
本作の発表に先駆けて、Playground GamesのアートディレクターであるDon Arceta(ドン・アルセタ)氏インタビューを実施。ファン、そして開発チームとしても念願だったという舞台・日本への思いや、日本文化をリアルに描くために重ねたリサーチやこだわりについて聞いた。
Don Arceta氏(ドン・アルセタ)
Playground Games。『Forza Horizon 6』アートディレクター
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奥深い日本の文化を、音にもこだわりながら表現
ふたつ目は、今回が日本を選ぶにふさわしいタイミングではないかと考えたからです。シリーズを通じて、私たちは舞台となる国の文化的要素までとことん作り込んでおり、その規模もシリーズを重ねるにつれて大きくなっています。ノウハウも積み重ねてきましたので、いまこそ文化的な魅力が多彩に存在する日本を舞台として取り上げる絶好の機会なのではないかと考えました。
3つ目は、開発力の向上です。我々の追い求める日本を再現するためには、高いレベルの開発力が必要です。歴代作の開発を通じて、我々の技術も向上しましたので、このタイミングがふさわしいと感じました。
この3つの理由により、ファンの皆さんはもちろん、我々にとっても夢であったロケーション、日本を舞台として選択することができました。
――ファンの皆さんはもちろん、開発の皆さんも日本を取り上げたかったと。それだけ、開発チームの日本への思いも大きかったのでしょうか?
――リサーチを通じて、新たに気づいた日本の魅力や、そこからゲームに盛り込もうと考えた要素などがあればお聞かせください。
というのも、開発チームには、僕を含めて、日本に接点を持っているメンバーが多いです。たとえば、ゲームや映画、アニメ、マンガ……。日本のポップカルチャーに魅了されたメンバーが多数在籍しています。ですので、それぞれが考える日本の魅力をもとに、それぞれがリサーチを行った結果、その規模もとても大きくなりました。
初めてのリサーチを行ったのは東京でしたが、実際に東京で過ごして初めて気づくこともありました。世界有数の大都市では、たいていネオンが煌めいて、交通量、人の量も多く、それに付随するたくさんの環境音が耳に入ってきて、それはそれで魅力的ですが、それがノイズとして存在しているとも感じていました。
ですが、東京で過ごしたときには、そうした大都市ならではの光景と同じぐらい、平穏な景色も存在していました。東京では、観光客が訪れる場所から一歩外れた街並みも観察しましたが、落ち着いた、静謐な時間が流れていて。それが僕たちにとって驚きでした。それをどのようにゲームの中に落とし込むかにもこだわっていまして、チームとしてたくさん話し合いながら開発しています。
――日本では四季の文化がありますが、そうした四季それぞれの景色や音なども楽しめたりするのでしょうか?
――たとえば夏ですと、花火が上がる夏祭りのような、各季節で楽しめるお祭りの要素を、景色や音とともに楽しめるのですね。
日本の奥深い文化というのはもっとも魅力的な点です。それらをどれだけゲームに取り込むことができるか、という点は楽しくもあり、チャレンジングな点でもあると制作を通じていま感じているところです。
――四季に応じたロケーションを体験できるのはとても楽しみです。日本では、東京はもちろん、各所で歴史的な建造物が存在していますが、それらも合わせて楽しめるのでしょうか?
東京でも、未来的な都市とモダンな建築が混在した味わい深いロケーションが楽しめますし、各都市でそのような光景が存在していることもリサーチ早期から理解できました。
ですので、本作でも、そうした対照的な景色を再現した、ワンパターンとならないさまざまなロケーションをご用意させていただきます。
なお、改めてにはなりますが、『Forza Horizon』シリーズでは毎回、舞台となる国のすばらしいロケーションを厳選してお届けすることを心掛けています。その国のグレイテスト・ヒッツだとも捉えています。
しかしながら、日本は選び抜くのも難しい、美しい環境、興味深いロケーションが数多く存在しています。そのすべてをカバーしきれるのかは不安ではありますが(笑)、我々が感じる日本のグレイテスト・ヒッツをとことん追求するつもりです。
――『5』はメキシコを舞台にした大ボリュームな作品で、現在も多くのファンの方々が楽しまれていますが、『6』も、『5』に負けないボリュームとなっているのでしょうか?
また、『5』で得た技術的な知見を、十分に開発チームで共有できましたので、それをもとに『6』では存分に日本の魅力を表現できると感じております。
とはいえ、先ほども申し上げました通り、日本の四季の変化を余すことなく表現することは、簡単なことではありません。ただ、チャレンジングな開発の中でも、細部までこだわることは我々のモットーとして存在しています。
ですので、自分たちへの挑戦状として受け止め、高い目標ながらも着実に積み上げて、日本のよさを表現できるように開発しています。その中で、起伏の激しい、さまざまな環境でのレースをお楽しみいただけることを目指しています。
――それでは最後に、日本のファンに向けてメッセージをお願いします。
ロケーションとしては、皆さんが親しんだ街並みが出てくると思いますが、その中で、『Forza Horizon』なりのひねりを加えた体験もご提供できるかと思います。
そして、『Forza Horizon』シリーズでは共通して、ゲームの中で舞台となる国へお連れして、その国の文化を楽しんでいただくことをテーマにしています。現在の日本はたくさん海外から観光客が訪れていると思いますが、日本を観光したいけどまだそれが叶わない方もたくさんいらっしゃると思います。そんな方々に向けて、バーチャルの空間ではありますが、少しでも日本の魅力をお届けできれば、という思いもモチベーションとして存在していますので、日本を含め、世界中のファンに楽しんでいただけれたらと思います。
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