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『配信少女ノ裏垢迷宮』プロデューサーインタビュー。『まのさば』のAcacia×G-MODEによる新作は"ふつうだったら怖くてできないようなこと"にチャレンジした挑戦作

byありみち

byおしょう

『配信少女ノ裏垢迷宮』プロデューサーインタビュー。『まのさば』のAcacia×G-MODEによる新作は"ふつうだったら怖くてできないようなこと"にチャレンジした挑戦作
 ジー・モードと『魔法少女ノ魔女裁判』のAcacia(アカシア)との共同プロジェクトとして、2026年にPC(Steam)とNintendo Switchで発売予定のノベルRPG『配信少女ノ裏垢迷宮』。

 本作では、SNSで人気のガールズバンド“ラグドロップス”のメンバーたちが、炎上をきっかけにして、SNSの闇が具現化した異界“裏U”へと引きずり込まれる物語が描かれる。そして具現化した裏アカウントのダンジョンを探索するパートと、そのダンジョンが誰の裏アカウントなのかを推理するアドベンチャーパートで構成されるのが特徴だ。
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 そんな本作について、本作のダブルプロデューサーである畑俊行氏と東風輪敬久氏にインタビュー。まだまだ謎の多い物語とゲーム内容について、可能な限りその詳細をうかがった。
※本インタビューは週刊ファミ通2025年11月13日号(No.1921/2025年10月30日発売)に掲載された記事をもとに、一部加筆したものです。

畑 俊行はた としゆき

合同会社Re,AER(レ・アエル)の代表を務める。Acaciaブランドの代表として『魔法少女ノ魔女裁判』に続き、本作でもプロデューサーを担当(文中は畑)。

東風輪 敬久こちわ のりひさ

アイデアファクトリーで数々の作品を制作し、後にコンパイルハートの社長を経て退社。2024年にRe,AERに参加し、畑氏と本作のプロデュースを手掛ける(文中は東風輪)。

『魔法少女ノ魔女裁判』よりも深い“闇”

――まずは、畑さんと東風輪さんが本作『配信少女ノ裏垢迷宮』にどのような携わり方をしているかお聞かせください。

 どちらもプロデューサーですね。

東風輪
 私と畑さんは作品に対して目指しているところが一致しており、同じ方向を向いていることもあって、ダブルプロデューサー体制で本作を制作しています。どちらかというと僕が対外的なプロデューサーで、畑さんがよりクリエイティブな部分を担当しているプロデューサー、といった感じでしょうか。

――本作の企画はいつ、どのようにスタートしたのでしょうか。

東風輪
 私は『魔法少女ノ魔女裁判』がクラウドファンディングを実施したことをきっかけにAcaciaの存在を知って参加したのですが、すでにそのころから畑さんたちと「次回作はどうする?」と企画を練っていました。そのとき「SNSや裏アカをテーマにしたらどうか」という案が出たのですが、それって畑さんの発案でしたっけ?

 そうですね。その後、うちのシナリオライターの喜多(喜多南氏)がその案をブラッシュアップして形にしてくれました。

――そうして開発が決まった時点から、ジー・モードさんをパブリッシャーとして選ぶことが決まっていたのでしょうか? こちらの経緯もお聞かせください。

東風輪
 私がもともと付き合いのあった会社さんに本作の企画のプレゼンをしていくなかで、出会った形になります。ジー・モードさんはインディーゲームを数多くパブリッシングされている会社さんですし、Acaciaのやりたいことをリスペクトしてくださるので、すぐにタッグを組むことに決めました。時期としては1年前くらいの話です。

――本作にも『魔法少女ノ魔女裁判』と同じくタイトルに“少女ノ”と入っていますが、2作品の関わりはどの程度あるのでしょう。

東風輪
 物語としては、まったく独立した立ち位置になります。Acaciaブランドで“少女ノ”というキーワードが入る作品は、いずれも少女たちがたいへんな目に遭う……そんな共通イメージだと思っていただければ。もうひとつの新作である『魔法少女ノ因習村』のほうが、『魔法少女ノ魔女裁判』の空気感に近いかもしれません。

――Acaciaの第1弾タイトル『魔法少女ノ魔女裁判』が現在大ヒット中ですが、その影響は本作にもなんらかの形で及んでいるのでしょうか。

東風輪
 『配信少女ノ裏垢迷宮』を作り始めたのは『魔法少女ノ魔女裁判』の発売前のことですし、影響と言えるほどのものはないように思います。

 ほとんど影響はないですが、「『魔法少女ノ魔女裁判』を好きになってくれた人が楽しめるような要素は入れよう」とは考えています。

東風輪
 ですから基本的には“病みカワイイ”女の子たちが好きな層に刺さってほしいと思いながら作っています。また『魔法少女ノ魔女裁判』には女性のお客さんも非常に多いのですが、ぜひ本作でもプレイしていただき少女たちに感情移入して、その魅力にどっぷり浸かってもらいたいですね。

――物語におけるテーマについてもお聞かせください。

 本作は、『魔法少女ノ魔女裁判』で描かれた“闇”や“トラウマ”の部分に、よりフォーカスする形になっています。コンセプトとしてはSNSをテーマにしているので、『魔法少女ノ魔女裁判』とは違った表現が多々あるかと思います。

東風輪
 裏アカウント、通称“裏アカ”がダンジョンになって、そこに引きずり込まれる話ですからね。ですからダンジョン内を歩いていると、コメントが浮かんできたり……。

――裏アカだけに、やはり辛辣なコメントですか?

 はい。みなさんがどこかで1回は見たことがあるような、イヤなコメントが山のように出てきます。

東風輪
 ダンジョンを歩いているうちに、見たくなくても目に入っちゃうような作りになっています。

――ちなみに物語における本作の主人公は、誰になるのでしょうか。重要人物としては灯野ネオンかと思いますが……?

 ネオンは重要なキャラクターではありますが、プレイヤーが基本的に操作するのは彩家リイルになるかなと思います。
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――『魔法少女ノ魔女裁判』でも個性豊かな少女たちが出てきましたが、リイルをはじめ、本作の少女たちもかなり個性が強そうです。

 そうですね。しかも本作のほうが、より“闇”が深いんじゃないでしょうか。というのも、『魔法少女ノ魔女裁判』の登場人物は15歳くらいの女の子なわけですが、そのくらいの年齢のトラウマって、家族のことだったり友だちのことだったり、“家と学校”という狭いコミュニティ範囲で発生するものがほとんどだと思います。でも『配信少女ノ裏垢迷宮』に登場する女の子たちはだいたい17~18歳くらいなので、もうちょっと活動範囲が広い。SNSもやっていますしね。なので、抱えている闇にも違いが出てきます。

――なるほど。しかもそんな彼女たちがバンドメンバーである、という点も興味深いです。バンドということは、音楽を絡めた要素もあるのでしょうか?

東風輪
 じつは、ゲームシステムにも音楽が関わってきます。詳細はまだ言えないのですが、ダンジョンを攻略するのに重要な要素となります。

本作で描かれる二階堂ヒロは“とある未来の姿”

――本作のキャラクターデザインも、『魔法少女ノ魔女裁判』と同じく梅まろさんが担当されています。開発にあたって、前作とは異なるリクエストをした部分がありましたら教えてください。

 『魔法少女ノ魔女裁判』とは扱う話もテーマも違うので、そのあたりは差別化して描いてもらうようにお願いしました。

東風輪
 ほかにも衣装に関しては、ステージ衣装としてライブステージでも映えるようなものをお願いしました。

――そんな少女たちについて、ここからはキャラクターごとにコメントをいただければと思います。

灯野ネオン(声:有世華望)

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ガールズバンド・ラグドロップスのボーカル担当。強気な姿勢と独特なセンスで、絶大な支持を得るカリスマ歌姫。
東風輪
 ネオンに関してはキャラクターデザインを考えるときに、まずは「バンドのセンターを張れて、とびきりかわいいお気に入りの女の子を作ろう」と思って初期案を提出したんです。そうしたら、もうつぎの日には(シナリオで)闇のカリスマとなって戻ってきたという(笑)。ゲーム内で彼女の歌は楽しめますので、ぜひ聴いてもらいたいですね。かなり苦労してレコーディングしましたし、歌自体におもしろい仕掛けもあります。

 あとは……ノーコメントとさせてください。

彩家リイル(声:星咲花那)

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ラグドロップスのギターを担当。自殺が趣味の、明るくハツラツとした性格。必要とされるのが救いで、頼られると喜ぶ。灯野ネオン、一ノ瀬カイリとは幼なじみ。
東風輪
 リイルがギターボーカルとしてバンドのメインに立っている状態です。あと、とてつもなく“死にたがり”の女の子ですね。

 裏アカウント=少女たちの心の闇を描いた作品として、例にもれずリイルの抱えているトラウマ、心の闇はとてつもなく大きいです。

一ノ瀬カイリ(声:日向まどか)

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ラグドロップスのギターを担当。強い女を自称する少女。極めて小柄。とても攻撃的な口調で他人に当たるが、虚弱体質で声も小さい。ライブ後には必ず倒れてしまう。
 この子はみなさんにかわいがってもらえるキャラクターになるんじゃないかと思います。口調は強いのですが声は小さいし、態度は大きいけど虚弱体質で、ライブ後は必ず倒れてしまう子です。もともとは小さい女の子が中指を立てていたらかわいいだろうな、という着眼点から生まれた子ですね。

狭間ナギ(声:福積沙耶)

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ラグドロップスのベースを担当。いつも逆張りをする天邪鬼なボクっ娘。つねに他人を観察しており、言葉のチョイスが皮肉っぽい。「ボク、感情ないんで」が口癖。
 この子は“自称”サイコパスのボクっ娘です。クールキャラなのですが痛々しくて、でも彼女なりのドラマもあるので、ぜひ楽しみにしていてください。

神楽クロア(声:小茅 楓)

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ラグドロップスのドラムを担当。やさしい性格で感動しやすい。つねに【天使さま】というぬいぐるみを持っており、そこから【天使さまの声】が聞こえるらしい。
 “天使さま”というぬいぐるみをつねに持っていて、その天使さまからつねに声が聞こえているという女の子です。女の子の心の闇を描いた、と言いつつ、クロアはけっこう“善性”の子ですね。なお、ストーリーの途中でキャラクターへの印象が180度変わって、最後には1周回って戻ってくる、みたいな仕掛けになるようにしているので、楽しんでいただければと思います。

水無月メイカ(声:柊 優花)

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ラグドロップスのキーボードを担当。明るく華やかなトレンドリーダー。【いいね】異存で毎日スマホを4台以上持ち歩き、たくさんのアカウントを演じ分けている。
 「かわいくてキラキラした女子の中にあるどす黒いものってなんだろう?」という疑問を突き詰めていって生まれた子です。キラキラしたものが、もしすべて演技だったら? とキャラクター像を固めていきました。

二階堂ヒロ(声:東雲はる)

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【裏U】を案内する、正義感の強い少女。かつてとても恐ろしい出来事に巻き込まれたらしい。正義、自殺、いじめなどのワードに反応し、時折苦々しげにする。
――『魔法少女ノ魔女裁判』の二階堂ヒロも登場人物として発表されていますが、彼女は同一人物ですか? 先ほど、2作品は独立した話であるとお伺いしましたが……。

 彼女は“とある未来の姿”、とだけ言っておきます。いまのところ公開できる情報はこれくらいですね。ヒロはバンドメンバーの少女たちをあらゆる面で導き、サポートしてくれる存在です。
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“ふつうだったら怖くてできないようなこと”に挑戦

――本作はジャンルがノベルRPGとなりますが、原作創造ブランドであるAcaciaとして、今回RPGに挑戦した理由についてお聞かせください。

東風輪
 いまは全国各地でインディーゲームの祭典なども開催されていますが、なかでも人気なのはやっぱりRPGです。ですからもともとAcaciaとしてチャレンジしたい気持ちはありました。でも、AAAタイトルのようなRPG作品を作りたいというよりは、インディーゲームだからこそ、そしてAcaciaだからこそ作れるRPGを目指して作っているつもりです。

 ジャンルは違えど、原作屋としてストーリーを重視している、という点はどの作品も変わりないですね。

――RPG的要素としては、やはりダンジョンを探索するという点でしょうか。

 そうですね。女の子たちの裏アカウントがダンジョンになっていて、そこに引きずり込まれるので脱出しよう! という流れになります。

東風輪
 草案時点では『ウィザードリィ』タイプのダンジョンRPGを考えていたのですが、そこからだいぶ修正が入りました。ふだんあまりRPGを遊ばないユーザーにも配慮して遊びやすく作っていますので、世界観やキャラクターに惹かれたら、ぜひ遊んでみてほしいです。

 また、先ほどもすこし触れたのですが、このダンジョン部分に音楽要素も関わってきますので、楽しみにしていてください。
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――作品のボリュームとしては、どのくらいになりそうでしょうか?

東風輪
 まだ通しでテストプレイしているわけではないので、正確なプレイ時間はわかりません。ただ、企画当初よりはボリュームが増えていると思います。

――『魔法少女ノ魔女裁判』もそうでしたが、AcaciaはSNSでのプロモーションに力を入れているイメージがあります。ましてや、本作はテーマ自体がまさにSNSということで、なにかSNSを使った仕掛けなども予定されているのでしょうか。

 はい。ちょっと怒られそうというか、炎上するかもしれない何かをやる予定です。その挑戦をするのもAcaciaらしさだと思っていますので、ぜひ楽しみにしていただければ。

――かなり気になります……! では最後に、今回の発表で期待が膨らむAcaciaファンにメッセージをお願いします。

東風輪
 『魔法少女ノ魔女裁判』プレイしていただいたお客さんにとっては、またちょっと違ったゲームシステムとキャラクター、世界観を楽しめると思いますので、ぜひ遊んでほしいですね。そして、その“違うこと”に対してストレスがかからないような作りかたをしているので、「RPGはちょっといいかな……」という方にも楽しんでいただけると思います。ぜひ期待してお待ちください。

 先ほどのSNSプロモーションの話もそうなのですが、“ふつうだったら怖くてできないようなこと”にたくさんチャレンジしているので、楽しみにお待ちいただければと思います。Acaciaがやりたいこと、Acaciaだからこそできること、そしてお客さんが求めるものがギリギリ交わる作品をこれからも作っていくつもりです。

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