ロゴジャック広告

『ダービースタリオン2』快適かつ親切になった“いつもの『ダビスタ』”! あえて大きくいじらず、本来の魅力を伸ばす方向に【レビュー】

『ダービースタリオン2』快適かつ親切になった“いつもの『ダビスタ』”! あえて大きくいじらず、本来の魅力を伸ばす方向に【レビュー】
 かつてダビスタに青春を捧げた若者たちへ……。
広告
 2026年9月24日、ゲームアディクトよりNintendo Switch 2専用ソフトとして新作『ダービースタリオン2』が発売される。
 『ダビスタ』の愛称で知られる競走馬育成シミュレーション『ダービースタリオン』のシリーズ最新作として登場するこの作品。プレイヤーは小さな牧場のオーナーとなり、競走馬の生産、育成、そして調教を重ね、愛馬たちの血統を継承しながら、最高のサラブレッドを作り出すことを目指していく。

 本稿では、ダビスタおよび競馬ファン歴30年強のおじさんライターが、衰えがひどい集中力と根性を振り絞って格闘してきた本作のレビューをお届けする。

さあて、今回の『ダビスタ2』は……?

 競馬ゲームの代名詞として一世を風靡した『ダビスタ』シリーズ。オグリキャップによる平成の競馬ブームに乗って登場し(ただし、開発に時間が掛かりすぎて発売されたころにはオグリはすでに引退していた)、その後競馬“ゲーム”ブームの立役者となった。

 その魅力は、データと理論、そしていくばくかの運で、無限の可能性が生まれるゲーム性。そして、愛馬のデータを持ち寄って戦える対戦機能“ブリーダーズカップ”の存在が、ファンたちの競争本能と承認欲求を刺激したのである。
 ブームが落ち着いた後も、さまざまなプラットフォームで形を変えながらシリーズは続いている。そして本作は約6年ぶりの新作として登場した。

 本作の特徴を簡単にまとめると“ものすごく親切になった、でもいつもの『ダビスタ』”であろうか。ここからはその特徴をまとめていく。

序盤に余裕をもたらしてくれる“カジュアルモード”

 本作では、ゲーム開始時に“カジュアルモード”と“レガシーモード”のいずれかを選べるようになっている。前者は最初から運営資金に余裕があり(1億円)、破産がなくサポートも充実したモードなのだ。さらに、初期の繁殖牝馬も強いので育成も楽なバランスになっている。

 経験者からしたら「1億円でも少ないよ!」と言いたくなるかもしれない。しかし、ゲーム中のさまざまなミッションをこなすことで合計するとけっこうな額のお金がもらえるようにもなっていて、いきなり全資金を馬券に投入して負けたりしない限りはまぁ安心してプレイできる。

 後者の“レガシーモード”はいつもの『ダビスタ』=自転車操業の貧乏生活でのプレイが味わえる。かつての栄光が忘れられない人はこちらを選ぶといいだろう。ただし、カジュアルモードでプレイすることのデメリットは何もない。筆者としては素直にカジュアルモードをおすすめしたい。

サポートスタッフの採用、ロード時間の短縮などプレイがより快適に

 プレイをサポートしてくれる機能も充実している。

 地味だが便利なのが“サポートスタッフ”機能。ひとりあたり月額数十万円(スタッフによって額は異なる)を支払うことで、これまでひとつひとつプレイヤーみずから確認する必要があった情報の獲得などが自動で行われるようになるというもの。愛馬コメントも自動で保存されるので、いちいち自分で記録しなくていいのは本当にありがたい。

 また、各種システムのヘルプや用語の解説などは“ダビスタチャンネル”という動画風のコンテンツにまとめられている。カジュアルモードでは、これらを閲覧していくことでも報酬がもらえるようになっているので、何はなくともチェックしておきたいコンテンツだ。

 前作で指摘されることも多かったロード時間も、本作では大幅に短縮されている。今回はあらゆる場面で本当にロードが速いので、安心してほしい。

きめ細やかな“選択”と“抽選”。100万のファンを虜にしたゲームシステム

 『ダビスタ』の醍醐味は、競走馬の“生産(配合)”と“育成(調教)”にある。

 配合は、所有する繁殖牝馬に種付けする種牡馬を選ぶ作業だ。生まれてくる仔馬には、両親の影響が少なからず反映されることになるが、どの要素が遺伝するか、どの程度遺伝するのかは運も関わってくる。ひと言でまとめると“選択”と“抽選”である。

 このゲームの特徴として、種牡馬や騎手、調教師らは何年経っても入れ替わらない(自分が育てた馬を“追加”することはできる)。そのため、もう一度同じ環境を作って、自分の理論を容易に再試行できる。この“再現性の高さ”は、数ある競馬ゲームの中で『ダビスタ』が飛び抜けた存在になった要因のひとつだと思う。

 自分での再現性が高いということは、ほかのプレイヤーも簡単に再現できるということ。仲間たちと情報を共有して、ああだこうだ言いながら理論を熟成していくのは楽しい。だから『ダビスタ』はシビアなゲーム内容でありながら多くの人に愛されたのだろう。

 育成=調教もまた、配合と同じ“選択”と”抽選”の作業だ。配合と比べると選択肢も少なく、結果もすぐ出るが、年1回の配合と比べて調教は毎週の作業。そのため、調教師に“おまかせ”できるようになっている。とは言え、自分で設定したほうがきめ細やかな調整ができるのは間違いない。

 配合も調教も基本的なシステムや流れは従来と同じものになっているが、本作では配合時により多くの情報を参照できたり、理論もブラッシュアップされている。調教も新メニューを含めてきめ細やかに課せられるようになっているなど、全体的に“遊びやすさ”が高まった印象だ。

レースがより見やすく! 配信に配慮した設定も

 競走馬や競馬場などのグラフィックは、フォトリアルに寄せるのではなく、かつてのシリーズ作品に近い2Dアニメ風となっている。じつはこれ、“3Dセルルック”という手法らしく、3Dで制作したモデルに手描きアニメのような影、輪郭線、色味を加えて2D風に表現しているとのこと。

 それでありつつ、テレビ中継にかなり近い形のUI、進行になっているため非常に見やすい。実況に関しても『ダビスタ』は“競馬のおもしろさの肝はレース実況”というこだわりで作られており、その魂はずっと生き続けている。ラジオNIKKEIの小塚アナウンサーの声も聴きやすく、何度もくり返し観ることになるレースシーンに不快感を覚えることもない。

 “オプション”機能には“配信設定”という項目がある。じつは本作で使われているレース前のファンファーレや本馬場入場曲は、実際に使われているものをライセンスを得て流しているものなので、配信の際に著作権に引っかかってしまうのだ。しかしここで配信設定にチェックを入れると、それらが本作オリジナル楽曲に切り換わるため、その心配もなくなる。時代に沿った進化と言えよう。

難度そのものは硬派なまま!

 ミリオンセラーを記録するほど大ヒットした『ダビスタ』シリーズだが、じつは昔から難度が高いことでも有名である。序盤からお金はないし、レースにもなかなか勝てない。1回強力な馬を生産できても、そのつぎに同じ配合で生まれた馬が条件戦さえ突破できない……なんてこともよくある話。

 本作は序盤から勝ち上がりやすく、シリーズ経験者はもちろん、初めて遊ぶ方にも遊びやすくなっている。さらに、セールでおすすめの2歳馬を紹介してもらえるといった親切機能も増えた。遊びやすくなったとは言え、しっかり『ダビスタ』だと感じられる手ごたえはあるので、濃い目のシリーズファンもご心配なく。

 馬はケガをしたり急死したりすることもある(特定の牧場施設を建てることで、確率を下げることは可能)。しかも、オートセーブになっていてこまめに記録されてしまうため、失敗や不運に見舞われてもやり直すことができない。昨今なかなかないシビアな作りだが、それだけに成功したときの喜びはひとしお。慣れてくると、このきびしさがあるからいいのだと思えるようになってくるはずだ。

3歳ダート三冠などレースも追加! よりリアルな環境も

 前作から変わったところでは、3歳ダート三冠をはじめとした地方競馬の大レースや、海外ではケンタッキーダービーやブリーダーズカップクラシックなどが追加され、ダート レースの選択肢が広がっている。

 さらに、最近の有力実名馬が実装されていたり、繁殖牝馬もついに実名で収録されるなど、リアリティーを重視する競馬ファンにとってのうれしい要素も追加された。
 “ものすごく親切になった、でもいつもの『ダビスタ』”。ロード時間も含めたゲーム進行のテンポのよさ、さらに見やすくなった情報など、今回は確実に進歩している印象だ。また、最初から資金に余裕のある“カジュアルモード”の採用は、序盤に活動資金を稼ぐために馬券でひと勝負(を何回も)打つ、まさに“ギャンブルスタート”をしなくてすむというメリットを生んだ。

 本作は最近競馬ファンになった人はもちろん、かつて『ダビスタ』に青春を捧げた紳士淑女の皆さまにも、「へぇ、そんなに遊びやすくなったんだ」と戻ってきていただきたい、そんな作品である。
      この記事を共有

      本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

      週刊ファミ通最新刊
      週刊ファミ通表紙
      購入する
      ebtenamazon
      電子版を購入
      bookWalker

      特設・企画