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【プラグマタ】月面世界で見つけた『レジデントデビルIII』なる何かのポスターはイースターエッグ。開発中の難度調整では一時期“死にゲー”にまでなった?【インタビュー】

【プラグマタ】月面世界で見つけた『レジデントデビルIII』なる何かのポスターはイースターエッグ。開発中の難度調整では一時期“死にゲー”にまでなった?【インタビュー】
 カプコンのNintendo Switch 2、プレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、Steam向けSFアドベンチャーゲーム『プラグマタ』が、2026年4月17日に発売日を迎える(※)。
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※Nintendo Switch 2版は4月24日発売予定。

 カプコンによる完全新作となる本作は、パズルとシューティングを融合させたかのような独特の戦闘、そして主人公であるヒューとディアナによる“人間とは何か”に焦点を当てた重厚なストーリーが特徴のSFアクションアドベンチャーだ。

 2026年3月に実施されたメディア向け体験会にて試遊した後、ディレクターを務める趙 容煕氏、プロデューサーを務める大山直人氏のおふたりにインタビューを行い、本作の開発の裏側について語っていただいた。

趙 容煕氏ちょう よんひ

『プラグマタ』ディレクター。(文中は趙)

大山直人氏おおやま なおと

『プラグマタ』プロデューサー。(文中は大山)

シューティングとパズルを、ひとつのゲームにミックスしたがゆえに生じたバランス調整の苦労

――今回の試遊では、非常に戦略的なゲームプレイができました。パズルとシューターを組み合わせるにあたり、デザイン上難しかった部分はどこでしょうか。

趙 
いちばん難しかったのは、シューターとパズルというふたつの要素を組み合わせるときに、それぞれを別のゲームではなくひとつのゲームにミックスする必要があったことです。戦闘中、そのふたつの要素をプレイヤーが本当に必要だと思って戦略的に使う――やらされている感じではなく、能動的にプレイする形を取るには、両方のバランス取りが重要になってきます。

 たとえば銃撃の効果が突出して高かったり、ハッキングだけがすごく意味があったりすると、どちらかは結局使わなくなってしまう。両方とも程よく……理想的に言うと5:5の割合で要素を使い、敵を倒していく感じを目指していたので、そのバランスを取るのに苦労しました。

大山 
今回は体験版の範囲より1歩進んだところをプレイいただいたのですが、敵の数やバリエーション、そして使える武器やハッキングのノードといった選択肢と状況が増えることによって、どこから処理していこうかというマルチタスクで、より頭を使っていく感覚を体験いただけたのかなと。
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趙 
ハッキングはこのゲームでとても大事なポイントですが、それを強制する遊びにはしたくありませんでした。なるべくプレイヤーが自発的にやりたくなるような形を目指したのですが、そこがいちばん時間がかかったところでもあります。

大山 
ゲームにちょっと慣れてきたあたりで新しく取れる選択肢が増えて、それによって幅が広がり、戦略性が増してくる。そしてまた進むにつれて新しいことが起きて、飽きないように楽しく続けられるように……というのは意識して作っていますね。

――なるほど。体験版の配信を通じて、ユーザーからはどういった反応やフィードバックを受け取っていますか?

大山 
まず驚いたのが、基本的に非常にポジティブに受け入れていただいているという点です。我々としても体験版を早めに出すことによって、合う合わない方がいたり、もっとフィードバックの数自体が出てくるのかなと思っていたのですが、思ったよりネガティブなものが少なく、期待の声や楽しかったという声が多くを占めていた状態です。

 逆に懸念点として目についたのが「体験版の範囲ではいいけど、製品版で飽きずにパズルができるの? 長く遊べるの?」といった声ですね。ただ、それに関しては本編側でいろいろな遊びと工夫を目いっぱい詰め込んでいるので、ぜひユーザーの皆さんには安心して製品版を楽しんでいただければと考えています。
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――製品版が楽しみになります。試遊では、ディアナが「あっちが狙われて危ない」みたいなアドバイスをくれるおかげで、いわゆる初見殺し的なものを感じずにギリギリの戦いを楽しめました。こういったヒントは意図的に狙っているのでしょうか。

趙 
本作は、これまであまりなかった戦闘システムなので、慣れるだけで結構な壁を感じる人もいらっしゃると思います。その戦闘システム以外の要素――探索だったり、マップ構造を理解する難度などは、多くの人が慣れやすいように設計しています。

 ブランニューな完全新作ですし、初めてこのゲームを触ってもらう方であっても途中で諦めることがないように、なるべくしっかりと誘導するようにしました。

大山 
ヒューとディアナが協力してゲームを進めるという“バディー感”は、このゲームのコンセプトでもあるので、(ディアナからの)ヒントをもとにプレイヤーが進められるようにというところを大事にしています。

 ただ、あまりディアナの指示がくどくなりすぎてもプレイヤーにとっては窮屈かなと思うので、そう感じない程度のいい塩梅を目指して調整していますね。

――よくこういう指示をしてくれる“助言キャラ”は嫌われがちなところがありますが、ディアナのアドバイスはぜんぜん苦にならず、むしろもっと言ってほしいくらいでした。
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趙 
ディアナはどれぐらいしゃべればいいのか、どれぐらいの明るさで言ったほうがいいのかなど、チーム内でもいろいろなフィードバックがありました。最初はめちゃめちゃしゃべっていて、チームから「ちょっと鬱陶しいんだけど」という声があって頻度を下げるんですが、そうすると今度は「存在感がなさすぎる」となって上げたりとか。多くの細かい調整をかけて今のディアナになっていますよ。

――戦闘以外でも、人間の食事について「効率悪いね」、「でも必要なことなんだよ」といったふたりの会話などを、楽しく聞きながらプレイできました。セリフも相当な量が収録されているのではないでしょうか。

趙 
本当はもっとしゃべらせたかったんですが、プレイのテンポにも影響するので、全部入れきれずカットされているセリフも多々あります。

大山 
それでもボイスライン自体は結構な量を取っていますね。加えて今回はボイスの対応言語が11言語まで対応していて、ほかのカプコンタイトルと比べてもボイスの対応幅が多い形で作っています。より多くの方に現地の言語で楽しんでもらえるよう、力を入れていますよ。
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――ハッキング可能な距離を長くするなど、ヒューのカスタマイズ要素がおもしろかったのですが、ディアナ自身をカスタマイズすることはできるのでしょうか。

趙 
先ほどのハッキング距離を長くするという能力は、まさしくディアナの能力をカスタマイズするところなので、もうすでにカスタマイズされているのかなと思います。

大山 
カスタムモジュールはいろいろな種類を用意しており、探索中に見つけることもできます。ステージの奥まった場所や、隠し部屋みたいなポイントに嬉しいモジュールが置いてあることもあります。

 拠点でも、ディアナの能力自体を新しく開放して強化したり、それ以外にもユニークなカスタム方法があるので、そこは製品版を楽しみにしていただければと。

――極端な話、ハッキングオンリーで進めたりすることも可能なのでしょうか。

趙 
はい、そこは十分想定しています。

大山 
体験版の範囲でもハッキングでダメージを与えられますので、実際にハッキングだけで体験版をクリアーされた方もいらっしゃいました。

趙 
ゲーム後半まで進むと、カスタムモジュールや能力開放などの組み合わせによって、ハッキングメインのセットになることもありますし、遠距離武器だけに特化させた強力な戦略を組むこともできます。

 組みかた次第では、ハッキング1発が銃1発よりダメージが大きくなる場合もあるので、人によってプレイスタイルがかなり変わってくると思います。

大山 
序盤は銃とハッキングの割合が等配分で楽しめるようにしつつ、後半へたどり着く頃に、増えた戦略の分だけプレイヤー次第で幅が出せるように作っています。
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――おふたりのお気に入りのプレイスタイルや戦いかたはありますか?

大山 
私はハッキング寄りのほうが好きですね。ハッキングを連続で使ってもダメージが入るので、そこで小さくダメージを稼ぎつつ、大ダメージを与えたいときは強い武器を使ったり、マルチハックでまとめてオーバーロードしてから一気に吹き飛ばしたりとか。状況に応じて何がいちばん効果的なのかを考慮はしつつ、わりとハッキングに頼りがちなプレイをしてしまいます。

趙 
私はその真逆でして、アクションゲーム寄りのプレイで、アクション要素を強調できる戦略で戦うことが多いです。

 でも、ゲーム後半だとハッキングに集中させる場合もありますね。特定の状況で敵がフィニッシュブロー状態(※)になるのですが、ハッキングの組み合わせによってマルチハッキングで敵全員をフィニッシュブロー状態にすることもできるんですよ。最終的にフィニッシュブローを連発して敵を倒しまくるみたいな、そういった遊びも楽しんでいます。
※このときに接近して対応ボタンを押すと、敵に大ダメージを与えられる状態。
――ボスとの戦闘は、けっこうギリギリで勝てたりして、程よい難度になっていると感じました。全体のバランスや難度調整について苦労したところはありますか。

趙 
難度に関しては、ずっとプレイしながら作っていることもあって、チームメンバーがどんどん簡単に感じるようになってしまうことがありました。「この難度では駄目だ」と思って難度を上げるのですが、「いや、まだまだ簡単だ」ともっと上げて。一時期はもう“死にゲー”のようなバランスでした(苦笑)。

 初心者では絶対にクリアーできないぐらいにまでなっていたのですが、それでもチーム内では「これでいい。ちょうどヒリヒリする戦闘ができる」と。そこでチーム外のプロデューサーなど、いろいろな方にプレイしてもらったときに、「難しすぎてこんなのできない」という意見を多くもらい、現状はしっかり楽しめるバランスに調整しています。

 それでもチーム内では、自分も含めて「こんなのじゃ満足できない」という人間もいまして。そこはユーザーでも絶対に出てくると思っているので、それ以上の難易度もちゃんと用意しています。

大山 
初めて本作に触れる人を連れてきてチェックしてもらうという作業を、定期的にくり返して調整を行いました。

 初心者の方に意見をもらいながら調整しているのが、いまのカジュアルとスタンダードのバランスになっています。初めて触る方はカジュアルでストーリーをメインに楽しんでいただけるかなと思いますし、標準的なゲーマー層はスタンダードでボスなどもギリギリ倒せる感じ。もし倒されてしまっても、そこまでで得たリソースをシェルターに持ち帰って強化すれば、自然に進んでいけるゲームサイクルを組んでいます。

趙 
体験版の難度は、チームとしては「これでいいのかな」といった疑問もあったのですが、ユーザーからはちょうどいいという意見を多くいただいていますね。

大山 
体験版はシェルターでの強化要素が入っていないのと、短い時間の中でユニークな戦闘を楽しんでほしいのを目的として、匙加減を調整させていただきました。

趙 
基本的なシステムを理解するのには、体験版はちょうどいいのかなとも思うのですが、『プラグマタ』というゲームをはっきりわかってもらえるのは、やはりすべての要素が集まった本編の後半辺りかなと思っています。そこはぜひ体験していただければと。

大山 
そうですね。探索に関しても、先ほどお話ししたカスタムモジュールはもちろん、ちょっとレアなアイテムが見つかったりもするので、その辺も含めてぜひ楽しんでいただければと思います。
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――後半はやれることが増えて一層おもしろくなりそうですね。話は変わりますが、非人間であるディアナが人間の文化活動を理解していく様子が興味深いと感じたのですが、本作の物語が持つテーマをひと言で表現するなら何でしょうか。

趙 
最初に考えたのは、アンドロイド少女と人間の邂逅により、お互い何を感じるかというところで、テーマ自体は“どこまでが人間、何を基準にして人間と呼べるのか”がありました。これは自分が好きなある漫画の中で出てきた問いかけでもあるんですけど、このふたりの関係性の中でそれを描きたいなと。

 ディアナはアンドロイドではありますが、彼女との出会いによってヒュー自身がどこまで友達、もしくは自分の娘のように感じて対応するのかを描こうと考えました。

――根本的に人間とはなんだろうか、あるいは人間の文化的活動とはなんだろうかみたいなところがメインに据えられているということでしょうか。

趙 
そうですね。何で作られたか、どこで生まれたか、(体が)何でできているのかが大事なんじゃなくて、どういう存在なのか、何を考えているのかが本当は大事なんだというのを描きたかったんです。

大山 
ヒューとディアナのセリフ量が多いという話をしましたが、ふたりの会話を通して、ヒューから普遍的な愛情みたいなものをディアナが学んでいく過程にもぜひ注目していただきたいですね。
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――ニューヨーク風都市の探索がすごく楽しかったです。マップデザインをする上で意識したポイントはありますか。

趙 
誰もが知っているニューヨークを舞台として設定したのですが、ニューヨークのまんまだとあまりおもしろくないですし、だからと言ってそこをSF施設にすると、どこにでもある平凡なマップになってしまいます。AIがプリンティングしたニューヨークシティという設定なので、どこかいびつな部分が欲しかったんですよね。

 ステージには逆さまになった道路や、プリンティングしきれていないタクシーを配置し、「ここはリアルじゃないな」と違和感を覚えるようにしました。そしてその中で、プレイヤー自身が知っている地球文化をほんの少しでも感じられたら、共感度とともにデザイン的なおもしろさも上がると考え、そういったデザインにしています。

――ゲーム中のファイルなどで、ニューヨーク以外にもマドリードやソウルといった都市の名前が都市再現計画みたいな感じで上がっていましたが、ほかにも実在モチーフのマップが登場するのでしょうか。

趙 
ニューヨークシティとは言っても、その中にはいろいろな文化が混在しているんですよ。ほかのステージも都市として限定しているわけではないですが、地球の違うどこかを再現して作っています。

――3Dプリンターのような生成物を使った歪さをロケーションに組み込んでいく中で、どのような工夫が行われたのでしょうか。

趙 
苦労したのは、そのいびつさは人間にとって見たことのない形状だという点です。見たことがない=ユニークということ。となると、人の心理としてそこに何か意味があるのではと思ってしまいますよね。つまり、いびつさによってゲーム的に何か意味があるのかなとプレイヤーは感じやすいので、そこはただの背景であると表現上でバランスを取るのが難しかったですね。

 現段階では、勘違いしない程度にプレイできるようになっているかなと思っています。

大山 
ステージのコンセプト的には、AIが作り上げたどこか違和感のある世界という感じ。地球にちなんだ見覚えのあるものがありつつ、どこかで生成がミスってタクシーが床にめり込んでいたり、壁からバスが生えていたりとか。そうした違和感や、AIが作ったがゆえに設定のズレがあるところが、ビジュアル的にもユニークな部分になっていると思います。

 ただ、AIが作り上げた設定ではありますが、当然ながら作っているのはチームの人間です。AIっぽさを出すための違和感の仕込みには、工夫を幾重にも重ねる必要があり、相当な時間がかかりました。
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――今回のニューヨークステージは、実際に探索してみると、その立体感と奥行に驚かされました。立体的なマップを作るうえで注意した部分はどこでしょうか。

趙 
敵を倒して移動してを繰り返しつつ進めていくステージクリアー型のゲームなので、やはりどうしても1本道感が強くなってしまいます。そこをマップを立体的にし、探索要素を追加することでカバーしています。

 ただ、歩きだけじゃなくてジャンプしたり、ときにスラスターを使ったりなどのアクションをさせつつ、自分で発見を楽しめるようなマップ作りは苦労しました。

大山 
立体的になるほどステージの構造が複雑になりがちで、迷いやすくなってしまう部分もありますので、レベルデザイン的な動線はかなり手を入れて作っています。

 たとえば、今回のニューヨークステージの範囲で言うと、アンロックするためのビーコンから赤い光が発せられるようにして、空中を見上げると、だいたいの目的地がわかる形にしています。それでも迷ってしまう人へのフォローとして、ディアナのスキャンでルートがわかる機能も入れているので、探索も楽しんでいただきつつ進められるバランスになっているかなと。

――試遊でのマップ探索中に『レジデントデビルIII』(※)という、どこか既視感のあるタイトルのポスターを見かけました。こういったイースターエッグ的なものも随所に散りばめられているのでしょうか。
※元ネタは『レジデントイービル』。『バイオハザード』の洋題のパロディ。
趙 
私個人が、イースターエッグがとても好きなんです。自分が好きなゲームには必ず何かおもしろいイースターエッグが入っている場合が多くて。『プラグマタ』でもイースターエッグをいっぱい仕込みたいと考え、チームからもネタを集めたのですが、そのひとつが『レジデントデビルIII』というわけです。ほかにもおもしろいイースターエッグが隠れているので、ぜひ楽しみにしていてください。

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