ゲームの最新情報などを発表するイベント“Summer Game Fest 2026”(サマーゲームフェスト2026)にて、カプコンの『ストリートファイター6』(以下、『スト6』)Year 4の新キャラクターが発表された。 4周年目となるYear4では、ワールドツアーモードのストーリーに登場するダブル主人公のひとり“ボシュ”がプレイブルキャラクターとして参戦するほか、シリーズ初登場の新キャラクターであるヤスミン、アルジュン、そして『ファイナルファンタジーVII』(FF7)シリーズから、レジスタンス組織“アバランチ“のメンバー・ティファがゲストキャラクターとして参戦する。
本稿では、Summer Game Fest 2026 Play Daysにて、ディレクターの中山貴之氏とプロデューサーの松本脩平氏へインタビューを実施。Year 4で登場する各キャラクターについて。
『FF7』より参戦するティファには象徴するものがしっかりと用意。リリーの風溜めのような固有のものに近い
――先日、5月28日にYear 3の最後の追加キャラクター・イングリッド、アバターランダムマッチとアバターアーケードの2種が実装されましたね。こちらの反響について、お聞かせください。
中山
ありがたいことに、非常にいい反応をいただいております。20数年前のキャラクターであるイングリッドが参戦することで、まさかこんなことが起きるなんてと感じています。
松本
イングリッドが追加されたタイミングが、Steamで『スト6』が発売されたときよりも同時接続数が多かったんですよ。
恐らく過去最高の記録で、3周年のタイミングで同接の記録を更新できたのはありがたかったですし、それだけ反響があり多くの方々に遊んでもらえているのはうれしいです。
――“Summer Game Fest 2026”のステージでは、Year 4について発表されましたね。ユーザーの方々の反応はいかがでしたか?
中山
自分はステージに登壇していて、モニターの返しの音が大きくて声などは聞こえておらず。さらにはステージ上のライトの明るさもかなり強かったのでお客さんの顔なども見えずで、正直不安でした。
ですが、あとから聞いてみたら「すごかったよ」と教えてもらい、会場のリアクションは好感触だと感じています。
松本
僕は見ていたのですが、歓声なども大きくてよかったなと思っています。
中山
それと発表してすぐにヤスミンなどの新規キャラクターのファンアートを描いてくださる方がSNSでかなりいらっしゃったんですよ。
後追いで全身の画像なども公開しましたが、ほんの少ししか情報が出ていない段階で細かく描いてくださる方々がいたので、「よく描けるな~」と驚きつつ、ありがたい限りでした。
――『FF7』からティファが登場することが発表されたときの盛り上がりはすごかったです。このコラボ実現の経緯についてお聞かせください。
中山
スクウェア・エニックスさんに知り合いがいまして、じつは3年前くらいから「コラボしたいね」という話をしていたんです。
そこから、さまざまなディスカッションがあり、ゲスト参戦するならやはり格闘術を使うキャラクターのほうがシリーズとしてもいいと判断し、「ティファはどうか?」と考えていました。
松本
知名度もありますし、『ストリートファイター』に合うのはやはりティファですよね。
中山
『ファイナルファンタジーVII』リメイクシリーズの浜口直樹ディレクターとも、東京ゲームショウで2年連続で登壇イベントをさせていただいたことがあって、つながりもありました。そして、リメイクシリーズの発売時期もあり、「ちょうど合ったね」という感じでティファがいいとなり、こちら側からも強めにお話させていただきましたね。
――追加時期がリメイクシリーズ最終作『FFVII リベレーション』の発売時期と近いと感じたのですが、やはり意識されているのでしょうか?
中山
お互いのタイミングで同時に出てしまうと、お相手さんも気になるかもしれないですし、なんとも言えませんが……そうでしょうね(笑)。
松本
やはり意識はしていますね(笑)。
――今回のコラボにあたって、スクウェア・エニックスさんとのやり取りで印象に残っていることはありますか?
中山
ティファのデザインなどは細かくチェックしていただいています。発表したトレーラーでの表情なども、とても丁寧に見ていただき、的確な指示をいただきました。
――ちなみに現段階のティファの完成度は……?
松本
さすがにまだまだですね(笑)。
中山
ただ、ベースとなる遊びの部分は概ね形にはなっています。まだリリースには程遠いのですが、テストを重ねて「こういうふうにしたい」という提案もしながら、ほかのキャラクターよりは前倒しで動いています。
松本
スクウェア・エニックスさんにも見ていただくので、早めに動いてはいますね。
中山
まだ完成まではいきませんが、遊びの内容がわかるものは早めに構築しています。
――ティファの性能面で現段階でお話しできる要素はありますでしょうか?
中山
現段階ではないです! ただ、ティファにしかない遊びはしっかりと用意してあります。ステージ上でマテリアの話が出ましたが、想像されているものとは違うかもしれません。ですが、ティファにしかできなくて、ティファを象徴するものはしっかりと反映しています。
また、その象徴するものも新しいシステムなどではなく、ティファだけの固有の要素となっています。たとえると、リリーの風溜めのような固有のもので、それをティファに特化したものといったイメージです。
――先ほど「『ストリートファイター』にティファが合っている」という話がありましたが、『FF』にはほかにも格闘ゲーム向きのキャラクターがいる中でティファが抜擢されたのは、やはり人気と格ゲーの相性からでしょうか。
中山
そうですね。あとは、『ストリートファイター』のリリースやDLCで出るキャラクターの男女比率を考えたときに、なるべく比率を合わせたいという想いがありました。これまでのDLCを見ていただくと、大体比率が半々になっているかと思います。A.K.I.が登場したYear 1は1対3で女性キャラが少なかったですが、そういったことは意識しています。
『ストリートファイター』というブランドを今後成長させていくため、Year 4は完全新規キャラクター3人を投入
――ほかキャラクター3人も新規キャラクターで、かなり攻めたなという印象があります。ボシュはワールドツアーで登場していますが、過去シリーズのキャラクターではなく全員を新規キャラクターにした理由を教えてください。
松本
『スト6』が発売されてから、多くの新規のお客さんにプレイしていただけています。今回、新規キャラクター3名にしたのは、新規のお客さんの参入による年齢層の変化が理由のひとつです。『ストリートファイターV』までは35歳から45歳くらいの年齢層がメインでしたが、いまは15歳から25歳の層がいちばん多くなっています。
――若いですね!
松本
そういった新規のお客さんたちに向けて、完全新規のキャラクターを増やしてあげたい気持ちがあるほか、『ストリートファイター』というブランドを今後成長させていくためにも、新規キャラクターが多いほうがいいということを考えました。
それとYear 1のA.K.I.以降、2年間完全新規のキャラクターが出ていないので、タイミング的にも入れたいと思っていたこともあります。
中山
あとは参戦キャラクターの地域も考えているよね。
松本
そうですね。キャラクターを決めるときに、ディレクターとプロデュース面でどこのエリアのユーザーを増やしたいかというコミュニケーションを取っています。
例えば、2年前くらいに「インドを攻めたい」という話があったんですよね。単純にインドはいちばん人口が多い国ですし、デジタル世代が非常に多いので、そのお客さんに『ストリートファイター』を触ってほしい。インドで格闘ゲームを流行らせたいという想いがあったので、今回新たにインド出身のアルジュンを発表しました。
また、フィリピンは東南アジアの中でも格闘ゲームのコミュニティ(FGC ※Fighting Game Community)が盛んです。『ストリートファイター』においても、フィリピンにルーツを持つプレイヤーや実況者、大会運営の運営しているTOが多いので、そういった人たちにも喜んでもらいたい。そして、東南アジアもプレイ人口が増えてきているので、そこを狙いたいということでキャラクターや格闘技を考えてもらいました。
中山
作っている側としても、理解しやすいんですよね。『ストリートファイター』シリーズは来年で40周年を迎えますが、インド出身のキャラクターはダルシムと『ストリートファイターEX』のダラン・マイスターくらいでした。シリーズで言っても実質1体でしたので、インド出身のキャラクターをもっと増やしてもいいなと思い、今回がっつりインドのキャラクターで、いまどきな感じにしたいと思いました。
――改めて新規キャラクター3名の特徴を教えていただけますか。まず、ヤスミンからお願いします。
中山
ヤスミンは、『ストリートファイター』シリーズ初のフィリピン出身キャラクターです。カラビットナイフを使った近接格闘術で戦うのですが、おもしろい動きをするキャラクターですね。
松本
見ていてかわいらしさもありますし、おもしろいキャラクターですよね。
中山
松本とかはいつも社内で対戦をしているのですが、別のプロデューサーがヤスミンをずっと使っていて、負けています(笑)。
松本
見た目からイメージできる動きもしますし、「こういう動きあるよな」という納得感もあります。武器もすごく活かされていますし、しっかりとイメージが沸くキャラクターという印象ですね。

中山
Year 4でいうと、“ど真ん中直球”のようなイメージのキャラクターですね。
松本
集合絵でも真ん中にいますし。

――ヤスミンは8月3日にもっとも早く実装されますが、こだわりポイントなど話せる範囲のことはありますか。
松本
小物や服などに、フィリピンを象徴するものが入っていたりと、ビジュアル面もこだわっています。
中山
衣装にフィリピン国旗の要素が入っていたり、ナイフに国鳥のフィリピンワシのデザインが入っていたり、髪型もワシをイメージしていたりします。ストーリーも「そういう設定なんだ」とおもしろいところがあるのですが、ここで話してしまうと楽しみを奪ってしまうので、ぜひみなさんの目で確かめてください。フィリピン要素マシマシで、すごくいい子なので、キャラクター性にも注目してほしいです。
松本
バトルの部分はトレーラーを見ていただけたらわかるかなと思いますので、ぜひトレーラーを楽しみにしていてください!
――アルジュンについてはいかがでしょう。
中山
アルジュンは、もうちょっと先なので何も言えないのですが、我々の狙いとしては“ダークヒーロー”のようなキャラクターを目指しています。ストーリーとしてはもともとは正義感の強い警官でしたが、同僚が殺されてしまい、その犯人として嫌疑をかけられてしまい真犯人を探す……という、ハードボイルドな背景があるかっこいいキャラクターなんです。あの立ち絵からは想像できないかもしれませんが(笑)。
松本
バトルスタイルも“ステゴロヨガ”ですもんね。
中山
開発中は“ダークヨガ”と呼んでいたのですが、気づいたら“ステゴロヨガ”になりましたね。ヒーローっぽさを持たせたかったのと、彼にしかできない動きをするキャラクターになっています。

――アルジュンについて、SNSで筋肉がすごいと話題になっていました。筋肉評論家の方が長文で書いているのを見かけましたが、あの筋肉のこだわりは……?
中山
あります……ですが、ネタバレになるのでストーリーやバトルを見てもらえると。見ていただければ「なるほどな」と思っていただけるかなと思います。
――最後に、ボシュはいかがですか?
中山
ボシュもワールドツアーから出てきたキャラクターで、ずっとプレイアブルで作りたいと思っていました。じつは仕込みで言うと、『スト6』が出る前に前日譚のマンガを描いたのですが、ケンがJPに騙されるあたりの話の中に仕込みが入っています。そのころから考えていたネタが入っているので、今見ても「ここにつながるんだ」と思ってもらえるはずです。ボシュも彼にしかない遊びがあります。
松本
ワールドツアーで登場したときからも変化していますので、そういったところもお楽しみにしていただければと思います。
中山
ナイシャール固有武術の“ヤーリキ”という設定があるのですが、そのあたりもワールドツアーをやっている人は「なるほど」と思うはずです。設定がかなりあります。

――ワールドツアーにはリーフェンというキャラクターもいますよね。今回は参戦しませんでしたが、今後追加される可能性はありますか?
中山
じつは実装の話は何度も出ました。ですが、同時にボシュ自体、リリースのタイミングからプレイアブルにしたいと思っていて、タイミングを見計らっていました。
また、ボシュとリーフェンが同時参戦となると、両方お弟子のキャラクターになってしまったり、“マネモンくん”という後から追加されたコンテンツでリーフェンがメインになっていたので、彼女の露出やタッチポイントが大きくなってしまうと考えました。そのため、やるとしても後回しかなという感じです。追加の可能性は全然あると思います。
松本
グッズもいっぱい出ていますしね(笑)。
中山
なので「遊びたい!」という、リーフェンファンの声をぜひカプコンに届けていただければなと思います。
――ワールドツアーのストーリーコンテンツの追加はイングリッドで最後という告知を拝見しました。新規キャラクターたちのストーリーがわかるコンテンツ、弟子入りなどは別で実装されるのでしょうか。
中山
それはまだ言えません。格闘ゲームの入り口として、操作に慣れる部分がシリーズに欠けていたところに本作でワールドツアーを作り、一定の役目は果たしたかなと思っています。本当はヤスミンと仲よくなったりしたいですし、開発メンバーもそう思っています。何かできたらいいなとは思っています。
松本
現状はアーケードモードしかないですね。アバター系モードで、ヤスミンやアルジュンの技は覚えられるので、カスタマイズの面では楽しみは減っていないと思います。
――最後に、Year 4を楽しみにしている方や、ティファや新キャラをきっかけにこれから始めるという方にメッセージをお願いします。また、今後の意気込みなどあれば、お聞かせください。
松本
『スト6』はつねにチャレンジをいっぱいしているタイトルです。コラボにしてもそうですし、キャラクターの追加にしても「そんだけやるんだ」、「攻めるなあ」と思ってもらえるようなことをつねに考えていますし、できるだけ実装して世に出したいという気持ちで変わらずがんばっています。
キャラクターやイベント、eスポーツなどいろんなきっかけで人が入ってきてくれているので、そこをもっと広げたい。増え続けているユーザーをずっと増やし続けたいです。同接のベース人数が右肩上がりとなっていて、そこがいちばん重要だと感じているので、土台がしっかり上がるようにもがんばります。
そして、新キャラクターを作るのも大事ですし、Year 4以降もがんばって、楽しいと思ってもらえる方を増やしていきたいですね。
中山
いつ始めてもいいようなゲームにしておきたいと思っています。何がきっかけで始めていただいてもありがたいですし、対戦するのは熱くなるけれどおもしろいという根底の部分をいっしょに楽しんでもらえたらうれしいです!
また、『ストリートファイター』シリーズは来年で40周年を迎えます。この記事を読んでいただいた皆さんが「こんなイベントに参加したい」をいった声をSNSなどで発信していただければ、アイデアとなり実現するかもしれませんので、よろしくお願いいたします!
