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『仁王3』インタビュー。体験版の感想をもとに多数のシステムを改善。TGS試遊版のポイントや卑弥呼役の土屋太鳳&国松役の本郷奏多とのエピソードなどを訊く【TGS2025】

by西川くん

『仁王3』インタビュー。体験版の感想をもとに多数のシステムを改善。TGS試遊版のポイントや卑弥呼役の土屋太鳳&国松役の本郷奏多とのエピソードなどを訊く【TGS2025】
 2026年2月6日に発売を予定している、コーエーテクモゲームスのダーク戦国アクションRPG『仁王3』。対応ハードはプレイステーション5(PS5)、PC(Steam)で、開発はTeam NINJAが務めている。

 本記事では新たに公開された情報と、2025年9月25日~28日の4日間、千葉・幕張メッセにて開催される“東京ゲームショウ2025”(TGS2025/25日、26日はビジネスデイ)での出展に合わせて、開発陣へのインタビューをお届け。

 本作の発表からのファンの反響や、公開されたストーリー情報、そしてTGS2025会場で遊べる試遊版について詳しく訊いた。
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安田文彦 氏やすだ ふみひこ

『仁王3』ゼネラルプロデューサー。『仁王』ではディレクター、『仁王2』ではプロデューサー&ディレクターを務めた。Team NINJAブランド長。(文中は安田)

柴田剛平 氏しばた こうへい

『仁王3』プロデューサー。『仁王』、『仁王2』では、プロジェクトマネジャーを務めた。(文中は柴田)

ユーザーからの声を受けて

――『仁王3』の発表と同時にα体験版の配信もありました。ファンの皆さんも驚かれていたと思いますが、その反響をどう受けとめていますか?

安田
 発表と同時に体験版も配信することは、シリーズ作品として初めての試みだったので「どうなるだろうか」と心配だった部分もあります。2020年に発売した『仁王2』から約5年経ちましたが、その間にシリーズ作品として新たな展開を望む声もいただいていました。α体験版を通しても非常にいい反応をいただけたので、その期待の声に応えられたのかなと思っています。

――『仁王3』はリニアなステージ攻略型から、オープンフィールドになったことが特徴ですが、この変更についてはどのような反応がありましたか?

安田
 これまでのシリーズの魅力はそのままに、オープンフィールドになったステージを楽しめることを目標にしていますが、それを言葉で説明するだけでは伝わりにくいだろうと思った側面もあって、今回、初出と合わせてα体験版をご用意しました。

 これまで通りの方式のほうがよかったと、もしかしたら受け入れてもらえないかもしれない不安も少しだけあったのですが、予想以上にポジティブな反応をいただけました。基本的にはオープンフィールドになったことについてマイナス方面の意見はほとんどなかったです。

 ただ、もうひとつ新たに取り入れた“サムライスタイル”と“ニンジャスタイル”の使い分けですとか、アクション面でこれまで変えてきた部分については、いろいろと手きびしいご意見をいただいた印象です。全体的にまとめると「変えたことによっておもしろさが増したわけではない」といった意見が多かったので、そこを現在ブラッシュアップしています。今回のTGS2025版のバージョンでも、改善した要素がたくさん入っています。
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――実際にじっくりと体験してみると、オープンフィールドではあるのですが、要所要所でステージ攻略要素が挟まっていて、プレイ感覚はこれまで通りだったので驚きました。
安田
 まさに狙い通りといったところでそう言っていただけてよかったです。本作も『仁王』シリーズらしい難所は用意していますが、これまでは、もしそこで足が止まってしまった場合、突破するまで何度も難所に挑むか、それともその道中で何度も敵を倒してキャラクターを成長させる……といった攻略方法になったかと思います。本作は難所でつまづいても別の場所にアプローチできます。

 難所やボス戦を突破して達成感を味わってもらうことは、シリーズ作品としても非常に重要なポイントです。歯応えはありつつも、今回は同じ戦いを突破できるまで何度も何度も挑まなくてもいい作りになっているので、そういった部分での“死にゲー”らしさはいい意味で薄まったのかなと。もちろんステージのボスなどは何度も挑むことになると思いますが。
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――バトルアクションついて残った課題とは具体的にはどのような点になるのでしょうか?
安田
 いくつかありますが、まず操作まわりですね。シリーズ作品をこれまで何百時間と遊んできた方々にとっては、これまであった同じようなシステムが、仕組みやボタン配置が少し違うといったところで遊びにくいといったご意見がありました。キーアサインを整理しつつ、オプション設定も拡張したので『仁王2』に近いボタン配置で遊べるようになりました。

 また、サムライスタイルはこれまで通りの要素です。新たに加わるニンジャスタイルは、全体的には好評だったと思っています。ただ、細かい部分でまだまだ調整が足りずに遊びにくさが残っているといった意見もあったので、ニンジャスタイルもより磨いている段階です。

 あとは、たとえば構え変更がスキル解放式になったことで、「前作にあったものがない!」と最初戸惑われた部分もあるかと思います。RPG部分も隅々までチェックしないと気づかない点ではありますし、かと言って『仁王』シリーズは、システムを隅々まで使いこなさないと攻略できないゲームではありません。すべての要素を使いこなして戦う楽しさと同じくらい、一部の要素だけでも戦えることもシリーズの魅力だと思っているので、そこのチュートリアル部分などはより充実させています。

――サムライとニンジャ、どちら片方が強すぎるとスタイルチェンジ(正式名は転心)の意味がないので、バランス調整には苦労されたと以前のインタビューでお聞きしました。体験版での反応はいかがでしたか?

安田
 サムライが強い、ニンジャが強いといった意見がちょうど半々くらいだったんです。先ほどのお話にあったように「どんなスタイルでも戦える」のがシリーズの魅力だと思いますので、今回立てた大きな2本の柱が、ちょうど半々の意見に割れたことはいいことだと考えています。

 ニンジャスタイルは新しい要素で、サムライスタイルも新たに武技に関連した“技研ぎ”などを追加しています。新しく追加したものについては、全体的にポジティブな意見が多かったのもうれしかったですね。ただ、これまであったものを変えた点については、先ほどのお話にあったように多くご指摘をいただきました。
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――予想外だった意見や反応はあったりしましたか?
柴田
 先ほどの構えをスキルで解放するシステムについてですが、従来のプレイヤーたちからは予想以上に好評でした。「最初からすぐ使わせてほしい」と言われてしまうかな、とも予想していたのですが「これなら『仁王』シリーズに初めて触れた人にも戦闘システムがわかりやすい!」と、初心者プレイヤーたちのことを考えてくださる意見が多くてとてもありがたかったです。

α体験版からの変更点

――α体験版から、TGS2025版バージョンになりさまざまな変更点があります。その調整意図などについてうかがいますが、大きなところではスタイルごとに武器を2種持てるようになりましたよね。

柴田
 スタイルが変わっても、これまで通り武器を2種装備して戦いたい、という意見として多く貰っていた部分です。我々としてはスタイルチェンジによって武器も変わるようになったため、スタイルもあるのに武器も2種装備できると、プレイヤーにとっては複雑すぎるのではと心配していました。

 意図的に装備は1種に止めていた要素なのですが、「サムライスタイルだけで遊びたい」といったプレイヤーには窮屈に感じられてしまう部分で、かつバトルに慣れている人にとっても「これまでのように武器を使い分けたい」といった声もありました。だったら、武器を切り換えもあったらいいだろうと、改めて採用し直しました。

――さらにα体験版では使えなかった、新たな武器サムライスタイルの“二刀”と、ニンジャスタイルのトンファー型武器“旋棍”が登場します。いずれも過去作から登場していますが、それぞれどのような味付けにしているのでしょうか。

柴田
 二刀はこれまでの『仁王』シリーズとだいたい同じです。“技研ぎ”と絡めてより手数の多い攻撃がくり出せると思うので、ぜひ使ってみてください。

 “旋棍”も以前からありましたが、今回はニンジャが使用する武器として、新たな動きを取り入れています。よりニンジャにマッチした、素早くてカッコイイアクションをくり出せます。

――サムライスタイルの“二刀”があり、ニンジャスタイルは“忍二刀”と、いずれも二刀ですよね。どのように個性分けをしたのでしょうか。

柴田
 二刀はサムライの“二刀流”を意識したもので、素早い剣戟もテクニカルな動きもできる、2本の刀を持っているからこそくり出せるような、時代劇の二刀流を味わえるような武器です。基本はこれまでと同じような個性を付けています。

 一方で忍二刀は、片方の刀は逆手持ちで扱う武器でニンジャらしいスピーディーな攻撃を得意としています。忍二刀は2本の刀だからこそくり出せる技というよりは、ニンジャらしさを表現するために刀を2本にしています。武器の特性だけではなく、アクションの見た目の魅力も際立たせました。

――なるほど。また、先ほどもお話にありましたが、これまでの操作方法にも対応しています。これは具体的には、オプションのボタン設定に、新しく“タイプE”という『仁王2』と同じような操作方法を用意したんですよね?

柴田
 そうなります。α体験版までは、『仁王3』に最適だと思うボタン配置だけを用意していました。『仁王2』と本作は異なるシステムもあり、スタイルチェンジはワンボタンでできるようにこだわりました。

 そのなかで、どうしても過去作のような操作で遊べない点が出てきてしまい、不満としての声を少なからずいただいていました。『仁王3』らしい操作形態で遊びたい人もいますから、そこは選択できるようにオプション設定を増やす形にしました。
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――細かい部分ですが、『仁王3』はスタイルチェンジである“転心”がカウンターアクションの“大技返し”にも紐づく、合体したシステムでした。『仁王2』は敵の大技に“特技”でカウンターするといったシステムだったので、ちょっとシステムが違いますよね。今回のバージョンでは“転心”と“大技返し”を個別にくり出せるようになっています。
柴田
 ワンボタンでカウンターアクションをくり出せること自体は、とても好評でした。ただ、必ずスタイルチェンジしなくてはならないように見える側面もあります。また、やや窮屈なシステムに感じられてしまう方もいたので、アクションとして転心と大技返しを使いわけられるようにしました。

 なお、α体験版にも同じような仕様は入っていて、スタイルチェンジせずに大技返しをするスキルがありました。概念的な話で伝わりにくいかもしれませんが、この要素はスキルというよりシステムの仕様に近い要素でした。プレイヤーの好きに遊べる、操作性と自由度をより広げるという意味では、スキルではなくオプションにすべきだと思い、改めて変更しています。

――全体的に感じたのは、これまで以上に“遊びやすさ”を重視しているなということでした。過去作にはやや理不尽であったり、システム的に困難な作りになっている場合もありましたが、今回はとくに“遊びにくいから難しい”といった作りにはしたくないんだろうなと。

柴田
 やはり、理不尽であることは極力排除したいと考えています。プレイヤーが反応できないような攻撃をくり出してきたり、対処しきれないようなアクションはできるだけ採用しないようにしています。

 「なんとか対処できそうだ」と少しでも思っていただかないと、再チャレンジする意欲につながらないですし、それを突破したときの達成感こそが、楽しさだと思います。ですので、難度の高さや歯応えは別のところで付けるようにしています。

 α体験版でも「難しい、倒せなかった」といった声は多少ありますが、「難しすぎてこんなのクリアーできない」みたいな強い反応はあまりなかったので、そこは遊びやすさを優先しているおかげなのかな、と思っています。

――遊びやすさ、骨太な難度、スタイルチェンジ要素によってさらに広がったアクションの幅と、多彩な要素が入り組んで、やはりバランス調整はたいへんそうだなと感じていました。

安田
 これまで積み重ねて、シリーズで拡張してきたシステムもたくさんありますが、複雑な操作を必ずしも必要としないシリーズでもあると思っています。そこは、“すべてを使いこなす必要はない”という魅力を大事にしているからです。

 アクションゲームではありますが、装備やレベルアップなどのRPG要素も豊富です。純粋な自分の反射神経や技量だけが試されるゲームではありませんので、操作自体はシンプルであること、そしてビルドによる多彩な遊びかたに対応できる土台を用意することが『仁王』シリーズだと思っています。

 もちろん我々としてはたくさんのアクションを作っていますから、いろいろ使いこなして遊んでいただきたいとは思っています。ですが、苦手な方はひとつの武器や特定の武技を使い続けるだけでもしっかりクリアーできるバランスにすることはこれからも続けていきたいです。

――今回の試遊版で、細かい部分でとくにここを注目して遊んでほしいといったポイントはあったりしますか?

安田
 「武技が使いにくい」といった意見も多かったので、そこの使いやすさはブラッシュアップしているつもりです。また、今回体験できる範囲では、敵種は絞られているものの、評判の悪かった蜂や野槌のような敵は歯応えを残しつつも戦いやすく変更しています。

 ぜひ実際に会場で体験してと思っていますが、もちろん簡単に攻略できるようにはなっていませんので、いろいろと試しながら遊んでみてほしいです。
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――今回の試遊版は2種のモードを試遊でき、通常難度ですとオープンフィールドの探索が楽しめます。高難度版はボスとの戦いとなりますが、そこは時間の都合もあり切り分ける形になったのでしょうか。
柴田
 そうですね。どちらもぜひ体験してもらいたい気持ちはありますが、オープンフィールドでの探索と強敵との戦いは、どうしても時間内にすべてを体験しきることは難しいですから。基本的にはオープンフィールドでの新たな遊びを体験してほしいですが、やはり『仁王』シリーズは強敵との戦いも大きな魅力です。

 そこは、試遊される方々が自由に選べるようにしました。高難度版はクリアーすると先着でTシャツもプレゼントいたしますので、腕前に自信のある方はぜひチャレンジしてみてください。
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時代を超えた物語

――今回、『仁王3』のストーリーが発表されました。前作でも時代を超えた物語を描いていましたが、あくまで追加エピソードでしたよね。今回は本編全体が時代を超えた戦いになるようですが、なぜそうしたのでしょうか?

安田
 シリーズ作品の物語として目指しているのは、歴史ロマンあふれるストーリーです。今回は“将軍”をフィーチャーした物語になっていますが、史実でも竹千代と国松に関しては謎に包まれている部分があります。そこを『仁王』シリーズらしい解釈で描こう、と考えました。

柴田
 そして歴史の裏でじつはこんなことが起きていた、といったシリーズ作品らしい要素はもちろん用意しつつも、今回はもう一歩新しい描きかたにチャレンジしてみたかったんです。いままでは特定の時代にフォーカスした物語を本編で描いてきましたが、今回は物語のなかで時代を超えていきます。歴史の裏を描くだけではない、これまでにない切り口の物語を描けるだろうと考えました。
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――『仁王2』はダウンロードコンテンツで時代を超えていたので、あくまで追加エピソードでまとまっていた外伝といった感じでしたよね。
安田
 『仁王2』のダウンロードコンテンツは、主人公の持つ刀・ソハヤマルにまつわる物語をいくつかの時代を舞台に描きました。舞台となる時代は史実をベースにはしていますが、歴史のダイジェストのような描きかたになっていました。今回はそこをよりドラマティックに、深く描いています。

 また、物語もそうですが、ステージごとに大きな変化があります。これまで戦国時代を基本的には描いてきましたが、見た目の違いはあれど、時代は同じなので変化が伝わりにくい部分もありました。とくに海外プレイヤーからの意見ですね。

 『仁王2』では平安時代に行くことがありましたが、海外の方々にとっては平安時代と戦国時代の違いが伝わりにくく「戦国時代のステージバリエーションと変わらない」といった意見もありました。ですが今回はオープンフィールドになったことで、時代ごとの雰囲気を描きつつも、バリエーション豊かなステージ構成にできたと思います。
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――確かに遊ばせていただいた範囲でも、本作では平安時代の見た目はガラリと変わりましたね。戦国時代はザ・戦国といった見た目だったので、よりメリハリができたと言いますか。
安田
 もう何度も戦国時代のステージを作ってきたので味がしなくなってないか心配ですが(笑)。ただ、やはりダークな戦国時代は、『仁王』が最初から掲げてきた世界観ですので、『仁王』シリーズに通底する魅力になっているのかな、と感じています。
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――そういった意味では、体験版で地獄を祓うとフィールドに青空が広がっていたのも印象的でした。
安田
 『仁王』シリーズは、夜か暗い空間か、燃えているか凍っているかといったステージばかりですからね(笑)。

柴田
 地獄を祓うからこそ、そしてオープンフィールドになったからこそ、明るい『仁王』の側面も描けた部分があると思います。

――そして平安時代は、やはり少しファンタジックな作りにもなっているなと感じました。氷の足場を渡っていったりですとか。体験した範囲はステージの序盤のみでしたが、全体はどのような作りになっているのでしょうか?

柴田
 もちろんすべてをファンタジックにはしていません。ある程度平安時代らしい建物や場所がありつつも、局所にファンタジックな場所が入り混じることで、プレイヤーの冒険心をくすぐるようにしています。冒険するなかで、異様な場所が目の前にあったら行ってみたくなりますよね。もしくは、間違いなく脅威が待っていることが予想できるでしょう。そういったことを踏まえつつ、リアルとファンタジーのバランスを取ったデザインにしています。

――発表されている段階では平安・戦国・江戸の3時代が登場するそうですが、ほかにはどれくらいの規模感で時代を超えるのでしょうか? たとえば現代に行ったりとか。

安田
 これだけは言えますが、現代には飛ばないですね(笑)。現代に現れる妖怪と戦うとなったら、設定的にどうすればいいのかもわからないです。

 どの時代が舞台になるのか想像しながら続報をお待ちいただければと思いますが、突拍子もない時代に行くことはさすがに無いです。また、ひとつひとつの時代を深く描いていることもあり、ものすごく多くの時代を舞台にしているわけでもありません。
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――さまざまな時代に登場する偉人たちを中心に、妖怪たちが絡む『仁王』シリーズらしい物語が展開されるのでしょうか。
柴田
 そうなります。描きかたとしてはこれまでのシリーズ作品と同じですが、今回は時代を越えることが物語の主軸ですので、そこに主人公の竹千代、そして敵役である国松の因縁も絡んでいきます。

――楽しみにしています! 主人公はキャラクタークリエイト式で、竹千代という存在であることは以前から公開されていましたが、今回竹千代の立場についても明かされました。具体的にはどんな人物なのでしょうか。

柴田
 将軍である竹千代は、弟の国松にその座を奪われるところから物語が始まります。竹千代は戦国時代に生まれていないので、戦いよりも平和を好むような性格です。物語の序盤は自分が将軍にはなりますが、なぜ将軍にならなければならないのかまだわからない、未熟な若武者です。

 そこから国松に追い詰められるのですが、次第に時代を超えて、自分の使命や信念が芽生えていきます。若武者が最終的には真の将軍になる物語になっています。
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――竹千代と言えば徳川家康の幼名を彷彿とさせますが、徳川家康はすでに『仁王』に登場していますよね。徳川家はほかにも竹千代の幼名がいたりもしますが、どんな関係になっているのでしょうか?
柴田
 そこはぜひ続報などをお待ちいただければと思います。

――わかりました。その竹千代のライバルと言いますか、因縁の相手となるのが、国松です。本郷奏多さんが今回演じられていますが、なぜ本郷さんを抜擢されたのでしょうか?

柴田
 国松は逸話がいろいろと残されており、容姿端麗で聡明な青年なのですが、家族の問題などを通していわゆる“闇落ち”してしまった男です。そのギャップを両立させながらもクールな役どころとして、本郷奏多さんのイメージがぴったりだと考えました。
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――本郷さんとの収録エピソードはありますか?
柴田
 ふだんのご活躍もそうですが、ご自身のYouTubeチャンネルでも動画を公開していますよね。実際にお会いしてみると、本当にあのままのイメージで爽やかな方でした。収録にもとても協力してくださって、演技もやはりすごくじょうずで、スムーズに収録が進んでいきました。むしろ我々のほうが少し緊張もあったのかなと思いますが、本郷さん自身ゲームがお好きな方ですから、いろいろとお話もしてくださってすごく楽しい収録になったと思います。

――国松といえば、おそらく後の徳川忠長ですよね。いい逸話もありますが、悪い逸話が有名ですので悪役としてはバッチリな存在に見えます。

柴田
 そうなのですが、国松も決して最初から悪い人間だったとは思っていません。そこをうまく描きたいと考えて、今回の物語に取り入れています。
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――そして、今回は卑弥呼も公開されました。卑弥呼といえば邪馬台国の卑弥呼なのかなと思うのですが、どうなのでしょうか。
柴田
 まさに邪馬台国の卑弥呼です。芯が強く大きな使命を背負った女性なのですが、卑弥呼もまた不思議な力を持っています。そこは今後の続報をお待ちいただければと思います。
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――ストーリー、そして主人公にはどのように関わっていくのでしょうか?

柴田
 これまでは戦国時代が中心でしたので、あまりにも特別な力を持った存在ですとか、強力な影響のある人物を登場させることは難しかったのですが、今回は時代を巡ります。また、竹千代と国松の物語はありつつも、それを別軸から俯瞰的に見るような存在が欲しいと考えました。その立ち位置が卑弥呼になっています。

――そんな卑弥呼を土屋太鳳さんが演じられますが、土屋さんに決めた理由はありますか?

柴田
 強く芯の通った女性で、和装姿が際立つ女性は誰か考えたときに、土屋太鳳さんがイメージで浮かんできました。いろいろなドラマや映画などの作品を見ても、やはりイメージ通りに芯の強さが感じられたので卑弥呼役をお願いすることにしました。

 土屋さんはゲームに出演することは初めてだったそうなのですが、とても素晴らしい演技で、音声収録もとにかく“すごい”と感じさせられましたね。

ダウンロードコンテンツは2部制に

――今回、シーズンパスも発表されました。シリーズ作品のように追加ステージ、追加ストーリーがダウンロードコンテンツとして配信されると思いますが、イメージとしてはこれまでのように3つのコンテンツに分けて配信されるのでしょうか?

柴田
 今回のダウンロードコンテンツは、2部構成を予定しています。3つに分けてしまうと細かい舞台を描くことになりますし、オープンフィールドとしての広い空間とぎっしりと遊びの密度をお届けするとなると、ふたつの形に分けたほうがいいだろうと判断しました。

 そのぶんダウンロードコンテンツのボリュームはこれまで同様、かなり遊び応えのある追加コンテンツを提供できると考えています。

 ダウンロードコンテンツ自体は個別に遊ぶこともできますが、物語はふたつのダウンロードコンテンツが地続きになっているので、ぜひ通して遊んでいただきたいですね。

――もちろん本編だけでストーリーは完結するんですよね?

柴田
 はい、もちろん完結します。追加要素として真のエンディングが見られたりするわけではないです。

安田
 主軸となっている因縁には本編でしっかり区切りがつくようになっています。ダウンロードコンテンツなしでも楽しめますのでそこはご安心ください。

柴田
 より詳細な内容につきましては、まずは本作が発売してからお伝えしていければと思います。本編の開発自体まだ終わっていませんから。

――では最後に、読者の方々にメッセージをお願いします。

柴田
 α体験版でいただいた意見をもとにさまざまな改良を加えましたので、TGSでぜひ体験していただきたいです。また、今回発表された要素で『仁王3』の世界の広がりを感じていただけると思います。ぜひ想像しながら、今後の続報にも期待していただきたいです。

安田
 いただいた意見を参考しながら、完成に向けて現在も開発しています。その途中のバージョンではありますが、改善された要素は短いプレイ時間でも感じていただきたいですね。仁王シリーズとしては6年ぶりにTGSへの出展となるので、皆さんとお会いできることを楽しみにしていますし、皆さんが試遊されている様子も、開発一同チェックさせていただきます。
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