愛すべきキャラクターや驚きのシナリオで人気に

『魔法少女ノ魔女裁判』は“まのさば”の略称で知られるミステリーアドベンチャーゲームで、シナリオ製作会社Re,AER(レ・アエル)のゲームブランド“Acacia”の初作品です。2024年4月19日にクオリティアップのためのクラウドファンディングが実施され、開始約1時間半で当初の目標額である200万円を突破。その後のストレッチゴールもすべて達成し、約3340%となる6684万9444円が集まり、その注目度が話題を呼びました。
ストーリーは、孤島に囚われた13人の少女たちが魔女裁判でお互いを断罪するというもの。少女たちは、いずれ魔女になる“魔女因子”を有しており、魔女化が進むと殺人衝動が抑えられなくなるという特徴があります。
その結果、魔法という人知を超えた力がトリックに絡む殺人事件が発生し、少女たちは裁判という形で犯人を特定していきます。能力は怪力や発火、浮遊など多種多様。現場に足跡が付いていなければ、当然浮遊の能力を持つ少女が疑われるわけで……。通常のミステリーにもうひとつ“魔法”という特殊な要素が加わった仕組みになっていて、新鮮な謎解きが楽しめます。



最初から使える魔法がわかるキャラクターがいる一方で、なんらかの理由で自分の能力を隠している者も。誰がどんな魔法の能力を持っていて、事件にどのように絡んでいくのかといったところもゲームを進めていて気になるポイントとなります。
少女たちには全員に見せ場があり、プレイすればどの人物も好きになるハズ。過去の記事のインタビューで詳しく語られていますが、“10年経っても語ってもらえるような愛されるキャラクターを作る”というコンセプトで制作されたそうです。
彼女はミステリーが好きで「名探偵」を自称していますが、自身が持っている能力は“怪力”。べつに怪力の名探偵がいてもいいとは思うのですが、頭脳で事件を解決する探偵と“怪力”という能力はやはりどこかアンバランス。そのアンバランスさも彼女の魅力になっています。
筆者はそんなシェリーのことが最初から気になっていましたが、ゲームを進めていくことで彼女が道徳心を持っていないことがわかってきます。元気で明るく好奇心旺盛で、人懐っこい雰囲気があるのですが、平気で一線を超えるような空気を読めない発言をして場を凍りつかせます。ヘタをするとプレイヤーから嫌われてしまう可能性もあるシェリーですが、なぜか憎めないのが不思議なところ。ボイスを担当している柊優花さんの芝居も絶妙で、シェリーの不謹慎な発言などにも思わず笑ってしまいます。
そんなマイペースに見えるシェリーですが、物語を進めるなかで大切な友だちができて、その友だちとの関係が描かれるシーンがすばらしいんです……。プレイしていて、こういうことを“てぇてぇ”って言うんだろうなと思いました。ストーリーを楽しむタイプのゲームなので具体的なことを何も書けなくてヤキモキしますが、プレイしたときに「あぁ、ここのことが言いたかったんだな」と気づいてもらえるとうれしいです。




そして、本作は『ダンガンロンパ』シリーズのようなデスゲームものであり、魅力ある個性的なキャラクターであってもあっけなく殺人事件の犠牲者になったり、犯人として処刑されてしまう末路が待っていたりします。つぎは誰が犠牲者なのか、そして事件の犯人は誰なのか、ハラハラしながら読み進められるような仕組みになっています。
序盤に死んでしまうキャラクターは物語からの退場も早いのですが、そういったキャラクターのフォローの仕方がうまいのも“まのさば”。中盤にとある仕掛けが用意されており、そこで鳥肌が立つこと間違いなし。その中盤の仕掛けはユーザーの気分を盛り上げる演出も最高で、忘れられないゲーム体験になるはずです。全員にしっかり同等の出番と見せ場が用意されているので、どのキャラクターも印象に残ることでしょう。
今年(2026年)7月9日にはNintendo Switch版が発売。気になっていたけれどプレイできていなかった人はこの機会に遊んでみてはいかがでしょうか?













