今年6月の“Nintendo Direct”でガンホー・オンライン・エンターテイメントが『ニンジャラ2 未知なる惑星』を発表した。前作から6年ぶりとなる完全新作タイトルだが、最大の注目点はPvPタイトルからPvEタイトルへの思い切ったジャンル転換だ。 そんな『ニンジャラ2』がロサンゼルスで開催されたANIME EXPO 2026にて初のプレイアブルデモを出展。本稿では実際に遊んだ上で開発陣のお二方とインタビューを行った。
金田元貴氏(かねだ もとき)
『ニンジャラ2 未知なる惑星』の開発を率いるディレクター。

—―前作『ニンジャラ』はPvP(対人戦)タイトルでしたが、本作『ニンジャラ2 未知なる惑星』はPvEタイトルという全くの別物です。この大胆な決断はどのように決まったのでしょうか?
金田
理由は大きく分けてふたつあります。ひとつ目は、『ニンジャラ1』を2020年にリリースして以降、コンシューマーゲームとしてはかなりの勢いでアップデートを続けてきた点です。ユーザーの皆様の声を聞き、我々がやりたいことも取り入れながら、対戦モードの追加や鬼ごっこ、サッカー、ビジュアルロビー、釣りなど、当初からどんどん遊びの幅を広げてきました。
また、メディアミックス展開でアニメも放送しているため、ストーリーや世界観、登場人物が非常に豊富なゲームになっています。
今回続編を作るにあたり、ガンホーとして『ニンジャラ』のIPをさらに広げていくため、何がいちばん魅力的かを考えました。その結果、ストーリーや世界観、特有のアクションを維持しつつ、PvEのオープンワールドに挑戦しようと思い至りました。ニンジャラとの相性もいいと考えたからです。
もうひとつの理由は、ライブサービス中のユーザーアンケートです。PvPなので対戦を楽しむ方がいるのは当然ですが、じつはガチの対戦よりも友だちと協力プレイしたい、ルームで友達とわいわい遊びたいといった声が非常に多かったのです。前作でもひとり用のストーリーモードを出しましたが、「じっくりひとりで遊びたい」、「世界観をもっと知りたい」という意見が、対戦を望む声以上にありました。こうした意見を参考にすれば、ジャンルを変えても受け入れてもらえると考え、PvEのオープンワールドという形になりました。
泉
6月のニンテンドーダイレクトで今回の初報がありまして、それでオープンワールドPvEという形でお伝えさせていただいて、SNSなどで拝見すると6年前からのニンジャラファンの方々にも、ポジティブに受け止めていただけている認識でおります。
—―オープンワールドゲームは世に大量に出回っていますが、『ニンジャラ2』ならではのものをお聞かせください。
金田
オープンワールドはすでに成熟したジャンルなので、その中でニンジャラらしさをどう出すかは当然考えました。いちばん変えたくなかった部分は、ニンジャガムによるアクションやチャンバラ、壁走りなど、空中を自由自在に動ける機動力の高さです。オープンワールドになっても、この移動の楽しさやガムを使った仕掛けはぜひ継承したいと考えました。
体験版でご覧いただいたガムフックでの移動や、最初からかなりの速度で壁を駆け上がれる点、空中でガムを使って浮遊できる点などがそうです。さらに今回はカラクリのクラフト要素があり、自分でジャンプ台を作って跳ね上がったり、ガムのレールを作って移動したりすることもできます。

—―今回体験できたアクションだけでなく、製品版にもっとアクションがあると考えてよろしいのでしょうか?
金田
はい、あります。オープンワールドは探索も楽しみのひとつですが、移動そのものを快適に、そして楽しくしたいという思いがあったため、そこをひとつのフックにしています。
—―『ニンジャラ1』は基本プレイ無料ライブサービス型でしたが、『ニンジャラ2』は買い切り型のスタイルでしょうか?
金田
今回は前作にあったガチャ的な要素を廃止し、基本的にはパッケージを買い切って、その中でしっかり遊んでいただくスタイルを予定しています。買い切りのパッケージソフトというイメージを持っていただければ間違いありません。
—―では例えばスキンとかの特別なDLC、課金要素等も一切ないという感じですか?
金田
他社作品とのコラボなどについてはよく聞かれる点であり現在検討中です。特殊なコスチュームやコラボセットなどを定額DLCとしてeショップで販売することは検討していますが、通常のプレイに関わる部分、例えばゲーム内でさまざまなコスチュームを集めたり、髪型やアバター要素を増やしたりといった部分は、すべてゲームを遊ぶ中で手に入る仕様にしています。
泉
買い切りプラス追加DLCという形になりますので、ルートボックスガチャではないので、親御さんがお子様に買い与える際にもご安心していただけるかと思います。
—―では先ほどもちょっとプレイを見せていただいた協力プレイの要素についてぜひお聞かせください。
金田
協力プレイはオンラインと、オフラインの近距離通信の両方に対応しています。「友だち同士で遊びたい」という声を軸にしているため、フレンドと最大4人のパーティを組んで遊べる仕様です。ストーリーをいっしょに進めることも可能で、進行度が異なる場合はホスト側の進行度に合わせる形になります。
—―協力プレイから帰ったらゲスト側はまったく進行していなかったみたいな悲劇はないんですね。 意外と進行度が同期されていないマルチゲームが多いのでうれしいお答えです。
金田
その点も開発内で議論になりました。我々自身がプレイヤーとして遊んだ時に「嫌だな」と感じる要素はなるべく排除する方針で作っています。例えば、アイテムの奪い合いや経験値の偏りなど、マルチプレイをすることで誰かが損をするような仕様はできる限りなくしました。いっしょに遊んだら純粋に楽しい、というのがベースです。
また、オンラインの野良マッチングによる協力プレイもあります。これはプレイスタイルを制限するわけではありませんが、手伝ってほしい時に助けを呼ぶ形を想定しています。例えば、ボス戦で勝てない時に救援を出し、ボス戦だけ手伝ってもらって終わったら解散、といった具合です。
もちろん手前のダンジョンから救援を呼ぶこともできます。基本的には友達とワイワイ遊ぶことと、詰まったらオンラインの誰かに手助けしてもらうことを基本設計としています。

—―先ほどプレイさせていただいたミッションですが、あれはいつでもどこでも救援を出せるという形ですか?
金田
はい、基本的にはいつでも出せます。
—―あらかじめロビーを作る必要というのもなくてですか?
金田
マッチング自体は必要ですので、救援を出した裏でマッチング処理が走り、成立したら参加してもらう形になります。
—―それでは今度は物語のあらすじについて、“未知なる惑星”というサブタイトルの通り、惑星探査になりますが、ぜひお聞かせください。
金田
オープンワールドにするにあたり、舞台をどうするかは開発初期から話し合っていました。最初は地球も考えましたが、ニンジャラはビジュアルが特徴的で、グラフィックチームも非常にオリジナリティのある絵を描いてくれます。
地球のどこかよりも、いっそ別の惑星にしたほうが彼らの得意なデザインを活かしやすく、魅力も訴求しやすいと考えました。学校ごと異世界の惑星に転移してしまうという少しぶっ飛んだ初期設定も、ニンジャラらしいですよね。そういった意味を込めて、“未知なる惑星”という舞台を選びました。
—―キーアートだけでもバイオームが5〜6個あるように見えるんですが、これ以外にもバイオームというのは?
金田
はい、今見ていただいている以外にも存在します。
—―今回プレイできたエリア、おそらくグリーンのエリアだけだと思いますが、あれは全体図で言うとどれぐらいなんでしょうか?
金田
具体的な数字は明言できませんが、全体から見れば序盤にあたるエリアです。最初は平和な草原から始まり、そこから森や荒れ地へと進んでいくイメージですね。滝の上にも行くことができます。
—―あそこまで行けるんですね。
金田
滝の上は現在地からおよそ600〜700メートルほどの高さにあります。初期段階ではスタミナが足りず登れないはずですが、後々ジャンプ台などを手に入れれば「もしかしてあそこまで登れるんじゃないか?」と試行錯誤するのも楽しみのひとつです。
当然、正規ルートでいつかは登れるようになるのですが、そうした順路を無視して「とにかくあの崖を登り切りたい!」といったプレイスタイルも許容するゲーム設計になっています。

—―では今度はニンジャラから続投するキャラクターや新キャラクターについてお聞かせください。
金田
物語としては『1』の世界から数年が経過した設定です。元々いた主人公格のキャラクター8人に加え、新キャラクターを4人追加しました。新作なので旧キャラクターも大事にしつつ、新しいキャラクターも出したいと考えました。
『1』の時は主人公格の子供たちが8人おり、彼らは大人から子どもの姿になったという設定でしたが、今回は元の大人に戻り、先生役としてサポートに回ります。ベレッカも『1』の時は子供でしたが、今回は元の大人に戻って先生役を務めています。
また、アニメでストーリーが展開する中で初登場したキャラクターも多数います。青ジャージを着たブルース先生や校長先生など、アニメからのキャラクターも登場させつつ、双子のコマ・ヌイのように今作のために完全新規で描き下ろしたキャラクターも追加しており、ボリュームは大幅に増えています。

—―ちなみに4人の新キャラは、前作の主人公格のキャラクター8人に比べてデザインやキャラ設定をする上でとくに気を使った部分などはありますか?
金田
旧8人の時と同様、日本やアメリカといった特定の地域に偏らず、グローバルを基準にさまざまな人種や男女のバランスに配慮してデザインしています。今回の新キャラクター4人も女の子ふたり、男の子ふたりで、さまざまな出自を持たせています。ワールドワイドで見た時に、「自分の国に近いキャラクターがいる」と感じていただけるようなバランスを非常に大切にしています。
—―各キャラに特徴づけがしっかりなされているわけですね。プレイヤーキャラのアバターにも相当こだわられたとのことですが、どのようにこだわられたんでしょうか?
金田
『1』の時からアバターの髪型や服装がお洒落でかわいいと非常に好評でした。そこで今回は、純粋にアバター機能が好きなユーザーの要望を可能な限り詰め込みました。アバター作成でこれができたらいいなと思う機能をひとつひとつ実装しています。『1』と比べるとかなり細かいところまで作り込めるようになっていますし、アクセサリー類も豊富です。アバターゲームが好きな方が求める機能は、ほぼ網羅されていると思います。
—―よくアバターゲーで気になるのが、キャラクリをした後にまたキャラクリをやり直せるかどうかっていう点なんですが、どうでしょうか? 見た目を変えたりとかもいけますか?
金田
はい、ゲーム中いつでもやり直せますし、見た目の変更も可能です。
—―ありがとうございます。では今回デモ体験させていただいた2つのモードについてぜひお聞かせください。
金田
今回のアニメエキスポを皮切りに、国内のコロツアーなど、さまざまなイベントへの出展を予定しています。
泉
国内外問わず、さまざまなイベントに出展する予定です。
金田
多くの人に楽しんでもらいたいという思いから、アクションとストーリーのふたつの難度を選択できるようにしました。元が本格的なアクションゲームですし、我々もアクションを作るのが好きなチームなので、アクションの手ごたえは落としたくありませんでした。しかし全員がクリアーできる難度にするのは難しいため、ストーリーを楽しみたい方向けに、人に手伝ってもらえたりと、アクションゲームでありながらクリアーしやすいバランスを目指しました。
また、今回ふたつのゲームモードをご用意したのは、写真撮影コースを通じてアバターやキャラクターの魅力を直接感じていただきたかったからです。両方楽しんでいただければ最高ですが、キャラクターは好きだけどアクションは少し苦手という方には、ぜひ写真モードを楽しんでいただきたいと思い、コースを分けました。
—―先ほどの写真撮影コースで、キャラクターによって写真撮影をする時のアニメーションにだいぶこだわりを感じました。
金田
おっしゃる通りです。各キャラクターの性格に合わせて、ポーズや表情のアニメーションを個別に細かく設定しています。かっこつけるのか、照れるのかなど、モーションチームが1キャラクターごとに作り込みました。写真を撮ることでこのキャラクターはこんな性格なんだと理解して好きになってもらえるよう、非常にこだわった部分です。

—―デモ版のプレイ、転換してこのインタビューを通して感じたのですが、『1』はゴリゴリのPvPだったのが、今回はもうとにかくプレイヤーに優しいPvEを目指したわけですよね。ただ御社はオープンワールドを作ることに今まで慣れていたわけではありません。この大きな転換でどれだけの挑戦があったかをお聞かせください。
金田
オープンワールドの開発は我々にとっても初めての挑戦で、ひと言で言えば非常に大変でした。ただ、『1』の運営を通じてアクションやネットワーク周りのマッチング処理などに関する知見は豊富に蓄積されていました。そのおかげで、アクションやネットワーク関連の課題解決にかかるコストを抑え、オープンワールドの構築に開発リソースを注ぎ込むことができました。『1』でがんばった土台に助けられた部分は大きいです。
課題としては、シームレスな移動の実現や、ファストトラベルのロード時間の短縮、高解像度とフレームレートの両立、敵の出現数調整などがありました。さらにバイオームごとに環境を構築するのもひと苦労で、直面する問題をひとつひとつ地道に解決していく開発工程でした。
—―今まさにお話に出ましたが、Switch 2のドックモードとハンドヘルドモードで目標としている解像度とフレームレートってそれぞれお話ししていただきますか?
金田
最終的な数値は未定ですが、『ニンジャラ』が基本60fpsを目指したゲームだったので、極力60fpsを出したいという方針は変わりません。ただ、場面によってはつねに維持するのは難しいのが実情です。
—―ハクスラ要素ですが一般的なゲームとなると、難度が違うとドロップ率が変わったりとかもするわけですが、『ニンジャラ2』ではどのようになるのでしょうか?
金田
基本的には変えない方針です。難度はあくまでユーザーの好みやプレイスキルに合わせて選んでもらうためのものであり、難度によって得られる報酬に差をつけることは想定していません。
—―ではハクスラに関連して、今回新武器もたくさんあります、属性もありますよね。そこについてより詳しくお聞かせください。
金田
新武器も属性も豊富に用意しています。ビルド要素にはかなりこだわっており、武器の細かなカスタマイズが可能です。私自身ステータス画面の数値を見るのが好きなタイプなのですが、自分でビルドを組んでより高い数値を追求したり、実際に叩き出して爽快感を得たりする楽しみがあります。アクションが苦手な方でも、とにかく強い武器にカスタマイズして物理でゴリ押しすれば勝てるようになっていますので、それも楽しみかたのひとつです。
—―今回初めてプレイアブルデモを出展されましたが、会場からフィードバックや感想は届きましたか?
金田
私はインタビューでホテルにほぼ缶詰状態なので直接伺う機会は少ないのですが、現場のスタッフから聞いたり、合間を見て実際に会場へ足を運んだりして反響は感じています。アメリカ在住で『ニンジャラ』の時から遊んでくれているファンの方々が足を運んでくださり、直接「どうでしたか?」と感想を聞けたのはとてもうれしかったです。
中には有名なランカーの方もいらして、「君があの!」と盛り上がったりと、出展して本当に良かったと感じています。
—―皆さんどのような感想を持たれましたか?
金田
大会で上位に入るようなガチ勢のプレイヤーの方々は、『ニンジャラ2』がPvPではないということで拒否反応を示すのではないかと懸念していました。しかし、今日数名とお話しした限りでは全くそんなことはなく、「ニンジャラのアクションでオープンワールドを遊べるのがすごく楽しい」とポジティブな感想をいただけました。全員の声を聞けたわけではありませんが、我々としても非常にやりがいを感じており、安心しています。
—―最後にメッセージをお願いします。
金田
『ニンジャラ2』は来年の春発売予定でまだ少し先になりますが、6年ぶりの完全新作ということで、少しでもいいものを作ってユーザーの皆様に喜んでいただくことを開発チーム一同目指しています。我々がこだわって作り上げたこの作品を、ぜひ手に取って遊んでいただけたらうれしいです。
泉
『ニンジャラ2』のベースであるニンジャガムアクションは最大の個性であり楽しさですが、今作はオープンワールドPvEということで、ストーリー、世界観、アバターメイクなど非常にたくさんの魅力が詰まっています。アクション好きだけでなく、さまざまな好みの方に楽しんでいただけるゲームになりました。試遊版については詳細な告知を控えていますが、色々な要素を体験できますので、ぜひオフラインイベントで何度も遊んでいただけたらうれしいです。
