを行う要素を入れました。ここはゲーム全体のハードルを少し上げる部分ではありますが、アクションゲームとしてきっちり向き合うべきポイントだと捉えています。

 また、従来のロックオンしてから攻撃できるアクションに加えて、フリーカーソルで好きな部位を自由に狙って攻撃できるアクションを入れました。単に自由に狙えるだけでなく、巨人が強力な攻撃をくり出す前に特定の部位を狙って阻止するなど、戦術的な達成感も用意しています。必須ではありませんが、プレイスキルのあるプレイヤーなら、より爽快かつ優位に巨人を倒せる仕掛けですね。

――“コンバットアーツ”や“ブーストムーブ”といった新アクションの導入経緯と、見どころについてもうかがえますか?

鈴木
 “コンバットアーツ”は、ワンボタンでサクッと出せる強力な特殊技がほしいというところからスタートしました。巨人にアンカーを刺して突進・攻撃するという基本アクションに加えて、リソースを消費してより強力になるものや、特殊な効果を持つ攻撃を選択肢として用意した形です。

 じつは地味ながら大きな変更として、アンカーを刺した後の操作を簡易化しています。前作までは突進後に斬る直前で攻撃ボタンを押す必要がありましたが、本作ではボタンを入力しなくても自動的に斬りつける仕様に変更しました。
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――なぜ仕様を変更したのでしょうか?

鈴木
 本作は巨人がアグレッシブに攻撃してくるので、回避や位置取りなど考えることが増えています。そこに以前と同じ操作を求めるとユーザーにとってストレスになると判断し、簡略化して全体のバランスを取っています。

 突進後は自動的に攻撃を行ってくれますが、ボタンを連打することで同じ部位を何度も斬りつけることもできます。“コンバットアーツ”や回避からカウンターを狙うといった要素が加わったことで、操作のハードルは下げつつ、爽快感をしっかり残していますし、アクションゲームとしての奥深さや伸びしろを感じてもらえると思います。

――もうひとつの新アクション“ブーストムーブ”はいかがですか?

鈴木
 単なる移動アクションではなく、そこから別のアクションへ変わる拡張性を持たせています。たとえば、立体機動中にボタンを長押しすると地面をスライディングするようなアクションに変わるのですが、建物やオブジェクトの下を潜り抜けるだけではなく、スライディング中であえて巨人に突進することで巨人の足もとを攻撃する技に変化します。シチュエーションに合わせて、「ここでこのアクションを出したらカッコいいな」と、プレイヤーが自由に魅せプレイを楽しめる要素になっています。
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――仲間のキャラクターとくり出す連携攻撃の“バディアーツ”も用意されていますが、新キャラクターの追加に伴って新しいアクションも楽しめるのでしょうか?

鈴木
 はい。戦闘中におけるアニメキャラクターどうしの関係性は、アクションゲームとしても見せるべき重要な要素だと思っています。ですので、本作から登場するキャラクターに関しても、“バディアーツ”を追加していますので、ぜひ楽しみにしていただきたいですね。
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――ちなみに、過去のシリーズ作品では、“バディアクション”で“巨人化”して戦うことができました。本作でも“巨人”になれますか?

鈴木
 今回はオリジナルの主人公を操作し、最初から最後まで物語を進めていただく形を取っていますので、プレイヤーみずからが巨人になって戦うパートは用意しておりません。

――なるほど。新要素では、ほかにもボタンを押し続けているあいだ時間がスローモーションになり、巨人に狙いをつけやすくなる“集中モード”が実装されています。こちらはどういった用途を想定されているのですか?

鈴木
 “集中モード”に関しては、必須で使うべき機能という位置づけではありません。トリガーを引きながらスティックで照準を操作するアクションは、ふだんFPSやTPSを遊ばれている方にはなじみ深いと思いますが、そうではない方にとっては少し難度が高い操作でもあります。ですので、必須にはせず、ゲームに慣れてきたタイミングで「少しチャレンジしてみようかな」というときに使っていただく想定で実装しています。使いこなしていただければ、より爽快かつ達成感のある形で、巨人を倒せるシチュエーションも用意しています。

――難易度カスタマイズが実装されていて細かく調整できるようですが、こちらも幅広いプレイヤー層を意識しての配慮でしょうか?

鈴木
 そうですね。ここ数年、他社さんのタイトルでも難易度への配慮がすごく進化していて、我々も見習うべき部分が多いと感じていました。本作は幅広い層の方がプレイされる作品ですので、純粋にストーリーの追体験を楽しみたい方へ向けて、バトルで詰まることなくスムーズにクリアーできる難易度や操作オプションを用意しています。

――たとえばどのようなサポート機能があるのでしょうか?

鈴木
 巨人のロックオンを手動ではなく、ゲーム側で自動的に行ってくれるオプションなどを搭載しています。これらの機能を使っていただければ、操作に不安がある方でも、ストレスなく世界観に没入していただけると思います。

――難易度を下げることで報酬が減るなど、何らかのデメリットが発生することは?

鈴木
 難易度を下げることを躊躇させてしまっては意味がないので、そういったデメリットは一切設けていません。プレイヤーご自身のプレイスタイルやスキルに合わせて、自由に最適な難易度を選んで楽しんでいただければと思っています。

 また、基本の難易度とは別に、本編クリアー後にはやり込み要素として最高難易度が解禁されます。 この難易度でクリアーした際にはご褒美アイテムを用意しておりますので、腕に覚えのある方はぜひ挑戦してみてください。

――“東京ゲームショウ2026”のコーエーテクモゲームスブースでは、『進撃3』がいち早く楽しめる試遊版が出展されました。ユーザーの反響はいかがでしたか?

鈴木
 試遊版はイベント用に若干の調整を行っていました。巨大な木々が立ち並ぶ森の中で無垢の巨人たちと戦い、最後に獣の巨人に挑むというシチュエーションだったのですが、前半の無垢の巨人戦は初めて触る方向けに少しやさしめに設定し、逆にボスの獣の巨人はあえて強めに設定していたんです。

 プレイヤーの方々によって撃破できた方、倒せなかった方がそれぞれいらっしゃいましたが、会場でのユーザーの皆様の反応やプレイされている様子を客観的に観察できたのは非常に大きな収穫でした。実際にプレイしている姿を拝見したことで、「初めて触る方はここで引っかかるんだな」といった気づきが得られ、その後のゲーム全体のバランス調整における重要な指針のひとつになりましたね。

――具体的により遊びやすく調整された部分について教えてください。

鈴木
 全体的な難易度の調整に加えて、急に複数の巨人に囲まれるような場面では巨人の出現数を調整しています。また、立体機動装置の挙動に微調整を加えました。立体機動の移動操作は、少し大まかにボタンを押していてもつぎの挙動へスムーズにつながりやすくなるようチューニングを行っています。本当に細かい部分ではありますが、より直感的で快適に遊んでいただけるよう調整を重ねました。

オリジナルの主人公を生み出すことで実現した“ゲームでしか味わえない追体験”


――ストーリーの見どころについてうかがえますか? 最大の注目ポイントは、やはりアニメの物語を最初から最後まで描いている点でしょうか。

鈴木
 そこは本作のブレない軸です。ただ、単にアニメのストーリーをそのままなぞるだけでは「それならアニメを観ればいい」となってしまい、ゲームとしての新しい体験が生まれません。そこで本作では、ストーリーを“オリジナル主人公の視点”で再構築しています。
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――オリジナル主人公の視点での追体験は『進撃2』でも取り入れられていましたが、本作ではどのような違いがあるのでしょうか?

鈴木
 『進撃2』と同じ切り口では新鮮味が薄れてしまうため、主人公の設定を大きく変更しました。『進撃2』の主人公は、エレンたちと同世代の“同期”として訓練や成長をともにしましたが、本作ではエルヴィンやリヴァイ、ハンジたちに近い“上の世代”に設定しています。

――同期から先輩へと立場が変わるわけですね。

鈴木
 立場や目線が変わることで、ストーリーのアプローチや表現に新しい変化が生まれます。エレンたちに対しては指導役や先輩としての視点で見守ることができますし、リヴァイたちとは同等に近い関係性として対話ができるため、『進撃2』とはまったく異なるキャラクターどうしの描写を楽しんでいただけます。シリーズ作品をプレイした方でも、新しい体験として物語に没入していただけるはずです。

――主人公をエレンたちの先輩にするというアイデアは、最初からスムーズに決まったのでしょうか?

鈴木
 取っ掛かりとしては、「同じ世代のままだと似たような味わいになってしまうので、絶対に変えなければいけない」という課題意識からスタートしました。主人公の設定をどう変えるべきか模索する中で、改めてアニメを観返したところ、最初はエレンたちの場面からではなく、昔の調査兵団の描写からはじまっていることを思い出しました。

 本作の物語をアニメの最初から描くのであれば、ベテランの調査兵団のポジションにしたほうが、アニメで細かく描かれていない裏側のドラマも拾えるのではないかと気づいたんです。そこから“エレンたちより上の世代の先輩”という設定が固まっていきました。

――アニメの裏側を補完するという狙いは、実際のゲーム表現やストーリー制作でもしっかりと形にできましたか?

鈴木
 狙い通りの表現ができたと手応えを感じています。アニメの序盤は基本的にエレンたちの目線で話が進みますが、視点を変えることで「そのころ、調査兵団の先輩たちは裏でこう動いていた」という描写を違和感なく組み込むことができました。演出面でもしっかり実装していますので、間違いなく我々の狙い通りの体験をお届けできていると思います。
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――終盤の展開についてもお聞きしたいです。主要メンバーが異なる勢力にわかれていく局面もありますが、オリジナルの主人公はどのような立ち位置になるのでしょうか? if展開やストーリー分岐などが用意されているのかも気になるところですが……。

鈴木
 本作では、if展開やストーリー分岐といった要素は用意していません。アニメの展開を重視した理由は、アニメが完結している作品であり、今回は「アニメのはじまりから終わりまでを描く」という軸をしっかり通したかったからです。また、アニメの物語を辿る中で各キャラクターがそれぞれの考えを持って動いていきますが、主人公視点のストーリーに関しては、ブレずに一本の軸で描き切っています。

――本作では主人公のほかに、カミル・フューレンというオリジナルキャラクターが登場します。彼が誕生した経緯や役割について教えてください。
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鈴木
 『進撃2』の反省点というほどではないのですが、プレイヤーの分身であるアバターのような主人公を設定した場合、みずから強い意志や固定の性格を持ってベラベラ喋るキャラクターにはしづらいので、どうしても無口になりがちなんです。

――プレイヤーの没入感を大事にすると、どうしても主人公のセリフは抑えめになりますよね。

鈴木
 ただ、主人公が無口だと、どうしても状況説明が難しくなるシチュエーションが出てきてしまいます。『進撃2』では周囲のアニメキャラクターたちにそこをフォローしてもらっていたのですが、少しゲーム都合な印象を与えてしまう部分がありました。

 そこで本作では、無口な主人公に寄り添って周りでサポートし、ストーリーを円滑につないでくれる存在としてカミルという相棒役を用意しました。講談社様とも綿密にご相談させていただき、性格や設定、最終的なビジュアルを含めて、何度もキャッチボールを重ねながら作り上げたキャラクターです。

――オリジナルキャラクターを何人も増やすのではなく、主人公をサポートするために必要な存在として、カミルを登場させたわけですね。

鈴木
 オリジナルキャラクターが増えすぎると、アニメのストーリーを追体験するうえでノイズになってしまう可能性がありますからね。アニメ自体も魅力的なキャラクターが非常に多い作品ですので、必要最小限に留めるのがベストだと判断しました。

――アニメの最後まで描かれるということで、キャラクターたちの“4年後の姿”が登場するのもファンにはたまらない見どころだと思います。

鈴木
 そうですね。本作で初めてアニメの『The Final Season』にあたる部分を実装させていただいたので、長年親しまれてきたキャラクターたちの新しい姿をお見せできるのは、ファンの方たちにも喜んでいただける大きな要素だと思っています。
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――キャラクターのグラフィックは、前作までのアニメ調から少しリアル寄りのテイストに進化している印象を受けました。

鈴木
 ビジュアルの方向性は開発の序盤でかなり議論したポイントでした。『進撃2FB』から7年ほど時間が経っていることもあり、同じアニメ調のままではひと目で進化したという変化を感じてもらいにくいのではないかという不安があったんです。そこで本作では、よりフォトリアルな表現を強め、ライティングを含めた全体的なクオリティを引き上げています。

 さらに、敵である巨人の恐怖感や不気味さをアップさせるという狙いもありました。巨人に近寄ったときの皮膚のシワや血管の浮かび上がりかたなどは、いい意味で気持ち悪く、「これこそ人類の敵だ」と直感できる嫌悪感や恐怖を際立たせています。

――画面越しでもゾッとするリアルさがありますよね。ビジュアルによる恐怖が増したことで、新要素である壁外調査の緊張感もかなり高まりそうです。

鈴木
 まさにそうですね。壁外調査は巨人の恐怖に怯えながらも人類の活動領域を開拓し、自分たちの安全圏を少しずつ広げていくようなコンセプトで設計しています。グラフィックの進化も相まって、より緊張感をもって楽しんでいただけるはずです。
『進撃の巨人3』開発者インタビュー。アニメの最初から最後までをエレンたちの“先輩”として追体験、if展開やストーリー分岐はなし。キャラとの交流イベントはすべて新規制作

――前作の発売から年月が経ち、対応ハードのスペックも大きく進化しました。いま話題に上がったグラフィックのパワーアップ以外に、マシン性能の向上によって可能になった機能や表現などはありますか?

鈴木
 やはりビジュアル面をよりリッチに表現できるようになったことが大きなポイントですが、もうひとつはオープンフィールドを採用した壁外調査を実装できたことです。ハードのスペックが上がったことで描写や処理の限界値が大幅に増えたので、“広大なオープンフィールドでの探索”という要素を本格的に取り入れようと踏み切ることができました。広大なフィールドを駆け巡りながら、調査や探索を行うというゲーム性をしっかりと実現できたのは、ハードの進化があってこそですね。

――ちなみに、対応ハードごとの機能差や制限などはあるのでしょうか?

鈴木
 ハードによる違いはありません。特定のハードによって機能が制限されたり、遊べるコンテンツに差が出たりするようなことは一切ありませんので、どのハードでも同じ体験を楽しんでいただけます。

オープンフィールドで描かれる『進撃の巨人』のリアルな壁外世界

――壁外調査で見どころとなる体験について深掘りさせてください。緊張感あふれるプレイ体験も大きな魅力ですが、プレイヤーが足を踏み入れるフィールド(壁外)がどれほど広いのかも気になります。

鈴木
 広さを明確に数値でお伝えするのはなかなか難しいのですが……。「実際にプレイしていて狭いと感じることはないはずです」とお答えするのが、いちばんしっくりくるかなと思います。
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――遊びごたえのある広さが確保されていると。

鈴木
 単に広大なスペースを用意しているだけでなく、ロケーションや環境の見た目にも多様なパターンを取り揃えています。視界や情景が変わることで、飽きずに広域を探索していただける仕上がりになっていると思いますよ。

――壁外調査は、ストーリーの進行に応じてどのように遊べるのでしょうか?

鈴木
 そうですね。導入としては、ストーリーの途中にトライアルで「まずは壁外調査をやってみましょう」と誘導する形から始まります。その後は、プレイヤーが好きなタイミングで自分の班を編成し、自由に壁外へくり出せるようになります。

――自分のペースで班を組んで探索を楽しめるわけですね。

鈴木
 ただ、ひとつ注意点がありまして……。ストーリー上の都合から、あるポイントを境に壁外調査自体が行えなくなってしまいます。そのため、その直前で「ここから先へ進むと壁外調査ができなくなりますが、よろしいですか?」といった警告文を提示する設計にしています。

 アニメの展開をご存じの方ならおわかりいただけると思うのですが、このような仕様にしたのは、「ストーリーがこの展開に進んでいるのに、なぜ壁外調査をしているの?」という違和感を排除したかったからです。ゲームとしての利便性だけを追うなら正解ではないのかもしれませんが、作品世界への没入感を損なわないよう、あえて覚悟を持ってそう判断しました。

――壁外調査を遊び足りない人は、警告が出たタイミングでストーリーの進行をいったん止めて、心ゆくまで探索してから先へ進めばいいわけですね。

鈴木
 その方法のほかに、ストーリーをクリアーした後にプレイできる壁外調査のフィールドを実装しています。この場所なら何度でも自由に壁外調査へ出かけることができますし、ストーリーの途中で退場してしまったキャラクターたちも再び登場します。そこで改めて、キャラクターたちとの交流を楽しんでいただけるコンテンツも用意しています。

――それはファンにとってうれしい仕様ですね。あと壁外調査といえば、作中で登場する“長距離索敵陣形”も印象的ですが、ゲーム内でも陣形を組むシステムなどは再現されているのでしょうか?

鈴木
 本作では、プレイヤーが自分の班員に指示を出して陣形を組むようなシステムは取り入れていません。じつは開発の初期段階では、さまざまな陣形を用意して選択させるという案も存在していたんです。ですが、陣形システムを実装すると、プレイヤーに求める判断が複雑になりすぎてしまうと判断して見送りました。陣形などの細かい管理に気を取られるよりは、目の前のシチュエーションで仲間とどう協力し、どう生き残るかというアクションと判断に思考をフォーカスしていただきたかったので、難解になりそうな要素は削ぎ落としています。

――シチュエーションに応じた立ち回りというと、壁外では地の利を活かした立ち回りが生存のカギになるそうですね。

鈴木
 広大なフィールドだからこそ活きる、自然地形を利用した戦いを多数用意しています。たとえば、落石を起こして巨人の動きを止めたり、草むらに潜んで身を隠し、油断した巨人に奇襲を仕掛けたりといったステージギミックが存在します。これらを上手く使えば、より効率的に巨人を倒すことができますよ。
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――ほかに壁外調査ならではの特徴や、プレイヤーに体験してほしい見どころなどはありますか?

鈴木
 探索と成長要素が密接にリンクしている点ですね。壁外調査はただ巨人を倒して拠点を広げるだけでなく、フィールド上に落ちている資材や、過去に戦い敗れた兵士たちの遺品などを回収する楽しみがあります。それらを兵団本部に持ち帰ることで、自身の兵装改造・強化に利用できる仕組みになっています。

――巨人と戦うだけではなく、フィールドのすみずみまで探索して資材や遺品を回収するおもしろさがあるわけですね。

鈴木
 さらに本作の主人公は自分の班を持てるので、仲間をスカウトして班を編成できます。スカウトしたキャラクターにさまざまな役割を与えて班自体を成長・パワーアップさせ、強化した班でさらに危険な壁外へくり出し、より効率的に探索を進めていくといったプレイサイクルで設計しています。この成長と探索のループは、間違いなくハマっていただけるポイントだと思います。
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――セーブデータの連動特典として、前作の主人公と同じ名前で特殊な技能を持った兵士が班員として登場するそうですね。こちらはどのような特徴を持ったキャラクターになっているのでしょうか?

鈴木
 『進撃2』や『進撃2FB』のセーブデータをお持ちの方は、同じ見た目で再現することはできなかったのですが、前作で付けた名前を引き継いだ特殊な兵士として、自分の班にスカウトできるコンテンツを用意しています。このキャラクターは“非常に特殊なスキル”を持っていますが、そのスキルの具体的な内容はあえて伏せさせてください。

 そのスキルの効果を見たときに、「前作の主人公って最後はどうなったのかな?」と、想像が膨らむようなものになっているので。自分からハードルを上げてしまって恐縮なのですが(苦笑)、スキルを見たユーザーの皆さんが何かを感じたり、想いを馳せたりしていただけるとうれしいですね。
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全交流イベント刷新&自室会話で描かれる兵団での新たな日常生活

――兵団での暮らしや仲間たちとの交流要素についてうかがえますか?

鈴木
 『進撃の巨人』には魅力的なキャラクターがたくさんいますので、仲間との交流要素は前作以上にパワーアップさせています。プレゼントを贈って友好度を高めていく基本システムは前作を踏襲していますが、友好度を高めることで見られる専用の交流イベントは、前作と被るものがひとつもない完全新規のものになっています。すべて作り直していますので、ファン向けのゲームオリジナル要素として新鮮に楽しんでいただけると思います。
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――交流イベントがすべて新規なのは、かなり見応えがありそうですね。

鈴木
 イベントだけではなく、キャラクターと仲よくなることで発生する専用のクエストも用意していて、いっしょにクエストをクリアーしながらキャラクターへの理解を深めていける作りにしています。そして何より、今回の目玉として導入したのが自室会話のシステムです。

 主人公の部屋に好きなキャラクターを招待し、一対一でじっくり会話を楽しめるものなのですが、どのような話題で会話するかを選択したり、相手からの質問にプレイヤーがどう答えるかで反応が変わったりと、より近い距離感でコミュニケーションを楽しんでいただけます。
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――会話の選択肢で失敗してしまった場合でもやり直しはできるのでしょうか? あえて全パターンのリアクションを見たいというファンも多そうですが……。

鈴木
 会話に失敗したら二度と誘えない、ということはありませんのでご安心ください。もう一度誘って別の選択肢を試していただけますので、ぜひいろいろな会話パターンを堪能してほしいですね。

――兵装パーツのカスタマイズ要素についても進化しているとお聞きしました。こちらの見どころを教えていただけますか?

鈴木
 兵装パーツのカスタマイズ要素も前作から大きく刷新した部分ですね。以前の仕様から、より現代のゲームらしいパーツ単位でのカスタマイズが楽しめる形に作り直しました。ブレードであれば刃だけでなくグリップを含めた細部までパーツを付け換えられますし、立体機動装置本体も左右など各部位のパーツを自由に組み換えて自分だけの見た目にカスタマイズできます。

――パーツ単位で自分好みのビジュアルに仕上げられるのはテンションが上がりますね。

鈴木
 見た目だけではなく、性能もパーツごとに異なるので、組み合わせ次第で自分のプレイスタイルに合わせた強化が可能です。ただ、そういった仕様にすると「性能はこれを使いたいけれど、見た目は別のパーツがいい」というジレンマがどうしても発生してしまいますよね。

――アクションゲームではよくある悩みですよね。

鈴木
 そこで本作では、見た目と性能を独立して自由に設定できるようにしています。お気に入りの性能をベースにしつつ、ビジュアルは自分好みのデザインに固定するといったカスタマイズが行えるので、自分だけの兵装作りを楽しんでいただけると思います。

――見た目と性能をわけられるのはうれしい配慮ですが、開発現場での確認やデバッグ作業はものすごくたいへんだったのでは……?

鈴木
 本当にたいへんでした(苦笑)。とにかく自由度が高くて、膨大な組み合わせが存在するので、「このパーツどうしを掛け合わせたときにゲームバランスや見た目の表示がおかしくならないか」といった確認にはかなり神経を使いました。さまざまな組み合わせを実際にプレイして確かめながら、丁寧に調整を重ねていきましたね。
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――開発を進めるうえで、ほかにたいへんだったことや苦労したことはありましたか?

鈴木
 苦労という意味では、先ほどもお話ししたバトルのバランス調整ですね。アクションゲームが得意な方から苦手な方まで、幅広いプレイヤースキルを持った多くの方に楽しんでいただくための匙加減は、開発の最後まで悩まされたポイントでした。

――ターゲット層が広いからこそ、難易度や操作感の着地点を見極めるのは一筋縄ではいかないですよね。

鈴木
 そしてもうひとつ、本当に苦労したのは……純粋に「アニメの最初から最後までを描く」という圧倒的なボリュームそのものです。いざ作りはじめてみると、制作側としても、とんでもない素材量と開発量でした。自分たちが決めてはじめたことなので、完全に自業自得なのですが(苦笑)。「あれも入れたい、これもやろう」と自分たちでやりたい要素をどんどん積み上げていった結果、自分たちで苦労を背負い込む形になりましたね。

オープニングディレクター・今井有文氏との丁寧なやり取りの中で生まれたOPアニメ

――OPアニメの開発状況についてもお聞きしたいです。現在完成しているバージョンをご覧になった感想や見どころを教えてください。

鈴木
 開発段階で完成版を拝見したのですが、「これを見れば『進撃の巨人』のストーリーや思い出が一気に蘇ってくる」と感じるほど、あらゆる要素が凝縮されたすばらしい内容になっています。

 我々が最初にお伝えしたオーダーや希望をMAPPA様が非常に深く汲み取って制作してくださいました。我々の想像以上に、『進撃の巨人』という作品の魅力が凝縮された仕上がりになっています。ファンの方はもちろん、作品をまだ観たことがない方にもぜひご覧いただきたいクオリティですね。

――「作品の魅力を凝縮したものにしてほしい」という方向性は、鈴木さんたち開発チームから提案されたのでしょうか?

鈴木
 はい。オープニングアニメの制作が決まった段階で我々の希望を最初にお伝えし、今回、オープニングディレクターを務めていただいた今井さん(※今井有文氏。アニメシリーズでアクション作画監督、絵コンテ、原画を担当)とも直接お打ち合わせをさせていただきました。「こういった要素を盛り込みたい」という我々の想いと、今井さんならではのアプローチやカット表現の構想をすり合わせて、キャッチボールを重ねながら丁寧に制作しています。

――ファンとしては、「そのすばらしいOPアニメをいつ見られるのか」という点がいちばん気になるところだと思います。オープニングアニメは、発売後のアップデートで実装予定とのことですが、時期のヒントだけでも教えていただけますか?

鈴木
 具体的な時期のお約束はまだできないのですが……できれば皆さんがゲームをプレイされるタイミングで実装できればいいな、という温度感で開発を進めています。

――発売日に近いタイミングでの実装を目指して開発されていると。

鈴木
 確定でお伝えできずたいへん申し訳ないのですが、開発チーム一同、「ぜひ一刻も早くお届けしたい」という強い気持ちで進めています。正式にお知らせできるタイミングが来ましたら発表させていただきますが、仕様上、どうしてもアップデートでの対応になってしまう点だけはご了承いただけますと幸いです。

――ベストなタイミングで公開されるのを楽しみにしています! ちなみに、OPアニメ以外に、発売後のアップデートなどで予定されているコンテンツはありますか?

鈴木
 正直にお話しすると、本編に必要なものはもうすべてやり切ったという感覚があります。ですので、現時点で「アップデートでこれを追加します」という明確な予定はありません。もちろん、今後の状況やご意見の中で、「こういった機能を追加しようか」という議論が出る可能性はありますが、現時点では本作単体で完全な形として楽しんでいただける仕上がりになっています。

――最後に、読者やファンの方へ向けてメッセージをお願いします。

鈴木
 くり返しにはなってしまいますが、やはりアニメのストーリーを最初から最後まで追体験できるという点は、ほかにはない本作ならではの大きな魅力です。それに加えて、ゲームオリジナルのコンテンツやシステムも多数用意していますので、『進撃の巨人』ファンの方にはぜひプレイしていただきたいですね。そして、作品をご存じない方にとっても入門編としてぴったりのタイトルになっていますので、ぜひ多くの方に手に取っていただければうれしいです。

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