野狗子: Slitterhead(プレイステーション5)のレビュー・評価・感想情報
ホラー、異形の化け物、視界ジャック、群像劇、謎多き物語、そして高低差を使ったアクションなど、過去の外山作品のエッセンスがふんだんに散りばめられた密度濃い街の探索にハラハラドキドキ。物語・戦闘・探索のすべてに関わる“憑依”が、本作の色濃い個性で、とくにか弱い人間に憑依し、数で化け物に対抗していくバトルは、ほかのホラーアクションと一線を画する異質の手応えと戦術性を味わえる。
週刊ファミ通1873号より
エキゾチックで妖しげなムードの中進行するミステリアスな物語に引き込まれる。複数の登場人物の視点とタイムループの要素も絡み合うミッションの構成も、先が見たくなります。憑依する宿主を変えつつ、ときには周辺の一般人を使い捨てるように利用して探索や戦闘を行う仕組みは、独自性があっておもしろい。“稀少体”どうしの能力のシナジーもあり、多人数を操って立ち回る戦略性が新鮮。
週刊ファミ通1873号より
つぎからつぎへと憑依をくり返しての探索や戦闘は、比類のないプレイ体験。スキルの異なるプレイアブルキャラを切り換えるのはもちろん、通りすがりの一般人まで活用できることで、戦術もドラマも広がりを見せます。暗い空間で注意深く行動する場面が続き、どっと疲れますが、妖しさも漂う映像の雰囲気は抜群です。古典的なSFのエッセンスとエキゾチックな香港の相性がよく、興味をかきたてられます。
週刊ファミ通1873号より
思念体的存在の主人公と“稀少体”(たち)のバディ・ストーリーを箸休めにしつつ体験できる、モブキャラを生体機械として乗り捨てていくドライブ感に、“生命”の本質が宿っている気がします。アクションゲームとしては、追跡パートがやや冗長とか、難易度ノーマル以上は敵の隙が極端に少ないなど気になる点はありますが、舞台となる街の猥雑さのリアリティーで、そういうものかなと納得できる面も。
週刊ファミ通1873号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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