アニメーションをフル活用した作品群が魅力
PC-FXは、NECホームエレクトロニクスから発売された据え置き型ゲーム機。ハードの多彩なバリエーションで知られるPCエンジンシリーズの後継機で、デスクトップパソコンのような縦置きボディーが当時は非常に珍しく印象的だった。
登場したのは“次世代ゲーム機戦争”などと呼ばれていた時期で、1994年11月22日発売のセガサターンや同年12月3日発売のプレイステーションと同期。3Dグラフィックス表現が注目されていた時期となるが、本機は動画再生機能に秀でていたのが大きな特徴だった。
そのため、動画再生機能をフル活用した作品に力を入れる戦略を展開。ギャルゲー(美少女ゲーム)と言えばPC-FXといったような独自ラインアップは、当時も異彩を放っていたように思う。
ちょうどこのころにマスコットキャラクターとして“ロルフィー”が登場。キャラクターデザインをアニメ『美少女戦士セーラームーン』などで知られる只野和子さんが手掛けていたので覚えている人もいるんじゃないだろうか。
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ファンを魅了したのはやはりアニメーションを効果的に使ったタイトルになるだろう。『キューティーハニーFX』や『虚空漂流ニルゲンツ』などのオリジナル作品のほか、他機種からの移植版『デア ラングッサーFX』や『パワードールFX』などにもふんだんにアニメシーンが使われていた。
変わり種として印象深いのはローンチタイトルでもある『バトルヒート』。対戦型格闘ゲームでありながら、キャラクターの動きをセルアニメーションで表現していたのが画期的だったと思う。同様に『全日本女子プロレス Queen of Queen』では実写映像で実在の選手たちが戦っていてすごかったし、ほかに『天外魔境 電脳絡繰格闘伝』といったタイトルも同じシステムを用いていた。
当時のギャルゲー代表作『卒業II ~Neo Generation~』もあったし、18歳以上推奨や18歳未満禁止のソフトも多数発売されていてそれらも大きな魅力だった覚えがある。『同級生2』、『スーパーリアル麻雀 PV-FX』、『きゃんきゃんバニーエクストラDX』、『ドラゴンナイト4』など、枚挙にいとまがない。
意外にも女性向け恋愛ゲーム『アンジェリーク』シリーズも多数発売されていて、『アンジェリークSpecial2』以降の新作タイトルは、最初にPC-FXで発売されてから他機種に移植されていたというから驚きだ。
ディスクマガジンとして『アニメフリークFX』シリーズが定期的に発売されていたため、毎回購入していたアニメファンもいたはず。ディスクマガジンというのは、名前の通りフロッピーディスクや光ディスクで供給されていた雑誌、あるいは雑誌形式を取った作品のこと。
おもにPC用だったので家庭用ゲーム機専門のユーザーにはなじみが薄いかもしれない。筆者もファミコン ディスクシステム用『謎のマガジンディスク ナゾラーランド』くらいしか覚えがない。
『アニメフリークFX』は当時流行っていたテレビアニメや声優を特集。動画をたっぷり使用してテレビ番組のように楽しむことができた。ミニゲームを収録していたり、新作のプロモーションなども観られたりするなど、盛りだくさんの内容だったようだ。
ちなみに、PC-FXのローンチタイトルは3本。前述の『卒業II ~Neo Generation~』、『バトルヒート』のほか、『TEAM INNOCENT -The Point of No Return-』が発売されていた。独自路線で健闘してきたものの、1998年4月27日発売の『ファーストKiss☆物語』を最後にNECホームエレクトロニクスはPC-FXから撤退することとなった。


















